劇場公開日 2022年11月11日

すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価

全827件中、241~260件目を表示

4.0楽しく鑑賞、だけど、1回観たら満足です。

2022年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

大学生の息子に「よかったよ」と勧められて、友人と平日に鑑賞。
2人そろって、泣いてしまった。

女子高生・鈴芽(すずめ)ちゃんと、閉じ師(祈祷師みたいな感じ?)の大学生・草太くんのロードムービー。
最初からリズムよく、映画の世界に入っていけるところはさすが。
映像は迫力あるし、飽きない展開で心に残るシーンもある。
子を持つ親としては、鈴芽ちゃんにも、旅の途中で鈴芽ちゃんに力を貸した人たちにも言いたいことは山のようにあるけど、今の子たちは、こんなに突っ走るのかな?我が子もか?と怖くなった。
環さんの気持ちを考えると、ホント胸が痛い。
鈴芽ちゃんには、母になった暁に、この時の自分の行状を猛烈に反省してもらいたい。

新海作品は、近年のアニメ映画の中では、一番好みに合う。
だからこそ、大好きな宮崎作品と比べてしまう。
宮崎さんは、舞台を現代日本にしないこと、恋愛要素を前面に出さないことで、作品のメッセージがまっすぐ届くようになっている。
「風の谷のナウシカ」、「もののけ姫」、「千と千尋の神隠し」は、2年前映画館で鑑賞し(コロナ禍唯一の功労)、作品の力に改めて圧倒された。
各々複数回観て(ナウシカは、映画館鑑賞最多回数6回を記録!)、心が震えた。
この、キャパオーバーで受け取り切れないからもう1回観たいという感覚は、「君の名は」「天気の子」「すずめの戸締り」には、なかった。

有名になると、期待値も上がるし、創る側は、大変だと思う。
宮崎さんも、毎回私の胸を打ち抜くわけではなかったし、どちらかといえば、「カリオストロの城」や「天空の城 ラピュタ」などの初期の作品たちの方が好きだし。

新海作品の中では、「君の名は」を観た後、過去作観たくてブルーレイで観た「言の葉の庭」が心に沁みたなあ。
何回も映画館で観たいと思う作品に出合えるかなと思って、次回の新海作品も観にいくと思う。

コメントする (0件)
共感した! 7件)
のりたまちび

3.5これは面白いのか?

2022年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

地震の話らしい・・・程度で観に行ったが、正直、良いのか悪いのかよく分からん・・・・

途中、土砂崩れで、ある居住区域をまるまる廃墟としていたが・・・
雲仙のような、ポンペイ的な災害でもない限り、日本の災害復旧というのは、そうそう町を放棄するようなことはないはず。新海誠も土木建設系に関わりがあると思うので、その辺のリアリティの無さが、(あえてやっているのだろうが)あんまり好きじゃないんだよなぁ・・・
地すべりで崩れたとなったら、また話は別になるだろうが。

現実の災害に題材を求めるのは、正直どうなんだろう、と思うが、データ記録はせめて分散しておいてほしい(実際やっているだろうが)と、東京の風景を見ていて思った。
遷都を言われて久しいが・・・・

どーでも良いギモン

後半部にかかる曲・・・オジサン世代に馴染みはあるが、今の世代に刺さるのか?
そもそもオープンカーで音楽流して聞こえるのか?
(あと、お前は歌わないでいいから)

叔母と姪・・・婚活するなら、ハイジのようにジジババがいなかったのか?
(3.11で死んじゃった?)

宮崎から四国経由で東京・・・高校生が随分金持ちだなと

叔母さん・・・姪を探しに行くのに、おしゃれしすぎ?
(逆に田舎もんが東京に来るんだから、おしゃれするのが基本か)

次回・・・

この画と音響であれば、東京大空襲とか、戦争モノで凄いものが作れそうですが・・・

どうせ女子高生の話なら、もうちょっと地に足のついた現実味のある話でも良さそうな。

コメントする (0件)
共感した! 6件)
kita-kitune

3.5流石

2022年12月28日
iPhoneアプリから投稿

君の名はを昔見て泣いたんですけど今回のは泣くところなかったです個人的には、映像が金かかってる感と声優、後は震災の部分と主人公の小さい頃を3.11に重ねてるところは何か伝わってきました。ドルビーシネマで鑑賞しました。

コメントする (0件)
共感した! 7件)
たくみ

3.0今回は?

