劇場公開日 2022年12月16日

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ケイコ 目を澄ませてのレビュー・感想・評価

全268件中、261~268件目を表示

2.0ナイスステップ

2022年12月16日
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単純

難しい

寝られる

先天的に耳の聞こえない実在の女子ボクサー小笠原恵子氏をモデルにしたドラマ。

2020年12月、デビュー戦を勝利した主人公が2戦目に向かい準備をしているところから始まって行き、コンビネーションのミット打ち良い音させてるね~と思ったら、8割ミットマンが…まぁ実際もこのぐらいの経歴だとそんなものか。

荒川拳闘会にやって来た経緯を説明しながら、ジム閉鎖への流れになって行くけれど、出し倦ねる手紙の真意は…。

女性ならではの思考なんだろうけれど、何だかイマイチ釈然としないのは、やっぱりハングリーさとかボクシングに懸ける思いみたいなものが伝わって来ないからですかね。
この時点でそれ程の思いがあった訳でもないのだろうけれど。

どちらかというと主人公よりも関わる人物を主に、丁寧に丁寧にみせている様な感じで、主人公がそれに呼応する様もあまり感じられずのっぺりしている印象。

最後は少し気概も見えたけれど、これと言って刺さるものはなかったかな。

作品とは関係ないけれど、隣席のお方がコメディ映画みたら笑い死ぬんじゃないかってぐらい、終始フガフガとわかってるふりの笑っているふりをしていて鬱陶しかった。

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Bacchus

4.5今週はアバターに押されるとは思うけどこちらもぜひ。

2022年12月16日
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今年364本目(合計639本目/今月(2022年12月度)17本目)。

 ※ 以下で「健常者」という場合、「聴覚障害をお持ちの方」に対しての対義語として用いる(狭い意味)ものとします。

さて、こちらの作品です。
一応、原作小説を参考にしていますが、「一部において着想を得た部分はあるが、内容はフィクションです」とでます。そもそも時代が異なる(映画内ではコロナ事情の2020~2021年が描かれているが、原作小説および、想定される「実在の人物」の方の活動時期が違う)というように違う点はかなりあります。ただ、「大筋において」は同じなのでしょう。

内容に関しては他の方が書かれているので、ちょっと別の観点から書きます。

 個人的には、この映画が良かったし多くの方に見ていただければ、と思うのですが、いくつか気になる点もあります。
ひとつは、この映画が「デフォルトで」バリアフリー上映でない点でしょう。映画の趣旨的にどうしても当事者がいかれることが想定できるのに、バリアフリー上映が朝の非常に行きにくい時間帯にしか設定されていないなどです(ただ、この点は映画館の裁量の話)。実際、趣旨内容的にバリアフリー上映であるべきものに関して字幕をつけたら誰かが文句を言うのか…というと、これだけ障がいをお持ちの方が社会に進出している今日ではちょっと考えづらく、また、それについて「字幕がいちいちうるさい」というのも何か違う気がします(映画の趣旨として、ということを特に重視した場合。本来的には「すべて」がバリアフリー上映であるべきでしょうが、今は過渡期)。こういった点(作品「そのもの」をデフォルトでバリアフリー上映にすべき)がちょっと気になったところです。

 また、海外と日本で事情が異なるものとして、こうした映画(ほか、視覚障がい等)を扱う映画は、海外ではできるだけ当事者の俳優をあてるようになってきています。いわゆる「社会的なマイノリティの方が出るべき作品に出てこない」といった問題です。このことは直接的には当事者の雇用、あるいは、間接的には「当事者から語られる、「より正確な」文化の伝え方(ここでは、ろう文化)」という論点が存在します。結局、こうした問題は、「映画や演技を学ぶ場所で、当事者に情報に接する機会の保障がない」という現状の日本の過渡期の事情があり、今は過渡期なので仕方なし…とも思えますが、「今は」であって、さらに5年後10年後もこういう、「当事者不在」のままで作品がつくられること、それ自体に少し危機感を持つところです。

