ブルーサーマルのレビュー・感想・評価
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終盤が駆け足展開すぎる
恋に憧れ東京の大学に入学したたまきはとあるトラブルから体育会航空部に所属することとなり…。
小沢かな原作漫画の映像化作品。空の美しさや部活動を通しての人間模様など好きな要素は数多いが終盤にかけて恐ろしく駆け足展開に。二部作くらいがちょうど良かったのでは…。
詰め込みすぎかな
青春映画です。恋愛要素をもっと色濃くすれば良くなったと思います。ただやっぱり脚本がいまひとつだと思いました。設定に無理があるのです。1番は姉妹がなぜこんなに仲が悪いのか、と言うところが現代的では無いのです。こんなに意地悪なお姉さんていないでしょ。今の時代はいないと思います。一昔前の安っぽいテレビドラマでは通用しましたが、今の若者って頭いいですよ。だから人が見ている前で妹のことをけなしたりする人はいません。それとたまきが初めてグライダーに乗ったときの感動の場面が少なすぎます。ファーストインパクトって大事なんです。倉持と初めて空を飛んだ時に、グライダーの魅力空の魅力にどっぷりとハマって行く心情光景をもっと描いて欲しかったです。それにしてもたまきは入学して一気に航空部のエースになっちゃいましたね。早すぎませんか?
地味ながら丁寧な描写
テレコムの丁寧な仕事が光る佳作。
単行本5巻もある話を2時間に、しかも連載自体が後半打ち切り気味で詰め込み過ぎた終わり方をした原作だから、ダイジェストっぽくなるのは仕方ない。
主人公・たまきの明るさや、空へ憧れに絞って、ダイジェストならダイジェストなりに要点を外さずに作った印象。
たまきの風をつかまえる勘のよさや空間を立体的にとらえられる才能の描写とか、グライダーの挙動とか、作画や演技で見せていて、好感度は高い。
地味な話なのに画面から目が離せない。
原作にあった主人公が幼少期に父親から虐待されていたことや、一浪してまで努力して東京の大学に進んだことは、全体を明るい作風に持っていく上で、カットしてよかった。
ただ、そのせいでたまきのお姉さんが、ただ妹の明るさに嫉妬しているだけのちっぽけな人に見えちゃったのは残念ではあるが。
ええぃ!青凪のツル・タマキは化け物か!
本当は「余命10年」を観たかったのですが、上映時間の都合が合わず、やむなく本日公開の本作を鑑賞。事前情報なしで臨みましたが、予想以上に楽しく、気持ちのよい作品でしてた。
物語は、長崎から東京の青凪大学に進学した都留たまきが、ひょんなことから体育会系航空部に入部することになり、そこでグライダーに同乗させてもらい、大空を飛ぶことに魅了され、仲間との友情を育みながら大会優勝をめざす姿を描きます。
キャラデザはあまりパッとしないものの、表情や動きにメリハリがあり、人物同士の関係性も相まって、どんどん魅力的に映ってきます。特に主人公の都留たまきは、喜怒哀楽が豊かに表現されていて、素直な人柄に好感がもてます。ここに主将の倉持や先輩の空知が関わり、しだいに仲を深めながら、淡い恋心も見え隠れする関係性も悪くないです。「USHI」「MAGURO」等のおもしろTシャツを着ていた、同級生のメガネ女子も何気にお気に入りです。
本作ではグライダーがテーマとなっているのですが、コクピットから見た大空や眼下に広がる景色が美しく描かれ、独特の浮遊感も伝わってきて、観客も空を飛ぶ魅力が味わえます。また、エンジンのない航空機ならではの操縦技術も興味深かったです。ワイヤーで引っ張って離陸することは知っていましたが、その後は上昇気流をつかまえて、高度を上げて滑空するとは知りませんでした。この上昇気流をサーマルと言うそうで、本作のタイトルにもなっています。
キャストは、主人公・都留たまき役になんと堀田真由さん!声優初挑戦とは思えない、堂々とした演技でほとんど違和感なしです。脇を固めるのは、島崎信長さん、小松未可子さん、小野大輔さんら、一流声優さんたちで、安心して作品世界に浸ることができます。
ただ、気になることもちらほらありました。中でも、最も気になったのは脚本の荒さです。投げっぱなしの伏線というか、思わせぶりな設定が、ノイズとして感じられました。以下に少し挙げてみます。
・ツルタマちゃんの覚醒。ニュータイプですか?
