親密な他人

劇場公開日:2022年3月5日

親密な他人

解説・あらすじ

「冷たい熱帯魚」の黒沢あすかと「彼女が好きなものは」の神尾楓珠が共演し、親子でも恋人でもない男女の間に生まれる不思議な愛の行方を描いた心理スリラー。パート販売員として働く46歳の石川恵は、1年前に行方不明になった息子・心平の帰りをずっと待ち続けている。そんな彼女の前に、心平の消息を知っているという20歳の青年・井上雄二が現れる。心平の行方をめぐり、2人は親子のような恋人のような不思議な関係になっていく。しかし雄二には隠された目的があり、一方の恵も誰にも言えない秘密を抱えていた。監督・脚本は「ハリヨの夏」などで国内外から高く評価された中村真夕。

2021年製作/96分/G/日本
配給:シグロ
劇場公開日:2022年3月5日

スタッフ・キャスト

監督
中村真夕
脚本
中村真夕
企画
山上徹二郎
製作
山上徹二郎
アソシエイトプロデューサー
坂野かおり
キャスティングプロデューサー
鈴木俊明
ラインプロデューサー
渡辺栄二
撮影
辻智彦
照明
大久保礼司
録音
川上拓也
美術・装飾
小林美智子
衣装
宮本まさ江
ヘア・メイク
櫻井安里紗
編集
大重裕二
音楽
新垣隆
助監督
七字幸久
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(C)2021 シグロ/Omphalos Pictures

映画レビュー

4.0サイコパス過ぎるやろ!て話

2025年8月10日
スマートフォンから投稿

驚く

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ハシーム

4.5奥深さのあるホラー

2025年7月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

解説には心理スリラーと記載されている。
この作品のプロットは練り込まれているが、核心部分が隠されているので読み解くのは難しい。
まずタイトル
このタイトルは主人公が石川ではなく井上であることを指しているように感じる。
つまりこの物語は、物語全体が「他人の狂気に巻き込まれていく男の視点」だ。
通常ではないと感じる石川
特に仕事場での出来事にそれが現れている。
ベビー用品店には、石川の過去 幸せだったあの頃の夢が詰まった場所だろう。
その通常ではない石川の人間性に仕掛けたのがこの作品
その仕掛けがホラーにも通じるように感じる。
「見てはいけない」もの
この部分は特にホラー 昔話風の怖さがある。
特殊詐欺グループを題材にしたのもいいと思う。
彼らの素性に「孤独」という石川の持つ共感部分が怪しく光っている。
石川は、心平という他人を架空の息子に仕立て上げることで自分自身の「正常」を保っていたのだろう。
これ彼女の思う「正常」こそ、彼女を異常、サイコにしている。
石川にとって「箱の中身」は、彼女の虚構と現実の境界線。
それを見た者は、彼女の「幻想」を壊す存在となるため排除せざるを得ない。
つまり、「秘密」ではなく、「幻想」を守るための殺意だ。
ここがこの作品の核心部分であり、読み解かねば面白くない点でもあるので、難しい。
そしてこの「箱の中身」
明かされないこの箱に入っていたのは、おそらく嬰児のミイラではないのだろうか?
石川がサイコになった原点
ずっと一緒にいたいと願うあまり、火葬や埋葬さえできなかった。
もちろん、死亡届さえも出されていない。
これが石川の心の根幹に宿って、それが彼女の幻想を作っている。
冒頭の心平と石川の姿
実際に起きたと思われるが、大人の遺体をどのように処分したのだろう?
ここは物語故のこと。
石川は引っ越しを繰り返しながらこのようなことを続けている。
特殊詐欺グループの上を行く恐ろしさ
いかにも悪い奴らという構図を出しておいて、彼らを喰う女という構図
他人を騙すのではなく自分自身を騙すという狂気
これこそがこの作品の面白さなのだろう。
井上は、
石川から母を思い出した。
しかしそれは同時に捨てられた日のことでもあった。
彼の持った孤独と貧困
そこから逃れるための詐欺加担のバイト
石川という母のような存在によって、詐欺グループと接触しないようになった。
特に引っ越し準備の時は、新しくやり直したいという思いになったのだろう。
嘱託殺人から、石川自身の過去を聞いたことも、井上にとっては孤独を共有できる人との出会いを感じたはずだ。
井上は確かに見てはいけない箱を開けた。
しかしそれでも彼は石川の言葉に嘘がなかったことを再確認しただけだったように思った。
ところが石川にとってそれは、彼女の虚構と現実の境界線であり、こんなことが繰り返されてもなお死守すべきものなのだろう。
この狂気が殺意になり、繰り返す。
作品の中に誰もが知る佐野史郎さんを登場させることで、この作品の格が上がる。
そして練り込まれた脚本 素晴らしかった。
なお、
モチーフとして登場する「幸せを運ぶ青い鳥の羽」
ベランダに掛けてあった鳥かご
井上は何故騙した人にこのモチーフを使ったのだろう?
この読みときは難しい。
メーテルリンクの青い鳥
それは井上にある母の想い出だろう。
彼は無意識でそれを探している。
詐欺のお礼に使っているのは、『「幸せ」や「青い鳥」など存在しないよ、バーカ」と自分と相手に向けて言っているのかもしれない。
そして、あの絵
女性が横たわり、白い馬に乗った天使のような存在が、小さな子供を優しく掴まえている。
死産した女性を慰めるような絵
まさに救い。
しかし、石川はどうしても彼女の幻想を持ち続けたいのだろう。
彼女が持ってしまった思考
この悲しさ。
なかなか奥深い作品だった。