2022年12月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

新海誠の新作でもあり、評判も良く、また大ヒットしている話を聞き見に行く。
結果は新海誠の世界観はいつも通りと思うが、少しつぎはぎ感で作ったよう。
震災の話と出かける際の挨拶や戸締りをモチーフに過去と未来をかける話は悪くないけど、展開がうまく繋がらない気がしる。
一つ一つのシークエンスは丁寧に作られているだけに、勿体無い。三陸を描いたり、震災を知らない人がきれいと言ったりすることは大切だけど、なぜ九州から神戸、東京、東北に行くのか。猫に連れられというのは少し安直な気がする。もったいないなあと思うのが正直なところかな。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
morick

2.0やはり監督の理解あるファンのみが観る作品

2022年12月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

この監督作品で普通の作品は無いのかな常に声優は有名タレントや新人を起用するが中身は普通じゃない世界や椅子の擬人化など不可解な状況 監督作品の理解あるファンでなければつまらないかも?

コメントする (0件)
共感した! 6件)
ゆたぼー

3.5美しさと恐ろしさのコントラスト

2022年12月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

新海監督らしい幻想的で壮大な美しい景色が堪能できる映画館で観るべき作品。キラキラとした自然豊かな風景に差し込まれる禍々しい「みみず」とのコントラストや、何度も鳴り響く緊急地震速報の警報音が印象的で、ファンタジーでありながらも日常と隣り合わせの自然災害の恐ろしさを強く感じました。

すずめを中心にテンポ良く進むストーリーは、抽象的な表現も多く理解しきれていない部分も多くありますが、それでも十分に楽しませてくれるのはさすが。すずめが日本各地を旅する中で出会う人々との交流はとても心が温まりました。

不満点としては。個人的に今作は音楽の存在感が従来と比べて大人しめに思えてしまい、ちょっと残念。「カナタハルカ」がとても良い曲なので、監督らしい演出を見てみたかったです。また、すずめと草太の絆の積み上げがちょっと強引で、出会って数日ですよね⁈とツッコミがどうしても浮かんでしまいました。笑 まぁこれは運命の出会いとして納得するしかないか。

全体的には安定の面白さとエンタメ性で楽しく観れて満足です!

コメントする (0件)
共感した! 6件)
まだまだぼのぼの

4.5これは名作と言って良い映画である。

2022年12月27日
iPhoneアプリから投稿

新海作品は、個人的にはハマらない。
前作の天気の子でようやく、自分としては見る価値があったと思える映画だった。
そして、今作。
前2作品よりも、かなり良い出来だと思う。
災害を真正面から捉えて物語にすると言う事と、観客に見せるファンタジーの要素が接妙にブレンドされていて、面白くて、苦しい、苦しいけど感動でき、結果楽しめる。
感情を大きく抉られるのだけど、見た事を後悔することは無い。

間違いなく映画館で見た方が良い映画。
おすすめします!

ただ一つ心配だったのは、実際に災害を受けた人は観れるのだろうかと言う事だけだった。
これは自分ではわからない。

コメントする (0件)
共感した! 8件)
たにやんご

4.5迫力ある映像

2022年12月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

迫力ある映像に圧倒されました。震災のシーンもありますが、すずめちゃんの出逢う人達とのふれあいに心が暖かくなりました。小さい頃の自分の気持ちに気付くシーンに涙が溢れました。

