ある男のレビュー・感想・評価
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妻夫木聡が素晴らしい。
日本映画『ある男』を観た。
原作(平野啓一郎)は未読なので、小説との比較は当然できず、シンプルに1本の映画として観た。
「退屈な日常」が描かれているのかと勝手に予想していたが、その予想は大きく外れて(平野啓一郎がこんなに娯楽性の高いストーリーを紡いでいるとは知らなかった)、物語は(線香のシーンから)一気に不穏でミステリアスになる。
「どうなるねん、この先……?」
と、否応なしに惹き込まれていった。
脚本が自然で、役者陣が皆、達者だから、(非日常的なストーリーなのに)リアリティーは一貫して保たれている。抑制の効いた演出も秀逸。そして何より妻夫木聡の存在感と演技が素晴らしい。
ラストの(『衝撃の』的な)オチは正直どーでもいい。そこへ至る過程の中に、この映画の作り手の真意(差別主義者たちへの怒りと哀しみ)は十分に描かれていたし、きっと平野啓一郎が原作でこの何倍も深く、そこは書き込んでいるのだろう。
生き直したいと望む人の苦悩と希望、その切なる願いを阻まんとするこの社会の浅ましさが描かれた秀作。
誰だったか分かるだけ
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温泉旅館の次男だが家族と折り合いが悪く家を出た・・・
という窪田が宮崎の田舎で林業に就く。でサクラと結婚。
子供もできたが、仕事中に事故死してしまった。
ということでサクラは窪田の実家の旅館に連絡をとった。
で兄がやって来たが、写真を見て、これは別人だと言う。
ということで弁護士の妻夫木が調査を開始する。
で人と人の名前や生い立ちを入れ替える闇の男・柄本に行きつく。
刑務所で面会して話を聞くと、やはり関わってた。
窪田は3人殺した殺人鬼の息子で、プロボクサーだった。
自分の体に父親がいるのを嫌悪し、強烈な自己嫌悪があった。
ボクシングをしてるのも、自分が殴られるためだった。
ボクシングの才能はあったが、ある日自殺未遂し、姿を消す。
その後に温泉旅館の次男と入れ替わり、宮崎へ来たのだった。
こうして一連の調査が終了した時、妻夫木の嫁の不倫が発覚。
妻夫木は何と今度は自分が窪田と入れ替わって別人として生きる。
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劇場で見た。
配偶者が死んでみたら、誰これ?ってなった・・・・
予告編の段階から、こりゃおもしろそうと思ってた。
でも実際見てみると、つまらなくはないのだが、今一つかな。
この男誰?→こんな男でした、って分かるだけやからなあ。
特に伏線回収とか意外なつながりとかもあるわけじゃない。
あるとしたら、妻夫木が窪田に度を過ぎて肩入れしてる件かな。
何でやろ?と思ってたら、結局自分も今の人生に満足してなくて、
何者かと入れ替わって第二の人生を歩みたかったんやな。
自己実現
小説読んだことがあってずっと見たいなって思ってたやつ
分厚い本なだけに要所のシーンだけを集めました!感はあったけど、映像を生かした演出もあって良かった
面会室の手の跡のシーンとかね
血筋に囚われた男達が名前を変え、別の人生を歩む話
子は親を選ぶことは出来ないし、「血筋は争えない」などといった偏見を払拭することも難しい。
「知って思ったけど、過去なんて調べなくてもいいのかもしれませんね」
過去を知っても好きなものは好きだと言い続けられる人間になりたいと思った。
在日を取り扱うテレビの映像が雑すぎて気になった
後、息子が事故現場を見て何も言わないのはどうなんだろう?多少なりともショックはあったはずだが…
この作品を評価する映画業界はまだ終わってないと思った
ストーリーは、正直そこまで広がりがあるものでもなく、過去がわかったところでどうなんだという点に物語が収束してく感じが後半からする。
この物語を普通に演出したら本当につまらない映画になると思う。
勿論、色々な映画の語り方があると思うし、もっと適切な語り方もあるかもしれない。
