ある男のレビュー・感想・評価
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一般的には起源に関わらずだか
過去や血に関わらず差別はいけないって映画に見えますが、なにか釈然としない。
人間は本質的には変わらないんじゃないかと、ひっそり感じる作品
象徴的な絵
冒頭の山で木を切り倒す場面。
淡々としたシーンだったけど、動物とは違うけど、ひとつの『生き物』を『殺しているんだ』と感じさせるような丁寧さがあった。
なにより、
安藤サクラさんと窪田正孝さんの演技を観るだけでも、「ああこの映画、観てよかったぁ」と思った。
あと、(安藤サクラさんの息子役の)男の子もうまかった。
考えさせられる
レビューを書こうとしてここの、すでに書いてあるレビューをみて考えてしまった。
そうだよなあ。戸籍って何なんだろう。
俺の上に乗っかっている、あの紙1枚。あれが俺のすべてを証明している。
で、いいのか?
俺は本当に俺なのか? 俺は俺を代えられるのか?
脚本と役者がしっかりしているから落ち着いてみることが出来た映画でした。
・妻夫木聡と窪田正孝。役者だなあと思います。いつも違和感なく作品のなかに引き込んでくれる。
・柄本明・・・少しの場面だけでも作品全体を締めてくれる。存在感がゆるぎない。
・田舎の文房具屋さん・・・他のコメにもあったけど、独特ですよね。
誰もがあそこで買い物をした経験がある。鉛筆やスケッチブックを買った経験がある。なつかしい。
今の子はショッピングモールでしか鉛筆を買った経験がないのか。なんかかわいそうだなあと思いました。
本人が知られたくなかったんやから死んでから調べんとってくれる?
戸籍を買って別人になって横浜から宮崎に移り住んでかなり幸せな生活を送り始めるのだけれど数年しか続かず突発的な事故で死んでしまってそれでおしまいで良かったのだがそれではドラマにならず・・・一体ほんとは誰やったんやと、誰が何故に別人になりすましたんですかと、故人が絶対知られたくなかったであろうことを根掘り葉掘りおせっかいなことに調べつくしてどうしたいのどうしてくれんの?脛に傷持つ身というのがある高倉健さんが倍賞千恵子と出会うのもそれだ。前科持ちでも刑期を終えて出てきているのだから隠す必要は無いはずなのだが世間の目というやつ。「世間てなんやねん。その世間一般というやつをここへ連れて来い!」という名台詞もあったことだがましてや出自の秘密というやつ。どこで生まれようがどんな両親から生まれようがそれが何か?私に選択の余地はナッシングでそれによって差別するような輩は銀河系の果てまで飛んできゃいいのに。安藤サクラという役者がうますぎて石川慶監督がワンショットでゆっくりズームインというあまりにも前時代的なカメラワークで見せたくなる所以。
ミステリーより人権とかの印象
締めが自分の好みじゃなかった分▲。
原君の思い的なのもう少し大切にして欲しかった。
丁寧に描写してるんだろうけど冗長にも感じた。
戸籍レンダリングは面白かったし、柄本父はやっぱ迫力ある。
その人の辛さや苦しさはその人にしかわからない
人はみなそれぞれに何かを抱えて生きてる
日々耐えている
それが重すぎて辛すぎてどうしようもなくて立っていられなくなった時、、、、
色々と考えさせられるお話でした。
決して他人事ではない、、、
少しだけ中弛みしたかな。
妻夫木くんと窪田正孝の演技がとても良かった。
心に残った言葉
りえの言葉
過去は知らなくてもよかったかもしれない。あの人と過ごした時間だけは紛れもない事実。
(のような意味合いの言葉)
二世三世の受難如何程?と想い巡らす内に幕。 悪いが、気にし過ぎじゃ...
二世三世の受難如何程?と想い巡らす内に幕。
悪いが、気にし過ぎじゃね?誰しも生き辛いぜ。
だからか撮る動機の強度、薄くね?
