N号棟
劇場公開日:2022年4月29日
解説
「成れの果て」「街の上で」の萩原みのりが主演を務め、2000年に岐阜県富加町で起きた「幽霊団地事件」の実話をモチーフに描いた都市伝説ホラー。とある地方都市にある、かつて心霊現象で話題となった廃団地。死恐怖症を抱える大学生の史織は、同じ大学に通う啓太や真帆と興味本位でその廃団地を訪れる。そこにはなぜか多くの住人たちがおり、史織たちの前で激しいラップ現象や住人の自殺が続発。しかし住人たちは顔色ひとつ変えず、怯える若者たちを仲間にしようと巧みに誘惑してくる。神秘的な体験に魅せられた啓太と真帆は洗脳され、追い詰められた史織は自殺者が運び込まれた建物内へ入り込むが……。共演は「フェイクプラスティックプラネット」の山谷花純、「夏、至るころ」の倉悠貴、「淵に立つ」の筒井真理子。「リトル・サブカル・ウォーズ ヴィレヴァン!の逆襲」の後藤庸介が監督を務めた。
2021年製作/103分/PG12/日本
配給:S・D・P
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2022年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
後藤庸介監督はテレビドラマ畑で10年以上キャリアを築き、2020年の商業映画監督デビュー作「リトル・サブカル・ウォーズ ヴィレヴァン!の逆襲」も連続ドラマの劇場版。「世にも奇妙な物語」の演出・プロデュースもたびたび手がけたようで、長編第2作となる本作にもその名残が感じられる。
あるインタビューで後藤監督は、「ミッドサマー」と黒沢清監督の「CURE」が好きで、オマージュを入れたと明かしている。その並びで言えば、黒沢監督作「回路」に出てきた不意を突かれる投身自殺のシーンは、「ミッドサマー」にも似た描写があるし、この「N号棟」にもやはり出てくる。そんなわけで、黒沢ホラー諸作の影響も認められるが、たとえば集合住宅の各階の通路で住人たちが異常行動を繰り広げるシーンなどは舞台劇風でもあり、演出が単調にならないよう工夫されているとも感じた。
萩原みのりの出演作では、久保田紗友とW主演を務めた2017年の菊地健雄監督作「ハローグッバイ」が大好きで、あれから5年で人間的にも演者としても確実に成長したようだ……などと考えたところで、そういえば昨年公開の「街の上で」でも見ていたっけ、と思い出した。筒井真理子の存在感、穏やかな表情で底知れぬ恐ろしさを醸し出す表現力は相変わらず見事だ。
新感覚ホラーとの事。
全体に禍々しく怪しげな雰囲気がする作品。
演技も良い感じでしたが、内容が良く判りませんでした。
途中で起きた事も説明なしでおきざりにされた、作品でした。
古い団地特有の暗く、薄気味悪さはとても感じるけれど、思ったほどの怖さはない。団地の人達が人間なのか霊なのかよくわからず、ラストもよくわからず、死体損壊の意味もよくわからず、主人公の自分勝手な性格も少しイライラ。筒井真理子さんは好きなので、そこはよかったかな。
ネタバレ! クリックして本文を読む
睡眠障害のある女子大生の主人公が、岐阜の幽霊団地と呼ばれる廃墟に元カレ&その彼女と取材旅行に行き、奇妙な団地の住人たちに会い、怪異に巻き込まれていく話。
主人公が自己中クズで、彼女がいる元カレと平気で浮気もするし、自殺者が出てもカメラを回そうとするし、拘束された縄で食事持ってきた人の首を絞め、泣いて許しを請う人に向かってアイスピックを何度も突き刺す。何なんだ…。
元カレの今カノが聖人なので、通常ならこちらが主人公になるところを、クズを主人公にしたせいで、胡散臭い団地の住人たちに対して逃げたり迎合もせず、他者を傷つけることを厭わないため次に何をするかわからない謎のハラハラ感。
終盤、団地のリーダーの女性が「死は怖くない、あなたも死になさい」とナイフを渡そうとするが、この主人公にナイフを渡したらどんなことになるか…、映画を見た全員が察したに違いない…。
ホラー映画として考えると、クズを主人公にすると主人公に何があってもほら見たことかと穏やかに見ていられるし(良いのか悪いのかはわからない)、逃げるだけではなく反撃するし、積極的に真相を探ろうとするし、心がないので死人が出てもカメラも回そうとする。
受け身ではないのでストーリー進行に便利で、何をするかわからない攻撃性があるのでどう転ぶかわからず展開にハラハラする。(主人公が危険すぎて)
大学の教授や団地の住人たちの死生観がイマイチ…終盤の団地リーダーのシーンも微妙。
団地の住人たちが死んでない理由になっていないので、そこはもう少し哲学的に掘り下げて欲しかったなと。
ただラストの病院シーンは思想と行動と結果が繋がって理屈的にはすっきりして嫌いではない。予定調和ではあるし、あの暴れん坊主人公が小さく収まった感があって残念ではあるけど。(組織壊滅までしてほしかったけど、理屈的に繋がるほうが好みではある)
白(ベージュ)赤黒の画面内に、主人公だけ青い異物感は好き。団地リーダーの服のキモさ(ボタンを目にして腹から異形が覗いているような)が上手い。
主人公の堀が深くて、(ライティングからか)顔が誰よりも一番怖いのも好き。
全体的に人に勧めるほどではないけど、個人的に好きな部分はある。