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R41

3.5闇の現実と闇の心情と入り混じって、生きる気力が奪われそうになる映画...

2024年8月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

闇の現実と闇の心情と入り混じって、生きる気力が奪われそうになる映画・・
底辺の環境でありながら淡々と律儀で質素で上品とも感じられる感性で綴られている。このストーリーならもっとドロドロした刺激的な映像のエピソードも有ればと思うが、この抑制的な表現で、観客が想像出来る限りの怖さを想起させる仕掛けだと好意的に思うことにする。

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wamabut

2.5洗濯機の上に、どう考えても皿は置かへんって。

2022年5月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

これは、ちょっと…。
黒沢あすかさんが好きなので観に行きましたが…。
俳優のお二人は、とても良かったです。
ただ、脚本、演出が苦手なタイプでした。

皿で指を切って、唇で舐めるアップのシーンが、もしかしてエロいと思っているのかしら?
もう、王道過ぎて…。
あれ、ストーリーの中で必要??
でもって、そのシーン撮りたいがために、皿割りたかったために、洗濯中の洗濯機の上に置いたん?
日常生活で置かんで普通。
さらに、あの瀬戸物のような皿では、なかなか指切らんし、
せめてグラスだわな。
今の時代、都会で子ども乗せたままのベビーカーを放っておかんって。
いいねん、そういうシーン撮りたいなら撮れば、せめて、リアル感を出してくださいな。
監督の自己満足のドヤ感シーンで、
自分の好みじゃないものが一個でもあると、あとが全部、つまらなくなってしまうのです。
※もしかしたら、男性だと気にならないシーンかもね。

バックハグの体制で、カミソリで髭を剃ってあげる、髪を切ってあげる...。
髭生えてないやん。髪型そこまで変わってないやん。
青い羽根はどうなったん?
そのシーンを撮りたい、コンテンツを入れたい!を優先するより、
まずは、ストーリーをきちんと構築して欲しい。
自分の妄想の中では、辻褄合っているのだろうけど、わたし、置いてけぼりでした。
理解力がないのかしら。

もう、なんだか、すべてのドヤ感シーン、コンテンツが女性監督の妄想って感じがしてしまいました。
それも、昭和感覚の。

ただ、黒沢あすかさんは、とても素晴らしかったです。
声のトーンが心地良くミステリアスで、非常に魅力的でした。

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hkr21