コメントする (0件)
共感した! 8件)
モコママ

3.5ショック過ぎてしばらくレビュー書けなかった

2022年12月27日
iPhoneアプリから投稿

物語が後半に進むにつれて
だんだんとシリアスさが増していき
黒塗りの日記の真実が明かされるシーンではショック過ぎて震えが止まらなかった

「君の名は」や「天気の子」でも
人間の力ではどうすることもできない
自然の理不尽さを描いくことで
あの震災を間接的に表現していたが

今回はストレートに触れられていて
非常に驚きを感じた

震災を体験した人がこの映画を観たらどんな感情になるのか、どんな受け止め方をするのか、そんなことを考えずにいられなかった

映画としてはきっと完成度が高いのだと思うが、ショックの方が大き過ぎたな、、という感想が残った

コメントする (0件)
共感した! 16件)
HIDE

3.0辻褄合わせがむずい

2022年12月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

大地震と震災者と犠牲。
タッチが、背景と人物とミミズでちぐはぐしてるのが気になり、ダイジンとサダイジンの行動の辻褄合わせが難解で考察サイトを何個かみて、なんかいろいろ詰まった話だったんだなーと思ったけど、なんだかんだ環さんに感情移入してしまった。

観覧特典3弾の冊子は、環さん編で、こちらはもう完全に泣かせにきてる…!!!って出来だったけど、まんまと泣いたよね。

被災者の方が観たら、また違う感情が湧くんだろうな。
起きてしまったことを受け入れていくのには時間がかかるよね。
生きていくって大変よ。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
soleilヾ(´ε`○)

5.0ズシっ!

2022年12月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

新海監督と最新作を観たいというだけで事前情報なく映画館へ。
冬休みにも入り、お子さん連れの親子や子供達だけのグループで鑑賞に来ている方々が大半。
ストーリーを全く知らずに鑑賞したワタシは心にズシっと重たいお土産をいただいて帰ることになりました。
子連れのお母さんは子供に教育の一環として連れてこられたかな?
子供たちのグループは先生に薦められて観に来たのかな?
ワタシと同じで面食らった人もいるのかな?
いずれにしても、多くの世代、人々が見るべき映画であると思いました

コメントする (0件)
共感した! 9件)
おのもん

5.0圧倒的な迫力の映像美に最初から引き込まれていった!

2022年12月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

災いの元となる「扉」を閉める旅。宮崎から、愛媛、神戸、東京、そして東北。

惑星の衝突による天災を描いた「君の名は」、異常気象を描いた「天気の子」そして、今回は「地震」をテーマに描く。新海誠監督の集大成だという。

「扉」を閉める…
それは、廃墟と化した集落や建物、大震災のあった土地で、無念にも亡くなった人々の怨念を鎮める意味もあるかもしれない。

壮大なストーリーがある一方で、走る椅子や喋る猫「ダイジン」などの、面白くかわいいキャラクターが心を和ませる。また、各地で出会う人々との触れ合いも、デジタル化が進んで生身の人間との接点が気薄になってきた現代には珍しい心温まるシーンだった。

そして、旅と共に膨れ上がる恋心にも惹きつけられる!胸キュンすること間違いなし!

これは、映画館で見るべき映画の一つですね!

コメントする (0件)
共感した! 8件)
うさぎ

4.5映画の大ヒットをいわって今夜がやーまーだー

2022年12月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

楽しい

2022年映画館鑑賞72作品目
12月25日(日)イオンシネマ石巻
ACチケット1000円

監督と脚本は『ほしのこえ』『君の名は。』『天気の子』の新海誠

呪いで椅子になった大学生の閉じ師と一緒に宮崎愛媛兵庫東京宮城岩手と要石のダイジンを追いかけ旅をするロードムービー
実写映画の『風の電話』に似ている面はある

鈴芽の地元に温泉街の廃墟がある
そこの水たまりに何故か扉が
鈴芽が要石なるものを抜いたら要石は小動物に変身
それはダイジンこと神のような存在
こいつのせいで日本のあちこちからミミズが出現
大震災で多くの犠牲者を出すことを防ぐためにはミミズが飛び出す扉を閉じないといけない
ちなみにこのミミズは鈴芽には見えるが閉じ師以外の一般人には見えないようだ
鈴芽がなぜミミズが見えるのかよく知らない
彼女も閉じ師の能力が先天的にあるのかもしれない
もしかしたら鈴芽の母親も実は閉じ師で要石になってしまったのかもしれない
もしかしてあの黒い大きな猫サダイジンが
まあ頓珍漢な邪推かもしれないけど

