「ある程度の知識は必要!だが良かった」オペレーション・ミンスミート ナチを欺いた死体 ぼんばぁさんの映画レビュー(感想・評価)
ある程度の知識は必要!だが良かった
ポスター見た瞬間に観に行こうと決めた映画
コリンファースが出る諜報機関ものってだけで、「キングスマン」を思い出してワクワクした。もちろんそんなドンパチじゃないのは端からわかっていたけど。
低評価の人が多くてびっくりしたけど、話展開は割と早いし、第二次世界大戦時の英独を中心とした各国の動きをすんなり把握していかないとすぐ置いていかれる気はする。
主役たちが動いて作戦を進めていくんじゃなくて、主役たちは裏で動くので、会話劇になりがちだし、退屈になる人が多いのはわかる。
でもそれはもったいない!
第二次世界大戦時、イギリスはヨーロッパ侵攻のためにシチリア島を押さえる必要があった。けれども、島って基本的に攻める方が不利。海岸で待ち伏せられたら被害は甚大。ただでさえイギリスは北アフリカ戦線を張った戦争で一進一退が続いて犠牲者が増えていた。これ以上無駄な犠牲者は出せない。
そのためにシチリア島に展開するナチスドイツにはシチリア島から離れてもらう必要がある。でも、シチリア島が要になるのは当事国の指導者全員わかってた。そんな中で、イギリスは大博打を打つ。歴史上稀に見る大博打。
それがミンスミート作戦
ミンスミート作戦は少し聞いたことがあったくらい。
(ミンスミートって調べたら、イギリスの挽肉の保存食。なるほど「死体肉の保存」ね)
作戦立案したら今度はいかにして「自然に」嘘を伝えるか。死体探しやら持ち物の準備などをみんなで考えていくのは面白かった。バカリズムと井浦新の「殺意の道程」のような。
「自然さ」を生むために、死体に肩書きや生い立ち、ロマンスも考えていく。そうして、存在しない男に肉付けがされる。肉付け作業をしているユーエン(コリンファース)達は楽しそうだった。
ロマンスは、作戦に携わる女性たちを映すようで泣きそうになった。実際そうなんだろう。
最後のユーエンとチャムリーの会話は本当に良かった。
自分達の行動を賛美もせず、安堵感が広がる。
もう少し長くていいから、展開をもう少しゆっくりにして、観客の理解を助ける部分は欲しかったかなー。
特にスパイとか戦時欧州の状況とかは欧米人以外には馴染みは薄めだし…
でも、時代背景を多少なり知ってたらめちゃくちゃ面白いと思います!