・空知の退部騒ぎ。その後も普通に活動してますけど?
・朝比奈の足と倉持との関係性。過去に何かあった?
・倉持の母の死。描く必要あった?
・倉持の墜落。 彼の機体はどんな状態で発見されたの? 本当に墜落? 失踪? 何してた?
・異母姉妹の和解。あっさりすぎない?
・三角関係の行方。中途半端すぎない?
見方を変えれば、エピソードの大渋滞とも言えます。その一方で、もっと観たかった、グライダーの知識、グランドスタッフの役割、チームの連携などは描かれません。特に、ツルタマちゃんの座学シーンがないまま、あっという間に操縦を覚えて、しかもチームのエースって!? アムロの再来かと思いました。
鑑賞後に知ったのですが、原作があるのですね。だから、ストーリーが深く広がりそうなエピソードが散りばめられていたのだと納得しました。でも、それなら先にテレビアニメで1〜2クール描いて、劇場版はそこからのオリジナルストーリーでよかったんじゃないかなと思いました。
脚本が…
バッサバッサとぶち切った小ネタをひたすらつなげて駆け抜けた…テレビシリーズの再編集版かと思った。展開雑すぎるしキャラ設定も半端すぎと思うが…。同期の仲間たちや他校のライバルとのせめぎ合いとか、生き別れの姉さんとの関係とか深掘りするネタは盛りだくさんなのに全て軽くスルー。絵が爽やかで見応えあるのに残念すぎる。
Blue Thermal
内容が大学生たちの群像劇×航空部といういかにも爽やかなキャラデザと背景に惹かれましたが、脚本家に様々ななアニメをぶち壊してきた方(良い作品もあるんですが、それすらも霞んでしまうほどの前科持ちなので)なので不安大きめでの鑑賞。
率直な感想と致しまして悪い予感的中といった感じです。ただ、良いところもあったので一概に否定することはできない作品です。
まず褒められる所について。空の描写はなかなか素敵だったと思います。サーマル=上昇気流の表現の仕方は良かったですし、雲の壮大な感じ、青に染まった空の美しさは◎です。
続いて声優陣、本職の方々はもちろんのこと、堀田真由さんがとてもお上手でした。とてもスムーズにセリフが入ってきてノイズが一切混じることなく最後まで鑑賞できました。今後、声優としての仕事も増えていくんだろうなと思うとワクワクします。
しかし悪い点がいかんせん目立っているように思えました。大きい点と致しましては登場人物がやたら多く、そのためかキャラクターをうまく扱えていないと思った次第です。脚本家の方が過去務めたソシャゲ原作のアニメでもあった通り、登場人物が多い割にはその人物の過去や葛藤の伏線は貼るのに回収の仕方は雑だったり、そもそも回収しなかったり、とです。今作も主人公"鶴たまき"と航空部に誘った先輩"倉持潤"と、グライダーを間接的に壊してしまった先輩"空知大介"が大きく目立っており、あとはほぼモブ扱いです。1番ひどいと思ったのはたまきと仲のいい女子たちです。記憶上ですが、登場頻度はかなり高いのに上映中名前を呼ばれていなかったと思います。エンドロールであーそんな名前なんだと思った次第です。あと望田先輩という方も登場するのですが、倉持と望田というなぜ少しこんがらがる苗字の人物を同じ場面に配置したのかがよく分かりませんでした。もっと当たり障りのない苗字でもいいのにな、と。ほんと些細な点なんですけどね。
次に気になったのは主人公補正がすぎるという点です。これは原作にも通じることなので一概に映画の問題とはいえないのですが、主人公が圧倒的天才肌でとんとん拍子に大会の選手に選出されてしまうという展開が何の気無しに行われます。天才肌なのは良いのですが、そこに至るまでのきっかけがあまりにも薄いんです。原作だとバレーボールに熱中しており、大学に入学するために一浪するまでの苦労を要した人物として描かれるのですが、映画ではバッサリカットなので不自然極まりないです。上昇気流を掴むのがうまいと言われても、観ている側にはなんか上がったな程度だったのも残念です。というか他の先輩たちは何でそんなに弱いんだ?問題も少しばかり顔を出してきます。
