機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島のレビュー・感想・評価
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安彦監督が本来描きたかった物語がついに実現した一作。
初めて劇場でガンダムを鑑賞した観客の感想です。いわゆる「ファーストガンダム」と呼ばれる、1979年に放映されたテレビアニメ『機動戦士ガンダム』でディレクター、キャラクターデザイナーなどを務めた安彦良和の監督作品ですが、題材が「ククルス・ドアンの島」と発表されたことで、特に往年のガンダムファンから驚きの声が上がっていました。この物語はテレビアニメの第15話にあたりますが、前後の本編との繋がりも薄く、言わば外伝的な扱いを受けてきました。とはいえ安彦監督にとっては非常に思い入れがあったエピソードだったそうですが、当時の制作体制の問題もあって未消化な仕上がりとなっていまい、それがずっと心にわだかまりとして残っていたそうです。そのため今回のテーマ設定は、安彦監督にとって意外でも何でもなかったようです。
このような背景もあり、本作は安彦監督が本当に描きたかった「ククルス・ドアンの島」の映像化であって、本来20分強だったエピソードを、無理矢理約100分に引き延ばした、といった「リメイク」とは根本的に方向性が異なっています。またテーマがテーマであるため、モビルスーツ同士の手に汗握る戦闘シーンはそもそも中心的な要素ではなく、あっさりとした戦闘描写となってはいます。それでも滑らかに動き回るモビルスーツの動きは圧巻で、劇場で観る満足感はかなり高いものでした。ドラマ部分のアニメ描写がややレトロ感溢れるのは、まぁ「ファーストガンダム」の雰囲気が壊れないという点でも、むしろ良かったのでは。ブライトさんの意思決定の理由にちょっと分かりにくいところがある点だけ気になったけど、アムロらとの対比で、随分威厳があるように見えるブライトさんも、実は軍隊の中ではほぼ「少年兵」なんですよね…。だから判断に迷って良く分からない指令を出してしまう、という意図での演出なのかも。
テレビドラマの方ではドアンが救った子供達は4人でしたが、本作ではかなりの大人数になっています。これだけの人数を養う食料や生活物資はどうするのか?という現実的な問題はひとまず置いておいて、純粋に戦争被害者としての彼らの描写に多くの時間を割くことで、むしろ戦い慣れた「少年兵の集まり」としてのホワイトベースのクルー達との対比が鮮やかとなり、特にアムロの哀しさが浮き彫りになっています。直接的な描写や台詞ではなく、こういったキャラクター同士の関係性で戦争の悲劇を表現する手法には感じ入るものがありました。
超絶的な作画技術でモビルスーツが縦横無尽に駆け回る大迫力の戦闘シーンとか、人気キャラクター総出演サービス、とかを期待すると肩すかしを食った気持ちになる可能性が高いので、「テンション爆上げ」な映画を期待するのであれば、素直に『トップガン マーヴェリック』の方をおすすめします。
日本を代表するアニメ監督の心に長年堆積していたわだかまりが、ついに昇華された過程を観ることができて、非常に得がたい映画体験となりました。
パンフレットは通常版、豪華版、限定版と色々なラインナップがあり、いずれも通常の映画パンフレットと比較してかなり高価ですが、インタビューや絵コンテも含めたキャラクターデザイン資料、スタッフのイラスト(寄せ書き)など、それぞれに豊富な内容となっています。映画に感銘した人なら、どれを購入しても満足できると思います!
マチルダさんの方が良かった?
ガンダム誕生からもう半世紀になろうとしてますが、一向に衰えない根強い人気を博しています。
ファーストより数々の派生作品を生み出し多数のシリーズを誇る『機動戦士ガンダム』も、音頭を取る安彦良和氏は御年75歳。
本作が最後という話も漏れ聞こえますが、宮崎駿氏が81歳と聞けばもう1〜2本行けそうでしょうか? それはさておき‥‥
とは言え安彦氏は往年の頃より尚更に〝人間の生活を描く〟方向に作風が向いてしまった様に思えて(元から?)、氏の描くガンダムには今後もあまりモビルスーツバトルが期待しにくいかも知れません。
ガンダムの真骨頂はモビルスーツのカッチョ良さを描けてナンボだと思う自分は、実はORIGINもザク(シャア機)登場以降はともかく、序盤のルフィシャアから旧ザク登場までの結構長い話数は、ドラマ的には楽しめてもモビルスーツ目的では退屈でした。
本作も、アムロの顔が若干面長になって大人びたキャラデザに変わったせいもあるでしょう、ちっともヘタレてないイイ感じの若者に。
カイさんはアレで良いとして、いささか軍人カタブツで融通の利きにくいブライトさんはあんな悩み多い中間管理職だったろうか?
