デューン 砂の惑星 PART2のレビュー・感想・評価
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人間性を捨ててく主人公
パート1より断然面白かった
特に最後の40分間くらい(主人公が人間性を捨てる決意をしたところらへんから)
宗教と大衆の支持獲得と玉座奪還の3つ、それぞれの面白さを余すことなく抑えてる感じ
予言がどうであれ、自分の復讐を果たすためにしなければならない道がある。最初は気づいていなかったが結果として信者、あるいは戦ってくれる軍勢を増やすために必要な道を辿っていく。
沙漠のフレメンの懐に入るべく決闘したり訓練したり命懸けの作戦に加わったり。
未来を見通すための命の水を飲んですべき行動を選び取れる力を手に入れたり。
フレメンに馴染んだことで手にれた戦い方や軍を利用し、また彼らに「楽園」を約束して宗教じみた推進力をゲットしていく
また命の水(砂虫って何者!?)きっかけで恋人いるのに政略結婚だとか大衆の前での煽動スピーチだとか、本心や本来の性格とは真逆の行動を周囲への相談無しにするようになっていくのがまさに玉座争い系の物語って感じ。
復讐のために私生活を切り捨て人としての幸せと優しい心を失っていく
君を愛すると口では言っても、自分自身そう信じていても行動が違えば意味は消えていく
少年漫画みたいなベタな要素があったのも前作と比べると意外。
特にめちゃくちゃデッカい砂虫に乗るのに成功したシーンとか。
めちゃくちゃでかい砂虫を使って攻め入るシーンは圧巻。圧倒的なデカさと神聖さのある生物のパワーで勢力図が逆転していくのは好きな勝ち方。(ここはやっぱ映像的にナウシカ思い出した)
操縦方法が引っ掛けるだけなんで、やや説得力は薄く感じた。
砂虫とは信頼関係が重要で一歩間違えれば操縦しようとする奴を食いますよみたいなハウドラのドラゴン的な危険性の描写があればなとは思ったり。
未来視できる奴が王になるとどうなるのかなっていうのは楽しみ!アニャも出るっぽいし次作は十二年後が舞台だとか。待ちきれん!
多分一作目で見た映像のように、最後は死ぬと分かっていながらチャニの刃を受け入れるんじゃないかなって思ったり
ゼンデイヤの目力が素敵
贅沢な作品
衣装が凄まじい、、
全ての衣装が完璧。
何種類あるのか、、。デューンの衣装個展をひらいてほしい。全ての衣装を細部まで生で見てみたい。素材に触れてみたい。装飾を眺めてみたい。
ハルコンネンのスキンヘッドの女性の衣装、エキセントリックでありどこかクリーン。
デューン2、お見事であった。。
原作や、昔のデューンは全く拝見しておらず、予備知識なしで大体のあらすじと登場人物だけ予習してからの鑑賞だったが、原作を知らなくても内容にのめりこめた。素晴らしい。
劇場で観ればよかった😂😂
「これだけは言う。。命ある限り君を愛してる。」
くぅぅ〜、、😂😂😂
このシャラメのセリフやばい。。。
シャラメに言われているゼンデイヤいいなあ〜。羨ましすぎる🤣10万円払うから言ってほしい笑
ボイスビジネス🤣
気絶級のセリフじゃん。
良すぎて、全部まだレビューできてないので近々レビュー追記します!
