デリシュ!
劇場公開日:2022年9月2日
解説
フランス革命前夜の18世紀フランスを舞台に、世界で初めてレストランを作った男の実話をもとに描いた人間ドラマ。
1789年。宮廷料理人マンスロンは、創作料理「デリシュ」にジャガイモを使用したことで貴族たちの反感を買って解雇され、息子を連れて実家へ帰ることに。ある日、マンスロンのもとに謎めいた女性ルイーズが料理を習いたいと訪ねてくる。彼女の熱意に負けて料理を教えることになったマンスロンは、失っていた料理への情熱を徐々に取り戻していく。やがてマンスロンはルイーズと息子の協力を得て、一般人のために開かれた世界初のレストランを開店する。
マンスロンを「オフィサー・アンド・スパイ」のグレゴリー・ガドゥボワ、ルイーズを「ムースの隠遁」のイザベル・カレが演じる。「ブルー・レクイエム」などの脚本家エリック・ベナールが監督を務めた。
2020年製作/112分/G/フランス・ベルギー合作
原題:Delicieux
配給:彩プロ
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2022年9月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
18世紀末期、フランス革命前夜に起きた食の革命にまつわる映画は、たった今、仲のいい友達と美味しいフレンチを食べに出かけたくてもなかなか出かけづらい、また、映画を観に映画館に行きたくても躊躇してしまう人たちにとって、まさに一挙両得の映画だ。
それまで、フランス料理といえば貴族たちが列席した大きなテーブルに並べられる、要するに特権階級のための料理、もしくは食べ方だったのを、庶民のために開いた1人の料理人の物語。主人公のマンスロンは当時豚の餌だと考えられていたじゃがいもとトリュフを使ったアミューズを仕えていた公爵のテーブルに出してしまったために、解雇される。だが彼は、同じ料理を飢えた庶民にアミューズとして提供するために、世界初と言われるレストランをオープンするのだ。
マンスロンが開店した田舎のオーベルジュのレストランには間隔を置いて何台かテーブルが配置され、各テーブルにはコース料理が運ばれてくる。今では当たり前の風景が、実はフランス革命につながる自由と平等の象徴だったという作者の観点が、なんとも胸をくすぐるではないか!?
マンスロンと彼に弟子入りするスーシェフとのラブロマンス、女性差別撤退、絵画的な照明、等々、これはフランス映画のセンスが凝縮された必見作。役者は地味でも舌に残る後味は芳醇である。
2023年3月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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とても素敵な作品だった。
フランス革命前夜の18世紀フランス、階級社会と貧富の差はイコールで、貴族たちの悪辣な様子は酷く、また滑稽にもみえる。それでも下級の民たちは頭を下げて赦しを乞わなければならないのがなんとも辛い。だからこそ、あのラストには胸のすく思いでした。一流の料理人でありながら虐げられた主人公と社会や世論を知ろうとした息子、その親子を救った婦人の関係性がとても良かった。盗みをしていた少女たちに労働によって対価を与えられた姿にも涙が誘われる。料理している手元も鮮やかで、生地をこねてるところとか、肉から脂がしたたってるところとか、食欲が湧いてくる。
階級関係なく笑顔で交わされる食事風景に、いつの時代もレストランは良き豊かな様相の象徴だなと思いました。料理人の矜持はお客様の笑顔で満たされる。
舞台設定が革命前夜ということもあるが、
コロナ以降の現状と照らし合わせても十分なメッセージを含む映画と言えるのでは?
オリンピック前年世界ではもう一つの一大イベントの
号砲が鳴らされた◎コロナフェスである。
その後どの国でも同じオペレーションで国民を家畜同然の扱いとし、管理統率が始まった。
我が国に至っては、世界的に誇れる食文化を支える現場が活動自粛に追いやられ、税収根幹の酒類が諸々のダメージを与えられた(^^)
評価はのちに任せるとして同時代を生きるものとしては憤りを感じ怒りの行動を起こして然るべき状況にある。
が、国民は従順に従い秩序維持に貢献している。
この状況に映画を通じ字幕メッセージで感じたモノは
なんらかの革命を抱いても良いと言える筈である。
デリシュデモクラ。本作は非常に芳ばしい🍠
美味だった♪
2022年10月29日
iPhoneアプリから投稿
小品ながらきちんと現代風にアップデート。客のセクハラは笑って流さず、安易なラブシーンもきっぱり拒否!
レストランの誕生と市民の登場をうまく絡めて楽しめた。
公爵は悪役なんだろうけど、マヨネーズにもこだわりおいしい食べ物に目がないとなるとどうしても極悪人には見えなくなっちゃうなあ。
息子は知恵を出したとはいえもうちょっと働いてほしい。
現れるのが30代女性じゃなくて、50代くらいの女性で、いくつになってもやり直せるっていうのもいいなと思った。
謝り、許す、やり直す、は最近ほんとによく見るテーマだ。