スティール・レインのレビュー・感想・評価
全22件中、1~20件目を表示
批判を恐れぬ思い切りの良さは見習いたい
南北朝鮮統一をめぐる両国と米中そして日本の思惑から、竹島(韓国側呼称「独島」)近辺の海域で武力衝突の危機が高まる――という、かなり思い切った状況を描く意欲作だ。邦画では現代を舞台にしたミリタリーアクションはめったに作られないし、まれに実現したとしても、かわぐちかいじの漫画を実写映画化した「空母いぶき」(2019)のように、原作の中国と尖閣諸島を架空の国と島に置き換えるなど、現実の外交問題に関わる題材をストレートに描くことを避け、批判や抗議を受けるリスクをなるべくなくそうとする。軍事活劇のジャンルに限らず、現実にある難題をエンタメのフォーマットで描くことが問題提起や啓発につながるという側面もあるので、その意味では邦画界も見習うべき点があると思う。
さて本作では序盤、北朝鮮での首脳会談のため集まった米韓朝の元首3人が、クーデターを起こした北朝鮮軍の一派により拉致され、核武装した原潜に監禁される。日本では、中国側からひそかに資金援助を受けた右翼団体が、竹島奪回のため自衛隊を動かそうとしていた…。
懸命に状況打開を試みる誠実な韓国大統領、トランプをさらに軽薄にしたような米大統領、意外に真っ当なインテリの北朝鮮委員長の3人が、監禁された船室内で繰り広げる喜劇的なパートは少々やりすぎの感もあるが、コミックリリーフの効果は認められる。本作におけるヒーローは韓国大統領と原潜の副艦長、敵役はクーデター首謀者と日本(白竜が演じる右翼団体主宰者と自衛隊)なので、日本の観客にはこの設定が居心地の悪さを伴うが、フィクションと割り切れば、サスペンスに満ちた展開はそれなりに引き込まれる。“潜水艦アクション”と呼べる場面は後半に入ってからで多くはないものの、爆雷や魚雷から回避する操艦や敵艦への反撃など、定番要素を押さえたシーンも悪くない。話の展開としては、ジェラルド・バトラー主演の「ハンターキラー 潜航せよ」(2018)に近いところもある。このサブジャンルのファンなら、そこそこ楽しめるのではないか。
Steel Rain スティール・レイン
タイトルからハードボイルド系で欧米の戦闘アクションの映画と思ってました。
正直な感想は 途中からコメディだ、コメディだと 時には失笑しながら最後まで見れました。
国のトップを このような描き方をしてしまうのはどうかと?
他国との戦闘や戦争をバカにするのも やめていただきたい。
こんな映画撮れる韓国、あっぱれ!
米韓朝首脳による平和協定、平和協定に反対する北の高官が首脳たちを拉致監禁。協定の場でも監禁場所でも🇺🇸の大統領はご自分主義でわがまま放題。言いたい放題。🇰🇵将軍様に向かって独裁者はいいよなあ、と嫌味を言うのには笑えた。🇰🇵の将軍様、実際よりもかなりのイケメン!
監禁された潜水艦の中で🇺🇸大統領が🇰🇷大統領に「日本と韓国はどうしてあんな小さな島、ドッコにこだわるんだ?」と聞いて、🇰🇷大統領が説明する場面、日本側の主張があるように韓国側にも主張がある。この映画、かなり日本に敵意剥き出し。そもそものこのクーデターも日本が企てた設定だし。日本を敵にした方がウケるんでしょうね。
最後のエンドロールでの🇰🇷🇰🇵🇺🇸の平和協定の記者会見、🇰🇷🇰🇵の統一会見、現実になる日がくれば素晴らしい。韓国大統領の国民に問う質問も実に重い。
こんなに、🇺🇸🇯🇵🇰🇵とリアルな問題をここまで創り上げてしまう韓国、やはりすごい。日本は絶対創らないだろうし、アメリカでも創らないだろうな。だから韓国映画は面白いし、やめられない👍
中国と日本が仕掛ける?
平和協定を結ぶため、アメリカ大統領、北朝鮮主席、韓国大統領が一堂に会する。
裏では中国と日本が仕掛けた陰謀が実行される。
北朝鮮でクーデターが起き、三人は北朝鮮の潜水艦に拉致監禁される。
とても面白いのだが陰謀が複雑すぎて・・・。
韓国の視点から描く政治的駆引きはリアルか誇張か?!!
韓国やインドによくある繋がらない続編!