映像はリアルで美しいものの少々知的にした『スター・ウォーズ』に帰着
ここのレビューの評価が案外低いので意外だった。で、低評価のものをいくつか読むと、やはり中途半端でストーリーがわからないとか、意味不明なシーンがあるとかいうものが多いようで、ああ、結局はそういう見方をされるのかな、というある意味納得感があった。
実は小生もいちおう☆4つはつけるが、さほど高く評価しているわけではない。理由は、映像の素晴らしさに比して、原作の内容のつまらなさが露呈してきたからだ。
本作は作品の冒頭に異形なものの声で「スパイスを制する者はすべてを制す」というメッセージが流れ、とてもビックリさせられ、その趣味の良さに満足する。ところが…その先がちょっと問題なのである。
前回、ハルコンネン、皇帝連合に寝首を搔かれたアトレイデス家のポールが、本作では砂漠の民フレメンに紛れてスパイスによる超能力を獲得するとともに、復讐とデューン新生に踏み出す。ということで、単に砂漠の美やさまざまな大道具、小道具の知的なデザイン等に堪能できた前作とは違い、いろいろ人や世界が動き出す。
その過程で帝国歴1万何年とかいう世界で、ヨーロッパ中世封建支配と同じ支配構造があり、国王と封建領主、教会の多元的権力が存在し、似たような権謀術数が駆使され、果ては王族の紋章とか政略結婚が登場し…てな話を見るにつけ、やはりツッコミどころ満載となっていくのは致し方ないか。だから話が進めば進むほど、いろいろガッカリ感が募っていく。
このガッカリ感をひと言で言うと、「中世ドラマの焼直しに過ぎない」ということだ。日本にもかつて、会社員の出世競争を戦国の権力争いに見立てた『サラリーマン太閤記』とかがあったではないか。
もうちょっとシリアスなところでは、井上靖『蒼き狼』で領土拡大の戦いに臨む瀬戸際に、妃のご機嫌を伺っているチンギスハンの姿に対して、大岡昇平が「現代サラリーマンの情けない家庭事情を重ねただけで、こんなものが歴史小説とは聞いて呆れる」と侮蔑したのと似た感じだろう。本作の場合は、中世封建国家や王侯貴族間の勢力争いの焼直しに過ぎないくせに、こんなものがSFとはちゃんちゃらおかしいwということである。
ヴィルヌーブ監督は今回も、リアルに美しく壮大な映像を作って楽しませてくれた。しかし、所詮は原作が原作である。結局、全体の印象は何というか、『スター・ウォーズ』を少々知的にした感じ…というところに帰着したのは必然であろう。
なお、ポールのまだ生まれていない妹役でアニャ・テイラー=ジョイが登場したのは嬉しい。ケチをつけながらも「これは次回作も見なきゃいけないな」と決意するのであったww
マ王の知らないパート3が待っている
デビッド・リンチ監督作品の「デューン 砂の惑星」を昔に観たマ王の感想は「壮大な物語だけど色んな映画に勝ててない」でした🫤
SFだけど「スター・ウォーズ」的な迫力は薄い、覇権争いにしては「ゴッド・ファーザー」のような奥行き程は無い、恋愛映画にしては碧い目が気味悪い、とあまり良い印象が無かったのを覚えている🤔
そもそもが麻薬戦争的な話に宗教戦争の要素まで詰め込んでるので内容が難し過ぎるのがアカンと思うのよ😶
で、それじゃダメよとドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がメガホンを取りリメイクされた「デューン」を観たが、え?ここで終わりなん?と中途半端度★★★★★🤣
明らかにパート2を作る気満々だったのさ😅
ま、今回その便秘を解消すべく「デューン2」を観たんだけどね(映画好きの運命として)
パート1ですら本家と変わらぬ長さなのにパート2も同じくらい長い、なのに内容はデビッド・リンチ監督のと変わらない印象しか無いのよ😑
ていうか戦争シーンに力を入れ過ぎてるワケでも無く、人間関係に重点を置いてるのでも無く、コレではデビッド・リンチ監督版の方がサクサク観れた(いや長いけどね)感じかしてならない💦
そもそも原作が映画化向きの話ではない気がするのはマ王だけか?
また今の世界情勢が剥き出しの物語なトコは、ん?ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、狙ってない?とまで思わせる態とらしさまで伺えたし、だったら今更感が強いかな、みたいな風にも捉えられたのはマ王の邪推だろうか🤨
同じ長い3部作として「ロード・オブ・ザ・リング」があるけど、アチラは(やっぱり長いけど)上手に作ってたと思うのよ😬
でもコレって監督の好みの問題かもしれないからマ王も納得はしています😗
が、その部分を差し引いても(前宣伝とかレビューが相変わらず過熱気味だった割には)面白くは無かったかなと😮💨
しかし!デビッド・リンチ版には無かったパート3があるではないかっ😳
ココまでは本家の内容の長尺映画だったけどマ王が知らないストーリーが待っている、と思えば期待も膨らむって話だ👍
そういうワケで★は今回までの評価です😋
正直、パート2までのストーリーだけならデビッド・リンチ版で充分♪(そういう意味では改めて評価し直すべきである)
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画「メッセージ」が良かった分だけ期待外れかなと⤵️
せめてパート3にマ王が驚く展開が待ってるのを祈るばかりだ🌀
映画館での鑑賞オススメ度★★★★☆
宗教?覇権?麻薬?恋愛?精神世界?度★★★★☆
便秘解消度★☆☆☆☆
意味不明な終わり方なのが残念
160分観てきて、なかなかの仕上がりだった、どう終わるのかと思っていたら、なぜかチャニがワーム乗りの準備をし始めて、こちらをにらみつけてカットアウト・・・?。Part1から続く長い物語全体を締める終わり方としては、意味不明で台無しな印象。そこだけが残念。まさかPart3あるのだろうか?
