ある男のレビュー・感想・評価
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出てくる男みんなの代名詞
過去を隠して理想と思う家庭を築き、どこかで逃げ出したいと思う男の話だ。彼が追う事件によって、自分と重ねてその世界にどんどん引き込まれていく。彼が最後にした選択によって本当の安堵は得られたのか。それにしてもこんなに簡単に他人になれるなら、私もなりたい。誰もが今の生活を抜け出したいとどこかで思っているのでは。そんなことを思う自分にぞっとした。
窪田正孝さんのファンになった
構図に拘りを感じる。
カメラワークが良い。
BGMはナチュラル。
今作を視聴して窪田正孝さんのファンになったし、パンチグローブが欲しくなった。
妻夫木聡さん演じる城戸章良と小藪千豊さん演じる中北の二人がいいコンビ。
子役達の演技が良い。
柄本明さん演じる小見浦憲男が面白い。
安藤サクラさんの小石の蹴りかたがカッコ良い。
仲野太賀さんは一瞬しか出てこないが存在感がある。
絵画展での講演「国家が死刑執行する理由は、前提として人は変われないからであるが、しかし、人は変われる云々...」をもっと聞きたい。
陰謀論者が北朝鮮の誘拐だと言っていたがシロ。
だが3.11の話は...劇中ではセリフでシロとして上手に処理しているが...氣になる。
戸籍問題、行方不明者、帰化人、なりすまし、殺人犯の子など、興味のあるワードが沢山出てくる作品。
家族が犯罪者
家族が人殺しのせいで人生がだいなしになるシリーズ、過去の代表的な類似背景ならば【手紙】山田孝之 が素晴らしかったが、これもなかなか最後まで見させられた感があります。
👌
世にも奇妙な物語
とても面白かった。
導入から怪しげな雰囲気を醸し出す
窪田さんが素晴らしかったし、
事故からの展開もどうなって行くのかドキドキしながら
観れました。
妻夫木さんのパートでは一気にミステリーになり
物語が加速し、在日と言うキャラクターもラストに
生きてて唸りました。
これは男だから分かるのか、それとも全員に当てはまるのかは分からないけど、
普通に生きてても、この場から逃げたい、この立場、
この責任から逃げたいと言う気持ちが湧く時がある。
ラストは賛否ありそうな、急な世にも奇妙な物語みたいなオチだったけど、
誰も知らない所でやり直したいと言う気持ちは分からないでもない。
難しい題材を簡単に分かりやすく、だけど映像や空気感は重厚でとても面白い映画でした。
ヘイトヘイト言うのが不自然に感じる
原作者の平野啓一郎は作風が合わないので芥川賞受賞作以来読んでないしきっと今後も読む予定はない。
物語は面白い。
窪田正孝側の事情はよく分かったんだけれど、仲野大賀の方がなぜ戸籍を交換したのかはわからないまま、確かにお兄さん嫌なやつだし清野菜名の涙目は言葉もないくらいではあるが。
妻夫木の顔で在日の顔って、それはちょっとないよなと思う。
そういう事言う人たちも何ものべつまくなし言うわけじゃないからね。
だからと言って心ない人からそう言われ続けて生きるストレスというのは言葉にし難いの程なのだろうし、いつか何かで発散する日はやってくるのだ誰もが。
この物語に在日コリアンのくだりを入れると話はややこしくなる気がする。
とは言え、原作にあるのなら やらない訳にはいかない。
自分ではどうしようもない事実を背負って生きる人間の苦しみ、
昔 宮崎勤という凶悪小児性愛の連続殺人鬼がいて
彼の行動の異常性は世間を嫌と言うほど騒がせた。
その父親は自殺し 結婚を控えていたきょうだいはもちろん破談になった(のちに遠方で幸せになっていると聞いた事もある)
そういう その人本人には全く罪のない事情で生きづらくなるのはやはり間違っているので
昨今 何かの事件があっても全国的にテレビで公表される事はなくなっているような気がする。
と思う。
というか 最近私はワイドショー見ないのでわからないだけかもしれないが。
そういう題材に在日を入れ込むのは なんとなく今の時代では方向が違うような気もしなくない。
真木よう子の配役も見ただけで これは真っ当にはいかないよねって分かっちゃうしね。
出自…
それは自分では選ぶことができない。殺人犯の息子という事実を消し去りたかった。僅かな時間だったが宮崎での生活は幸せだったのだろう。残された家族は複雑だろうけど、特に幼い娘は。ラスト在日の弁護士は妻の浮気で今の生き方を捨てたのだろうか。元々妻やその家族とは合ってなさそうだが。人によっては辛い過去、逃げ出したくなる今があり、人生をリセットして生きていきたい、ということ。柄本明は怪演だった。
自分とは本当は何者でもない
ハッとさせられる映画でした。
本当に観てよかった!