劇中大抵は廃墟にミミズの扉があるが東京は例外でトンネルの非常口の中にある立派な門
東京都内はあちこちで再開発が進み廃墟なんてあるわけがないというイメージはあるが決してないことはない
旧下谷小学校校舎だって立派な廃墟だし滝野川馬場商店街もシャッターを閉じたままの店が多く廃墟と言っても過言ではない
だがまあ色々と事情があったのだろう

資料によると宮崎は日南市で岩手は山田町らしい
宮崎の家は海沿いで高台からの海の眺めはとても良い
日南市というなら日南にちなんでせめてモアイ像の映像がほしかった
ちなみに道の駅の大谷海岸がある気仙沼市本吉町から山田町はおよそ100キロ以上ある

前半は『君の名は。』と『天気の子』の間をとって星3.5くらいが無難かなと感じていた
しかし道の駅大谷海岸が登場した辺りからグンと評価がアップ
わりと地元に近く親しみがありテンションが上がったのは事実
環が鈴芽に本音をぶちまけたり鈴芽が幼い頃の自分に会う場面は悲しくて泣けてきた
星4.5は与えたい

伊藤沙莉だけははっきり伊藤沙莉だとわかる
とはいえ決してそれは悪くない
歌声は思いのほか悪くなかった

聖地巡礼という言葉は嫌いだしオタクはもっと嫌いだ
せめてくれぐれも地元住民に迷惑をかけないでほしい
悪質な撮り鉄みたいなトラブルは起こしてくれるなと強く願いたい

あとかなり昔から知ってはいたが愛媛も今では関西弁で「菜飯となもしは違うぞなもし」などと言う人は現在ではいないという事実は坊ちゃんファンとしてはやっぱり悲しい

岩手県出身宮崎県在住の女子高生・岩戸鈴芽に原菜乃華
家業で閉じ師をしている教育学部の大学生・宗像草太に松村北斗
目が大きい白い小猫・ダイジンに山根あん
鈴芽の叔母で亡くなった姉の代わりに鈴芽を育てあげた岩戸環に深津絵里
漁協に勤める環の同僚で眼鏡をかけている岡部稔に染谷将太
神戸でスナックを経営しながら幼い男女の子供を育てている二ノ宮ルミに伊藤沙莉
民宿で働く愛媛の女子高生・海部千果に花瀬琴音
東日本大震災で亡くなった鈴芽の母・岩戸椿芽に花澤香菜
草太の友人で教育学部の大学生で懐メロが好きな芹澤朋也に神木隆之介
草太の師匠で祖父の宗像羊朗に松本白鸚
ルミがママを務めるスナック「はぁばぁ」でアルバイトとして働いているミキに愛美

宮﨑駿のように声当て専門ではない人たちが中心だが僕は声オタではないので全くといっていいほど気にならなかった
オーディション落ちまくっている声当て専門の若手には悪いけどこれは現実として仕方がない

コメントする (0件)
共感した! 8件)
野川新栄

5.0思うより早くココロに刺さった

2022年12月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

これは劇場で観るべき作品。きっと感じたことのないココロの動きに気付くはず。

コメントする (0件)
共感した! 7件)
アルタイル

4.0冒険的ラブファンタジーに漂う無常

2022年12月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

あらゆる絆が生きる原動力になっていると感じるラブファンタジーであると同時に、この世の無常さが印象に残る作品でした。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
さばとら

4.0大画面映えする映像美

2022年12月26日
スマートフォンから投稿

単純

興奮

萌える

「世界かあなたか」と「夢で見たあの人は」の非現実系に、神戸(阪神淡路)、東京(関東)、宮城(東日本)と実際に震災にみまわれた土地土地を登場させるという攻めた内容。
そこまでショッキングな映像があるわけでは無いが、実際に被災された人にはどううつるのか。

