ガンパウダー・ミルクシェイクのレビュー・感想・評価
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女性主体のアクション映画の可能性を探った意欲作
男性側のファンタジーを押し付けることなく女性が主体のアクションを成立させようという監督の意欲と挑戦はとてもよくわかる。実際、性差やセクシャルなアピールを排したアクション描写はとても風通しがよく感じられる。ただ、フェミニズムのテーマは、監督の真摯さは疑わないものの、いささか付け焼き刃というか、掘り下げ不足に感じられるきらいはある。図書館や女性作家の引用も、アクションとテーマが融合しているようには見えないし、男性社会に物申すメッセージも唐突にセリフで説明された感はある。とはいえ、この意欲が時代を進める一歩であることは間違いないと思うし、もうカレン・ギランが両腕を麻痺させられて戦うアクションシークエンスと、続くカーチェイスが面白すぎて、最高のシーンを見せてくれてありがとうございました!という気持ちが一番の感想だったりします。
カレン・ギランの乱闘ぶりはなかなかのもの
決してゼロからイチを生み出すタイプの映画ではない。いわゆるタランティーノ作品や『ジョン・ウィック』シリーズへの憧れが湯水のように溢れるさまをどう受け止めるか。使い古された表現を甘受できるか。それによって感じ方は変わるはず。個人的なことを言わせてもらうと、意外にもこのテイスト、じわじわ旨味が出てきて楽しめた。序盤こそ誰もがたっぷりとセリフを弄び過ぎて間延びした感じさえしたものの、後半には個々のキャラクターの持ち味と感情とが絡み合い、この新鋭監督の演出はうまくノり始める。なおかつ、ボーリング場から図書館まで、色とりどりのネオンライトに照らされた「ここ、どこの国ですか!?」と問いたくなるほどの独創的な美術が面白く、マーベル映画でおなじみのカレン・ギランが長身を活かして次々と繰り出す血生臭いアクションも魅せる。何より指先まで神経を行き渡らせた身のこなしが気持ち良い。自分にとって思わぬ拾い物だった。
待望のカレン・ギラン主演活劇! 続編決定も大歓迎
「ザ・サークル」のエマ・ワトソン演じる主人公の親友役で初めてカレン・ギランという女優を認識し、フィルモグラフィに「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」とあったがあれ出てたっけと調べたら特殊メイクで美貌がほぼ分からないネビュラ役だったと気づき、なんてもったいないと嘆いたものだ。その後「ジュマンジ」シリーズの主要キャラクターでも身体能力の高さを見せつけ、早く単独主演作が作られないかなと待ち望んでいたが、ようやく本作で願いがかなった。
監督・脚本は「オオカミは嘘をつく」の後味の悪さをよく覚えているイスラエル出身のナボット・パプシャドで、こんなオタク趣味全開の女殺し屋アクションを撮るなんてちょっと意外。仏・独・米の合作体制で、撮影もドイツで行ったこともあってか、典型的なハリウッドのアサシン活劇とは若干趣が異なり、作り込んだ世界観と少しひねくれたユーモアにニヤリとさせられる。
アクション場面も豊富なバリエーションで楽しませる。ボウリング場での“三バカ”との初戦では長回し、クリニックでは両腕が麻痺したサムと重傷の三バカとのハンディキャップ戦、終盤のダイナーでは同時進行する壮絶な撃ち合いを超スローモーションで情感たっぷりに、といった具合。「ジョン・ウィック」シリーズの闇社会のネットワークや、「シン・シティ」のようないかにも作り物っぽいセットなどの影響も感じられるが、雰囲気がより近いのはザック・スナイダー監督の「ウォッチメン」、「エンジェル ウォーズ」(重要な役で出ていたカーラ・グギノが、本作では図書館員マデリン役で登場)あたりだろうか。
昨年の時点ですでに続編の製作が決定したようだ。カレン・ギランは現在34歳、体が動くうちに主演活劇をたくさん見せてほしい。
タランティーノ作品が好きな人は見ておきたい、エッジの効いたアクション・スリラー映画。日本愛を感じられるのも良い。
本作は、前作がクエンティン・タランティーノに「本年度最高傑作」と絶賛され、所有する映画館でプレミア上映された監督作品というのが一番分かりやすい紹介かもしれません。
まさにタランティーノ作品を見ているような錯覚さえ起こす、映画愛に溢れたアクション・スリラー映画となっています。【決してタランティーノ作品のようにエグ過ぎるわけではなく、ミルクシェイクのような作品なのでご安心を。ただしガンパウダー(火薬)入りですが…】
カタカナや漢字などが小道具にチラホラ出て、エッセンスの1つに日本愛を感じられるのも良いです。しかも「なんちゃって日本」ではなく割と正しく使われています。
本作の主演は、あの大ヒット「ジュマンジ」シリーズで、ゲーム内で「戦う可憐な女性」を演じるカレン・ギランです。あのキャラクターは魅力的だったので「彼女が主役だとこういう作品になる」という視点で見ると分かりやすいと思います。
途中から登場する女の子の存在も良く、何気に笑えるシーンもあります。