でも、この危うい物語を映画ならでは表現(しかも派手さのない地味な表現)を使って、そして物語に奥行きと深みを持たせたことはとても凄いと感じた。
物語というより、映画の語り方がとても良い。
正直、この作品が映画業界で評価されるとは思ってもいなかった。
まぁ、アカデミー賞や映画祭ってのは、色々な力のバランスがあるとは思うけど、でもその中でもこの派手さのない作品が結局選ばれたってのはね。いいよね。
幸せのかたち
まず、自分だけのイメージかもしれませんが、安藤サクラさんというと悪役か、個性の強い役が多く「万引き家族」にしても泥臭い感じで、ノーマルな役を見た事がなかったので、普通の主婦の役が新鮮でしたし、さすがの演技力だと思いました。
そこに、いつ出てきても悪人なのか、善人なのか分からない窪田正孝さんのマリアージュは最高でした。
そして大変失礼ながら、見た目はかっこよくても「おもしろい」という作品を見たことがなかった妻夫木聡さんのこれ以上ないと思うほど、はまり役な弁護士。 美しく上品な妻に真木よう子さん。すべてのキャスティングがドンピシャだと思いました。
極悪非道な死刑囚の息子に生まれ、他人の戸籍を手に入れて人生を生き治す窪田正孝さんは、最後に家族に真実を知られてしまうけれど「優しいお父さんで、大好きだった。」と言ってもらえる。
反対に妻や子供に囲まれ裕福に暮らす妻夫木さんは、ある日妻の不貞を知る事となる。
自身の根底には「日系三世」というコンプレックスが根強く存在し続け、だからこそ、妻の不貞にも見て見ぬ振りを貫き通し、今の幸せを手放すまいと固持している。 どちらが幸せなのか? 最後に深く考えさせられた作品でした。
小説と同じ位かそれ以上
窪田正孝の存在感
窪田正孝が主演の映画は初めての鑑賞だったので、静かな佇まいから醸し出されるオーラに感服しました。
天才女優・安藤サクラさんと並んでも引けを取らない素晴らしい演技でした。
それにしても、安藤サクラさんはシングルマザー役が似合うなぁ…。
「X」こと原誠は、自分をロンダリングしたからこそ新しく幸せな人生を生き直せた。
最後の妻夫木くんのバーでの語りは、原誠のような生き方を羨ましく思うからこそだったんだろうなぁ。
妻夫木家のチグハグした空気感を醸し出すのに、真木よう子の棒演技が貢献していました(笑)
自分とはなにか?
他人の人生
自分が結婚していた相手は誰なのか? その謎を解くミステリーかと思い...
自分が結婚していた相手は誰なのか?
その謎を解くミステリーかと思いきや現代社会の問題や人間の業などを突きつけられてハラハラではなくゾクゾクした。
安藤サクラが主演なのでは?と思って観ていたのが最後まで観た時にだから妻夫木聡が主演だったんだと理解した。
ちょっとスッキリしない部分もあるから原作も読んでみたい。
今ひとつ共感できなかった気がする
この映画はミステリーというよりは、ヒューマンドラマだ。前半の展開は、どうなっていくのか読めなくて,引き込まれた。
ただ,正直,そここまで自分の出自を隠したい、そこから脱して違う人生を生きたいという強い思いにあまり共感できなかった。そして,そんな立場で結婚して子供を作るのもどうなんだろう。あんなに早く亡くなるとは当然思っていないので、そのまま隠していけると思ってたのか。
彼にとっては,生まれ変わって幸せな数年だったろうけれど、残された妻と子供はどうなんだろうと思ってしまった。
知らないほうがいいことは、知らないほうが良い
脚本が向井さんで、カメラが近藤さん。そう来たかとという感じで、熊切さんとか山下さんとか含めて同時期に同じ学校で出会っていた才能にただ驚きますね(鬼畜大宴会)。
安藤サクラさんの後半のセリフ「知らなくても良かった。あの楽しい時間は確かにあった」。わたしも、そう思います。今を此処で生きていることなんて偶然みたいなものなんだから、余計な過去を気にしたり、ひけらかしたり、また知ろうとしたりする必要はありません。
映画は、去年のキネマ旬報2位ですよね?正直、それ程の感銘はなかったです。
エンディングは好きです。
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