ゴグとマゴク
『スパイスを制するものは世界を制する』映画冒頭“ボイス”で語られるこの言葉は、おそらくユダヤ人政治学者ヘンリー・キッシンジャーの名言からの引用であろう。フランク・ハーバードが書いた古典SFの完全映画化を望んだと伝えられるドゥニ・ヴィルヌーヴの意図がはたしてどこにあったのか。パート1を見た限りではハッキリとは分からなかったのだが、小説の中と下を合体させたパート2を観てなんとなくわかった気がしたのである。
架空の惑星デューンが舞台になっている原作小説は、作家のイスラム文化に対する傾倒が感じられる斬新なタッチが、発表当時の読者にすこぶる受けたという。救世主をモチーフにしているせいもあり、『スターウォーズ・シリーズ』と比べたがる人が多いのも頷ける内容だ。しかし、ティミー演じるアトレイデスの王子ポールが砂漠の民フレメンを率いて父親の復讐を果たす物語は、有名な予言がベースになっていると思われる。
ガザのパレスチナ虐殺が一向におさまる気配のないイスラエルで、現在まことしやかに囁かれているある噂があるのをご存じだろうか。マゴクの地の首長ゴグがイスラエルに大軍を連れて攻めこんでくるという、旧約聖書エゼキエル書38章に書かれている予言が現実化しつつあるというのだ。マゴクとは現在の世界地図でいうロシアにあたり、ゴグとはつまりプーチンのことではないか、と。イスラエルではそのアルマゲドンに備えるために、どの家庭も1ヶ月分の水と食糧を備蓄しているんだとか。
なんでロシアがイスラエルに?と不思議に思われるのかもしれない。ウクライナにおいてロシア系住民を迫害していたネオナチの正体は実はユダヤ人であり、イスラエルの宿敵イランとロシアの親密な関係を知っていると、まんざら風評とも言いきれない現実味を帯びてくるのである。つまり、ロシアとイランを挑発してアルマゲドンを勃発させ、真の救世主到来を待ち望んでいるイスラエル=ユダヤ人という構図が浮かび上がって来るのである。
旧約聖書の予言によると、アルマゲドンに際し怒った神が空からミミズのようなもの(砂蟲?!)を降らせる相手はイスラエルに攻め上るゴクたちの方であり、本作とは真逆の記述になっている。スパイス採掘のためフリンジたちを平気で虐殺するハルコンネン軍は、誰がどうみても無力なガザ市民をひたすら虐殺するイスラエル軍そのものであり、それを空の上から傍観する領主大家たちはイスラエルを支持するNATOにそっくりだ。不思議なことにフランク・ハーバードの予言の方とピタリ一致しているのである。
そんな反ユダヤ主義の映画がハリウッドで作れるのかって?実はこの映画の製作会社レジェンダリーは、2016年に中国系の製作会社に買収されているため、たとえユダヤの爺さんたちの顔色を伺わなくともヴィルヌーヴが自由に映画を撮れる環境がすでに出来上がっていたのである。いずれにしても、旧約聖書をモチーフにしている古典SFを映画化するタイミングとしてはバッチリであり、勝利をおさめたゴクことポールの苦悩が描かれるパート3『砂漠の救世主』に乞うご期待といったところだろうか。
編集見直した方が…
大画面で観てよかったSFエンタメ大作
前作で吹き荒れた砂嵐は少なくなり、代わりにウォームに乗ったり神秘的な儀式のシーンが増え、しまいには悪玉ハルコンネンを成敗でき、愉しかった。
シャラメ君もゼンデイヤさんも前作より戦闘シーンが増えてカッコよさ増し増しだったが、若手ヴィランを演じたオースティン・バトラー君の迫力は出色だった。他のキャスト、特に女性陣も良かった。
前作に続き今作も巨額の費用がかかっているのは間違いなさそうでその分プレッシャーも凄まじいだろうし、ゆえに監督はシリーズ化を否定されているのかな、と思う。とはいえシャラメファンとしては、制作進行中の、複雑な背景事情が明らかになってきた中で皇子ポールがどうしていくのかが描かれる次作の公開をとても楽しみにしている。
砂の惑星とティモシー•シャラメの美しさ
自身の選択の先に
砂の擦れ合う音のみが広がる世界を砂の映像と音でうまく融合され、そこに潜む主人公の表情と唇の渇きから観てるものにその感覚を擬似体験させる様な緊張感を描く。
自己が予見する未来とそこに起こるであろう悲しみ。
いまの弱さと脆さを感じつつ、アトレイデス家、自己の望み、殺戮を受諾するべきか?その中で自問自答し模索する未来。
そしてその選択が迫る中、ハルコンネン家との攻防も激化し黒い欲望が絡み合い一筋縄ではいかない輩たちが渦巻く中でどう立ち向かうか?