またドアン家の子供達のワチャワチャが作中の大部分の尺を埋めていて、モビルスーツのシーンは冒頭と終盤のみ多少の戦闘があるだけです。
ソレもワリと人間そのものの動きで、ロボロボしさが全く無いほとんどナマのチャンバラなのは何だか微妙でした。
結局安彦氏は、むしろ子供たちのワチャワチャの方を描きたかったんじゃないでしょうか?
そう云う観方であればドアンはじめ島の子供たちは、少々クドい位に個性を色濃く描けてると思われ、ソコまでするンならむしろ『マチルダさん』を観てみたかったなぁ、ってのが本音です。
その結果、個人的にお目当てだったガンダムvsザクの地上戦(ベージュのザクがドムみたいな動きなのもチョッと微妙)はウエイト的には軽くて薄味でしたし、その割にドアンのジオン離脱前の悩み多き頃を触り程度しか描写していないため、子供たちを守ると言う『意気』が描写不足かと思われます。
そもそもヤギをあそこまでフィーチャーした理由だってサッパリですし‥‥
実はファーストの記憶がなくて不明ですが、当初はもっと別な理由があった様な気もしますが?
いずれにせよ期待した見どころに乏しいため、脚本や展開の不可解さの方にばかり気をとられて、結果的に評価を下げてしまってる感が否めませんでした。
そんな訳で、イロイロ突っ込まれそうな細部のシーンも散見されつつ仕上がりも今ひとつで、個人的な期待との乖離が決して小さくはない、結構残念な作品でした。
往年の戦争映画と時代劇アニメの影響が濃厚。大胆な翻案で『〜めぐりあい宇宙篇』に対するローグ・ワンのような機能がガッツリ足された地味ながら重厚で優しい物語
重いテーマが滲んだ異色作ながらテレビ版ファーストガンダムの捨て回とも揶揄され映画版でも割愛された“ククルス・ドアンの島”を映画化と知った瞬間にその手があったか!と膝を打ち、封切初日に駆けつけました。物語は当時のテレビ版第15話であるオリジナルをかなり大胆に翻案したものでありながらファーストガンダムの世界観に関するナラティブな説明を排した潔い展開。連邦軍からは残置諜者と疑われジオン軍からは裏切り者として追われるククルス・ドアンをめぐるそれは『サスケ』や『忍風カムイ外伝』のような深い陰影が刻まれた白土三平原作アニメからの影響が濃厚でモビルスーツの白兵線はもう完全に時代劇。60年代、70年代の戦争映画のエッセンスもきっちりあるのでEP4におけるローグ・ワンとほぼ同等の役割をも担った重厚な物語は堂々たるもの。セル画プレゼントを求めて徹夜で並んで観た『〜めぐりあい宇宙篇』から40年、まさに残置諜者のごとく社会の片隅で生きてきた我々のような木っ端の魂を浄化する福音書のような作品。讃美歌の代わりに奏でられる往年のあの旋律が聴こえた瞬間に魂が震え涙が溢れました。
そりゃパリは燃えないわww
劇場版3部作でも割愛されたマイナーなエピソードをよくぞここまで設定を後付けして108分の物語に仕上げたなぁと良くも悪くも感心する。
色々と疑問は残るのだが、
①ドアンは脱走兵という形をとって姿をくらまして、実際は核ミサイルの護り人としての密命をマ・クベから受けていた…という設定は描かれたっけ?
