ナイトメア・アリーのレビュー・感想・評価
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めざめのカーニバル
せっかく春めく季節となってきたのに、雪の降るシーンが多くて寒くなってしまいました。150分もあると、結構トイレが近くなって困っちゃいます。そんな時欲しくなるのが膝掛け!もちろん毛糸のブランケット。毛布にくるまってる場面もありましたね。
見世物小屋というと、江戸川乱歩の作品や『エレファントマン』などを思い出してしまいますが、ホルマリン漬けの胎児とかの標本はエグすぎ。それを管理しているウィレム・デフォーも不気味さ満開だし、ロン・パールマンだって怖すぎ。どうせなら頭に大根の輪切りを乗っけておけばいいのに・・・などと『ヘルボーイ』をついつい思い出してしまいます。
いや、カーニバルってのは楽しいもんだよ!そんなに暗くしてどうする。と、頭の中では榊原郁恵の歌がぐるぐる回ってきてしまいました。踊りたいの夜明けまで、星空のもとでふたり♪まわれまわれ、メリーゴーランド。好きな曲「スターダスト」も吹っ飛んでしまうくらい頭の中は郁恵ちゃんとなりました。
そんなこんなで後半は電気人間モリーと共に独立したスタン。ショーの客だったリリス・リッター博士がイチャモンつけてきます。バッグの中身当ててみなさいよ・・・これはなぜだか読めてしまった。特別なモノですもんね。まぁ、オチも終盤になって読めましたけど。
気に入ったのは読心術とか占い師とか霊媒師とかってありきたりで誰でも当てはまることを言う手口だったこと。俺の知り合いにもいる!ちょっと違うけど、必ず相手の親のことを切り出す奴。今の時代ならメンタリストって感じ?
「酒は絶対に飲まない」と言ったのなら、やっぱり飲んじゃだめ。想像するに、スタンは大酒飲みの父親から虐待を受けていたのだろう。そして介護疲れ・・・なんだか現代においても通用しそうなテーマも隠されていたような。さすがに見世物小屋はないけどね・・・
寿命を縮めるアルコール
バスで寝てしまい辿り着いたサーカスの見世物小屋で仕事をすることになった男が拗らせる話。
前作も原作も知らずに観賞。
見世物小屋でみたギークに始まり、様々なショーをみる中で、アイデアを膨らませ、読心術を教わりメンタリストになっていくストーリー。
その2年後がメインだけど、そこに至るまで1時間ぐらい?
メンタリストは良いけれどスピリチュアルなところに走るなよと。
わかりやすい成功と破滅の物語で、締めに至るまでなかなか面白かったけれど、ちょっと自分には長過ぎて、山場前少しダレた。
ハッピーエンドじゃないけれど、オールドスタンダードというか、ストーリーのまとめ方という意味では終わりよければ全て良し…なのかな。
前半と後半のテイストが違うので注意
今年85本目(合計358本目/今月(2022年3月度)27本目)。
コロナ問題は日本では一応全面解除されましたが、それでも長い映画です。
序盤はある移動(?)サーカス団(というか、倫理的にどうか…と思える、後述)、後半はうってかわって全然違う話になります。
これも結構びっくりしたのですが、元小説があるようで、それがある以上、あることないこと書けないので仕方がないのかな…という状況です。
やはり他の方が書かれている通り、前半後半でテイストが大きく違うので、そこをどう取るか、だと思います。一貫性がないと思う人もいるでしょうし、映画代1枚で2つのテイストを観ることができたと思う方もいらっしゃるからです。
なお趣旨的に誰が犯人だの、どういうトリックがどうこうだのということを書き始めると一気にネタバレであり、そこはカットします。
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(減点0.2)
元小説があるのは確かだし、過剰な「言葉狩り」は私も賛同はできませんが、「見世物小屋」といった表現、さらに「小児麻痺」「低身長症」といった語まで出るのは、うーんどうなのか…とは思えます(日本では人権意識の高まりもあって、およそ観ることはありません)。
かつ、これについて説明も注意書きもないので…。
(減点0.1)
途中でタロット占いが話題になりますが、いわゆる「ハングマン」(吊られ人)に書いてあるタロットには le perdu と書いてあります。しかも字幕なしの状況。
ここはフランス語で perdre (~を失う/敗れる)という動詞の過去分詞で、定冠詞(le/la)とあわせて「敗者」を意味する語です。
ここも字幕がないのでわかりにくいかな…とは思います(仏検3級くらいあればわかりますが、英語では推測はできません。語源が違うから)。
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シェイプオヴウォーターはいい映画だったけど、この映画は好きではない...
