すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価
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男の子と女の子と不思議な力と
薄っぺらい。あまりに薄っぺらい
よくもまぁ「みみず」なんてものを発想するなぁと驚いたというのが、まず最初の感想でした。
ただこの世に厄災をもたらすだけの存在として描かれていますが、この世にあるものすべて、両面性があります。
「それがあるからこそ、この世がまわっている」という面もどこかにあるはずで、「ただ封じ込めれば良い」という発想は、あまりにも古すぎる。
平安時代でさえ、人に取り憑いて病にさせる怨霊は、よりましに取りつかせて気持ちを聞きだし、解消させようという発想があるのに、現代の人間が「ただ封じ込めれば良い」なんて、あまりにも安直な……。
何より、これは多分多くの人が思っていることでしょうけれど、そのためにダイジンやサダイジンという「犠牲者」を出して、「めでたしめでたし」で終わらせていることに強い不快感がありました。
ダイジンやサダイジンだって、本意でやってるわけじゃないのに。
「そういう役目なんだから、役目を果たせ」とはあんまりな。
「昔から米軍基地は沖縄に集中してるんだから、沖縄が我慢すべし」
「福島のがれきはなんとかすべきだが、うちの近所で処理するのは困る」
なんて考えはおかしい。
私は大阪の人間ですが、橋下さんが知事時代、「大阪にも米軍基地を作るべき」と発言したとき、「この知事についていこう」と思いました。
松井知事が福島のがれきを処理することについて、説明会を開いたとき、最初から説明会を妨害するために集まった市民団体に本当に腹が立ちました。
新海監督は、「いやなことは、誰かにやってもらおう」と考えている人なのでしょう。
「天気の子」を見たとき、「私達の平穏を守るためには、誰かが犠牲になるべき」という発想が根底にあるのだなと思いましたが、遠い昔、縄文海進の際には人々が高所に移動して自然と折り合いをつけたように、映画も「大変だが、なんとか自然(あるいは神)と折り合いをつけよう」とするところで終わったように見えましたので、まだ理解できました。
でも、なんて貧困な世界観なんでしょう。この監督の世界は。
久々に、最悪な気分になった映画でした。
合成した方言が気になる
今までの新海作品からしたら、まずまずか
意欲的な挑戦〜やや失敗〜作
閉じた世界のボーイミーツガールにこだわってきた新海監督(いい人)が、前作「天気の子」で踏み出した一歩をさらに進めようとする意欲作に思えた。
311をはじめ災害が頻発する昨今の日本、とりわけその被害者が抱える痛みに光を当てようとした、のはわかる。さすがの真面目さだし、そこにロマンチックなお伽話要素も入って、既定のボーイミーツガール路線も健在。
ただ、いかんせん「災害=みみずを封じる」という大状況の解消と、不可逆的な喪失を抱えながらそれでも前を向いて生きていくっていう個人のドラマは割と別物。というか視点が真逆なので、たぶん両立するには非常に高度な技術が必要。
残念ながらその技術という点では今一歩だったんではなかろうか。終盤にかけて、いくらなんでも叔母さんや猫の動きがご都合すぎないか、と思う場面が何度かあった。
というか近年のハリウッドゴジラとか見てても、そもそもの設定として無茶がすぎるってことなんだろう。
そこでふと、ヒントになると思ったのはロメロのゾンビ。比重としてはすずめ個人のドラマがメインだろうから「変えられない悲劇的な状況」はひとつのバックグラウンドとして置いておき、根本的な問題は解決しないけど、個人としてはそれでも希望はある…というオチにすることはできたんじゃないのか。
それってつまり、前作「天気の子」で出した答えが正解でしたって話になってしまうけど、現実の被災者を想定してる以上、いい人の監督としてはあくまで希望あるメッセージを残したかったのかも。
確かにラストの場面は感動的だったけど、ドラマとしては余韻が弱かったかなぁ。
あとは言っても詮ないけど、音楽の流し方が過剰な気がする。作り手に気を使ったのかも知れないけど、結果的にはもうちょっと引き算のがみんなが得すると思う。
けっかくならジブリに新海誠をリクルートすればよかったのに、と思うくらいには既視感のあるヴィジュアル(ちょい旧エヴァ)が出てきたりひて、ひさびさに「ほしのこえ」が1人DAICON フィルムと呼ばれていたことを思い出した。タランティーノ的なリミックス感覚は逆に、ヴィジュアル優先ではなく、既存イメージのパッチワークを使ってでも語るべき物語が作り手の中にあった、ということなのかも。
