スティール・レインのレビュー・感想・評価
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批判を恐れぬ思い切りの良さは見習いたい
南北朝鮮統一をめぐる両国と米中そして日本の思惑から、竹島(韓国側呼称「独島」)近辺の海域で武力衝突の危機が高まる――という、かなり思い切った状況を描く意欲作だ。邦画では現代を舞台にしたミリタリーアクションはめったに作られないし、まれに実現したとしても、かわぐちかいじの漫画を実写映画化した「空母いぶき」(2019)のように、原作の中国と尖閣諸島を架空の国と島に置き換えるなど、現実の外交問題に関わる題材をストレートに描くことを避け、批判や抗議を受けるリスクをなるべくなくそうとする。軍事活劇のジャンルに限らず、現実にある難題をエンタメのフォーマットで描くことが問題提起や啓発につながるという側面もあるので、その意味では邦画界も見習うべき点があると思う。 さて本作では序盤、北朝鮮での首脳会談のため集まった米韓朝の元首3人が、クーデターを起こした北朝鮮軍の一派により拉致され、核武装した原潜に監禁される。日本では、中国側からひそかに資金援助を受けた右翼団体が、竹島奪回のため自衛隊を動かそうとしていた…。 懸命に状況打開を試みる誠実な韓国大統領、トランプをさらに軽薄にしたような米大統領、意外に真っ当なインテリの北朝鮮委員長の3人が、監禁された船室内で繰り広げる喜劇的なパートは少々やりすぎの感もあるが、コミックリリーフの効果は認められる。本作におけるヒーローは韓国大統領と原潜の副艦長、敵役はクーデター首謀者と日本(白竜が演じる右翼団体主宰者と自衛隊)なので、日本の観客にはこの設定が居心地の悪さを伴うが、フィクションと割り切れば、サスペンスに満ちた展開はそれなりに引き込まれる。“潜水艦アクション”と呼べる場面は後半に入ってからで多くはないものの、爆雷や魚雷から回避する操艦や敵艦への反撃など、定番要素を押さえたシーンも悪くない。話の展開としては、ジェラルド・バトラー主演の「ハンターキラー 潜航せよ」(2018)に近いところもある。このサブジャンルのファンなら、そこそこ楽しめるのではないか。
滑稽ながらもおもしろかった(笑)、
ありえんストーリーだったけど、話もわかりやすく楽しめた(笑)
アメリカの大統領がいいキャラで、ネタバレ?のひとつとして言うなら、他国のトップ2の前で放屁するなど、そういうのもありえんけどおもしろかったり。
北のトップがシュッとしててカッコよく、そういうとこもありえんことで(笑)、だから非現実的な映画として楽しめたのかも。
そこからリアルなニュースを見ると、北のトップがロシアのトップと会談したニュースで、中国うんぬんの話も出てきてげんなりした。
アジアの火薬庫、火種は尽きない・・・
米中対立の構図、尖閣諸島を巡る緊張、日韓の歴史の暗部、北朝鮮の核の暴走など映画の背景にある世界情勢の抜き取りが実に生々しい。
米朝平和会談の最中、核放棄に異を唱える軍部がクーデターを起こしたらと言う想定だがあながち荒唐無稽とも言い切れない怖さを感じますね。
韓国映画だから平和統一を願う韓国大統領がヒーローなのは至極当然だが美化しすぎの感もします、ヤン・ウソク監督の悲願のメッセージの代弁者でもあるのでしょう。
それに引き換えトランプがモデルなのだろうが米大統領は下品すぎる描き方、一方、北の書記長は見かけは子供っぽいが皮肉たっぷり、日本は森信三という胡散臭い名前の右翼が暗躍といかにもの感じが良く出ています。
潜水艦バトルは月並みだが悪くは無い、まあ、アクション映画と言うよりはポリティカル・サスペンスといった印象、2時間越えだがテンポが良いので一気に愉しめました。
それにしても日本周辺は火薬庫状態、いつ火がつくかもしれないと思うと他人ごとではない怖さを禁じ得ません、凄い映画を作ったものです・・。
Steel Rain スティール・レイン
タイトルからハードボイルド系で欧米の戦闘アクションの映画と思ってました。 正直な感想は 途中からコメディだ、コメディだと 時には失笑しながら最後まで見れました。 国のトップを このような描き方をしてしまうのはどうかと? 他国との戦闘や戦争をバカにするのも やめていただきたい。
分かりづらい…
米国、中国の大国間において、韓国、北朝鮮、そして日本とそれぞれの思惑が交錯し、3人のリーダーを人質にするクーデターが起きる。しかし、複雑過ぎて、理解するのに手間取り、ストーリーそっちのけ。そもそも日本の対応があり得ないと思うし、トランプまんまの米大統領はコメディかと思うくらい、緊張感がなくなるし、興醒め。とどのつまり、南北融和、統一万歳映画で、やはり日本は悪者、独島は韓国領土と日本人が見たら嫌うだろうが、まあ韓国映画なので仕方ないかと。
こんな映画撮れる韓国、あっぱれ!