シェイプオヴウォーターはいい映画だったけど、この映画は好きではない。世界があまりに貧しい。見ていて全く幸福もカタルシスもやってこない。妻だけが救いか。俳優だけ見たくて見た。主演の人も力はあるけど、もともと好きな人ではない。この世界にピッタリの俳優だ。
とはいえ、シェイプオヴウォーターから類推するに、ラストの人獣については、監督はそこにむしろ同一化しているというか、単なる敗北と描いてないふしもある。読心術とは、ペテンのように見えて、真実に近づくテクニックだし、それは、カウンセリングもそうである。最も不幸なのはカウンセラーで、それに比べれば、逃げ続けていても彼の方がピュアなくらい。
赤ん坊の造形に監督のエネルギーが注ぎ込まれているのがわかる。父親に対する底しれぬ憎しみも本来的には回収されていない。まだ次の映画がいるのだろう。
観客の9割はオチに早い段階で気付いているのだから、もう少し短めで…
道を誤った男の最期は悲しい
多くを望み過ぎた男の転落人生のお話
最初は獣人の秘密!
みたいな話を期待していたのですが全然違った(笑)
話の筋からカーニバル一座に拾われた男の立身出世話ではないと思ってはいたが…
いろんな罪を犯しながらも素敵な女性と出会えたんだからそれで良しとするべきであった
・誠実であれ
・他人の忠告は聞け
・身の程をわきまえろ
これを強く感じました
大人のイソップ童話みたいな感じかなぁ
人物としては
ウィレムデフォー(座長?)はやっぱり怪しい魅力あるなと思いました。ちょっとしか出てこないけど存在感が凄い😃
2時間半はちょっと長いな…カーニバルの話長過ぎねぇ?と思ったが振り返ると全部必要なエピソードだった
長く感じたけどうまく纏まっていた方じゃないでしょうか
関係ない一言
小学生の頃お祭りに『ネッシーがくる』みたいなのがあったので見にいったんだけど『昨日までなんだ。ごめんね』と残念な思い出がある。
たぶん泳ぐトカゲとかだったんだろうけど見世物的なのって非日常感があっていいなぁって思います
危ないサーカス一座と緊張の張り詰めっぱなしの150分
第一次世界大戦~第二次世界大戦の頃のアメリカのドさ回りのサーカス一座の中で繰り広げられる主人公のブラッドリー・クーパーと怪しい男たち。ヤクザな稼業の一味の中に入り込んでしまった彼は仕事をもらい徐々に注目を浴びる存在となっていく。
しかしそこを抜け出して、ギリギリのところで読心術を使った危ない仕事で成功を収めることになるが、予想もつかない展開に発展していく。
ギジェルモ・デル・トロ独特のドロドロとした空気感と不気味な音楽。ずっと緊張して見ていた。時代設定や画面の色合いが、一層先の見えない恐ろしさを醸し出している。
後半、相反する二人の女性とのやり取りがとてもスリリング。そして、主人公とその恋人、そしてカウンセラーと患者たちはどうなっていくのか。対面で交わす言葉と振舞とその心理描写にハラハラしてしまう。
結末は見てのお楽しみであるが、とても驚いた。
家族で一緒に楽しむ映画とは言えないが、映画好きの人には是非見てほしいギジェルモ・デル・トロワールドの世界である。
明日は我が身の典型
ギレルモワールドではあるけれど…
人間の本質を突いている
起業して伸ばしていく時、
一人の男の数奇な運命
男が父親を殺し、逃れた先で読心術を得て、その力を元にリッチで有名になる。だが、更なる上を目指したばかりに更なる殺人をしてしまい、どん底の人生を送るハメになってしまう。波乱な人生だが、男としてはわかる部分もあった。
最高
ギレルモ・デル・トロ監督の傑作!
