配信開始日 2023年9月14日

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。 : インタビュー

2023年9月13日更新

橋本環奈新木優子岩田剛典が降り立った、ファンタジー×ミステリー×コメディの未知の世界

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橋本環奈新木優子岩田剛典が、夢のようなおとぎ話の世界へ――。Netflix映画「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」が、9月14日から配信される。しかし本作、単なるきらびやかなファンタジーではない。そのタイトルの通り、あの赤ずきんが殺人事件に巻き込まれるミステリーであり、コメディ作品のヒットメーカー・福田雄一(「銀魂」シリーズ、「今日から俺は!!」シリーズ)が監督を手がけている。まさにファンタジー×ミステリー×コメディという斬新な世界観を構築しているのだ。一体どんな作品になっているのか――橋本、新木、岩田が、撮影の思い出を語り合った。(取材・文/編集部)

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原作は、青柳碧人氏による大ヒット同名小説。世界を知るために冒険の旅に出た少女・赤ずきん(橋本)は、旅の途中、灰だらけの少女・シンデレラ(新木)と出会う。魔法使いに素敵なドレス姿に変えてもらったふたりは、お城の舞踏会へと向かうが、カボチャの馬車で男をひき殺してしまう。事件がバレることを恐れ、さっさと死体を隠したふたりは、気を取り直して舞踏会へ。しかし、シンデレラと王子様(岩田)が恋に落ちたのも束の間、死体が見つかり、舞踏会は中断。絶体絶命のふたりの前に次々と現れるクセだらけの人々のなかに、真犯人の影がちらつく。赤ずきんは、持ち前の洞察力と図々しさで事件に立ち向かう。

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――まずは、お互いの印象と、共演した感想を教えてください。

橋本「優子ちゃんは、私がテレビで見ていたパブリックイメージと全く一緒です。皆が癒されていました。優子ちゃんとは、共演の時間がダントツに長かったんです。撮影場所の長野の寒い山奥で、ドレス姿で毛布にくるまりながら、暖をとるためにくっついて、ずっと話していました。年上なのに、私も気を遣わず、ナチュラルでいさせてくれる方でした」

新木「カンカン(橋本)は、私もいま『そういえば、私が年上だった』と気付いたくらい、年齢不詳です(笑)。どの年代にも合わせられて、現場で一緒にいて楽しかったです。あとは、現場にしっかりお昼寝セットを持ってきていて(笑)。撮影は楽しかったんですが過酷なときもあり、待ち時間もあったり。その時間のなかで、一瞬で回復している姿を見て、『強いな、タフだな』と思いました」

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――岩田さんについては、いかがでしたか。

橋本「本当に、王子を演じられるのは、岩ちゃんしかいないです。役同様にスマートなときもあれば、フラットに、(佐藤)二朗さんとテストで笑っているときもあって。自然体でいてくれました。『新解釈・三國志』では同じシーンがなかったので、今回しっかり共演できました。真矢(みき)さん、夏菜さん、二朗さん、はせさん(長谷川朝晴)、皆がふざけているなかで、王子として、軸をぶらさないでいてくれました。王子の軸がぶれたら、本当にストーリーが進まなくなるので(笑)、この重要な役どころを、スマートにこなされていました」

岩田「セリフにもあったけど、王子の衣装の配色は、食いだおれ人形みたいだったけどね(笑)」

橋本「でも王子の衣装は、似合う人が限られるので、ちゃんと説得力がありましたよね」

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新木「舞踏会のシーンで、岩田さんを遠くから見ていたら、(爆笑して)肩が震えていて。『こんなふうに笑うんだ』と新たに発見しました。あと、ロン毛がすっごく似合う!」

