恐怖のメロディのレビュー・感想・評価
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【”この乙女、愛のみ日々を生きて居た・・。”DJに一方的に恋をした中年女の異常な嫉妬深さと行動を描いた、身に覚えのあるモノには大変恐ろしき作品。けれども、男にも責任はあるのではないかなあ。】
ー 今作は、今や巨匠となったクリント・イーストウッドの監督デビュー作となったサスペンスだそうである。デビュー作とは思えぬ演出の冴えに驚く作品である。-
■今夜もデイブ(クリント・イーストウッド)がDJを務めるラジオ局の電話が鳴った。やがてその女・イブリン(ジェシカ・ウォルター:狂気の演技が凄すぎる。)と知りあったデイブは、誘われるまま一夜を共にする。
だが、デイブには本命の彼女トビー(ドナ・ミルズ)がいる事を知った、イブリンの異常な嫉妬深さと常軌を逸した自分の家の合い鍵を勝手に作り、衣服とメイドを切り裂く行動を目にしたデイブは、彼女に別れ話を切り出す。
◆感想
・最初は怖さの方が増して来た作品である。序盤のイブリンの優しい笑顔が、デイブとトビーが出会っている姿を陰で観ている時の激しい怒りの表情に変化する様。
・けれども、序盤にデイブはイブリンと一夜を共にしているんだよね。故にデイブにも責任の一端はあるのではないかな、と思いつつ怖い思いで鑑賞続行。
■ヤッパリ、一番怖いのは一度は収監されたイブリンが出所してきて、トビーを監禁し、マッカラム警部(ジョン・ラーチ)を刺し殺す所かな。
寝ている時に、ナイフを持って枕もとに立たれたら、そりゃ仰天するよね。
<今作は、以前鑑賞した時には怖さしか残らなかった作品であるが、今観るとイブリンは精神的に病んでいた事もあるのだろうけれども、寂しい気持ちが彼女を狂気に走らせてしまったのだろうな、と思った作品である。
男性も女性も、相手には軽率な行動をとってはイケナイよな、と思ってしまった作品であるとともに、初監督でこの背筋が寒くなる演出をした若きクリント・イーストウッド監督の資質を感じる作品でもある。>
ブチ切れストーカー女
若かりし頃のイーストウッドさん。
カッコいいのかもしれないが、ちょっと脇が甘くない?
行きずり?家に上がったり上げたり。
あの豹変する女に、早々に恐怖心は抱かなかったの?
警察も甘かったね〜と。
そして、最後の方で、彼女と滝に打たれて…森の中で…うわっ痛そう。
このシーンは必要だったのか?
何にせよ、時代を感じる作品でした〜。
怖いね~
クリント•イーストウッド、カッコいい❗️
凄いなぁ、あれだけ思い込み強ければ怖いもの無し。
初めの方で、
女が男の家から朝帰りする際、
隣人にやかましいと注意されると普通なら
極力静かにするところ、ヒステリックに喚き、
クラクションを派手に鳴らすという
はた迷惑なことをした時、
ちょっと危ないなぁ、と感じた。
この女と関わったことが最大の間違いだったけど、後にならないとわからない。
家政婦さん気の毒、刑事さんも気の毒。
ラスト辺りは、いつどこからあの女が出て来るかと
ヒヤヒヤドキドキだった。
精神的な病気だったのか。
可愛らしい顔していたのに怖かった。
ズケズケ来る女性の恐怖
進んでいる
70年代にすでに境界性人格障害的人物像が捉えられていたのか。アメリカは進んでいるなあ、というのが第一の感想。医療や警察の想定が甘々なのも、ある意味当時最先端な病態で対処方法が確立されてないから、なのかな。(映画的演出やアメリカ的自由さとも取れるが。)/公民権運動からベトナム反戦運動やヒッピー的なムードの影で、他者との繋がりの糸を掴みそこねた人が出現していたという、精神医学史的に興味深い側面を描いていると思った。
イーストウッドが描く女性への執着~ストーカーへの恐怖
これがイーストウッド監督&主演作。
ラジオdj演じる彼がある女性との出会いをきっかけに愛し合うが周りの女性を邪魔者扱いして周囲が不安になってゆく中、ついに人を殺す事となります。(いわゆる現代で言うメンヘラというもの)
最後のナイフで刺そう時下着寸前でのシーンがヤバかったです。
低予算でも魅せるイーストウッドの監督デビュー作
イーストウッドの記念すべき初監督作。
最新作「クライ・マッチョ」鑑賞に向けてこの度鑑賞したが面白かった。
正直、今日に映画の出来だけで評価すると星3ぐらいな気もするが、低予算での工夫や、時代背景などを考慮すると凄いと思う。
製作された70年代初頭はまだストーカー行為という概念が浸透してなかったので、当時としては斬新だったと思うし、限られた予算の中で「電話」や「音楽」を上手く駆使してハラハラする展開を上手く演出している。
本作の特徴の一つは、長い移動のシーン。
最初は何故カットしないのだろうと思っていたが、カットしないことによって展開に緩急が生まれ、結果的に鑑賞者を映画に没入させることに成功している。
