恐怖の報酬(1977)のレビュー・感想・評価
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期待し過ぎたところはあったが、傑作
本作はソフト化されていない伝説の映画だった、オリジナルの白黒映画の方は皆観ているだろうでもこのリメイクも凄いんだぜとよく観た人が書いていたので昔から「どんだけ凄いんだ?!」と思っていました、だから劇場で観れるというので大急ぎで予約。
人間ドラマが前半、後半がサスペンスというキチンとした構成(七人の侍とか思い出します)に往時のがっちりした映画らしさがあり、映像も美しい(ジャングルもすごいですが、終盤の不思議な砂漠の風景が特に印象的)。
でもでも...登場人物の4人が超人的でなんだか物足りなかった、人間の弱さ情けなさがあちこちに散りばめられている人間臭い54年版の方が好みです。
※吊り橋を渡るシーンは期待していたほどの迫力では無かったけど満足してます
全く予備知識無く,古~い映画なんだぞ!というだけで…
とにかく映像の古さもリアリティーあり,内容&趣旨自体が今現代の作品では見受けられない事に、面白味を感じられた。 何々,監督に無断で映画作品自体を短くしちゃったものを公開しちゃい、改めて121分のオリジナル完全版だぞ!なんて言われちゃった日には,観なきゃならんでしょう❗️ そっかぁ〜スター・ウォーズが流行っちゃっていた頃じゃ知らないねぇ〜 がしかし,昔の映画故に⁈ストーリー展開の焦れったさも、感じちゃったのも正直な処…。
死人出てますよね?
フリードキンが自身の最高傑作と語る本作を初鑑賞。ハンパじゃない。頭がどうかしてる(最大限に褒めてます)。誰もが思うだろうけど、吊り橋のシーンで死人出てますよね?この狂気の産物の前では、トムとマッカリーの『M:I』なんて可愛いらしくもあるほど…
地獄から逃げ出せるとしても、行先は地獄だけ。
何かから逃げて来た4人の男と追いかけて来た男。このままでは終われないが、逃げ出すには金がいる。この地獄から逃れられるなら命を掛けるのもしょうがない。が、所詮逃げだせたとしても、行先は地獄しか無かった、と言う話。
地獄地獄としつこいが、頭の中はその言葉で一杯になってしまった。左胸に突き刺さる恐怖と虚無感。噴き出す汗、強張る両手、カタルシス直後の絶望。これを傑作と呼ばずして、なんと呼ぶ。この映画が大ゴケした1977年はスターウォーズの年らしいが、SWにこかされたとは、どうしても思えない。世紀の謎です。
足が突っ張ってしまう感
映画館ではなく、どこかで観た記憶があるのだが、やはり地上波で放送されていたのだろうか、多分カットされまくりバージョンを。オリジナル仏版は好きな映画の一つだけど、このアメリカ版も当時の時代を反映させていて、なかなかの社会風刺要素も含んでる。そして映画館で観ることができるということは、前の座席を蹴ってしまうかもしれないほど、ブレーキを踏む足に力が入ってしまうということ。CG満載の映画ではなかなか味わえなかったため、久しぶりの感覚。
序盤は南米に集まる前の4人の男たちが描かれる(予告編でもわかる)。シオニストの殺し屋ニーロ、アラブの爆弾テロリスト、マルティネス、フランスの投資家セラーノ、アメリカのアイリッシュマフィア、ドミンゲスだ。特にロイ・シャイダー演ずるドミンゲスは神父殺しのギャング団の運転手をしていて事故を起こすこともトラウマとなっていたハズで、運転手心理がとてもシビアに伝わってくる。かと言って、ナビをする相方の方もちょっとした振動で大爆発するために慎重にならざるを得ないという状況なのだ。
南米奥地の油井近くの町。ワケありのならず者たちが集まってしまう掃きだめのような町ではあるが、犯罪者が身を隠すにはうってつけの場所なのだろう。前述した4人の男たちも警察やマフィアのボスなどから逃げてきているのだが、逆に町から抜け出そうと必死に働いても金が全く貯まらない、タコ部屋みたいな閉ざされた空間なのかもしれない。そんな時、独裁者に対抗するゲリラによって採油現場で火災が発生し、ニトログリセリンによって爆発を起こして消火することが決まった。ヘリでは振動が大きく運べず、おんぼろトラック2台で200マイルほど先の火災現場まで輸送するのだ。報酬は一人1万ドル!渡航するには十分、さらに1年遊んで暮らせるほどの額だ。皆が立候補するのだが、こうして4人が選ばれた。