被災者を偲ぶ
東日本大震災で被災した方は見るのが辛いかもしれない。東京にいて何の被害も受けなかった自分でも、テレビで見た恐ろしい情景を思い出し、亡くなった方のことを思い涙が出た。
長い時間が経てば記憶やインパクトが薄れていくのは、心身を傷めた方の回復のため、復興、風評被害を避けるために必要だと思うけど
あの時に失われた多くの命を追悼し続けるためには、このような映画がこの先もずっと残っていくのは意味のあることだと思った。
中には可愛らしく面白おかしく、ファンタジーのように描かれることを受け入れられない人も結構いると思う。
自分は、多くの人に見やすい映画で、傷ついた過去の自分へ語りかけこれから開き続けていく未来を示す部分に遺族の方へのメッセージも強く感じ、とても良い作品だなと思った。
主人公に共感できない
前作から感じたが、新海誠の作品は毎度主人公に共感できない。
私は主人公が事件や物事の元であるのに、まるで自分は外から見てるようなセリフが気に入らず、当事者であることに対して、あまりにも冷たいと感じる。その割には感情論で語られるのがあまり好きでは無いので、個人的には無し。女子高生はこんなにバカでは無いだろう。
また、愛を語ることが多いが、友愛、恋愛、親愛、これらのリアリティも乏しい。特に恋愛はあまりにもひどい。
主人公をピンとして当てたシーンにて、女性ながらそのシーンがいるのかという気持ち悪さがかなりあった。例えば草太の部屋にいるシーンだが、その恋愛を何となく暗示させるために映しているなら理解出来る。
ただその演出をするのならば、高校生の女の子にピンを当てるのはありえないとさえ思ってしまう。
大学生同士ならわかるが、高校生と大学生での演出として最低と思ってしまった(自分が女なので)
それならばまだベタな恋愛小説のようなものにして欲しかった。この、大人と子供の差があまり上手では無いのだと思う。
そういった演出なら最終的にそのような暗示、例えば大人になった時のシーンを濃密に書くべきである。まあ本当は書いて欲しくないが。
舞台設定は素晴らしいのに、それにキャラクターを組み込むのが下手なんだと思う。設定が強かったとしても、結局はキャラクターのセリフや行動に影響を与えているのがメディアなので、これから更にキャラクター設定の掴みや、何故彼女のような性格で、過去で、格好で、言動でいなければならないのかという説得力が必要だと考えた。単純なものは好きではない。
高校生辺りで恋愛はしてこなかったのだろうか?もしくは友好関係はあったのか、男だから分からない部分があるのかもしれないが、毎作女性を描くのならば、上辺だけの女性を信じずもっと深堀って行くのがいいとも思う。というかそういった作品のが私は好きだ。多分今後見ないのでこのタイプの作品を好きな人が多いのならばこの路線でも行っていいが!
震災に恋愛を組み込むのならこのような希薄なものは作らないで欲しかった。というか恋愛描写いるのか?君の名は以降恋愛の描写が本当に酷い。
現代に伝えたいことはなんなのか?在り来りでもあるのでは無いかこの作品は。
映像と音楽は良かったが、それで誤魔化さないで欲しいとも感じる。
次回作に期待
人類の夢を背負う覚悟
90点 映像がとにかく綺麗
終盤で気づいたことは、 すずめが偶然草太に出会ったのではなく、 これは必然だったのだろうということ。 こんなストーリーは思いつかない。
動画配信で映画「すずめの戸締まり」を見た。
2022年製作/121分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2022年11月11日
原菜乃華
松村北斗
深津絵里
染谷将太
伊藤沙莉
花瀬琴音
花澤香菜
神木隆之介
松本白鸚
新海誠監督・原作・脚本
高校生のすずめは偶然、旅の青年・草太と出会う。
草太を追って山中の廃墟にたどり着いたすずめは、古びた扉を見つけ開けてしまう。
やがて、日本各地で次々と扉が開き始める。
扉の向こう側からは災いがやって来る。
すずめは扉を閉める「戸締りの旅」に出る。
旅の先々で親切な人々に会う。
その人たちに助けられながら、
すずめはやらなければならないことを成し遂げる。
終盤で気づいたことは、
すずめが偶然草太に出会ったのではなく、
これは必然だったのだろうということ。
こんなストーリーは思いつかない。
ことばで説明するのは難しいストーリーだと思う。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
この映画は、日本でしか描けないと思う
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