ポール・ジアマッティなど名優が登場しますが、本作の弱みは意外と日本では知られていない俳優陣が多いということでしょうか。ただ出来は良いです。
日本の漫画の映画化的な
キャストが微妙に豪華で、予算もかなり使ってそうだけど、B級の香りが漂っていた。日本の漫画の感じを実写でやりたがるフランス系のアクション映画って大体こうなるのは何なのだろうか。で今作、軽妙さを演出したいのか、オフビート感を醸し出したり、漫画っぽさを強調しているので緊張感が全くなく、ストーリーも含めて弛緩していて残念だったが、男性陣が全て悪人で女性陣が全て善人側という作り手の徹底ぶりと、そんな女性陣が中心となったガンアクションは見応えがあって、他の同ジャンル映画との差別化はちゃんとなされてた。あと主役のカレン・ギランは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のネビュラの人だけど、特殊メイク無しだとおんなじ人という感じがしない…。
是非、続編を
アクション映画は得意じゃ無いが、
観れてしまう面白さがあった
やはり小道具や一級アクション
セットの小気味良さからだろうか
女たちの闘いにちょっと
涙が溢れましたよ……
とんでもない力がありますよ
いやー本当に
ガンパウダーミルクシェイク2
待ち望みますよ、、
というか大人になった二人が
ミルクシェイク飲むシーン、
絶対あると思ったけどなかったなあ。
アクションの見応えは十分
組織に所属する女性の殺し屋が、巻き込まれた少女を助けながら敵対組織と対決する物語。
世界観がジョン・ウィックを思わせる作品ですね。
シニカルな笑いを織り交ぜながら、ハードなアクションを繰り広げます。
ミシェル・ヨー等の豪華なゲスト女優も巻き込んだクライマックスでは、多種多様な武器を使用しての集団ファイト。迫力があり見応え十分でした。
少し残念なのは、所謂『敵』が少し曖昧なところでしょうか?
公認会計士の娘を誘拐した一味がいて、所属の組織に狙われ、そしてその敵対組織にも狙われる。一本の映画では少し多すぎるように感じます。
『敵』をしっかりと描いた方が映画に芯が出来ると思うので、その意味では物足りなく感じました。元々の所属組織を『敵』にしても良かったのではないでしょうか?
私的評価は4にしました。
ウェスアンダーソン+ベイビードライバー+ジョンウィック
女性の強さが前面に出てて現代ぽいなあと思いながら、そこまで鼻につく感じではなく。
アクション格好いいしスプラッタレベルも言うことなし、なのに全体的にとてもオシャレ。でもテンポがなあ…もう少しサクサク進んでくれた嬉しかったかな。
タイトルの作品(監督)要素が好きなら見て損はないと思いました。
軽めが良い
王道のストーリーだからこそ、新しい”見せ方”が際立った作品。
アクションは素晴らしいの一言で、フィクションであることの利点を存分に活かしていたと思う。
単純に映像としても楽しめるので、軽く何か見たいときにうってつけ。
面白かった♪ たまには、こういう映画、映画したのもよろし。 シリア...
面白かった♪
たまには、こういう映画、映画したのもよろし。
シリアルのパッケージ表示や、Tシャツにマシュマロと日本語で書かれていたり、富士山じゃんな背景や、松の盆栽が飾られていたりと、
このクリエイターの感受性が面白い。
ダイナーは、アールデコだし、図書館もオシャレだし、スプラッターっぽいが、オシャレな映画。
《スカッとします》
題名からしてユニークで、女の子っぽい!!
Gun powder Milkshakeって、新鮮!!
映画はアイデアとテクニックと度胸があれば、
こんなユニークでお洒落で面白い映画が作れるんだ!
女の子の殺し屋サム(サマンサ=カレン・ギラン)の母親も
殺し屋だった。
15年前、12歳の時に母親(レナ・ベディ)に捨てられた。
サムもまた、女殺し屋で身を立てている。
所属するファームのネイサン(ポール・ジアマッティ)からの依頼は、
持ち逃げした金を取り返す仕事の依頼。
ファームの金を持ち逃げした会計士の金を取り戻すこと。
会計士を銃撃したら、会計士は娘を誘拐されてその身代金を
作るためにファームの金を盗んだのだった。
会計士はサムに娘のエミリーを助けてくれと頼む。
引き受けるサム。
8歳9ヶ月のエミリーは登場。
可愛くてオマセで賢い。
ネイサンの手下の3バカトリオが追ってくる。
ファームお抱えの医者は入れ知恵されている。
サムは腕の麻痺する注射を打たれて腕が使えない。
この病院のアクション、見事に裏をかいてる。
追っ手の3バカはサムに痛めつけられて、
松葉杖やら車椅子。
サムは両腕麻痺の満身(半身?)創痍。
このアクションは面白かった。
その後、逃走のため地下駐車場へ。
腕を使えないサムは、エミリーに運転を教える。
サムの膝の上でエミリーはハンドル操作とギアチェンジ。
サムはアクセルとブレーキ。
リバース(バック)してカーブ(急旋回)する。
カーチェイスはスピード&スリル&迫力があった。
エミリーとサムの運転は最高!!