 ※ なお、これらのことは、この映画の出演者の方を否定するものではありません。

 採点対象としては以下が気になったところです。

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 (減点0.3/上記にのべた事情(デフォルトでバリアフリーでない等))
 ・ どうしてもこの点は気になります。バリアフリー上映にしたところで、結局元のフィルムに字幕版がつくだけで、そもそも「バリアフリー上映回」も存在する以上、映画館はどちらのフィルムも持っているはずです。にもかかわらず、1日5回の上映で1回しかないというのは、ちょっと均衡を欠くというところです(そもそも、デフォルトでバリアフリーにしていれば、この問題は起きないので、他事考慮ではなく映画そのものへの指摘)。
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 (減点なし/参考/手話の表現の差について)
 ・ 途中で自己紹介の話が出ますが、「名前」を表す手話は関東と関西とで違います(実際はより大きく分かれますが…)。関東圏では、映画内でもあるように「印鑑を押す表現」であり、関西圏では「胸のところに指で○を作る表現」(要は、小学生の「名札」の位置に○を作る)です。

 このように手話表現そのものにも「方言」はあります。

 ※ 日本では、手話は「言語」です(改正障害者基本法(平成23)/「全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段について…」)。

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yukispica

5.0本当にしたいことがあるわけではない、しかし、、、。

2022年12月16日
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鑑賞方法:映画館

2022年。三宅唱監督。生まれつき耳の聞こえない女性ボクサーの自伝を元にした映画。主人公ケイコは下町のボクシングジムに通うプロボクサー。耳は聞こえないが初戦を勝利している。ところが、心の底からボクシングをしたいわけでもないことに戸惑っているうちに、ジムの閉鎖が決まって、という話。
何がしたいのかわからないままやってみたらできてしまうことがあって、それを続けるべきかどうか悩む、という「有為の人物の自分探し」という映画ジャンルがある。一時期のマット・デイモンが体現していたもの。本作もその系譜につらなる素晴らしい作品。セピア色の懐かしい感じがよくでるフィルムも、練習中のボクシング独特のリズム感もすばらしい。
とくにすばらしいのは音響。「目を澄ませて」は観客への命令なのかと思うほど、音響を文字通り言葉でしっかり見る必要がある。映画の性質上、音響についての字幕があるが、これがともかく素晴らしい効果を発揮している。普通に映画を見ている限り、今聞いているのが「遠くの方工事をしている音が聞こえる」とか「子どもたちの声が小さく聞こえる」とは意識しないが、字幕として言語化されるのでそれがいやおうなく意識される。ボクシングの縄跳びや吐く息の音までそれと意識させられる。言語が意味を分節化していくものであることがいやというほど明らかにされる。それに対して、映像は複数の意味を同時にあいまいに共存させる。この映画は、聞き過ごしてしまう音を言語化して「目を澄ませて」見るようにと強いたうえで、同時に、言語化できない複数の意味を提示する映画なのだ。冒頭からのボクシングシーンでこのことは十分に堪能できる。

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文字読み

4.5内容、雰囲気、質感がうまい具合に調和

2022年12月16日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

主演と助演の方々、素晴らしいパフォーマンスでした。映像の質感も非常に良くて、音楽や音の使い方も絶妙で、全ての良さが見事に融合して、雰囲気ある良作だったなぁという印象です。
色んな要素を盛り込んだ内容で、一つ一つが特異だった気がしますが、妙にリアルで生々しさを醸し出していたので、個性的な作品ながらもなぜか身近に感じてしまうくらいに感情を揺さぶってきたので、相当じんわりと来ちゃいました。
思ったよりも物静かな映画でしたが、それはそうかと思わせる説得力もあり、期待を裏切られたようで実はそれこそが期待通りだったのかなーとか、とにもかくにも良き作品であることは間違いありません。

