母性のレビュー・感想・評価
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大体の大人は「子供でいられなくなった」だけ
原作未読で観賞。
このレビューのタイトルは、
知っている人もいるかもしれないですが
とある漫画の台詞です。ただしくは
「大体の大人は大人になろうとしたんじゃなくて、子供でいられなくなっただけなんだから」。
これはそんな映画。
この作品の見所、
主人公である母と子は勿論なのだが
大地真央、高畑淳子演じる「祖母」。
どちらも演技が素晴らしい。
特に高畑淳子さんの嫌味たらしい演技は
迫真すぎて、心が持っていかれる。
まぁ正直言って終始明るい作風ではなく、
見る人によっては心が痛くなる部分も多々ある事だと思います。
予告だけ見るとサイコホラーかなにかと
見間違えてしまいそうですが、それ系ではありません。
ジャンルは…一応謎を抱えたまま進んでいくのでミステリーなのでしょうか。
まぁ簡単に言えば「毒親」を主軸とした話です。
「真実は人の数だけあるけど、事実は1つ」
これも漫画の台詞です。
真実なんていう物は受けとる人によって
都合のいいように解釈されただけの代物なのだと改めて感じました。
予告が本編をつまらなくする典型的な例
2022年劇場鑑賞276本目。
予告を見る限りでは「告白」の中島哲也監督最新作で、親子がショッキングな殺し合いでもするのかな、みたいな印象でしたが全然違うじゃん!
監督がまず違うし、冒頭で亡くなった女子高生は永野芽郁じゃないし(その記事を永野芽郁が読んでるシーンから登場)なんなんこれ?
あんなに好きなドラマのハコヅメで先輩後輩だった戸田恵梨香と永野芽郁が親子をすることにどこかの記事を目にしてようやく気づいたのですが、同じ歳の吉永小百合と田中泯が親子を演じたのに比べたらKAWAIIもんですよね。
永野芽郁の役の子供の頃を演じた子の表情の使い分けが素晴らしかったのと、高畑淳子が愛しのアイリーンの木野花を彷彿とさせる(いや、さすがにあっちの方が群を抜いてすごかったですけど)鬼姑を演じていたのは良かったです。
ただ、先に書いた予告で期待していたものと全く違うものが出てきたことと、表情の演技は天才的だと思うのですが、声優をやった時に声の演技は正直今ひとつだと思った永野芽郁のモノローグが多かったことで評価は低めです。
高畑淳子さんがさすが
みんなからお嬢様育ち言われてて
それでも出きることはやり続けて
「私は働いたことのない専業主婦でお金も無いから離婚は出来ないの、我慢するしかないの。」
って言わないのはホントにスゴいと思う。
「義母のおかげでここに居れる」って言って奉仕して最後に息子を忘れて戸田恵梨香を
「私の大切な娘」って言わせてるのはそこまで接し続けてきたってことだからとんでもない根性持ち。
でも娘のことはさすがにちょっと。
わかってた、しんどい
題の通り"母性"、ひいては"母娘"という関係をめぐるお話です。
「毒親」という言葉に収束させるにはあまりに複雑で屈折した思いが交錯し、祖母・母・娘へと連続する女の"性"がじめっと描かれています。
プロットとしては母視点、娘視点でそれぞれの心象を描写しながら物語が進行します。
お嬢様家庭で育った母視点ではお淑やかで丁重な娘への注意は、娘視点では非常に威圧的に映っていたのはかなりインパクトがありました。
娘にとっての母への畏怖や嫌悪、自身に対する愛の欠如を理解した原風景とも言えるシーンだと思います。
終盤の娘の自殺未遂は、これまでの登場人物たちの陰鬱とした感情が一気に発露されたような出来事に思えます。
事実、これを契機になんだかんだで登場人物たちの人生が次へ、前へ進みました。
各々の思想や感情がどれほど行き場を失い吹き溜まっていたのか。
傍観者である私からすると「一段落は着いたのかもしれないけど当人同士でめちゃくちゃ尾を引くんじゃ…?」と思わなくもないですが、そこを不思議と爽やかで前向きに終わらせるのが湊かなえ作品らしいなと思いました。
「女は母と娘の2種類」というセリフがとても印象的です。
共感できるところと、ものすごく
共感できないところがあった。
この映画を観てると、大体の人が自分の幼少期を思い出すのではないかと思う。
子供のころはとにかく親の考えが理解できない。世間体とか他人への思いやりとか子供には全く関係ないですし。
今になると『確かにあの時の母親の行動の意味は…』と思わされる所がこの映画を観て少し理解できた。
最後の電話のシーンはとてもゾッとしました。
あと、大地真央さんがとにかく綺麗だった。
「湊かなえ原作」
今年135本目。
湊かなえさんがこれ書けたら作家辞めてもいいと、大作だと思います。母親に褒められたい、自分はそんなに強くなかったかもしれないですけど、男性でもそう言う気持ちありますよね。「春に咲く〜花 春に咲く〜花」先月ラジオで聴いて凄くいい曲だなと、JUJUさんのラストで包み込まれるようなエンディングでした。
凄いものを見たなという感じがした。 元々湊かなえ作品は告白を見たこ...