橋本「確かに!」

岩田「本当に? 初めてだよ、この長さ」

新木「いろんな部分で、しっかりと王子でした」

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――岩田さんの、おふたりへの印象も教えてください。

岩田「まずは赤ずきんとシンデレラという役で、ふたりが現場で存在していても全く違和感がないことが、本当にすごいことですよね。ふたりとも衣装も含めて、素晴らしく似合っていました。環奈ちゃんはとにかく、若いのに、とても堂々としています。年の差や、仕事かプライベートかも関係なく、本当にフラットに接してくれます。ずっと自然体で、忙しいのにいつも元気でした。僕はセット撮影が終わって、しばらく空いてから、森での撮影だったんですが、環奈ちゃんは全く疲れている素振りを見せず、いつも通り元気だったから。座長として現場の雰囲気を作ってくれたなと思いますし、そういう人柄ありきで、周りのキャストも含めて、笑いの絶えない現場だったなと思います。男気があるのは分かっていましたが、『こんなにあるんだ、マシマシ』という感じ。笑い方ひとつとっても、男気の塊みたいな。本当に屈託なく、ガハガハ笑うので(笑)」

橋本「私、二朗さんからも年上だと思われていたみたいです(笑)」

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岩田「中身はそうかもね(笑)。優子ちゃんとは、社交ダンスに初挑戦しました。優子ちゃんはリハーサルで振付が完璧に入っていて、本番でも僕がリードしてもらうような感じで、すごくプロ意識の高さを感じました。現場では、『今回は、俺ら発信の笑いがない役だよね』と話していました。皆ドッカンドッカン笑いをとっていくのに、その光景を、指をくわえながら見ているような役でもあったので(笑)。シンデレラと王子としてシンパシーを感じていて、『俺らは、これでいいんだよね?』と、不安を共有していました」

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――皆さんは本作で、誰もが知るおとぎ話の住人を演じました。ビジュアルも含め、その“説得力”が本当に素晴らしかったです。橋本さん扮する赤ずきんは、濃厚なキャラクターに次々とツッコミを入れるシーンもあれば、長ゼリフの推理のシーンもあって、いろいろな役割を担っているキャラクターでしたね。

橋本「福田組ではボケを担うことが多いので、『今回はツッコミか』と思いました。最初、魔法使いのバーバラ(キムラ緑子)にズバズバとツッコむシーンは、ニュアンスが難しく、試行錯誤していました。赤ずきんは勘が良くて、すごく頭の回転の早さや賢さは見せていきたいなと思いましたが、一方で、周りのキャラが濃いので、赤ずきんとしてすごく作り込んでいくのもちょっと違うかなと。福田監督からも『ツッコミも淡々と』と言われていたので、そう演じていました」

――赤ずきんが真相に気付くキメのシーンが、面白くてかわいらしかったです。

橋本「ありがとうございます! 福田監督に言われて、頑張ってやりました(笑)。普通は『目を見開いて』という指示じゃないですか。違うんですよ、『穴という穴を全部開いて』と言われて、口、鼻、目、毛穴を全て開きました(笑)」

――福田監督は、「自分が安心して頼めるのは橋本さんしかいない」「本作で初めてちょっとした表情など細かい注文をして、完璧にこたえてくれた」とおっしゃっています。

橋本「いままでの福田組では、笑わせにいく役だったので、『こういうことをしてほしい』というざっくりとした注文だったんです。でも今回の赤ずきん役は、推理のシーンが明る過ぎてもシリアス過ぎてもダメなので、トーンは細かく指示してもらいました」

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――続いて新木さんは、誰もが憧れるシンデレラ役について、「自分に全うできるだろうか?」という不安があったとおっしゃっていますね。

新木「実は最後まで、不安は拭えなかったです。でも衣装やウィッグなど、スタッフさんの技術で作り込まれていて。舞踏会のシーンは、お城のセットに入ると、誰もが夢見るような世界観が広がっていました。アンサンブルを踊る方々の衣装や雰囲気も素晴らしかったです。最初は緊張していましたが、衣装を着て演じていると、不思議とすごく楽しみながら、シンデレラの気持ちになれました」

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――新木さんは、福田監督と初タッグとなりました。福田監督の演出やコミュニケーションのなかで、印象的だったことを教えてください。