妻夫木聡さん演じる弁護士の心の闇がだんだんと現れてくるところから、ぐっと面白くなった。”人探しをしながら自分を癒している”というようなセリフがあったが、表向き立派な弁護士でありながら、在日3世という劣等感をぬぐいきれずもがいている様がしっかり伝わってきた。
キャストそれぞれの演技が素晴らしかったことで世界観に入り込むことができたし、1コマ1コマに無駄がないというか、短尺ながら訴えたいことを凝縮した演出も素晴らしかった。日本アカデミー賞を席巻したのも納得!
人間は「私というのはこういう者」という認識の上で自分の現実を作っている。もし記憶喪失になればその日から人生が変わる。つまり過去の経験やアイデンティティが今の自分を作っているということ。
そんなある意味不確実性に包まれた「自分」を他の誰かが定義することなんて、できないんじゃないかと思った。区別なんて必要だろうか。区分けを強調すればするほど差別の心は生まれてきやすくなる気もする。国籍、血筋、性別、学歴、そんなものは見えているほんの一部でしかない。肩書ではなく内側から発しているものを感じとる大切さを改めて感じた。
"この人大祐じゃないです"
"この人大祐じゃないです"
この言葉から物語は一変する。
夫が何者かわかった後、
知る必要がなかったかもしれないと里枝は言った。
夫と過ごした時間は確かに存在し、そこに愛があったから。
その人が何者かなど日々疑わずに過ごしていることに
気付かされる。
また、多くの人が、城戸のように、
自分は何者なのか?見失い、
どうしようもなく現実から逃げたくなった時、
他の人生を生きたくなる時があるのではないか。
妻夫木聡はじめ、安藤さくら、窪田正孝は
傷を負った過去をもつ人物をよく演じていて
流石であった、脇を固める俳優陣も良かった。
あいつと今、話したいことがいっぱいありますよ
城戸が1番掴めなかった
ある男のあるという事
「ある男」平野啓一郎さんの原作の小説を読んだ時にも衝撃的な作品だなと感じる部分がありました。
この映画化された作品もまた違った印象を受ける事が出来ました。
窪田さんの父の役と現在の役の対比がとても印象的でした。
安藤サクラさんの安心感を与える表情も良かったです。
妻夫木さんの真実に近づくにつれて、自分の存在というものに謎を迫る姿も良かったです。
自分が結婚した夫、全然知らない人であった。では、あの人は、誰なの?そんな謎からその人の真実の近づく事になってくる。
自分が知っている部分がその人の全てでは、ないのかなと感じました。
その人が実は、悪い人かもしれない。もしくは、自分が感じているままの人かもしれない。
それは、全てがそうではないと思う。なぜなら、生きていれば環境や状況が変わればその人の考え方も自分の考え方も変わってしまうから。
とても文学的な作品で見終わった後に自分の存在は、本当は、誰なのだ。誰でありたいのかなと考えたい。
このまま生きている事に生きていたい。何を望んでいたいのかなと思いました。
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