劇場公開日 1972年4月

「低予算でも魅せるイーストウッドの監督デビュー作」恐怖のメロディ 柴左近さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5低予算でも魅せるイーストウッドの監督デビュー作

2022年1月16日
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鑑賞方法:VOD

怖い

イーストウッドの記念すべき初監督作。
最新作「クライ・マッチョ」鑑賞に向けてこの度鑑賞したが面白かった。

正直、今日に映画の出来だけで評価すると星3ぐらいな気もするが、低予算での工夫や、時代背景などを考慮すると凄いと思う。

製作された70年代初頭はまだストーカー行為という概念が浸透してなかったので、当時としては斬新だったと思うし、限られた予算の中で「電話」や「音楽」を上手く駆使してハラハラする展開を上手く演出している。
本作の特徴の一つは、長い移動のシーン。
最初は何故カットしないのだろうと思っていたが、カットしないことによって展開に緩急が生まれ、結果的に鑑賞者を映画に没入させることに成功している。

イーストウッドの監督作で良いところは「演出し過ぎない演出」は思っていたが、デビュー作からその兆候があったのを知って、やはり監督としての手腕も一流だと思った(本作に関しては少ない予算のやりくりの中で思いついた単なる策なのかもしれないが)。

柴左近