『鋼鉄の雨』に続きチョン・ウソンとクァク・ドウォンが真逆のような立ち位置となって、再共演を果たした。
日本でいうなら、かわぐちかいじ的な軍事フィクションものといった感じで、韓国と北朝鮮の関係性に、アメリカも関わりデリケートな政治戦が繰り広げられる。
国際情勢に対して、韓国視点の解釈が強く反映されているし、さらに作者の独特な思想も絡み合って、フルに理解するのが難しい政治的駆引きが続く中で、空気の読めないアメリカ大統領も合流して、事態はより複雑になっていく。
潜水艦という閉ざされたフィールドでの緊張感と政治的駆引きの緊張感が上手く混ざり合っているが、ちょっと内容が攻めすぎているせいか、現実感が薄れがちになるのは難点。
あきらかに、アメリカ大統領はドナルド・トランプがモデルであって、汚い言葉遣いや平気で人前で屁をするなど、誇張された風刺シーンはコメディシーンとして消費されているものの、中国もそうだけど、日本の扱いがなかなか酷く、反日感情が色濃く反映されている中、白竜が堂々と日本人代表を演じ切る。
大まかなプロットとしては、ドナルド・トランプが金正恩と握手していた裏で、「実はこんなことが起きていた~」といったノリなのだろうが、 金正恩がモデルと思わしきキャラクターが美化されすぎていて、現実味にかけてしまうのが残念。
『白頭山大噴火』や『ノンストップ』のように、近年の韓国映画、特にグローバル展開を狙った作品は、北も南も国の政治が悪いのであって、人間同士は同じであるというメッセージを発信し続けていて、人格的にも政治的にもアジアのトップと立とうする野心が伝わってくる一方で、政治への不満も相当たまっているような政府風刺もあったりで、いったいどこに向かおうとしているのだろうか…….。
今までの北とは違うわけで……
アメリカ大統領、韓国大統領、そして北朝鮮委員長が、北朝鮮軍のクーデターにより潜水艦内に監禁され奮闘する奇想天外な物語。
まずなかなか受け入れないのが北朝鮮のトップが若く細身の青年であり過激な行動及び言動が無いこと。クーデターを起こした護衛司令局長が過激で荒々しく、図体もまさに北の将軍様の雰囲気で見てて多少だが混乱して錯覚をおこす。
前半は地上劇で3つどもえの政治的駆け引き。中盤は潜水艦艦内で監禁された3首脳の少しコミカルなやりとり。そして後半はようやく潜水艦艦内のドンパチとアメリカや日本の潜水艦とのバトルとなる。
前半60点中盤40点後半90点という感じだ。
先にも述べたが北のトップを悪人として描いてなく、後半の北朝鮮内のクーデター軍から将軍様を守るべく対戦する側の兵士はどちらかというと善人として描かれている。
そしてその流れは潜水艦のバトルでも継承され敵国の潜水艦にホントに攻撃していいのか?躊躇する兵士が多数いたりする。
と、いうわけでこの韓国映画は、北朝鮮を悪人として全く描いていない。
どちらかと言うと竹島を巡るシュチュエーションで日本が悪者になっていた。
イメージと違う北朝鮮だったので、困惑した(ストーリー的に期待通りでなかった)ということでこれに関しては残念だった。
各国元首のモデルに違和感を感じながらも、潜水艦アクションの緊迫感は...
各国元首のモデルに違和感を感じながらも、潜水艦アクションの緊迫感はハズレが無いね☆あと使命感溢れる軍人はマスト!更に極東各国の思惑が好い塩梅のフィクションで最高!
米、韓、北のドラマ
想像とはだいぶ違ったが、随所にツッコミ所あり、反面色々と凝っていてかなり面白かった!