②アムロが電源(ほとんど車載バッテリーw)を直して灯台を復旧させて、それでWBやジオンに発見される…という事だったのだろうが、それとは無関係に両陣営ともあの島に集結してるんだがww
③せっかく貴重な敵機である陸戦タイプの高機動型ザクを鹵獲しなかったのは何故だろう。隊長機とドアン機はほぼ稼働状態だったのに。もったいない。
④そもそもあんな離れ小島に戦争孤児?たちが集まっていたのは何故?そして、あのあとドアンと子供たちはあの島で幸せに暮らしましたとさ…にはどう考えてもならないだろ。少なくともジオンにとっては戦略拠点なのだから。
まあ、安彦良和さんの気が済んだと思うと良しとするかな。
ただ割引が一切効かない特別興行1900円なのは何だかなあ。
MSが綺麗
1stガンダムTVシリーズ初回放送を観た時の衝撃は今でも忘れません。それまでの勧善懲悪のロボットアニメとは一線を画した内容に、『何だこれ』と呟いた少年たちの1人です。
オリジナルの30分の話を映画の長さにしているので、若干間延びしてしまっている感がありますが、あれから40年経って1stガンダムの世界に映画館で再び浸れるのは素晴らしい。
ガンダムと名のつく作品はその後、続々と作られましたが、やはり1stこそGUNDAMです。
1900円とお高いですが、1st世代の皆さん劇場に行って次作に繋げませんか。
太陽の牙ダグラムの再映像化もして欲しいです。
安彦さんらしさが出ていました
FIRST世代としては、1年戦争の物語をアニメ化して欲しいところですが、その場合THE ORIGIN を避けて通ることが出来ません。
しかし、原作者の安彦良和氏は74歳。
さすがに全話を監督してもらうのは不可能。
その安彦さんも、今作で監督を引退すると言っていますので、体力的にも限界なのでしょう。
多くの方は、モビルスーツ戦を望んでいたと思うので、物足りなかったと思いますが、安彦さんは人間ドラマを描くのが好きなようなので、番外編的な「ククルス・ドアンの島」の製作で間違い無いと思います。
時折りキャラがギャグっぽい仕草を見せるところなんか、安彦作品だな〜と思いました。
まあ今回の作品は、安彦さんの最後のアニメ監督作品として、軽い気持ちで観れば良いと思いますよ。
と言いましたが、スレッガー機があっさりやられたのには、ちょっと残念でした。
COMBAT!
とてもとても懐かしいのにすごくすごく新しい
何かとても不思議な感覚に囚われました
アムロの心の中での葛藤と成長
ドアンの揺るがない気持ち
昔見た時はさっぱり分からなかった物語だったのに今では痛いほどわかる
くしくもロシア侵攻後に上映となりリアルタイムで心に刺さるものとなってしまいました
子供の頃にがむしゃらに見ていたアメリカのドラマがあります
「COMBAT!」
このドラマには戦争へのありとあらゆるメッセージが込められていました、あの頃は分からなかった
今またもう一度再放送をしてほしいものです
今の若い人たちにも見てほしい
私ももう一度見直してみたい、何故動画サイトにも無いのでしょうか?
不思議でなりません
追伸
森口博子さん、おかえりなさい
時代劇か(笑)
小説版とかの情報は知らないので、もともと30分の話がどうなるのと思いながら観ました。
閃光のハサウェイとかの最近のシリーズとは違った懐かしい雰囲気もあり、やたらたくましい?アムロとヒーロー参上的展開も楽しみました
ガンダム史上最高の出来
クソみたいに言われてますが
はっきり言ってガンダム史上最高の出来
ククルスドアンで2時間ってどうするんだ?
と、思ったがこうなるのか。良かったわー
ドアンのザクの顔って旧ザクっぽいんだよね
すげーかっこいい。
ファーストの良さであるゴテゴテしていない
シンプルな物語であったこと。
他のガンダム作品って結構詰め込んでくる事
多いけど、シンプルさは何よりいい。
安彦さん最後らしいけど、この話を持ってくるあたり
最高だね。
ルパンで言えば、カリオストロみたいなもん。
いい感じでリメイクしたな。
ドアンの色々描いて無いというけど
逆に言えば良く加筆しなかった。
それが凄くよかっな。
欲を言えばガンダムのコアブロック外した後の女豹は残しておいてほしかったな。
分からないのはスレッガーロウが何でこの時期に木馬に?
リュウは??
因みにガンダム映画はずっと1900円なんだけど?