おんぼろトラックの修理から始まるリアリティ。そして保険のためトラック2台に別けるという非情な作戦がおぞましい。出発前、殺し屋ニーロとテロリスト・マルティネスと諍いが起こる。オリジナルにはない、イスラエルとパレスチナの中東戦争の縮図がここに描かれていた。公開当時にはカットされていた、この宗教戦争の縮図も面白いが、こんな仲の悪い二人は別々にしてやれ!てなことで、あっさりAチーム、Bチームに分かれてしまった。
こうした構図を踏まえた上で、Aチーム、Bチームの運転を観ていくとさらに心理戦が炸裂するように思える。「出し抜いてやれ」とか、間違った道を選びやがれ」とか、ならず者たちの醜い争いまでもが見え隠れする。特に豪雨の川の吊り橋のシーンは凄かったのだが、金がかかってる映画だと思えば、あの傾き方じゃ落ちてるだろ・・・などと、緊張感も凄まじいのだが、同時に一種の安心感も伝わってきた。そして待ち受ける次なるトラップは倒れた大木。絶望感漂うシャイダーの演技をよそに、爆破の専門家マルティネスは「これしかない」とつぶやく。信管と時限装置、原始的森林地帯でよくこんなことが思いつくもんだと感心しながら、爆破しても道が開かなかったら?などと突っ込んでもみたくなるが、この細かな芸がこの映画の中で一番好きなシークエンスだった。
4人で切り抜けたために中東戦争も一時休戦。4人で金を分け合おうぜ!と仲良くなった途端にBチームのタイヤがバースト。虚しい。さらに現地ゲリラによる殺戮だ。虚しい。しかも、思想は違えどゲリラにやられてしまうところは皮肉としか言いようがないニーロ。最後に一人残されてしまったドミンゲスだったが、今度はガス欠!
もう大満足なんだけど、やっぱりオリジナルの方が好きだな。こっちのリメイク作品はやっぱり映画館で観るべき体感映画なのかもしれません。
また、どうしても気になる点も残ってる。
神父を殺したら、それがボスの弟だったという運命のいたずらは面白いのですが、結婚式で花嫁の左目が殴られた痕が痛々しく映っていたのですが、これはそのボスに殴られたってことでいいのでしょうか・・・新郎がボスの子分かな?誰か教えてください・・・
それと、フランスでポルシェで自殺した男も気になる。脱税の金額もポルシェを売ってしまえば、半分くらいになる気がしたのですが・・・
今の中2世代に観て欲しい
なんなら各都道府県の「たまたま日曜、1人家に居てダラついてたらTVでやってたんで観た」ぐらいの出逢いで観賞して欲しい。そんな気負わないで、TV見てたら始まった、とか従兄弟の兄ちゃんに薦められたとか。そんくらいが良い。
観賞した翌日学校で「恐怖の報酬って映画観た!?なんかめっちゃ良かったぜ!」なんて具合にクラスメイトと会話するくらいの記憶で脳裏に刻まれてて欲しい。
小難しいウンチクは抜きにして、単純に観て欲しい。
そうやって影響を受けた子が自分で映画を深く掘り下げ始めたとき、次世代の映画が生まれるんじゃないかと思う
すごく面白かった
仕事等で疲れていたのだが、この映画を見たら気持ちに活力が戻ってきた。生き地獄のような悲惨な状況を描いて、しかし全体としては強烈な覇気に満ちている感じが良かった。活劇としては今の「ミッション・インポッシブル」シリーズの方が盛り沢山だし、トム・クルーズだってそりゃ良いのだが、やはりロイ・シャイダー&フランスのおっさんを筆頭に、スクリーンに映るあらゆる役者の風貌、佇まいが、最近の映画よりも圧倒的に素晴らしいと感じてしまう。脇役の一人一人にも魅入ってしまう。
道行きがスタートするや否や登場して謎の動きを見せる原住民の男もおかしかった。あんなんやられたらイラっとするよね〜。
すごい映像
あまり予備知識なく観に行きました。ポスターとタイトルだけ見て、面白そう…と。なので、前半は、はて?何の映画やら?って思ったんですよね…。あの4人が、ニトロを運ぶ段になっても、これ、いつまで続くのかな…と思ったくらい。終わってみて、あ、このタイトルは、そういうこと?…と。後で、ストーリー等、読んでみましたが、いろいろあった作品なんですね。結局、1977年の作品をデジタル修復して上映ってことは、これ、それ以前に撮影してるってことでしょう? 今みたいに、CGとかないし、実際に撮影したってことよね?そう思うと、すごいなーって単純に思った。ストーリーは、4人が出会うまでが長すぎるかなぁ…って思ったかな。あの人…絶対、PTSD になるよね。迫力ある映画館で観ることをオススメします。…が、ストーリーは、好みが別れそうな気がします。
後半の凄まじい緊張感