彼が選択する行動が心に響き、それを背負う姿がとても凛々しく哀しげに映し出され観てるものとして主人公を好きになる。
IMAXでの鑑賞がオススメ!でした
[IMAX 2D字幕][2D字幕]共に鑑賞済みの(今更ながらの)レビューです。
Part.1を鑑賞して「ストーリーの内容が理解出来なかった」「世界観や人間関係や諸々の用語が覚えられなかった」「退屈・つまらないと感じた」方には Part.2の鑑賞はオススメしません。
逆にPart.1を鑑賞して「作品の内容が理解出来た方」「作品の世界観やストーリーに(少しでも)魅力を感じた方」は是非鑑賞して貰いたい作品です。
【ストーリー(脚本) & 演出】
Part.1のレビューでも書いたのですが、前作は[プロローグ的な構成]で 主要な登場人物の顔見せや 物語や作品世界の紹介的な内容になっていて やや盛り上がりに欠ける部分もあったかも知れません。…が 本作からは[物語が大きく動き出す]ストーリー構成となっております。
『DUNE』という壮大な物語の《起承転結》で言うならば、Part.1は起承転結の『起』として物語の始まり・作品世界への導入の役割を担い、本作Part.2は前作での出来事を承って 登場人物達が物語を動かしていく『承』と『転』が しっかりとストーリーに反映されていて、この後に制作されるであろうPart.3(起承転結の『結』)への期待や興味が盛り上がる内容となっていたと感じました。
脚本評価★★★★★
演出評価★★★★☆
【キャスティング(配役) & 演技】
前作で「死ななかった」登場人物は ほぼ本作でも登場します。 そして新たに『皇帝』『皇女』『ハルコネンの甥っ子(弟)』が登場します。前作同様 個人的には「それ程の不満は感じない」演技や配役でした。まあ前作・本作含めて「全ての配役に納得している訳ではない」けど わざわざ「不満」として言う程でも無いのかなぁ と。
配役評価★★★☆☆
演技評価★★★☆☆
【映像 & 音楽】
ストーリーの内容的には「前作での出来事の内幕」や「作品世界における政治的駆け引き」なども描かれてはいるのですが、映像的には「ほぼ砂漠」か「ほぼ戦闘」のシーンが印象付けられる感じで 地味で単調になりがちなのですが、IMAXでの鑑賞に於いては その地味な砂漠のシーンですら《映像の迫力》や《音の圧力》を感じらる事が出来ました。 また劇中の音楽も ストーリーやシーンを盛り上げる良い楽曲であったと思います。
[IMAX2D字幕]での鑑賞後に日を改めて 通常の[2D字幕]でも鑑賞してみましたが、本作はやはり《IMAX》での鑑賞がオススメだと考えます。
映像評価★★★★☆(IMAXなら★+1)
音楽評価★★★★☆
【総括評価】★★★★★
「前作(Part.1)を鑑賞している」事を前提で言うならば、前作を楽しめた方なら 本作(Part.2)は[前作以上に]楽しめる作品だと思われます。 なので迷わず★5評価の作品として鑑賞をオススメ致します。
レビュー冒頭でも書きましたが、前作を鑑賞して「ハマらなかった方」にはオススメはしません。また「前作を鑑賞していない方」には [先ずは前作(Part.1)を鑑賞してみて]から 「本作を鑑賞するかどうか」を考えた方が良いかと思われます。
【追記】
エンドロール後にシーンは無し。
今一つハマらない俺2
誤解されぬよう書くと、ちゃんと壮大だし、効果音も心的に迫力ある音が、キーポイントで使われて緊迫感マックスにしてくれるし、1でも書いたけど、茶色一色になりそうな砂の惑星で、本当に見事な芸術的映像を俺たちに観せてくれるし、音響、映像としてはおそらく申し分がない!