政治の話はちょい難しい所もあったが、3国大統領、委員長のやり取りは友情さえ覚えた楽しいものだった。
最後の激闘は少々ヒヤヒヤさせられましたがそこも良かった。
北の委員長、かなりイケメンであんな人柄委員長なら、、、と思ってしまった(笑)
いやー観て良かった‼️
ひねりが効いて観ごたえがあった
序盤の衛星写真に日本列島がなかったので、沈没したのかと思ってしまった。その後の写真にはちゃんと映っていたので、大きな雲に隠されていたのだろう。
独島(竹島)が韓国の領土なのか日本の領土なのかは当方はわからないが、本作品では韓国の領土だとする意見が強いように扱われていた。日本の外務省のHPを見ると日本固有の領土だとされている。しかし韓国の領土だという可能性もある。そもそも世界史では領土は絶え間なく変遷している。どちらの国の領土なのかは歴史のどの時点を基準にするかによって変わってくる訳だ。中国はかつての歴史上の領土を取り戻そうとしているという報道がある。朝貢国まで入れるとインドシナ半島のほとんどが中国となる。沖縄も中国だ。
尖閣諸島の領有権の問題は日中国交正常化以来、ずっと棚上げにされていた。国交が成立して相互に経済的な利益が生まれた以上、両国の間に戦争は考えづらく、あえて問題にするべきではないという大人の結論に達した訳だ。ところが東日本大震災の復興もままならないうちの2012年に、当時都知事だった石原慎太郎が尖閣諸島を買うなどという馬鹿げた発言をしたのである。右翼政治家の面目躍如だとでも思ったのだろうか。
当然、その動きは中国の反発を招いた。尖閣諸島の領有が不問でなくなり、軍事的な問題になってしまった。中国の軍人が反発したのである。独島の問題と同じで、領有権を問題にするのは軍人たちだ。世界的に国家観が安定した現代では、軍人がいるから衝突が起きる。 他国との衝突に対応するのが軍人で、平和が続いてしまうと税金泥棒として非難される。場合によっては人員が削減され、失職する軍人が出るかもしれない。国際紛争は軍人にとって生き残るための唯一の術なのだ。だから軍需産業と一緒になって武器を作り、弾丸や爆弾を消費する。
本作品は朝鮮半島とその近海が舞台だけあって、韓国政府と北朝鮮政府は多面的で複雑に表現されている。日本の描き方も客観的だ。いろんな方面に気を遣いながらの映画製作であったことが伺える。
主人公はハン韓国大統領で、演じたチョン・ウソンは背が高く筋肉質の二枚目である。ハン大統領は失政もあるが、真面目に職務に取り組んでいる。支持率のために仕事をしていないところに好感が持てる。
北朝鮮の三代目の若い指導者は実際と違って痩せていて、こちらも真面目に職務に取り組んでいるが、喫煙習慣が残っていたりと、いかんせん時代遅れである。インターネットでどれほど情報を得ても、生活習慣そのものが変わらなければ時代遅れなのだ。北朝鮮問題を解決するのは政治ではなく、文化交流であり経済関係であろう。
トランプを模したと思われるアメリカ大統領は、実際よりもずっと洞察力があり、状況を瞬時に分析する。一方で、軍事では解決しないと知っているにも関わらず、米韓合同演習を実施する。大統領といえども軍部の圧力をすべて押さえつけられるわけではない。ビジネスマンのトランプは多分、心の底では軍人を軽蔑していたと思う。しかし軍事力は信じていた。
本作品では軍隊も決して一枚岩ではないことを示す。人間の集まりだから当然だ。多様な人間が集まって、能力と適性によって部署に振り分けられる。同じ部署でも能力と適性に差があるのは民間企業と同じである。エキスパートがいて、ジェネラリストがいる。優秀な人と普通の人たちと低能の人がいる。2対6対2の法則は軍隊にも当てはまるだろう。
北朝鮮海軍の人間関係が潜水艦内の緊迫した状況で描かれる。一蓮托生の潜水艦の中で、対潜哨戒機や他の潜水艦との魚雷戦が繰り広げられる一方で、軍人や要人の争いがあるのだ。これで盛り上がらないはずがなく、後半は目を離せない展開だ。
韓国のアクション映画は、ハリウッドの一本道の作品と違って、ひねりが効いている。本作品もとても見ごたえがあった。ただハン大統領の知性に欠けた暴力的な奥さんはいただけない。もう少しマシな奥さんにしないとハン大統領が気の毒だ。
娯楽は娯楽として見ないと、ね。
------------------------------------------------------
・映画の内容の趣旨上、日本の領土問題や台湾に関することなど、日本の見解と異なる部分もありますが、エンターテインメントと政治を混同するのは好ましくないので、ここは無関係とする点は断っておきます。
------------------------------------------------------
今年193本目(合計257本目)。
…という注意書きを書いたのですが、趣旨的にどうしても、かなりセンシティブな内容を扱う内容です。中には日本国憲法(9条/戦争放棄)を無視したと思われる描写も観られ、ツッコミどころはかなり多いです(9条はやはり重要視されるべきだと思いますので)。