イーストウッドの監督作で良いところは「演出し過ぎない演出」は思っていたが、デビュー作からその兆候があったのを知って、やはり監督としての手腕も一流だと思った(本作に関しては少ない予算のやりくりの中で思いついた単なる策なのかもしれないが)。
本作は失敗作だとか言われているそうですが、とんでもないと思います 「危険な情事」より、面白くそして怖いと思います
邦題は本作の内容をその通り表現してあります
実に怖かったです
本作は1971年公開
危険な情事は1987年の映画
内容はほぼ似ていますが、正直本作の方が怖かったと思いました
本作は失敗作だとか言われているそうですが、とんでもないと思います
「危険な情事」より、面白くそして怖いと思います
本作は独身男性、危険な情事は既婚者の違いがあります
そこが男性が女性を口説くとスイスイ上手く行き過ぎるお話しが、自然でもあり怖さを増幅させてもいます
バーで女性を引っ掛ける為の偽ゲームに協力する赤いジャケットのバーテンはイーストウッドの師匠で名監督のドン・シーゲルが俳優として出演しています
低予算映画で金を節約したいのと初監督で少し頼りたいので彼にイーストウッドが頼んだそうです
まあまあ様になっています
特典映像でガチガチだったとイーストウッド監督が笑ってました
でもちゃんと胡散臭いバーテンに見えます
イーストウッドのDJも後のクワイエットストームのような静かな夜のジャズ局ぽい特徴を上手く出しています
イブリン役のジェシカ・ウォルターはじめ、映画全体にまるでヒッチコック作品のようなタッチがあります
とても初監督作品とは思えない巧みさです
中盤のロマンチックなシーンは、クライマックスへの高低差をつけるためのもので、観客を弛緩させるようによく計算されたゆったりとしたテンポと美しいカメラと音楽でした
モントレージャズフェスティバルもシーンも、トビーのルームメイトが代わったことを私達観客に気付かれないための仕掛けでした
しかもルームメイトが代わることがある伏線も序盤に張っています
ラストシーンは冒頭の断崖を眺めるシーンとつながっています
そして生放送中に番組のデモテープをかけてトビーを助けに行くシーンも、シーサイドのレストランでサンフランシスコの女性プロデューサーが呆れて帰ったあとに残された録音テープで、そのテープを作るシーンもあって伏線が張り巡らされているのです
そしてラストシーン
そのテープから
「ミスティを掛けて」の電話リクエストの声がして、そしてミスティが流れだします
なんと小粋な演出でしょう!
初監督作品とはとても思えません
「恐怖のメロディ」という邦題はそれでぴったりなのですが、この「ミスティを掛けて」の原題にある小粋さが抜け落ちてしまっています
なんとももったいないことです
現代なら、原題の英語をカタカナのまま邦題にしていたと思います
本作で流れるミスティは、レコードのものと違いストリングスが入ったより優美なもので、エロル・ガーナー本人に頼んで新録音したとのこと
中盤の美しいゆったりとしたシーンに流れる曲の美しさに感動すると思います
曲名は「愛は面影の中に」です
歌手は黒人歌手のロバータ・フラック
この曲はもともとは英国のシンガーソングライターの曲で、1969年の彼女のアルバムの中でカバーしたもの
それをイーストウッドがたまたまラジオで聴いて気に入って直接彼女に使いたいと交渉したそうです
本作は1971年の11月の公開でクリスマス前に公開が終わっています
しかしよほど評判が良かったのか、年明けの1972年1月にシングルカットされ大ヒットしたという流れです
シングルの方が1分ほど短いです
彼女はこのヒットでブレイクして大歌手になって行きます
永遠の名盤「ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ」は1972年の4月リリース
そしてあのメガヒット「やさしく歌って」は1973年8月の同名アルバムに先行して1月に発売されたシングルというわけです
本作にはそれ程のパワーがあったのです
本作の舞台はサンフランシスコとロサンゼルスの中間くらいのカーメル
サンフランシスコから南に200キロ、車で2時間くらい
日本でいうと葉山みたいな高級別荘地
劇中でも出てくるジャズフェスティバルで有名なモントルーはカーメルから北に10キロ弱車で10分くらいです
クロスオーバージャズのキーボード奏者で有名なジョー・サンプルに「カーメル」というアルバムがあります
ジャケットはまさに本作に登場した美しい海岸です
あまりの本作の怖さに動揺した精神を鎮めるには好適なアルバムです
合わせてオススメします
イブリンの顔が怖い
真剣なストーカーサスペンスなんだけど、時々コントなのかこれは…って...