TOHOシネマズ日比谷にて鑑賞。
「さすが、ギレルモ・デル・トロ監督!」と言わざるを得ない素晴らしい映画だった。
1930年代~40年代のアメリカの雰囲気を醸し出す美術・衣装、特に「見世物小屋の造形」は芸術作品に見えるオリジナリティ。
また、この映画の原作は、エドマンド・グールディング監督作『悪魔の往く町』(タイロン・パワー、コリーン・グレイ等出演)で一度映画化されているが、あの作品は当時のヘイズコードなどの制約によって、かなり限定された表現になっていた。
あの電気女シーンは有名で、ブロードウェイ版DVDのジャケ写にもなっている。
本作では、表現上の制約を取っ払って、ギレルモ・デル・トロ監督がノワールの雰囲気を漂わせながら、見世物小屋からショービズ世界へ進出する男スタン(ブラッドリー・クーパー)が連れていくモリー(ルーニー・マーラ)と順調にいきそうな姿を見せる。しかし、心理学者リリス(ケイト・ブランシェット)と出会ったことが運命を変えていく……といった物語をじっくりと見せてくれる。
夢・狂気・殺人・騙し合い・独特な造形などなど、あらゆる物をごった煮にしたように見える映画だが、筋の通った物語が素晴らしい。
しかし、デル・トロ監督は、大傑作『パンズ・ラビリンス』でもそうだったが、本作でも「目玉を使った美術」が好きだなぁ…と思う。
また、その物語を支える役者たち……ブラッドリー・クーパー、ルーニー・マーラ、ケイト・ブランシェット、ウィレム・デフォー、トニ・コレットなどの演技も良かった。
特に、ブラッドリー・クーパーはデル・トロ監督の目指した「ダーク感」を見事に体現していたと思う。
またもう1本、「何度でも観たい映画」が生まれてしまった。
滅多に買わないパンフレット(定価840円)も購入。(今年初)
このパンフレットとキネマ旬報最新号(2022年4月上旬号)の特集記事を読んで、しばらく、この映画世界に浸りたい……そんな感覚になる傑作。
<映倫No.49037>
ケイト・ブランシェットが良かった
興行ビジネスでの成功を夢みる青年スタンは、人間か獣か正体不明な獣人を見せ物にするカーニバルの一座に合った。そこでスタンは読心術を学び、人をひきつける才能を武器に、興行師として成功した。しかし、大富豪の過去を暴き自分の妻モリーをその女性の代役に当てとことからイカサマがバレ、追われる身となり・・・てな話。
いつバレるかドキドキしたけど、所詮イカサマ師なので殺されても自業自得と冷めた眼で観てた。
ケイト・ブランシェットの素晴らしい演技が良かった。
ルーニー・マーラは可愛かった。
鬱映画
タイトルの悪夢小路(ナイトメアアリー)からして暗い映画だと予想できるので、ショックを和らげるために原作読んで鑑賞。それでもやはり暗い気持ちになりました。鬱映画です。
暗い人生を予想できるキャラクターが多く、私は自分事のように思えて始終しんどかったです。見世物がテーマのため、だんだん他人を見ているのか自分を見ているのかわからなくなり、余計に深みにはまります。デル・トロ監督は全力で観客を鬱にさせようとしにきているなと思いました。
豪華なキャストについては、みんなハマり役です。主人公のブラッドリー・クーパーは目が綺麗なせいかイノセントっぽさが出ていて、どんなシーンでも不思議と子供みたいでした。デル・トロ監督らしくお手製っぽいクリーチャー(?)も出てきて謎に安心しました。
エンドロールが終わっても鬱感が抜けない絶望的な映画です。他では味わえない2時間半でした。個人的には傑作だと思います。でももう当分観なくていいかな…。
雰囲気はありました。
1940年代の街並みや車の往来等見事に再現していて美術やライティングはかなり見応えはありました。
サスペンス要素が強い人間ドラマでデルトロらしいダークファンタジーのような不気味な見世物小屋も雰囲気満点。
出演者も豪華で配役も文句のつけようがないのですが、150分の上映時間が少々長く感じました。
ブラッドリー・クーパーの演技は見事ですが、やはり外見が立派過ぎる。この役は野心はあるがうだつの上がらない風貌のさえない奴が徐々に成りあがって栄光を掴んだかに見えたが徐々に闇に落ちていき最後は無残な・・・。という方が感動できたかもという我儘な感想を言いたくなりました。
見る価値のある良心的な作品です。デルトロ監督作品が好きな方には特にお勧めです。
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