米韓朝首脳による平和協定、平和協定に反対する北の高官が首脳たちを拉致監禁。協定の場でも監禁場所でも🇺🇸の大統領はご自分主義でわがまま放題。言いたい放題。🇰🇵将軍様に向かって独裁者はいいよなあ、と嫌味を言うのには笑えた。🇰🇵の将軍様、実際よりもかなりのイケメン! 監禁された潜水艦の中で🇺🇸大統領が🇰🇷大統領に「日本と韓国はどうしてあんな小さな島、ドッコにこだわるんだ?」と聞いて、🇰🇷大統領が説明する場面、日本側の主張があるように韓国側にも主張がある。この映画、かなり日本に敵意剥き出し。そもそものこのクーデターも日本が企てた設定だし。日本を敵にした方がウケるんでしょうね。 最後のエンドロールでの🇰🇷🇰🇵🇺🇸の平和協定の記者会見、🇰🇷🇰🇵の統一会見、現実になる日がくれば素晴らしい。韓国大統領の国民に問う質問も実に重い。 こんなに、🇺🇸🇯🇵🇰🇵とリアルな問題をここまで創り上げてしまう韓国、やはりすごい。日本は絶対創らないだろうし、アメリカでも創らないだろうな。だから韓国映画は面白いし、やめられない👍
中国と日本が仕掛ける?
平和協定を結ぶため、アメリカ大統領、北朝鮮主席、韓国大統領が一堂に会する。 裏では中国と日本が仕掛けた陰謀が実行される。 北朝鮮でクーデターが起き、三人は北朝鮮の潜水艦に拉致監禁される。 とても面白いのだが陰謀が複雑すぎて・・・。
韓国の視点から描く政治的駆引きはリアルか誇張か?!!
韓国やインドによくある繋がらない続編! 『鋼鉄の雨』に続きチョン・ウソンとクァク・ドウォンが真逆のような立ち位置となって、再共演を果たした。 日本でいうなら、かわぐちかいじ的な軍事フィクションものといった感じで、韓国と北朝鮮の関係性に、アメリカも関わりデリケートな政治戦が繰り広げられる。 国際情勢に対して、韓国視点の解釈が強く反映されているし、さらに作者の独特な思想も絡み合って、フルに理解するのが難しい政治的駆引きが続く中で、空気の読めないアメリカ大統領も合流して、事態はより複雑になっていく。 潜水艦という閉ざされたフィールドでの緊張感と政治的駆引きの緊張感が上手く混ざり合っているが、ちょっと内容が攻めすぎているせいか、現実感が薄れがちになるのは難点。 あきらかに、アメリカ大統領はドナルド・トランプがモデルであって、汚い言葉遣いや平気で人前で屁をするなど、誇張された風刺シーンはコメディシーンとして消費されているものの、中国もそうだけど、日本の扱いがなかなか酷く、反日感情が色濃く反映されている中、白竜が堂々と日本人代表を演じ切る。 大まかなプロットとしては、ドナルド・トランプが金正恩と握手していた裏で、「実はこんなことが起きていた~」といったノリなのだろうが、 金正恩がモデルと思わしきキャラクターが美化されすぎていて、現実味にかけてしまうのが残念。 『白頭山大噴火』や『ノンストップ』のように、近年の韓国映画、特にグローバル展開を狙った作品は、北も南も国の政治が悪いのであって、人間同士は同じであるというメッセージを発信し続けていて、人格的にも政治的にもアジアのトップと立とうする野心が伝わってくる一方で、政治への不満も相当たまっているような政府風刺もあったりで、いったいどこに向かおうとしているのだろうか…….。
今までの北とは違うわけで……
アメリカ大統領、韓国大統領、そして北朝鮮委員長が、北朝鮮軍のクーデターにより潜水艦内に監禁され奮闘する奇想天外な物語。 まずなかなか受け入れないのが北朝鮮のトップが若く細身の青年であり過激な行動及び言動が無いこと。クーデターを起こした護衛司令局長が過激で荒々しく、図体もまさに北の将軍様の雰囲気で見てて多少だが混乱して錯覚をおこす。 前半は地上劇で3つどもえの政治的駆け引き。中盤は潜水艦艦内で監禁された3首脳の少しコミカルなやりとり。そして後半はようやく潜水艦艦内のドンパチとアメリカや日本の潜水艦とのバトルとなる。 前半60点中盤40点後半90点という感じだ。 先にも述べたが北のトップを悪人として描いてなく、後半の北朝鮮内のクーデター軍から将軍様を守るべく対戦する側の兵士はどちらかというと善人として描かれている。 そしてその流れは潜水艦のバトルでも継承され敵国の潜水艦にホントに攻撃していいのか?躊躇する兵士が多数いたりする。 と、いうわけでこの韓国映画は、北朝鮮を悪人として全く描いていない。 どちらかと言うと竹島を巡るシュチュエーションで日本が悪者になっていた。 イメージと違う北朝鮮だったので、困惑した(ストーリー的に期待通りでなかった)ということでこれに関しては残念だった。
各国元首のモデルに違和感を感じながらも、潜水艦アクションの緊迫感は...
