余命10年のレビュー・感想・評価
全408件中、141~160件目を表示
頬を撫でる桜色の春風
思い出しても鼻水が止まらない導入。「泣かせる」とわかっていながらもオープニングからやられるのは中々ない。素晴らしい入りだった。しかも、それがずーーーーっと尾を引いていて、ラストまで鼻水が止まりませんでしたよね、かんべんかんべん。
素晴らしい所は皆さんが余すところなく紹介して下さっているので割愛して、ひじょーーーに残念な所を一点だけ。
マツリが友達と会うお洒落(風)飲食店の件。飲食業を25年程やらせて頂いて、自営でショットバーもやっていた事のある身としては、「結婚しまーす(うふ)」のシーンはクソ(失礼)だった。その前の邂逅のシーンから違和感はあったのだけれども、あそこで爆発。「ココはテメェらのリビングじゃねぇよ!テメェの店だったとしてもな!」とファッ○ン(失礼)な気持ちになってしまいました。アレは油断の演出と感じてしまいましたねー…。わざとだったら恐ろしいですけども。
菜奈さんは「明日僕は〜」が一番好きでしたが(きっと一番好きなのは変わらない)、コレは「凄いな…」と思いました。これからの俳優人生が楽しみで仕方がありませんね。
ただ泣かせるだけの作品ではない
彼女の為の映画、それで良かったと思う
彼女のための映画であり、伝記の様な映画だった。前評判にあった「薄っぺらい」と言う気持ちも分かるんだけど、単純に場面の変化に心情が付いて行けてないだけだと思ったり。
邦画に良くある余命モノ。そう言われることも多いが、大体こういう作品は実話がベースとなっていて、そこにドラマを盛り込むことが多い。この作品には、そんな色があまり無いように思った。彼女の10年にいくつもの景色が流れ、周りも変化している。
ただ、変化に留まっているのが惜しかった。心の内を描くのに、藤井道人監督の映し出す画の可憐さに寄りかかりすぎて、補いながら感情を補完していくように観なくてはならない。場面もかなり移ろうので、ドラマに関しては物足りなさを感じてしまった。ただ、その中にも、彼女のワードチョイスにキレがあったりしたのが何とも上手い。ほとばしる文才と、言語化されない痛みを拭っていく。
主演は小松菜奈さん。彼女の作品にハマりにくいのだが、本作は演技も素晴らしく、とても良かった。共演の坂口健太郎さんもいい抜け感だったし、さすがの1言。2人にとっての永遠がより華やかに写ったし、その繊細さを引き出してくれる。脇役も豪華で抜かりないが、大学の友達グループに上原実矩さんがいるとは!なんだか微笑ましかった。松重豊さんの佇まいも刺さり、チクッとする。
余念のない完成度が持ち味だが、少し出来上がりすぎて引いて観ていたのも事実。彼女はこの本を発売したあとに亡くなったそう。彼女の為の映画、それで私は良いと思った。
観てよかったです。
映画の定番を詰め合わせた作品
余命10年
難病純愛ものは古今東西映画の王道テーマの一つだが、この出尽くした時代において、まだ傑作が産まれる余地があったか‼️
劇場での観賞時、近くの席にお母さんと中高生くらいの女の子二人の家族連れがいた。このお母さんが後半はず〜っとすすり泣き。上映が終わって、両脇にいた娘さんたちが泣き崩れたお母さんを気づかっていた。
まぁ、このお母さんは極端だとしても、これで泣かなきゃ人じゃない…という感じだ。
ベストセラー小説の映画化だが、内容はかなり違う。
岡田惠和による脚色(共同脚本 渡邉真子)は、実話に基づいて同氏が脚本を担当した『8年越しの花嫁 奇跡の実話』と対になっていると言えなくもない。主人公茉莉(小松菜奈)を同じ病気で夭逝した原作者と同化させたようなアレンジが、観客の気持ちを強く映画の中に引き込む。
難を言えば、自殺しようとしていた和人(坂口健太郎)が生きることに向き直すトリガーが弱い気がした。茉莉の母親が病気だと勘違いして彼女に詫びるが、茉莉から「もう死にたいなんて言わないで」と言われたときには既に死ぬ気が失せていたように思う。