次にギスギスがすぎるという点です。特にたまきと姉、というか姉がひたすら突っかかってきてそのたびに思わせぶりな悪口を吐いていくので疲れます。終盤、自分が妹のように母に甘えられず、父親の元で完璧な娘を演じないといけないという葛藤でいもうとを毛嫌いしていたというのが明かされますが、それにしても暴言を吐きすぎで不快にも感じてしまいました。ライバルキャラも突っかかってきますし、何なら序盤は空知がグイグイ対立してきていたので、悪い空気はどの場面にも存在していたと思いますが思います。
最後に、終盤の超展開です。ここがこの作品の評価を落としているところかなと思った箇所です。朝比奈という倉持に出資をしてくれていた人物(まずこの人がなぜ怪我を負っているのか、なぜ一個人に投資しているのかは作中ずっと有耶無耶な描かれ方でした)の出た電話から倉持がドイツでの飛行中に墜落したという電話を航空部全員が知り、たまきは特に動揺してしまうという展開に行き着きます。たまきがフライトで逆転優勝を果たした瞬間に、ドイツに連れてってというお前はそもそも海外でフライトできる免許を持っているのか?という疑問に駆られながらも止まらない展開に身を委ねるしか無く、そのままドイツに場面が移って、飛行してルートから外れて倉持を探しに行き、墜落覚悟でフライトするという雑すぎる展開に突入します。ここまででも打ち切り漫画のような雰囲気を漂わせていますが、その飛行を墜落したはずなのになぜか地上で見上げていた倉持がどんだけ現場に近かったのか分からないですが速攻で駆けつけて飛行を中断するように言ってそれに素直に従うという雑に雑を畳み掛けるようでした。もう説明というか背景が何も描かれないので説明不足にも程がありますし、放った設定も回収しないので困惑しか残らないです。倉持に好意を抱いているわけでもないのに、他国までいって助けたいと思うほどの関係性も描かれていませんし、それだったら空知が妙にどきどきするとかの描写もいらんかったなぁと思ってしまいました。
というのが祟り、後半はあまり乗り気になれなかった作品です。文句こそ多くなってしまいましたが、作中の空の美しさ、声優陣、主題歌はとても良かったと思います。こういう作品に当てる脚本家はもっと慎重に選んで欲しいなと思いました。というかこの人に脚本を頼んだんだろう…。そこが1番気になった、そんな映画です。
鑑賞日 2/24(試写会にて)
鑑賞時間 18:30〜20:20
座席 K-15
脚本の乱気流が気になるところ、作風と堀田真由の声は一見の価値アリ
公開前の特別試写会にて。生の堀田真由さんを真っ正面から拝める至福…!SHE'Sの演奏も聴けて最高…。そこまでかな。テンション高かったのは…。汗
正直なところ、こんなに急がなくても…っていうのが感想。絶対1クールのアニメだったらもっと面白かったのに…と思ってしまった。出会いから成長、個々のパートに至るまで、もっと観たいな…って所が端折られている。だから全体的に忙しない。余韻に浸りたい所も浸れなくて勿体ない。しかも、原作は5巻も出ているので、ますます思う。山となる部分が多かっただけに、もどかしかった。
しかしながら、脚本以外は結構自分の好みに近く、ポップとシャープな画風が観ていて楽しい。主人公のたまきも、強気だけど憎めないキャラクターが体現されていて可愛い。他にも脇役が濃いのでますます1クールで観たくなる。実際にプロデューサーが惚れ込むのも納得で、アニメするとより作品が際立ってくるのが分かる。空の青さ、浮遊する感覚…ワクワクする感情を誘ってくれる。
そんな主人公の声は堀田真由さん。オーディションで選ばれたというその声はピッタリ。本人も言っていたのだが、実写だったらもっとクールな役を演じることが多いので、こういうキャラを演じられるのはそれで楽しかったそう。「こんな演技も出来るんだ…」とほれぼれ…。納得であり、圧巻。これも凄くハマっていた。
原作も凄く面白そうで、素材は十二分に揃っている。だからこそ作品の持つテンポがいかに大事か教えてくれる。脚本の乱気流が気になってしまう。実に作り込みはいいので、オススメはしたい作品。
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