コメントする (0件)
共感した! 8件)
ugacinema

4.0おっかなビックリしつつ,鑑賞…。

2022年12月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

先に謝って置きます,観る前から<“君の名は。”や“天気の子”を観る前から同じ事を言っていたような気がするが…>絶対観るかよ!とか文句を言っていたのかな?,
(お前は何様のつもりだよ!私の感じ方…)コレは意外に意外にも内容も深く、違う感じ?と言う言い方が正しいのか?良く分からん処だが、違う印象も受け,面白味を感じれちゃった❗️
他のレビュー等で、3•11をベースに…。とか⁈
人ソレゾレに思った通りに鑑賞すれば善いんではないかい⁉️と…。

コメントする (0件)
共感した! 8件)
サクちゃん

3.5いくつか内容に疑問点が、、

Tさん
2022年12月26日
iPhoneアプリから投稿

映像と音楽は素晴らしかったです。
ただ話の中でなんでそうなった?と思ったところがちょこちょこありました。
ただ全体的にはすごくよかったです!
まだ観てない人は是非!

コメントする (0件)
共感した! 7件)
T

5.0新海誠の最高傑作

2022年12月26日
Androidアプリから投稿

大切な一人の命とその他大多数の命のどちらを守るかというテーマにやっと答えを出した気がします。

コメントする (0件)
共感した! 11件)
nh

3.0東日本大震災がエンタメ映画の題材になったことに驚き

2022年12月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

設定・世界観こそ魅力をあるけど、世に出る時期を誤った感がある。
作家・京極夏彦は『遠巷説百物語』の刊行にあたって、「お化けというのは、災害や戦争、疫病のさなかには、出番がないんです。しゃれにならないですからね。(中略)東日本大震災から10年、まだまともに復興もしてないわけですよ。そこに今回の疫禍です。」と述べている。
被災者にとってはまだ10年。もう10年ではない。ところがこの映画では、まだ出番のないはずの「お化け」を登場させ、あの震災をエンタメ化してしまっている。
東北太平洋側の地域出身で当時をフクシマで過ごした私は、この映画がそれなりに否定的な意見を浴びさせられるのも無理ないと思う。
一方でこの映画は、今は首都圏に住んでいる私には、東日本大震災に対する社会の分断を表しているように感じられた。
首都圏にいるとあの震災は確実に過去のものになっているのが分かる。もう歴史の1ページでしかない。
だからみなし仮設住宅からの引越しの際のトラブルや就労に関するトラブルなどが報道で取り上げられると
「震災から何年経ったと思っているんだ」「いいかげん…」といった意見が飛び交う。
映画の企画段階でこの震災を扱うことに対してNGがかからなかったのも納得がいく。
被害を受けていない人、立ち直れた人にとっては過去の震災かもしれない。しかしながら、1万8千人ほどの死者を出し、未だに3千人近くの行方不明者がいるこの震災が過去のものになっていない人たちが少なからずいることは少し考えれば容易に分かることだろう。

この震災を扱った映画は他にもある。『風の電話』、『Fukushima 50』など。
この映画がそれらの映画と大きく異なるのが、予告編及びプロモーション段階で震災が題材であることに一切触れてなかった点である。これはさすがにずるいと思った。
映画の公開直前になって「緊急地震速報の音が鳴るよ、注意してね」なんてアナウンスして、ぎりぎりやるべきことはやった感を出している。
直前までこの震災の存在をオープンにしなかったのは、それが映画の宣伝にマイナスとなることを予測していたからではないだろうか。
試写会勢がこの点に一切コメントしていなかったのを見ると、たぶんここに触れることはNGが出されてたんじゃないかな。
(試写会では「この部分についてのコメントは無しで」と指示が入ることがたまにあるので)

今、世に出していい作品だったのだろうか。キャラクター・設定・世界観に魅力がある分、映画ビジネスとしてのやり方に疑問を感じる。

最後に私が2015年ころに国連防災世界会議でホテルの通訳アルバイトをしていたときに
あるアメリカ人宿泊客から言われた言葉を伝えて終わりにしたい。
「どうして私の部屋の番号が911なんだ。あまりにも不吉だ。」
911は2001年の出来事である。悲しい出来事に対して、「一区切り」は人それぞれなのだ。

コメントする (0件)
共感した! 10件)
スクラ