彼女を好きになって、彼女のために生きようとする…でもよかったのではないだろうか。
映画は満開の桜のショットで幕を明け、それが病室の窓越しだと判る。
命を終えようとしている入院患者の女性が、茉莉に「サイゴまで生きて」と言ってビデオカメラを渡す。
誰でも命を終える時が「最期」なので矛盾したような台詞だが、命がつきるその時まで生き抜いて欲しいという死を目前にした者からの願いとして、重い台詞だ。
茉莉は残された数年間をビデオカメラに切り取る。折りあるごとにビデオに撮るその様子が、ビデオ映像を見せる終盤の演出で見事に効いてくる。
若者4人組の交流を追って2013年から2016年の時の経過を見せるシーンが、なんだか良い。青年たちが友情を深めていく様子が、心の荒んだジジイの目には眩しい。
奈緒と黒木華が泣かせる。
巧い役者というのは、何をやらせても上手に訴えてくれる。
四季折々の風景が見事にスクリーンに映えていて美しい。
【原作を映画として昇華し、また原作にバトンを渡す映画】
映画『余命10年』は、原作を改変しているのに、原作へのリスペクトを忘れていない。それどころか、この映画をあなた(原作者:小坂流加氏)に捧げますという言外のメッセージが伝わってくるほどに丁寧に映像化した作品だと言える。だが、ある意味で原作小説のPR映像。そのため、細かい描写とかにはツッコミを入れないスタンスでいこうと思う。
◉映画の構成について
この映画は昔原作を読んでいて、内容を忘れかけていたタイミングで見直すと、新鮮かつ、小説を読み直したくなる圧巻の構成のなっている。
原作を直近で読んでいた場合、登場人物の設定の相違点や主人公の性格などで気になる点が多々ありそう。そのため、ある小説家の自伝的な物語として見にいった方が素直に映画と向き合えると思った。
◉名言(ネタバレ含みます)
名言のオンパレードというレビューを見るので、個人的に刺さったシーンを紹介。(正確な言葉は失念)
冬のスノボー旅行でプロポーズをする予定だった坂口。しかし、それを知った小松菜奈は急遽家に帰る。その後、しばらく2人で会うことはなくなる。坂口も東京に戻り、リリー・フランキーの焼き鳥屋で焼き鳥を焼いているシーンでの一言。
リリー・フランキー「で、どうなった?」
坂口健太郎「どうって」
リリー・フランキー「茉莉ちゃんのことだよ」
坂口健太郎「そうですね」
リリー・フランキー「ダメなら次だよ、次」
坂口健太郎「次なんかないんですよ」
個人的に、この「次なんかないんですよ」というセリフに心を鷲掴みにされた。
というのも、昨今はマッチングアプリの影響か、インターネットのおかげか、SNSの普及か、色々あるが、人と人が簡単に会えるようになった、なってしまった。
その結果、自分と合わないと思った人には見切りをつけ、次の恋愛に切り替えるという流れが散見される。そんな時代背景もあるなかで、(この映画の原作が書かれた時点ではそこまでSNSは発達していないが)「次なんかないんですよ」というのは現代の次から次へと恋愛を乗り換える人に対するアンチテーゼになっていたと感じる。
一途に思える人、思いたい人がいるって良いなぁ!なんて思ってしまう今日この頃である。
◉小松菜奈の成長
もともと好きな女優さんではあったが、映画『糸』を見て小松菜奈という女優を追いかけるようになった。この言い方だとストーカーみたいだな(笑)それは置いておくとして、『糸』を見た時に感じたのは、彼女はそのビジュアル以上に、表情や演技を通して醸し出す独特の空気があるということ。それが、まるで飲み込めない水の奔流をガブガブ飲んでいるかのようで、静謐な水の上に浮かんでいるように感じられた。これが俗にいう、スクリーン映えしていると表現するのかは分からない。しかし、他の女優さんにはない彼女だけが持つ雰囲気、ニュアンスというものがあったのである。もちろん、他の女優さんには他の女優さんの良さがある。しかし、『余命10年』という映画にあえて小松菜奈をキャスティングするということの意味。彼女がスクリーンの中で何を表現するのかやはり気になってしまったので今作も鑑賞した次第である。
