「疎外感。」ある男 レントさんの映画レビュー(感想・評価)
疎外感。
「殺人犯の息子」と「在日」。自分ではどうすることもできない生まれによるいわれなき差別。
世間はその人個人を見ようとはせず、その素性だけでその人を見てしまう。そんな世間で生きづらさを感じて生きてきた両者。
一方は戸籍を変えて全くの別人として生きようとした。一方は帰化をして日本社会に溶け込もうとした。
戸籍を変えた男は事故で命を落としたのをきっかけに別人に成りすましていた事実が明るみになる。
帰化した男は、社会的地位と家庭を手に入れて一見何ら問題がないように見えた。しかし彼は常にこの社会で疎外感を感じている。
たとえ全てを手に入れて、帰化までして日本社会に溶け込んでも己のルーツを否定することは出来ない。どこへ行ってもそれは自分にまとわりついてくる。「殺人犯の息子」としてその偏見のなかで生きてきた男の姿が自身とかぶる。
真実を知った妻はたとえ夫の名前が別人であろうとも自分が愛した男には違いがないと言う。戸籍を変えた男はほんの束の間ではあったが自身の人生を全うすることが出来た。
作品ラストで別人に成りすます城戸の姿。この社会では常に疎外感がまとわりつく彼にとって、自分ではない全く違う誰かを演じることでしか、この社会の偏見から逃れるすべはないのかもしれない。ほんの束の間の安らぎを得る唯一の方法として。
本作難しいです。
ラストの城戸の言葉、妻との関係、初めの方で里枝の車の中での会話、結婚指輪をずっと映している、謎がたくさんです。
本物の谷口は、差別的な兄を登場させる為かと。谷口、出番ちょっとなので、仲野太賀さんでなくてもよかったかと。
こんばんは♪
共感していただきましてありがとうございました😊
こちらを見つけることができずに失礼いたしました。
簡潔明瞭、よくわかるレビューをありがとうございました⭐️
やはり原誠は、短いながら幸せだったのですね。
今からまた観ます。😄