劇場公開日 2022年5月6日

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「冒頭、犯人が用水路にまいている花びらのようなものが何か分かった時、鳥肌がたちました。」死刑にいたる病 のりたまさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5冒頭、犯人が用水路にまいている花びらのようなものが何か分かった時、鳥肌がたちました。

2022年7月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

私は、死ぬことは怖くないけれど、拷問は心底嫌です。
「死刑にいたる病」は、冒頭で、鑑賞を強烈に後悔した初めての映画です。
観るのがつらくて、目を覆いました。
この作品、中学生は鑑賞可なのですね…年齢制限の基準が私にはよく分かりません。

そして、冒頭以上のシーンはないだろうと思っていたら、まさかのさらに私を戦慄させるシーンが…。
犯人が、小学5年生の少女にした所業に、身体が震えました。
もし、この作品をTVやDVDで観ていたら、途中で止めていました。
映画館だと、なんか意地でも完走したくなる…。

おそらく、犯人は、私が想像ができないような過酷な環境で育ったんでしょう。
感情や情緒などを司る脳の機能が失われるほどに。
これは、治療が必要なレベルの病気ではないかと考えます。
社会的弱者である女性や子ども、高齢者からしたら、こんな人が増えてきたらと思うと恐怖です。

9人の殺人で有罪判決を受け、死刑を宣告されている犯人は、日本の法律に基づいて、いつか絞首刑にされます。
でも、それでは長期間犯人に拷問を受け、殺された被害者たちは、浮かばれないなと思いました。
「目には目を 歯には歯を」の気持ちが初めて理解できました。
犯人をどんなに痛めつけても、被害者は帰ってこないし、犯人は己の罪の深さを理解できないでしょうけれど。

ファーストデーの1本目がこれで、メンタルがかなり削られました。
救いは、主人公が犯人からの呪縛を断ち切ったところです。
ラストシーンでは、さらなる罠があり、それを主人公がどうするのかは気になるところですが…大丈夫だと信じたいです。

のりたま