久々子供の頃の普通に楽しめてたガンダムだったな
久々ファースト見直そう
「ガンダムは悲惨でなければいけない」というオールドタイプへ
低評価の主な内容を見ると
「元のシナリオから改変しすぎ」
「戦争の悲惨さを描写しておらず、ご都合主義的すぎる」
といった内容もありますが、自分は人間の善を映したガンダム作品があってもいいのではと思います。
ガンダムは戦争のリアルを描くことで放送当時に衝撃を与えた作品ですが、それもあくまでガンダムの一面で全てでは無いかと
今ふうのガンダム
最新の映像と若手の演出で、令和のガンダムを観せてくれた。
主題も40年前のものとは別物。でも、これ見る人ほとんど高齢者だよね。
エピソードをうまく料理して、戦闘も追加して、レッドショルダーかと思ったけどザクカッコよくてなかなか良かった。
映画にしたのだから、もちょいキャラクターの深掘りあってもよかったかな。
あのシーンが見れた
ガンダムに関してはイラストや断片的な映像と、岡田斗司夫のガンダム講座のみというガンムチです。あの有名なシーンを映画館のスクリーンで見れて感慨深い。古谷徹さんまだまだ現役感があるなぁ。
最新の技術で描かれる戦闘シーンは、めちゃくちゃ迫力がある。ドアンが操縦するザクが、ヒートホークで敵を真っ二つにするところが、一番イイね。
ベルファストとかオデーサの地名を聞くと現実を連想してしまう一方で、子供達の無邪気な様子は、ファンタジーにしか感じられない。それでも「戦争のにおいが、敵を呼んでしまう」というセリフはすごく刺さる。
「30年振りに帰ってきました」
今年54本目。
ファーストガンダム、ギリ世代ですが舞台挨拶で古谷徹が「アムロが30年振りに帰ってきました」と言っていて年季が違うなと。感慨深い。
ピッコロの古川登志夫さんが出ているのが何とも嬉しい。池田秀一はちょこっとだが見もの。
ここ5年オリジン、NT(ナラティブ)をずっと見て来てやはりガンダムはいい。
アムロが何かを治すと子供達の見る目が違う、そう言う物ですよね。自分も経験しました。
追記
80年代の再放送を小学生の時見ていた世代でした。
美術○MSCG△バンダイ×
もしかしたら安彦良和さんの最後の作品かもしれない今作
THE ORIGINと同じ雰囲気で作られ安彦監督による独特のオーバー気味な顔の演出はとても良かったです。
アニメ15話のククルスドアンについては自分はあまり覚えていないのですが本編中でも独特の雰囲気のある回の一つなんだろうと思います。
30分も満たない話を110分に伸ばす事により間延び感が否めない所がある一方で現代の映画ではあまりない独特な物でした。
ただ、現代の派手なガンダムを望む人、ハサウェイのような戦闘描写を期待した人には物足りないと思います。
自分的にはガンダムは異様にちゃっちく思ってしまったのが残念でした(ドアンのザクの方がカッコよく見えたのは長期の戦いで機体がボロボロになっていたからかな?)
あと、入場者特典の商法、バンダイの傲慢な映画割不適用制度にはいい加減にして欲しくゲームのカードを付けるくらいなら安彦監督の手書きポストカードぐらい付けろと言いたくなりました。
ガンダムかっこいい!!!
話は結構改変してある。でもしっかり名シーンは引きついてあるし、回想シーンで名セリフもちょいちょい出てくるからガンダムオタクもガンダム見たことない人も満足できると思う。ただハサウェイのような激しいアクションが多いわけじゃないから劇場で二回見るほどのことではないかなという印象。(入場者特典だけ取りに行くか、、、)
最後の戦いが意外とあっさりしてたからもう少し戦わせてほしかった。
まあビームサーベル二刀流かっこよすぎたので★3.5で。
事前にファーストガンダム第15話観ておくべし!
ガンダムのYou Tubeチャンネルで無料配信してたから事前鑑賞したが、映画観てたらストーリーも作画も素晴らしく、急に「15話観ない方が良かったか!?」と思ったけど、よくよく見たら最低限説明すべき“なぜ子供達と島にいるのか”の説明が全く無しで、これはいかんぜよ、良和!
個人的には20分の話が100分以上に膨らんでいる様子と、当時大変な状況で制作され作画崩壊とも言われるファーストガンダムを最新技術で丁寧に作ればこうなるか!というのが観れただけでも良かった。
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