ただ、この映画はそういう「センシティブな内容」があることを承知した上で、ギリギリ許される範囲に挑んだと考えるのが妥当なので、そこは余り触れないことにします。
映画自体のストーリーは他の方も書かれている通り潜水艦もの。実際の可住エリアも少ないと思えるこの中でかなりのお話が進みます。ややもすれば飽きたり、内容の展開性が乏しくなりやすいという部分もありますが、この点はさすが韓国映画かなという印象です。
何せ上記に書いたように、センシティブな内容が多く、何を書いてもネタバレになるならない以前に、余りこう内容的に特異に過ぎるものはあまり書かないほうが良いのかも…。
ちなみにこの映画そのものは、韓国で少年コミックとして読まれている漫画を映画化したものであるようです(前作はネットフリックス等で見られます。直接の関連性は少ないです)。
日本や韓国(北朝鮮/便宜上、国扱い)などの問題を乗り越えられる日がいつか来ると信じているところです。
作品としてはこういうものを「潜水艦もの」というのはここで知ったところです。確かに「動ける範囲が限られる」ということでは特別な扱い(ジャンル分け)がされているのですね。これは初耳です。
さて、採点です。下記のみ気になりましたが、4.9→5.0で切り上げ満点にしています。
----------------------------------------------------------------
(減点0.1) すでに書きましたが、内容的にかなりセンシティブな内容で、およそ実現しないであろうことが描写されています。つまり、韓国の方と北朝鮮の方との会話です。この映画、韓国語のみならず、中国語や英語、さらには日本語まで出るという「多国籍映画」なのですが、韓国語と朝鮮語(ここでは、北で話されている言語を指す)は同一視されているようです。
ただ、「ファイター・北からの挑戦者」でも描かれていたように、南北で国語の差があるのは有名な話で(似た言語といえども国語は違うため、2~3か月の「支援者センター」で学ぶのは基礎にすぎない。このことはそちらでも触れられていた)、この2言語が同一言語(韓国語)に合わせられているのは、趣旨は理解するのものの(リアル世界でも、北の国語を理解できる人は少ない?)、やや不自然に思えました。
----------------------------------------------------------------
かげむ~しゃ
日本海に大型台風が襲来する中、クーデターを目論む北朝鮮の軍人によりアメリカ大統領、韓国大統領、北朝鮮書記長が拉致監禁される話。
尖閣で行われる米日の機動演習がどうとか、日本の過激団体がどうとか、東西の牽制に巻き込まれる韓国から始まり、北朝鮮で行われる米朝トップの会談を取り持つ韓国大統領…ってトランプと黒電話とムンムンですか?
円の面積も求められない大統領って…w
会談からクーデターからの流れは、現実味ベースからのいきなりの飛躍で、ちょっと安っぽかったけど、キャラクターとしても米朝の2人は実在の人をかなりデフォルメした感じだで、堅苦しい話かと思ったけど案外コミカルさもあるし。
韓国映画の割に韓国大統領の扱い悪いな~と思っていたけれど、後半は案の定大活躍w
相変わらず、訳のわからない歴史認識とか自己評価の高さは流石です。
救命装置からの展開はちょっと口説いしリアリティに欠けるしで長く感じたけれど、これはこれでなかなか面白かった。
ミリタリーアクションとしては面白いけれど…
日米リーダーの描き方にちょっと悪意を感じるよねー、まあ、しょうがないけど。裏切り者と正直者の対立はくっきりしていて面白い。アメリカ大統領はアメリカンな感じを誇張しすぎではないか。もう笑いもんにしているし。密室にリーダー3人、って展開は楽しかった。
潜水艦バトルを存分に堪能した!
潜水艦バトルのある映画はハズレが少ない。派手な爆発とかでは誤魔化せないからかもしれない。本作も、潜水艦同士、もしくは潜水艦と哨戒機の戦闘が大迫力だ。特に潜水艦は目では見えていない状況でどのように動くのか(どのように指示するのか)が重大なポイント。緊張感があっていいバトルだった。
朝鮮戦争の平和協定締結直前に北朝鮮でクーデターが起こり、南北朝鮮とアメリカの首脳が拘束されるという話は、荒唐無稽なんだけど全く非現実的とも言い難い。3人の首脳がそれぞれ実物よりも少し(かなり)カッコよくなっているのが映画的。
ここに中国と日本が絡んでくるのだから話が若干複雑になってしまうのも仕方ない。さらに、各国間の政治的な問題はフィクションとして流さないとダメな映画。対立していた男たちが友情でむすばれていく映画として楽しんだ。
ちなみに原題は2と書いてあったので改めて説明を見たら「鋼鉄の雨」という作品の続編扱い。チョン・ウソンとクァク・ドウォンも出演していたが、前作とは別の役柄のようだ。続編にする必要あったのか?あ、でも前作を観たくなってしまったのだからその効果がないわけではないか。
全22件中、1~20件目を表示