各国元首のモデルに違和感を感じながらも、潜水艦アクションの緊迫感はハズレが無いね☆あと使命感溢れる軍人はマスト!更に極東各国の思惑が好い塩梅のフィクションで最高!
米、韓、北のドラマ
想像とはだいぶ違ったが、随所にツッコミ所あり、反面色々と凝っていてかなり面白かった! 政治の話はちょい難しい所もあったが、3国大統領、委員長のやり取りは友情さえ覚えた楽しいものだった。 最後の激闘は少々ヒヤヒヤさせられましたがそこも良かった。 北の委員長、かなりイケメンであんな人柄委員長なら、、、と思ってしまった(笑) いやー観て良かった‼️
ひねりが効いて観ごたえがあった
序盤の衛星写真に日本列島がなかったので、沈没したのかと思ってしまった。その後の写真にはちゃんと映っていたので、大きな雲に隠されていたのだろう。 独島(竹島)が韓国の領土なのか日本の領土なのかは当方はわからないが、本作品では韓国の領土だとする意見が強いように扱われていた。日本の外務省のHPを見ると日本固有の領土だとされている。しかし韓国の領土だという可能性もある。そもそも世界史では領土は絶え間なく変遷している。どちらの国の領土なのかは歴史のどの時点を基準にするかによって変わってくる訳だ。中国はかつての歴史上の領土を取り戻そうとしているという報道がある。朝貢国まで入れるとインドシナ半島のほとんどが中国となる。沖縄も中国だ。 尖閣諸島の領有権の問題は日中国交正常化以来、ずっと棚上げにされていた。国交が成立して相互に経済的な利益が生まれた以上、両国の間に戦争は考えづらく、あえて問題にするべきではないという大人の結論に達した訳だ。ところが東日本大震災の復興もままならないうちの2012年に、当時都知事だった石原慎太郎が尖閣諸島を買うなどという馬鹿げた発言をしたのである。右翼政治家の面目躍如だとでも思ったのだろうか。 当然、その動きは中国の反発を招いた。尖閣諸島の領有が不問でなくなり、軍事的な問題になってしまった。中国の軍人が反発したのである。独島の問題と同じで、領有権を問題にするのは軍人たちだ。世界的に国家観が安定した現代では、軍人がいるから衝突が起きる。 他国との衝突に対応するのが軍人で、平和が続いてしまうと税金泥棒として非難される。場合によっては人員が削減され、失職する軍人が出るかもしれない。国際紛争は軍人にとって生き残るための唯一の術なのだ。だから軍需産業と一緒になって武器を作り、弾丸や爆弾を消費する。 本作品は朝鮮半島とその近海が舞台だけあって、韓国政府と北朝鮮政府は多面的で複雑に表現されている。日本の描き方も客観的だ。いろんな方面に気を遣いながらの映画製作であったことが伺える。 主人公はハン韓国大統領で、演じたチョン・ウソンは背が高く筋肉質の二枚目である。ハン大統領は失政もあるが、真面目に職務に取り組んでいる。支持率のために仕事をしていないところに好感が持てる。 北朝鮮の三代目の若い指導者は実際と違って痩せていて、こちらも真面目に職務に取り組んでいるが、喫煙習慣が残っていたりと、いかんせん時代遅れである。インターネットでどれほど情報を得ても、生活習慣そのものが変わらなければ時代遅れなのだ。北朝鮮問題を解決するのは政治ではなく、文化交流であり経済関係であろう。 トランプを模したと思われるアメリカ大統領は、実際よりもずっと洞察力があり、状況を瞬時に分析する。一方で、軍事では解決しないと知っているにも関わらず、米韓合同演習を実施する。大統領といえども軍部の圧力をすべて押さえつけられるわけではない。ビジネスマンのトランプは多分、心の底では軍人を軽蔑していたと思う。しかし軍事力は信じていた。 