重要作「怒り」まつけんパート在る世にこれ撮る意義は?
店番ヤンママ(愛と誠のガム子!)の色気良し。
柄本の下世話関西人でレクター回避も良し。
まあまあ。
深いい感じ
見るの遅れましたが興味深い。名前って戸籍ってなんなんでしょうね。全て捨てて、田舎の街で全然別の人間やってみたいってたまーに思う。
ちょっとしたところまで豪華俳優陣で演技素敵でした。柄本明好きだなぁ。。
社会問題を巧みに取り入れた上質のミステリー
谷口里枝(安藤サクラ)の再婚相手、大祐(窪田正孝)が事故で亡くなり、疎遠だった大祐の兄に連絡して葬儀に来てもらうと、亡くなった大祐は本当の大祐ではなかった。そんなミステリアスな出来事を、弁護士の城戸(妻夫木聡)が解き明かしていくミステリーでした。
非常に評価できるのは、近頃国会などでも話題になることが多い「ヘイト」の問題や、自分が自分であることを証明することの難しさなど、「謎解き」というミステリーの娯楽要素に留まることなく、現実の社会問題を物語に巧みに取り入れていたこと。流石は芥川賞作家である平野啓一郎原作と思わせる展開でした。
役者陣では、刑務所に服役している詐欺師役を演じた柄本明が、相変わらず不気味な笑みを浮かべつつ物語の鍵となることをしゃべっていたのが良かったです。
また物語的にも、亡くなった夫が誰であるかが解明されて一定の平衡状態を取り戻した里枝や、本当の大祐とは裏腹に、城戸が家族の崩壊危機に陥ってしまうラストは、人生の浮き沈みを象徴しているようで、印象的なものでした。
物語よし、背景もよし、演技もよしということで、評価は★4としたいと思います。
過去が消せないなら、わからなくなるまで上から書くんだ。
原作既読。
映画は、小説にもでてきた、ルネマグリットの「複製禁止」という絵のショットから始まる。
戸籍ブローカーの仲介を経て、他人の人生を生きている男、他人に自分の人生を売った男の話。小説を先に読んでいるので、ああ、この男が殺人犯の息子として生きてきて、今、別の人生を生きているんだなという視点で見つめていた。何も知らずに観ていたら感じることのない疼きが心に刺さってくる。それは窪田正孝の物静かな佇まいがそんな感情を起こさせるのだろう。そして、最後に息子悠人がいう「父親が優しかった理由」がすでに頭にあるせいでもある。誰かになりすますことで、原誠は幸せだったのだろうと思う。(この子役、とてもよかった)
弁護士城戸役の妻夫木聡の表情が絶妙だった。谷口大祐の素性を探すことは、どこか在日である自分の本性をほじくり返す行為にも感じていたのでないだろうか。そのくせ、自分に害が及ばないのだから、傷つくこともない。だけど、そのかわり彼の中で何かが変わってしまった。あの、皮肉そうな笑顔もそうだし、どうも善意だけの行動には思えないんだよな。たぶん彼自身、変身願望があったのだろう。在日を隠したい気持ちが在日であることを晒しだしてしまう。小見浦の言う「先生は在日ぼくない在日ですね。でもそれは在日ってことなんですよ。」が的を得ているように。
正直、小説は設定が面白いわりにはなんかスカしていて満足度は低かった。それは作者の文章のせいであり、インテリ臭いマウントをとられている不快感のせいでもあった。だけど、映画は上質。余計な横道にそれず、核心へとずいずいと誘っていく。とてもソリッドな展開だった。ラストも、小説の幸福な着地点とは異なり、どこか城戸自身の変化や問題を抱えて終わる。小説にも城戸が試みになりすましてみる場面が、調査の途中の過程として登場するが、この映画では最後のここで出てくる。それは、なりすますことに妙な悦楽を知ってしまったような城戸の心の闇がちらついて見えた。(ただ、はっきりとなりすましたとは断言できない。そういう人がいた、ともとれる会話だったが。)
そしてまたルネマグリットの「複製禁止」が登場する。この鏡を覗いているのは誰なのかという想像の迷路に迷い込まれていく。ちなみにこれ、鏡の下に置いてある本はちゃんと反転しているのに、男はそうではない。そもそも鏡を向いているのに、向かい合っていないのだ。だからどこか感覚が狂わされる。まるで鏡張りの小部屋に閉じ込められているようだ。城戸も、こうして鏡に向かい合っている気分なのだろうか。その見ている自分は"どの自分"なのだろうか。ああどんどん迷い込んでいく。
そうそう、最後に初対面の男に城戸は自分の名を、何と答えたのだろうね。そりゃ僕は間違いなく、こう答えたと思う、・・・・・(ブチッ)。
↑ ↑ ↑
なんだよ!って思いますね。一応、タニグチがセオリーのようですが、ハラマコトだとざわつきは半端ないかも。
いわゆる「カンヌに出しますよー!」という系譜の作品としては近年では...