マントバーニーオーケストラをかけてくれ
今更ながら、モントルー・ジャズ・フェスティバル(スイス)とモントレー・ジャズ・フェスティバル(アメリカ)があることを確認。ちなみに石川県七尾市で毎年開かれているモントレー・ジャズ・フェスティバル・イン・能登はカリフォルニア州モントレーの姉妹都市だから(豆知識)。そんなモントレーの隣町であるカーメルでの出来事。ラジオ局KRMLでDJをしているデイブがストーカー被害に遭う話です。
エロール・ガーナー作曲の「ミスティ」を知ったのはこの映画でしたが、実際に演奏してみて初めて良さに気づき、今では好きなスタンダードジャズのNO.1となりました。こんな美しい曲なのにこんな怖い映画で使われるなんて・・・とも思ったものです。久しぶりに観てみると、なんとイーストウッドの盟友ドン・シーゲルがバーテンダーのマーフィ役してたんだ!という驚きや、MJFの演奏がそのまま使われていることに驚きました。アナベルという名前もエドガー・アラン・ポーの詩集から取られているとか新鮮に感じられます。
恐怖映画、怖い女というカテゴリーがあれば『ミザリー』とともに上位にくるであろう本作。クリント・イーストウッドの初監督という記念碑的作品でもありますが、ジャズ好きという自分の趣味も入れたりして雰囲気は最高です。『白い肌の異常な夜』でも女性にいじられていたし、ちょっとMの気を出していたのかもしれません。ただ、DJとしては声がイマイチ。
「ミスティ」という曲がなければ面白くもない映画だったかもしれないけど、何段階もの驚愕シーンがあるので楽しめるはず。『危険な情事』とどちらが怖いか友人と語り合うのもいいかもしれません。
イーストウッド初監督作品
総合65点 ( ストーリー:70点|キャスト:80点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
すっかり映画監督としての評価も確立し、もうイーストウッドといえば西部劇ともハリー・キャラハンとも言えなくなっているが、その彼の初めての監督作品はどうだろうか。
この時代にして精神異常のつきまとい行為という主題を取り入れているのは先見性がある。エブリン役の女優さん、頑張っていたのではないか。途中で演奏会を流すだけの無駄に間延びした場面もあったし結末も想像通りだが、総じて悪くないと思う。
だけど個人的にこういう思い込みが激しく人の意見を聞かず理屈の通じない異常者が嫌いで、そんな彼女が活躍するのも観ていてきつくて、その意味で映画を楽しめたとは言えないので総合点やや減点。
それにしてもイーストウッドと言えばやたらと銃を撃ちまくる役ばかり演じてきて、私生活でも銃が大好きなくせに、この作品では銃が全く撃たれることなく終わる。エブリンだっていくらでも時間があったくせに、銃を用意せずにわざわざ鋏で襲い掛かる。やはり銃撃って簡単に終わっちゃ盛り上がらないから、流石のイーストウッドも銃を持ち出せなかったか。
新年第3作、さあ次はイーストウッドだ。 昨年地震速報で放送中断の憂...
恐怖のリクエスト
ストーカーの恐怖。当時女性ストーカーを描くのは珍しかったのかな。甘く見ていたのか、刑事弱過ぎ!!そしてプレイボーイには相当なお灸です。
ストーキングは今でこそ対策が難しいし、精神疾患が治る前に退院して再犯に及ぶ所もリアルです。。
女性の嫉妬心、執着心、激しい思い込みなどから来る怖さを描いている点では"Single White Female", "Misery", "Disclosure"辺りを思い出しました。
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