主人公が持つ「将来が見える能力」も、決まっている未来が見えるのではなく、複数の多くの選択肢が見えるという能力だとわかってきた。主人公はその中の自分が選びたい選択肢になるように行動していくわけです。そんな能力なら、未来予知能力というよりは、常人より優れた想像力とも言えるので、そんなに神に近いわけじゃない気がしてきて、そこは原作者に好感。
俺がハマらないのは、きっと、ストーリー展開が軽やかにしてスピーディすぎるからなんだろうな。
憎きハルコンネン家に統治される惑星アラキスを、主人公が率いる砂漠の民たちがあっという間に奪い返し、空から警告に来た大統領家(大公家)連合とまで戦するという、あれよあれよ感はすごい。新たな強敵とのナイフでの闘いも、美しいがすんなりだ。そもそもなんであっさり捕虜になってんだ。
観終わった今なら、今回のメインテーマは、「主人公が異民族である砂漠の民達に、伝説で語られてきた救世主として崇め奉られるまでの様子」なので、率いられた民たちが神がかり的に戦い勝つ、ということが大切だったんだなあ、とわかるけれど。あまりにも。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、美意識、芸術性を最上位に置く人なんだろうな。俺みたいな、単純な冒険活劇好きとは、それほど相性がよくないのかもしれない。
とは言え、これでDUNEがシリーズとして定着し、完結まで観られそうだな、と思えることは、この上なく嬉しい。
そう、「それでも、俺は、3を待つ」だ!
可能性は低いが存在していることは明らかな望む未来をめざすために、「俺は救世主ではない」と自覚しながらもあえて救世主の名を受け入れ、民衆からの圧倒的な支持を率いて道を開こうとする主人公の今後は、楽しみだ。
おまけ1
地球の歩き方的「DUNE砂の惑星」ガイド、素晴らしい!!
かつのじょうさん、教えてくれてありがとうございます!!
おまけ2
もう上映は終わりなのかもしれないけれど、オンラインで観る人がいるかもしれないし、自分のためにも、1のレビューでも書いた予備知識を書いておこう。とにかく専門用語が多いから。
・舞台は西暦一万年を超える遠未来の宇宙に浮かぶ砂漠の惑星 "アラキス"。
・アラキスは、抗老化作用を持つ麻薬 "メランジ" を宇宙で唯一産出している星
・メランジは、長期間の宇宙旅行を可能にするために必須な抗老化作用薬。
・惑星アラキスは、宇宙を統べる帝国皇帝 "シャッダム四世" にとってもきわめて重要な惑星。
・主人公の出自 "アトレイデス家" は、1の冒頭で皇帝の命により惑星アラキスの統治を任された家系。
・敵対する "ハルコンネン家" は、アトレイデス家を奸計にはめて、アラキスの統治を奪った家系。
・主人公 "ポール" は、命からがら逃げ出したアトレイデス家の息子
・主人公の母 "ジェシカ" も主人公と逃げることができた。
・ "砂虫(サンドワーム、別名シャルーイ・フルード)" はアラキスの砂漠に住む生き物で、巨大な口を持ち最大全長400メートルにも及ぶ恐怖の存在。
・"フレメン" は惑星アラキスの過酷な砂漠を自由に生きる先住民。フレメンの言葉では惑星の名はアラキスではなく "デューン(DUNE)"。
・"チャニ" はフレメンの女性で、フレメンと行動を共にする主人公と知り合い生涯の伴侶となる人。
・"ベネ・ゲセリット" は、主人公の母ジェシカが属する秘密結社。
・"クウィサッツ・ハデラック" ="時空偏在者" は、秘密結社ベネ・ゲセリットが長い歳月をかけて優生学的選別を繰り返し科学技術によって生み出し自分たちの配下に置こうと目論んでいる限りなく神に近い存在)
こんなところかな。あとは、
主人公ポールも、母ジェシカによって上記操作を施され続けており、クウィサッツ・ハデラックの能力の片鱗たる "予知" がポールの中に芽生え始めている。
母ジェシカは "、秘密結社に伝わる "声" で相手を操る技も、主人公ポールに伝授している。
上記した固有名詞達をあらかじめ知っておくと、楽です。ついでに以下のことまで知っておくとよいかもしれません。
長期間の宇宙旅行を可能にするために必須な抗老化作用薬メランジ(麻薬でもある)は、実は恐ろしい砂虫(サンドワーム)の原型である "半植物半動物〈小産砂〉" の排泄物を太陽光と空気に晒すことで得られている。