ワクワクするシーンだ。
さあて武器の調達だ。
そこで武器販売店が図書館。
このアイデアこれまたイケテマス!!
おまけにサムの母親のスカーレットの元同僚のオバサマたちが、
中々渋い配役なのだ。
アンジェラ・バセット。
ミシェル・ヨー。
カーラ・グギノ(正直言って、この人あまり知らない)
ともかくキャリア・バリバリ
(早く言えばチョッコシ盛りの過ぎたオバさま女優たち・・・
(実力と貫禄は有り余ってますが、)
図書館のアクション・シーンも最高でしたね。
ザ・ファーム(サムの所属する殺し屋の組織)が追っ手をバンバン送ってくる。
図書館の銃撃戦。
アンジェラ・バセットもミシェル・ヨーも参戦します。
2階からライフルとか、ストップモーションに撒かれる煙幕とか、
演出のテクニックが大変なことになってます。
ラストのダイナーでのアクション・シーンも凄い。
アクションは男・・・そういう常識が崩れますよ!!
女性たちが四方八方に目が向き、死角がない、隙がない。
逆に言えば、男たちは隙だらけ!!
比較しちゃ悪いですけど、
「355」
あの映画の製作費。7500万ドルです。
国際派の美人有名女優を使い(こちらはスパイですが、)
モロッコ、フランス、イギリスでロケして、大コケでした。
こちらは、
ボーリング場、ビデオ屋、病院、駐車場、図書館、
ですよ。
街中どこにでもある。
そこが女たちの戦場です。
多分「355」の製作費の10分の1以下ですよ。
映画はアイデア次第
脚本そして撮影です。
予算でも知名度でもないことを証明しています。
女たちがみんな最高に輝いてます。
もう続編が決まっているそうです。
鑑賞動機:図書館と殺し屋という組み合わせ10割
手渡された3冊は『高慢と偏見』『ジェーン・エア』『自分だけの部屋』。
所々風変わりな要素を入れつつ、スタリッシュなアクションがかっこよくて楽しい。ダイナーと図書館シーンはシビれる。
ただ先の3冊以外は、図書館が単なるロケーションになってしまっているのが、やや物足りないか。
何たらフォロワーでも成功している方?
タランティーノも絶賛のイスラエル映画『オオカミは嘘をつく』からイメージを一新したかのようにアクション全開でテンポも良くハイカラな作品を撮った監督。
全編が『キル・ビル』の盛り上がりシーンが如く『イコライザー』や『ジョン・ウィック』みたいな世界観とタランティーノやガイ・リッチー、ロバート・ロドリゲス的なフォロワー感が満載で終盤はパク・チャヌクの『オールド・ボーイ』を意識した、音楽の使い方にしても『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の影響が!?
いいとこ取りなアクションシーンを盛り込んで拘った映像のLookが今時な雰囲気に合っている感じと変に続編にはしない終わり方に好感を、何も考えずにスカッと観れる単純に楽しい映画。
濃厚なバニラに、いちごソースを添えて
本作の主人公は組織に雇われた始末屋(スイーパー)。「ゴルゴ」でも「レオン」でもない左頬に傷をもつ若き女性である。
彼女はある仕事の依頼をしくじり、
二つの組織から狙われることとなる。
そんな中なりゆきで共に闘うこととなる8歳9か月の少女とともに男どもを蹴散らしていくノンストップアクションムービー。
銃撃戦、肉弾戦、カーアクションと胸焼けするほどアクションシーンが詰まっているが、
映像美という彩り爽やかな「フルーツ」が添えられることで、後味さっぱりな作品だ。
もれなく「いちごソース」が添えられたとても満足していただける作品だ。
さあ、あちらの席へどうぞ!
銃火器はこちらでお預かりします。
女たちの現代西部劇
もしくは、殺し屋版若草物語。
若草物語は母親と4人姉妹の5人の女性の物語で本作も5人の女性の物語(ちなみに若草物語は本としても劇中に登場)。
全体的に西部劇テイストでダイナーは入口で武器を預かるルールも西部劇の酒場だし、図書館でのバトル含めてどこか懐かしい。
『ザ・バブル』ではコメディエンヌ全開だったカレン・ギランだけど本作ではクールな殺し屋の姿を見せてくれる。
個人的にゲーム・オブ・スローンズ以来のレナ・ヘディが観れたのが嬉しかった。レナ・ヘディはサーセイもそうだったけどたまに片方の眉をクイっと上げる表情が好き。
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