新木「感情面での指示はあまりなくて、やっぱり笑わせる側にいかないと、あのお声は頂けないのかなと(笑)。カンカンが、『穴という穴を全部開いて』と言われているのを見て、今度は私も……と思いました(笑)」

橋本「そんな指示を受けたいっていうのも、おかしいですけどね(笑)。でも、優子ちゃんにはそんなイメージがないから、見てみたいかも」

岩田「全くイメージがない、想像つかない(笑)」

新木「次は笑わせる側に行きたいです(笑)。福田組の四天王みたいな方々、プロフェッショナルたちを見てしまったので、私もそのなかに交ざりたい、挑戦したいという気持ちは高まりました」

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――先ほど橋本さんと新木さんにも絶賛されていたように、岩田さんは、国内外から求婚相手が押し寄せる完璧な王子役を務めました。

岩田「王子役で、すごく役づくりをしたということはなく……そのままです(笑)」

新木「歩いてきて、服をバサッとさばくシーンは、王子っぽかったです」

橋本「真面目にやっているのが面白いよね」

岩田「王子様として存在しようという意識はあったかもしれないですね。やたら胸に手を当てようとは思っていました。あとは、どら息子というか、ちょっと抜けている雰囲気は、自分のなかでは持っていました」

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――劇中では、ムロツヨシさん(ねずみ役)、佐藤二朗さん(王様役)という福田組常連キャストに加え、桐谷美玲さん(魔法使い・テクラ役)、夏菜さん(シンデレラの義姉アンヌ役)、若月佑美さん(義姉アンヌ役)、山本美月さん(謎めいた女性カーレン役)、キムラ緑子さん(魔法使い・バーバラ役)、真矢ミキさん(義母イザベラ役)らが登場します。ご自身以外で、はまり役だなと感じた方を教えてください。

橋本「全員役にはまっていて、ぴったりだなと思いました。私は、キムラ緑子さん演じる魔法使い・バーバラが印象的です。ドリさん、すごかったですね(笑)。本当に何も指示されなくて、伸び伸び笑いをとっていました。赤ずきんが裸足のシンデレラを見て、バーバラに『靴貸してあげなよ』というシーンでは、勝手に『いや、無理。やだ』と言い出して、延々と続けていました(笑)。やっぱりドリさんが楽しんでいるし、面白いから、福田監督もカットをかけないんです。古い長い大きな杖をぶんぶん振り回したり、足がめちゃくちゃ早かったり。バーバラは冒頭から、本当に面白かったです。足が早いというだけで、こんなに笑えるんだって(笑)」

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岩田「魔法を使えるのに、走るんだ!みたいな(笑)。瞬間移動しないんだ……と思うよね」

一同(爆笑)

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新木「私はやっぱり、継母イザベラ役の真矢さんですね。『本当に福田組初めてなんですか?』というくらい、ぴったり役にはまられていて。福田さんも大爆笑していました」

橋本「常連感がすごかったよね」

新木「福田さんのツボも分かっていらっしゃるのかなと思いましたし、本当に自由に、楽しそうに演じられていました。ドレス姿もすごくセクシーなので、見て頂きたいです」

橋本「真矢さんの演技を見て、ムロさんと二朗さんも、ちょっと悔しがっていましたもんね。『あんなに伸び伸び笑いをとって、笑いに対して緊張していなくてすごい』と言っていました」

新木「声もすごく通るんです。広い会場なのに、私たちがいるところまで笑いが届く。あの広い空間で皆を笑わせられるってすごいな、素敵だなと思いました」

岩田「アンヌを演じた夏菜ちゃんは、アドリブの笑い方や、テンパっちゃったときのリアクションが最高でした(笑)。特徴的な笑い方があるキャラクターって、通常は台本に書かれていますが、あの笑い方は完全にオリジナルなので、本番でも笑いましたね。僕が近付いていくシーンだったので、『これ、やばいぞ』と思いながら……本当に面白かったです(笑)」

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