凄いものを見たなという感じがした。
元々湊かなえ作品は告白を見たことがあったが、ただただ映像美というだけで、なんの感情も脇上がらなかった。原作が原作だけにこんなものかと思ってしまったのをよく覚えている。その上で母性を見に行ったのであまり期待はしていなかった。しかし、上映中はただただ気持ち悪くなり今すぐここから逃げ出したい気持ちに駆られるほど作品に魅了された。作中に出てくるものは全て「実際こんな事あるかよ」と言うような豪邸だったり、 タクシーだったりするのだが、それがまた冷静にその場を見れるようになっており、それが故に気持ち悪さを倍増させる作りになっている。作品を通して、事件を通して、また世代を通してなんにも変わらない。その事がより一層私の胸にしこりのようなものを残してくれた。見てよかったと思える1作だ。
まあ、いいか
女には2種類しかない
母が娘か
???
マザコンの戯言(たわごと)はぜんぜん響かなかった
テーマを絞るのはいいけど
なんか、視野が狭すぎないかな
母親が娘より何より大事なんて、自分本位の人間には理解しようがないからね
だから、テーマについてはとは違う事ばかりが気になりました
人間の嫌な部分をたくさん見せられたようで
気分が滅入る
人が生きていく中での現実を突きつけられたよう
例えば死ぬのが怖い病の僕は一時、精神的に追い込まれたけれど、何をしても死ぬんだから悩むだけ損と考えました
だから、死が迫るまで忘れる事にしました
なのに老いとか死を思い出させるような・・・
嫁姑問題とか、介護とか、浮気とか
その時が来た時に考えればいいのに
見たくもないのに無理やり見せられた
物事を突き詰めて考えるのは勇気もいるし、必要な時も有ります
でも大抵は解決できなかったりどうでもよかったり
だから
まあ、いいか
って許容する
その方が気楽に生きていけるし、人生がシンプルです
特に男はメンタルが弱いから、そうやって逃げる必要がある
老いによる権力の交代も突きつけられる嫌な事
怒鳴り散らして頂点に君臨していた姑が介護されるようになって権力が嫁に移る
よく出来た嫁ならいいが、徹底的にイジメられる可能性もある
ただ、その時が来るまで我慢する嫁というのはいかにも昭和的
これを良しとする時代はもう終わっている
なんにせよ、原作者の人生観が古すぎる
男は息抜きに外に女を作り、妻はそれを知りながら平穏を保つ
女は一生愛人ですごすんだろう
これで良しとするのが寛容だろうか
男ばっかりいい思いできる時代は終わりかけているんだろう
たぶんね
やっぱり、男から変わっていかないといけない
とは思う
そうそうたる女優陣は見応えがあった
戸田恵梨香、大地真央、高畑淳子
一歩も引かない永野芽郁は大したものだ
中村ゆりの悪女?は初めて見た
これが毒親か。
湊かなえ作品のため鑑賞。
あらすじなど情報を何も得ずに映画館へ行ったが体感時間10分ほどで出てくる登場人物一人ひとりに恐怖を感じることができた。
特にルミ子とルミ子の母二人だけの空間は狂気を感じざるを得なかった。
進んでいくにつれ、人間社会はこういう部分が有るなと変に納得をしてしまい歯がゆい気持ちになった。この気持ちは「白ゆき姫殺人事件」を映画館で観たときの気持ちに似ている。
田所は始めから裏がありそうで、田所に何が起こるのかを想像しながら観た。
戸田恵梨香の演技は本当に凄く、毒親をこんなにも上手に演じることができるとは。顔にも疲れを感じることができて女優の凄さを実感した。
大地真央が「愛」というたびにあるCMがちらつき、某企業様には罪の重さを感じてほしい。コメディタッチのCMとはかけ離れた演技を今回観ることができてこちらも同様女優の凄さを実感した。