本作品では軍隊も決して一枚岩ではないことを示す。人間の集まりだから当然だ。多様な人間が集まって、能力と適性によって部署に振り分けられる。同じ部署でも能力と適性に差があるのは民間企業と同じである。エキスパートがいて、ジェネラリストがいる。優秀な人と普通の人たちと低能の人がいる。2対6対2の法則は軍隊にも当てはまるだろう。 北朝鮮海軍の人間関係が潜水艦内の緊迫した状況で描かれる。一蓮托生の潜水艦の中で、対潜哨戒機や他の潜水艦との魚雷戦が繰り広げられる一方で、軍人や要人の争いがあるのだ。これで盛り上がらないはずがなく、後半は目を離せない展開だ。 韓国のアクション映画は、ハリウッドの一本道の作品と違って、ひねりが効いている。本作品もとても見ごたえがあった。ただハン大統領の知性に欠けた暴力的な奥さんはいただけない。もう少しマシな奥さんにしないとハン大統領が気の毒だ。
鋼鉄雨はほぼ関係なかったような
韓国・北朝鮮・米国・中国・日本の思惑が絡まって進む話だから、その説明が多いんだよね。
前半は「えーと、だから、どの国がどういう思惑で動いてんだっけ」って理解しながら観なきゃだから、エンタメ性はそんなに強くないのね。昔の社会派映画観てる感じだった。
それで平和協定締結のために北朝鮮委員長・米国大統領・韓国大統領が北朝鮮に集まんのね。そしたら、そこで、北朝鮮でクーデターが起きるの。この瞬間の「避難して下さい」の場面はリアル感あって良かった。
あと平和協定に向かうシーケンスで説明される『朝鮮戦争は正式には休戦中』『休戦協定に韓国は入ってない』は知らなかったから「そうなんだ」と思った。韓国のこと知らなすぎだね。
それで委員長・大統領・大統領の三人が北朝鮮の潜水艦に連れて行かれて、そこからが潜水艦アクションで面白いね。監禁されたやり取りのなかで、韓国・北朝鮮・米国のトップの間に友情みたいなものが生まれていくのもいい。
潜水艦の中でも政治的思惑から色んなことが起きて、日本に核ミサイルを打ち込もうとするんだよね。『そんなことをしたら、米国から北朝鮮に報復で核ミサイルが打ち込まれる』『こうすることで、我が国は中国から莫大な支援を受けとれる』みたいなやり取りあって、みんな、それぞれの信条に従って動いてて、決定的な悪人はいないのね。
日本は核ミサイルを打ち込まれるわけにいかないから、潜水艦を迎撃しにくるの。でも大型台風(スティールレイン)来てて、あんまり空から攻撃できなくて。そこのやり取りの『なにがなんでも迎撃せよ』は「がんばれ航空自衛隊」って思ったな。
この事態がなんで起こるのかっていうと、米中の覇権争いからきてんのね。やるなら、お互いで潰しあえよってところだけど、他国の思惑をうまく使って自国有利に展開しようとしてんの。
もうさ、覇権争いなんてしないで、仲良くしてよ。どっかの国が一国で世界を抑えるなんて難しいんだから。
それと、米中派遣争いになったとき、韓国・北朝鮮・日本は米国につくのかな。ソ連との代理戦争のために朝鮮半島分断した国だよ。たぶん腹の底ではアジア人を下に見てるよ。でも、今の中国に付いてくのもなあと思いながら観てました。
はっきりした悪人が登場しないんだけど、最後は日本の極右団体が悪者になってたな。「けっきょく日本が悪者かあ」と思ったし、韓国には全く悪人出てこないから、その辺がなんだかなあと思ったけど、まあ韓国映画だもんね。日本で作ったら、日本には悪人出さないだろうし。
そんなこんな色々思いながら観られて、アクションシーンのカタルシスもあるから面白いよ。
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