いわゆる「カンヌに出しますよー!」という系譜の作品としては近年では一番良かったのではないでしょうか。
原作者の最高傑作にして終わりの始まりです。
以降の彼はこれで勘違いして社会派作家という名の、物語より自分の主張を押し付けるだけの作家に成り下がってしまいました。
天才平野啓一郎の最後の輝きをスクリーンで感じましょう。
柄本さんと対峙する妻夫木聡さんの狂気の笑顔は必見です。
なんか色っぽい安藤さくら、ほれてまうやろー。
田舎の文房具屋がすきです。
なんか甘い消しゴムの香りや、紙の香りがゾクゾクきます。
こんなテーマの映画だとはこれっぽっちも思わなかったなぁ。本人とは何の関係もない物を、人はだれも背負って生きていかねばならないです。家だったり、親だったり由来の良い事や悪い事様々。
親ガチャって最近言うのかな?
なんかこの映画見て親は子供が背負うものを可能な限り減らして、そして子供の可能性を広げてやるのが仕事なのかもなと思った。
外見、書類上片付いても本人の心の中には残り続ける。
忘れる事が出来ないと、ただただ生きるのが辛くなるから忘れる力は生きるために重要。
社会派とは
こういうのみたかった。背景として社会問題を扱いつつ、主張するわけでなく、でもきちんと心に残る描き方。
自我、国籍、戸籍、血脈、日常の差別、社会的な差別、死刑制度、犯罪者家族など、考えさせる要素はたくさん。
柄本明の芝居がかった演技をする芝居はやっぱりすごくて、対峙する妻夫木も大変だっただろうな。こんなに骨のある役者になっていたなんて。
真木よう子は優しいのか優しくないのか…。なんで結婚したのかな2人は。
真木よう子は両親の差別的な言動に苦笑いするだけだけど、スナックの子は店長にちゃんと反論するのがいい。いつも俯いて笑うだけだった妻夫木もハッとするんだよね。
大祐とは出会いから家族になるまでが腑に落ちる。子どももいい子だ。
血筋や家系に否定的な気分なので、こういう形の映画は新鮮で面白かった。逃れられない血筋への意識と、それを超えてつながる親子がいる現実。
彼を【ある男】や【X】と呼びたくない
1度しか観てないので台詞がうろ覚えなんだけど
安藤サクラさんが演じられた里枝さんが後半に言った「過ごした時間は事実ですから」がほんとそうだなと。
たまたま死刑囚の子に産まれてしまっただけで、その男性には何も罪がないのに、遺伝で似てきてしまう顔に絶望とも言える苦しさや生きづらさを感じていた中で、やっと普通の暮らしを手にいれたのに
ただただその1人の男性のことを考えると胸が苦しくなった。
戸籍のことは不勉強でわからないのだが、里枝さんの旧姓としてお墓に入れられることは可能なのだろうか…。
そして物語が終わりを迎えたのに、ラストシーンに向かうランチシーンからは必要なのかと思ってしまった。これがあるので物語が終わりを迎えない気がして…きっと誰しも別人になりたいときはあるを訴えたかったのかと私は思ったのだが…少しそこが気になった。
ただそれを含めて映画として面白かったので、もう一度観たいそう思う映画だった。
私も今を捨てて別の人間として、やり直したい。
今日は映画の日で、鑑賞料が千円だったので観てきました。内容的にはまあまあ面白かった。
アクションがあるわけでなく、特にウルッとくる場面もなく、淡々とゆっくりと時が流れていく感じでした。
ま〜映画館で見るほどでもなかったかと・・
ただ、キャストは名優揃いだったの、演技はどなたも素晴らしかった!