ずっと歳は上だが憧れの人の一人になった。こんな風に歳を重ねたいものである。
※帰りに国立科学博物館で行われている特別展 毒 の広告を見て このタイミングもあり見入ってしまった。周りから不審人物に見られたかもしれない。
♪愛が〜い〜ち〜ば〜ん
視点180°は変わらなかった。
ただ「2テイク撮りました」的なストーリー。
「告白」や「少女」のような衝撃はなく…
期待が過ぎたのかもしれない。(また予告にやられたわ)
原作読んでみるか。
マリバロン高畑大活躍(笑)
良作
久々に見た見事な嫁いじめ。
とんでもない人達。
何が正しいのか良くわかんなくなったけど
さいごは、何となくハッピーエンド。
昔のバターンの主人公が、徹底的に献身して、周りが気付いてシャンシャン、違和感をすごく感じたけど、年取ったせいか、人生そんなもんかな、とんでもない人達も耐える主人公も均せばトントンなのかも。
といいながら面白かった。
気持ち悪くて、笑ってしまう。
登場人物のセリフがどこか奇妙で、皆本心を隠しているのではないかという恐怖を覚える。戸田恵梨香の視線が、言葉選びが、心底怖い。願わくば、次の未来には愛の溢れた人生を。
母の母の娘は母
サスペンスなのかと思いきや、少し哲学的な人間ドラマでした。
母親が、子供を溺愛するが故に暴走するパターンは王道なれど、究極のマザコンの姿はあまり無かったかも。しかも、あからさまな洗脳ではない洗脳。3代の女性のどこにも悪意が無く人のために尽くして善良であるが故に、余計に残酷さが感じられる。
すべて母親の勧めにあわせて生きてきたルミ子。結婚相手も母親の意見になびいて決めるほど。やがて娘の清佳が産まれ、一家三人で幸せな家庭を築く。時折訪問してくる祖母に喜ばれるように清佳を躾けるルミ子だが、祖母の意向を汲み取らない清佳が許せないルミ子。そのあたりから、二人の関係が怪しくなってくる。母親が絶対のルミ子と、そんな母に振り向いて欲しい娘の清佳というややこしい闘いが始まる。
ルミ子の配役は戸田恵梨香、娘の清佳は永野芽郁、祖母が大地真央。なかなか妙味のあるキャスティングだ。特にルミ子、清佳はかなりの難役。おそらく、役者が変われば大きく違った解釈になるくらいの、深さのある脚本と思う。
母娘の一方通行の好意は、切なさより不気味さを感じさせる。キリスト教の「他人を愛せよ」の教えが並走し、ルミ子がそれをひたすら貫く事で、関係がより歪む。それが皮肉なく描かれることで、物語の異質さが浮かび上がる。そんな違和感を感じながらの鑑賞となるのだが、物語が進むのにつれ、居心地の悪さも感じるほどのストーリー運び。人には、母性は温かく、優しくあってほしいという願望があり、その隙間を的確に突いているのだ。心地よいものではないが、印象的であることは確かだ。
個人的な好みとしては、ラストは少し余計だったかな。ルミ子が部屋の電気を消して、ドアを閉じるところで終わったら、余韻が残ってよかったのではないかと思う。その後の清佳のシーンは、救いと含みはあれど、少し平板な終わり方に思えた。
内容の好き嫌いは分かれそうだが、映画としては良い作品だと思う。
湊かなえさんの小説は、難解なことが多いのですが、この映画はとても分...
湊かなえさんの小説は、難解なことが多いのですが、この映画はとても分かりやすかったです。しかし、最後の戸田恵梨香さん演じるルミ子の懺悔の「間違っていた」は、何を間違っていたと言ったのか、今も判断が分かれます。
戸田恵梨香さんの表情や態度に現れる感情の変化がとても豊かで見入ってしまいました。
また、高畑淳子さんの義母はとても迫力があり面白かった、怪演です。
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