ポールは、砂漠でも強く賢く生きる多産なトビネズミの名に因み「ムアッディブ」と名乗り、帝国への逆襲を主導する。(キネマ旬報 巽孝之氏の文章から引用)
おまけ3
救世主と言えば思い出すのは「幻魔大戦」だ。ポールには、幻魔大戦の主人公、東丈のように、自分に頼り切るみなの自覚を高めるためとは言え、姿を消してそれっきり、とはならないでほしい。(笑)
スカッとしました
最高の音楽
前作に続いて、期待を裏切らない出来。
砂の惑星でポールが如何に民の信頼を得て、救世主クウィサッツ・ハデラックとしてカリスマ指導者になる過程を丁寧に時間をかけて描く。
この手のSF映画では珍しク戦闘シーンは少なく終盤の侵攻シーンも意外と呆気なく終わる。それだけヒューマンドラマに重きをおいているということだろう。
今作で重要な立ち位置になるのがチャニの存在だ。「救世主を信じると救世主に頼るようになる」と一貫して救世主に対する危うさを抱く存在として描かれている。これは単なるSF映画としてではなく、現代へ通じるヴィルヌーヴ監督が伝えたいメッセージだと感じる。
もう1つ、特出すべき点が音楽だ。ヴィルヌーヴ監督初期の「灼熱の魂」から商業大作の「メッセージ」「ブレードランナー」においても、展開に合わせた音楽を外さない。今回も重低音を中心にチャニとのシーンでは柔らかい包み込むようなサウンドで観客を引き込んでくる。前作に続き音楽を担当したハンス・ジマーには脱帽だ。
個人的なお気に入りは「足音で誰だか分かった」とのセリフでガーニー・ハレックが再登場するシーンだ。前作に引き続き、ジョシュ・ブローリンの演技は秀逸。フレメンとは違う視点でポールを支える部下を熱演。復讐を果たすシーンでは観客も一緒に熱くさせる。
3部作最後の展開にも期待だ。
砂漠に語らせる星の歴史
◉揺れる者たち
スペースオペラとか言うよりは、目を離せなくなる歴史のいくつかのシーンを見せられたような感覚です。エモーションを極力抑えて、砂との対話を力に変えたポール。そして何の躊躇もなく言霊に身を預けてしまった母レディ・ジェシカ。この二人の転身で続編は始まった。
顔に微かに発光する文字? 文様? を浮かべたレディ・ジェシカの美しさにドキドキしました。彼女はやがて1冊の予言の書になるのだ。
ところが二人に引っ張られて、フレメンとハルコンネンの戦いが燃え盛ったりはしなかった。力に目覚めたはずの男子と、その男子に恋することで明日が見えてきたはずの女子は、内なる何かを求めて揺れ続ける。
◉揺るぎない砂漠
一方で、砂漠は急いて変わることなどしない。砂は事実をありのままに述べる「叙事」の象徴であり、もう一つ、悪夢もその中に身を置いてじっと息継ぎしていれば、どうにか道は開けると言う「忍耐」を表していたとも思えました。
それから、瞳の青は遠い彼方の空を思わせる色だと思いました。心ではなく予言に我らの運命を委ねる…みたいな言葉が出てきたけれど、長い年月を経て心は弱り、そんな身構えに陥っているフレメン。救いの光に見えたポールも、いきなり真っ直ぐに闇を照らすことは出来ない。故に気丈なチャニの苛立ちは日に日に募る。
ところが、ゼンディヤのぶっきら棒さが、なかなかの魅力で。
◉重たい戦争
サンドワームの参戦によって、何もかもがストップモーションのような、睨み合うような戦闘になった。重さのため、戦闘もアクションに見えない。一瞬が生死を分けるはずなのに、兵士たち何かに憑かれたようにさまよう。力を与えられるはずのサンドワームは戦士を潰しかねない。強力な武器は常に諸刃の剣と言うこと。
予測された統率者ポールが繊細なのか、傲慢なのか分からなくなり、しかしその不透明さのために、話の面白さは倍加したようです。
◉燻んだ薔薇の花
日が昇り日が沈む砂丘が、柔らかな薔薇の花叢のようで、度々見惚れました。前線の殺し合いも銃後の戦略も間違いなく物語にはあって、でも、この物語のテーマはそれだけじゃないと、気持ちよくはぐらかされているうちに、時間が有無を言わさず流れてしまった感じです。
いや、単に私の理解力が追いつかなかったのです。膨大だな! と言う感覚だけがしっかり残りました。ここが終わりではない、全てじゃない、星の歴史は更に重たいステージを用意しているのでしょう。
全488件中、41~60件目を表示