柄本さんは、何演じさせても上手いなー!
長男役の子も良い味だしてました。
あの家庭環境であんなに素直で親想いの子に育つにはどう育てれば良いのか聞いてみたい!
ところどころ差別的な場面はあったけど、物語的には必要な場面だったと思う。
私も、今の生活を全て捨てて、別の人間として生きてみたいと思ってしまった。
過去は変えられるのだよ、偽造として。
大好きな彼女や親友の過去なんて何も判らないし
わかったところで嫌いになる事ではない。
過去を暴く暴露系連中とかどうでもいい。
でもその過去は必ず顔に出てしまう。
気持ちにも表情にも出てしまう。
「真実の顔」
「真実ぶってる顔」
「真実と思いたい顔」
「真実ではない顔」…more
一滴の涙すら演技のひとつ。
なので、とんでもない表情に長けた
素晴らしい出演陣を集めた。
特に 妻夫木聡 さんの意図的な嘘顔は深みを増す。
静の美学を楽しむ。
そんな作品でした。
「#ある男 」この3文字がこの物語の全て。
自分を捨てたくなる時って、切ない…。
好きな作家 平野啓一郎さんの原作で、観たい俳優 妻夫木聡さんの出演作、楽しみにしていた。
仕事帰りのレイトショーは大きなスクリーンに私も含め観客は3人だけで、内容と同じ冷え冷えした静かな空間が落ち着いた。
最初から引き込まれて、妻夫木さんの視点で鑑賞。
窪田さんの出演作は初めて観たけれど、メンタルしんどい役だなと感じた。
ここしか居場所がないと思っちゃうと、袋小路に入る。
家族や周りの人たちから嫌われないように、自分を抑えて、我慢しなきゃと思い込んでしまう。
ホントは、そんなことないのになあ…。
不愉快なことを言われたら、やめてと言う。
希望があれば、こうして欲しいとお願いする。
きき入れてもらえないなら、そこから、その人から離れてみる。
その気になれば、世界中、どこにでも、自分の居場所はあると信じてみる。
死ぬまで付き合うのは、自分だけ。
家族ですら、人生の一部でしかない。
なら、最大限、自分を尊重してわがままに生きていい。
間違えたら、謝って修正したらいい。
色々な体験をして、優しい自分も、ずるい自分も、怒り狂う自分も、情けない自分も、失敗しながら受け入れていけばいい。
だからどうか、自分を捨てないでと祈る。
妻夫木君が、ラストシーン、なんと名乗ったのかすごく気になった。
私なら・・・。
本当か嘘か?正しいか正しくないか? 過去がどうあれ未来がどうあれ‥...
本当か嘘か?正しいか正しくないか? 過去がどうあれ未来がどうあれ‥‥ しかし知りたくなる、その人のことを。 人は皆、肩書きで人を見ている。実際、私もそうである。それによって振り回されている。しかし意外とその人とあった事実だけを見ていくとその人が見えたりするものだ。たぶん知らんけど!
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