フェルナンド・ボテロ 豊満な人生

劇場公開日:

フェルナンド・ボテロ 豊満な人生

解説

独創的で多幸感あふれる作風で世界中から愛されるコロンビア出身の画家フェルナンド・ボテロの魅力に迫るドキュメンタリー。人物や動物をふくよかな体型で表現したユーモアあふれる作品で注目され、89歳の現在も創作を続けるフェルナンド・ボテロ。ヨーロッパ、ニューヨーク、中国、コロンビアで長年にわたって撮影されてきた映像と、ボテロ本人や家族、歴史家、キュレーターの証言などを通し、その素顔と魅力的な作品の数々を紹介。田舎町出身の無名画家だった彼が、いかにして芸術界の頂点へと上り詰めたのかをひも解いていく。

2018年製作/82分/G/カナダ
原題:Botero
配給:アルバトロス・フィルム
劇場公開日:2022年4月29日

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(C)2018 by Botero the Legacy Inc. All Rights Reserved

映画レビュー

5.0膨張するイマージュ

2023年5月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ボテロはジャコメッティの対極。
これは豊穣を祈念する中米のシャーマニズム。
これは生命を産み出す土偶だ。

「もはやボテロというジャンル」
「ボテロという宗教」
・・大成功した彼フェルナンド・ボテロに寄せられるこのような賛辞は止まらない。
出演するご子息、ご息女方も、みんなその身なりと暮らしぶりは実に立派で、あれは富豪になった父フェルナンドに繋がるお金持ちの一族の体をなしている。

何人かの妻を持ち、家族に収益をもたらし、ついには世界の恋人に到達したその様は、同じくドキュメンタリーの映画「パヴァロッティ 太陽のテノール」と重って見えた。

歴史上あまたのアーティストたちが、妻・家族・身内の人生をめちゃめちゃの貧困と崩壊に陥れてきた中で、この中米コロンビアのボテロは、偶然にも成功者として血族結束の もといとなり、幸運の星を掴んだと言えるのだろう。
MoMAのキュレーターの「あの一言」がなければ、
そうなのだ「あのー言」がなければレストランでの美酒も、モナコのアトリエも、パリでの野外展示もなかった訳で、人の人生はどこからどうなるか分からないものだ。

存命中の画家をドキュメントする映画としては、なかなかの出来だったと思う。
生出演で彼の作風を絶賛する評論家もあり、
かたや歯に衣着せずに「ボテロは醜悪なお菓子のマスコットキャラクターだ」と厳しく批判する識者もあり、取材は公平。

そして何よりも本人にその作風の誕生のきっかけを直接訊けるのが、この映画のいいところだったと思う。

・マンドリンの穴を小さく描いてみたらマンドリンが膨らみ始めた
・そのモデルの強いところを描くとこうなる
・時代錯誤の具象画だとの批判を読むのは耐えられず避けた
・自分でも自作の作風について分析し考えてみた
なるほどだ。
鑑賞者が知りたかったことをインタビューしてくれてある。

でも幼い息子さんの絵だけは、あまり膨らまずに小さく縮まっていくように、見えた。

・・・・・・・・・・・・・

たっぷりの丸い柑橘類を盛ったお皿の絵。あれは楽しくてずっと観ていたいと思った一枚でしたね。
昨年名古屋で「ボテロ展」があったので行ってみたかったが、残念!機会を逃した。

近所の映画館、塩尻の東座では上映に先駆けて美術評論家の講演会もあったそうで、レジュメを頂きました。

1度見たら忘れられないボテロです。
彫刻も たっぷりのブロンズを使っています。

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きりん

4.5愛すべき人が作る愛すべき作品

2022年6月18日
iPhoneアプリから投稿

誰が見てもその人が作者だと分かる圧倒的な個性なのだが、ボテロという人の愛すべき人格がどこから生じたか教えてくれる映画である。自分は父を幼い時に失いながら、子から孫へと家族を増やし、皆がボテロを尊敬して助けているし、祖国に作品や美術館を寄付している。南米から出て欧州で自分の個性を作りながら、今も欧州にアトリエを持つのだが、メキシコの影響もイタリアの影響もあって、ユニークなのにどこか王道の感じもある作品が作られたことに感受性の豊かさを感じる。商業的だとか言われる批判も寄せつけない、万人に開かれた分かりやすさ、大らかさ、気安さも良い。つまりは愛すべき人が作る愛すべき作品なのだと理解できるのだ。

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Boncompagno da Tacaoca

3.0 シンデレラ

2022年5月7日
iPhoneアプリから投稿

 フェルナンド・ボテロの絵画はインパクトありすぎて 一度みたら忘れられないので、ボテロ展を見る前に‥と思って見たのだが、映画の前半は寝てしまった😩
 昼食後だったからか、つまらなかったからか‥

 後半だけの感想。
世界的に有名になるーという意思があり、自己顕示欲が強い人なんだなーと思えた。だからこそMETで運良く成功を収めてから色々な国で代々に展覧会をやり、名を広めていき財をなし、コロンビアに美術館を二つも建て、自分はモナコに住んでいる。

 確かに、彼の絵はとても独創的で、忘れがたい。しかも映画で見る限り、どれも非常に大きなサイズの絵画ばかり。購入者は 大きな屋敷の持ち主か美術館なのかなーと思ってしまった。

 絵画で成功するってすごいと思った。現代のシンデレラストーリーって感じ。

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はなも

4.0早く渋谷で実物を見たい

2022年5月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

町山さんの解説を聞いてから映画を見たり、山田五郎さんの解説を見てから絵を鑑賞すると、作品の背景を知ることにより味わい深くなります。

このドキュメンタリーを見ちゃうと先に、背景を知ることになりますが。

ボテロの絵はどこかで見たことがあるのだけど、コロンビア人に有名な芸術家がいたなんて知りませんでした。
コロンビア人であるから、まず、スペインに渡り(おそらくスペイン語だから)、イタリア、フランス、ニューヨーク、あとメキシコに渡り、作品が進化していく。初めからパリに生まれていれば、こうはならなかったでしょう。

初期の作品は、よくあることですが、全く作風が違いますが、とても味わい深いです。私は素人ですが、いろんな時代のピカソの影響を受けていると思いました。

ボテロの家族が、子供たちを中心にたくさん出てきますが、基本的には親戚付き合いがあって、揉めてなさそうで良かったです。
アーティストの話では、酒・女・薬・借金で家族が崩壊する話が多いので(それはそれで、面白かったりしますが。)。

渋谷のBunkamuraでボテロ展をやっているわけですが、現物をますます見たくなりました。
どの世代のものが展示してあるかはわかりませんが。
そんなわけで、最近はお金がかかりますが、音声解説は借りるようにしています。

日本の駅前とかには、なぜだか裸婦のブロンズ像が謎のポーズをとっているのがおかれていたりしますが、公共空間にもっと多彩なアートが置かれて入れも良いのでは無いかと思いました。

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Lhowon
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