劇場公開日 2022年3月18日

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「カレン・ギランの乱闘ぶりはなかなかのもの」ガンパウダー・ミルクシェイク 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5カレン・ギランの乱闘ぶりはなかなかのもの

2022年3月19日
PCから投稿

決してゼロからイチを生み出すタイプの映画ではない。いわゆるタランティーノ作品や『ジョン・ウィック』シリーズへの憧れが湯水のように溢れるさまをどう受け止めるか。使い古された表現を甘受できるか。それによって感じ方は変わるはず。個人的なことを言わせてもらうと、意外にもこのテイスト、じわじわ旨味が出てきて楽しめた。序盤こそ誰もがたっぷりとセリフを弄び過ぎて間延びした感じさえしたものの、後半には個々のキャラクターの持ち味と感情とが絡み合い、この新鋭監督の演出はうまくノり始める。なおかつ、ボーリング場から図書館まで、色とりどりのネオンライトに照らされた「ここ、どこの国ですか!?」と問いたくなるほどの独創的な美術が面白く、マーベル映画でおなじみのカレン・ギランが長身を活かして次々と繰り出す血生臭いアクションも魅せる。何より指先まで神経を行き渡らせた身のこなしが気持ち良い。自分にとって思わぬ拾い物だった。

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牛津厚信