冒頭それぞれの過去話のあと、ニトロ輸送が始まるまで少しモタつくのが惜しい。輸送が始まってからは手に汗握る緊迫感溢れる展開でスクリーンに釘付けにされる。エンディングもまたよし。堪能した。
なお子供の頃テレビで液体のニトロを運ぶ映画を観た記憶があったので、もしや本作ではと思ったが、どうやらフランスのオリジナル版の方だったようである。
古さを感じさせない凄い映画
40年前の作品である。CGも何もない時代によくこれだけの映像が撮れたものだというのが最初の感想だ。崖の上のカーブをスレスレで曲がったり、荒れる川に架かる、手作り感満載で心もとなさMAXの木造の橋を、橋とほぼ同じ幅のトラックで渡ったりと、信じられないような実写の映像が目の前に流れるのは、まさに奇跡と言っていい。
言わば無法国家と言ってもいい独裁国に、世界各地の法治国家から流れ着いたろくでなしの男たちが、タコ部屋から抜け出して自由を得るために無謀な仕事を引き受けるストーリーだが、生き延びようとする彼らの本能が人間の本質をよく表している。そして役者陣は演技と感じさせない演技で、追い詰められた男たちをそれぞれに表現する。破天荒な脚本と演出も秀逸だが、それに応える俳優たちの演技も見事だ。
人間の本性は極限状況に追いつめられたときに現れる。男たちは勇気と知恵と体力を駆使して、次々に訪れる難局を乗り切っていく。並大抵の男たちではない。そこではたと気づいたのが、これほどの困難な状況を乗り切るのは、いわゆる普通の男たちでは無理だ。特別の訓練を受けるか、もしくは修羅場を経験した人間でなければならない。男たちが映画の前半でそれぞれに修羅場を経験しているのは、この状況に向かう伏線であったのだ。
インターネットやGPSなどの通信技術が発達した現代でも十分に通用する作品で、まったく古さを感じさせない。最初から最後まで息を抜けず、終わったときには一緒になって疲れている感じである。普通の人が決して経験できない極限状況を擬似体験させてくれるのも映画のひとつのメリットだとすれば、この作品はまさにその典型と言ってもいいと思う。凄い映画である。
これぞ、映画!
全編を貫くギラギラした緊張感、CGの無い時代に恐ろしいまでの迫力の橋のシーン(ホントにどうやって撮影したんだろう・・・)、俳優達の名演、最後まで見せないのがあまりに切ないラストシーン、観るものを圧倒する映画だ。
これこそ映画、忘れられない映画だ。
タフガイ達の究極の安全運転
脛に傷のある男たちが、どん底から這い上がる為にニトロを運ぶ話
伝説の映画が見れたことに感謝
圧倒的な実物感がCG慣れした自分には新鮮だった。
炎、激流、雨、風、泥、油、ジャングル、全て本物である事の凄まじさ
吹き出る油汗のジットリ感、映画という作り物に宿る本物の質感が画面に焼き付き感情を高ぶらせた。
「マッドマックス 怒りのデスロード」を見た後の車の運転はいつも以上にアクセル踏み込んだり無駄にハンドルを切りたくなったりしてしまうのは自分だけじゃないはず。
だれもが本作を見終わったらハンドルを握る手に力が入り、速度を40~60キロにキープしつつ、少しの段差に気を配ったりいかに安全に運転できるかを考えるだろう。
40年を経て完全版との出会いに歓喜
ウィリアム・フリードキン は「フレンチ・コネクション」 、そしてホラー映画が観れなくなるトラウマを残した「エクソシスト」により個人的には忘れることができない監督となった。彼自ら最高傑作という今作を観ないわけにはいかない。
そして、やはり凄い作品であった。基本的にはアンリ・ジョルジュ・クルーゾーのオリジナルを踏襲しているものの、社会性を増しスケールが格段と大きくなっている。特にチラシにもある嵐の中でトラックが吊り橋を渡るシーンは映画史に残るだろう。激しいシーンだが美しいとさえ感じてしまう。
1978年の公開時には30分カットされた短縮版だったとのことだが、無駄なところなど一切ない傑作である。
フリードキンの功罪としてはお金と時間をかけ過ぎたことだろう。この点では「天国の門」を思った。
手元に置いておきたい傑作
ストーリーの簡素さが気にならないほどに全てのカットの切れ味が凄まじい。何年経っても脳裏に焼き付いているような、そんな強度をこの作品からは感じるのである。
最近ようやく日本でも完全版が公開され、劇場で見るのが勿論ベストなのだが、それでも手元に置いて何回でも見返したくなるような、何か言うに言われぬ存在感を放っているのは、このような映像の緊張感と切れ味によるものだろう。
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