全自動レストラン

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全自動レストラン

解説

サイレント映画時代末期の1920年代後半に、緻密なストップモーションアニメと実写の融合による奇想天外な短編映画を数多く生み出したチャーリー・バワーズが、1926年に監督・主演を務めたサイレント映画。

愛する女性との結婚を認めてもらうため、彼女の父が経営するレストランを訪れたバワーズ。ところが、仕事を探しに来たと勘違いされてしまい……。

「NOBODY KNOWS チャーリー・バワーズ 発明中毒篇」(2022年9月17日~、東京・渋谷ユーロスペースほか)にて、オリジナル伴奏音楽付きで上映。

1926年製作/23分/アメリカ
原題または英題:He Done His Best
配給:プラネット映画保存ネットワーク
劇場公開日:2022年9月17日

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映画レビュー

4.5全自動レストランって、未だに無いよね。あっても行かんけど。

2022年10月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

1926年といへば産業革命も一息つき、世界恐慌直前。 この映画は化学万能の夢と労働者達の不安が生み出した泣き笑いのファンタジーです。 バワーズの作品「たまご割れすぎ、、」でも謎のピタゴラスイッチ的全自動機械が登場します。 この頃の世相というか子供の夢というか全自動レストランもなかなかカッコいいメカです。 お得意のストップモーションアニメはマシンの配膳機能で控えめだな、、、と思っていたらシュワンクマイエルもびっくりの牡蠣の中身が自力でスープに飛び込む謎のビザールカット! そしてお決まりの大爆発。 この辺はドリフのコントまで海を越え脈々と受け継がれております。 スラップスティックやストーリーとしての完成度なんかより、やっぱり彼の映画は漫画みたいなとんでもない映像で魅せる所に有るんだろうなぁ、とこれを書きつつ再確認。

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masayasama

3.5機械仕掛けのレストランでは、牡蠣の中身も踊り出す! ストップモーションを駆使した綺想の無声映画。

2022年10月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ストップモーションとスラップスティックを融合させた、1920年代の短編映画の撮り手、チャーリー・バワーズ。 一度は完全に忘れ去られ、1960年代に3本のフィルムが再発見されて、70年代に何度か上映されたものの、ふたたび忘却の淵に沈んでいた。これをセルジュ・ブロンベルグという収集家(このあいだ渋谷のロミ・シュナイダー映画祭で上映してたクルーゾーの未完成作にせまるドキュメンタリー『地獄』の監督さん)が80年代に再発掘し、パッケージ化した、ということらしい。 日本では去年から作品紹介が始まっていたようだが、ぼくはそれにまったく気づいておらず、今回のユーロスペースでの『NOBODY KNOWS チャーリー・バワーズ 発明中毒篇』上映で、初めて足を運んできた次第。 バワーズ作品全体については、先に書いた『たまご割れすぎ問題』の感想のほうですでに触れたので、こちらでは個別の印象のみ簡単に触れておく。 お話としては、恋人にプロポーズするが、「ああそれはお父さんに聞いてね」とさらっと返された男が、彼女の父親が経営するレストランを手伝うことになるのだが……といったもの。 前半は、彼が皿洗いとして入ったせいで、コックやウェイターがぞろぞろ出て行ってしまい(スト破り?)、店長が人探しに行っているあいだ、ひとりで店を切り盛りするはめになる。 ドタバタは臨界点に達して、ついには……また来た! 爆発オチ(笑)。 完全に破壊された店に店主は激怒するが、青年には秘密兵器があった……。 後半の主役は、この「全自動レストラン」を取り仕切る、巨大機械だ。 デビュー作『たまご割れすぎ問題』に登場する巨大機械では、「車輪」と「導線」がメインのピタゴラスイッチみたいな造形が目を引いたが、今回は「タイプ」と「ダイヤル」と「パイプ」がメインの巨大操作盤と、「アーム」と「出し入れ口」を駆使した遠隔操作が見ものとなる。 メインテーマは、「ワンオペで全ての客に調理・配膳する」という問題解決に、全自動機械を用いて立ち向かうことなのだが、小ネタとして、料理作りの舞台裏が描き込まれ、そこでストップモーションがおおいに駆使される。 豆を種から栽培したら缶詰の実がなったり、がわからクリームだけでウェディングケーキをつくる機械が出てきたりと綺想満載の内容だが、特に印象的なのが牡蠣のスープづくり。 牡蠣の中身(目が二つあってなめくじかウミウシみたいな形状)が自ら這い出てきて、尺取虫みたいにもぞもぞしながら、渡し板を通って鍋に飛び込み、ひと泳ぎしてエキスを出したあと、殻に戻るのだ。なんて優雅なスープ! 肝心の具は入ってないけど! スラップスティックのほうも、『たまご割れすぎ問題』と比べて長足の進歩を遂げており、観ていて苦痛なく楽しめる。ラストのペーソスも悪くない。 「万能機械」への夢と幻想が、メルヘンチックに結実した好短編だと思う。 ただ個人的には、新たに今回の上映のために作曲・演奏された伴奏音楽は、まったく受け付けなかったなあ……。 こんなの付けるくらいなら、ふつうにピアノで弾いた適当な即興演奏流しててくれたほうが100倍いいと思うんだが……。

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じゃい

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