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SH

4.0悩み迷い

2022年12月16日
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立ち止まり、また踏み出そうとしてもなかなかその一歩を踏み出せない
好きで信じてやってきたことを続けるのも辞めるのも辛いし怖い
痛いほど気持ちが伝わってきた
岸井さん凄い

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m m

4.5"日常"に勝るドラマ無し!!  耳の聴こえない女性プロボクサーがままならない日常のノイズに怯えながらそれでも下町の空の下で日々の積み重ねを生きる人生応援映画

2022年12月14日
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鑑賞方法:試写会

Filmarks試写会にて鑑賞。
 "耳の聞こえない女性プロボクサー"というプロットから大仰な物語を想像するが,本作はあくまで事件性の無い日常を描くその圧倒的な情報量と迫力!
敢えて16mmフイルムで撮られた荒川の下町の景色は清貧で,際立った環境音は快い音楽のよう…
ケイコの等身大の不安、煩悶、焦燥、そして安らぎに自然と思いが寄せられる。
日常に勝る物語無し!
 主人公の人物像からして、ともすれば"耳が聞こえないことによって生まれる苦悩と感動のドラマ"を想像してしまいますが、そこは独特の話運びと映像センスを持ち合わせた三宅監督らしく、劇的な出来事ではなく起伏の乏しい日常の積み重ねを、明光風靡な景色ではなく下町の何気ない片隅を、敢えてデジタルではなくしかも情報量の少ない16㎜フィルムで撮影した"日々の一回性"を大事にした稀有な作品に仕上がっています。
 主人公の持つハンディキャップを強調はせず、本来であれば最大の盛り上げ場でカタルシスとなるべきボクシングの試合もあくまで日常と対等かそれ以下ぐらいの比重で語られております。
 作品内容とは対照的に作品が観る者に投げ掛けるメッセージはアンチドラマツルギーとも言える挑戦的なものとなっており、"面白さ"の前提条件を根底から覆すような作りです。

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O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)

3.5僕らは耳を澄まして、目を見開く=この結局分かり合えない世界を注意深く見る

2022年12月9日
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コロナ禍の閉塞感漂う世界で一歩踏み出すこと、何かしらの理由で壁にぶち当たって立ち止まった人々がまた走り出すまでを丁寧に描き紡ぐ日常。劇伴のない中で環境音だけが普段より大きく際立つ世界は、耳の聞こえない人を主人公に据えた他の作品の一般的な演出方法とは異なるアプローチで、観客の安易な"共感"=知ったつもりを拒む。そうやって断絶されながらも、同じなんだと知る。テンポ・リズムを刻んでは人生を踊り、駆け抜ける。
画が良くて、例えば河辺の橋の下、電車が上を通り過ぎる中で主人公ケイコがこちらに向かって歩いてくる夜のカットとか痺れた。そのカット関連で言うと、"点滅"という状態も印象に残った。母親が「もうボクシングやめたら?」と説得するときの踏切のカンカン音(だけ)、電車の通る河辺の橋の下、そして家の呼び鈴を告げる光…と順を追って、最初は光源が見えなかったものが見えて、最後は光だけが顔を照らすという(考え過ぎかもしれないけど)具合。
未来が見えなくて、語弊を恐れずに言ってしまえば息苦しい作品。でも…。分かっちゃいたけど、やっぱり岸井ゆきのが凄かった。本作を見る理由そのもの。そして三浦友和演じるコーチも良かった。監督の寄り添うような、だけど決して湿っぽくなりすぎない絶妙な距離感の中で、二人の体現するキャラクターの人生が最終的には確かに動いていた。これを見た僕らも、微かに射し込む光へと向かって走るんだ(病院、丘の上)!

P.S. 主人公の弟とその彼女のカップル、もしかして小松菜奈主演『ムーンライト・シャドウ』の氷魚の弟カップルと一緒?

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とぽとぽ

2.5「一度休みたいです・・・」

2022年12月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

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いぱねま