さて、前書きが長くなったが、今作は良くも悪くも小松菜奈が出ていたと思う。原作の茉莉のイメージとはやや異なり、少々力強いというか。かなり自分の芯や意見を持っている人物としてスクリーンに映っているのだ。既に原作者が亡くなっており、想像でしか役作りができなかったというのもあるだろう。今作の主人公の茉莉は、原作者小坂流加氏の小説で描かれる自伝的な茉莉とは異なる。
あくまで、小坂流加氏が書いた茉莉を演じる小松菜奈なのである。
しかし、この小松菜奈の演技を通して映る茉莉。
これが圧巻だった。原作の茉莉とも違う、現実の小松菜奈でもない。映像の中にはたしかに茉莉という人物が存在したかのように思わされたのだ。
しかし、この小松菜奈の演技を通して映る茉莉。
これが圧巻だった。原作の茉莉とも違う、現実の小松菜奈でもない。映像の中にはたしかに茉莉という人物が存在したかのように思わされたのだ。
◉余談
映画『余命10年』の監督の藤井氏は、小坂氏が花好きであるという話を聞いて、小松菜奈演じる高林茉莉が小説を書くデスクの周りには季節の花を飾って、その一つ一つに花言葉の意味を込めたと語る。(「余命10年」パンフレット、編集・発行:松竹株式会社事業推進部)
→デスク周りにもっと注目しておけば良かった。
◉映像化
多くの人に病気について知るきっかけを提供した本作はやはり映像化の意味があったと思う。
もろもろの感情面については原作の方が細かく丁寧に綴ってある。
また、本作は泣かす映画として語られることが多いが、『そしてバトンは渡された』よりも演出は酷くない。むしろ穏やか。
原作を読んでない人は原作から
小坂さんのファンです。'17年に初めて原作を読んで、
茉莉ちゃん(小坂さん自身)の人生、その表現のされ方、
小説を通して伝えられた生きることの大変さそしてその喜び。
本当に今までないくらいの感動と衝撃を受けました。
そしてその本が今回映画化。
小松菜奈さんが茉莉ちゃん役というのは
「なるほどいいな〜」と思いましたが、
驚いたのは坂口健太郎さんでした。
和人役を坂口さん
選んだ方、本当にすごい😭😭
当たり役すぎて興奮してしまいました。
映画の内容は小説とは少し異なるとこもありましたが、
映像や場面の切り替わりも綺麗で美しく、見入ることができました。
RADWIMPSさんの【うるうびと】
和人が茉莉ちゃんが居なくなったあとの1人の世界を生きる様子が歌詞に現れていて感動しました。
流れるタイミングもすごく良かったです。
最初の方音響が気になりましたが、本当に良い映画でした。
見ることが出来て良かったです。
泣かせにきてないからより泣ける
私は映画やドラマを見て泣いたことがなかったのですが初めて泣きました。最初10年って長いな、と思っていましたが10年って長いようで短いんだなと感じさせられました。まつりが泣いているシーンが少なかったので初めて泣いているシーンになったときに映画館中大号泣でした。泣かせにきてる感が一切ない!
役者さんが10年間の物語の中でしっかりと変わり続けていてリアリティがありました。
そして映像がすばらしかったです。ビデオカメラを使ったことがよりよかったと思います。
珍しく2時間以上ある映画だったのですが、すごく濃い2時間です。役者、映像、脚本、すべてにおいてすばらしい作品でした。もう泣ける作品は出てこないと思います笑
小松菜奈が泣いたらわたしも泣く
見事に泣いた。しかも中盤からずっと。
泣きながらご飯食べる小松菜奈の破壊力。。
お母さんにくっついて泣くシーンもダメだ。。
母親になった今、お母さんにも感情移入してしまって。
音楽(特にピアノ)、映像、何もかも秀逸で、映画館で観てよかったと思える作品。
とにかく小松菜奈ちゃんが天才(TT)
僕は明日昨日のきみとデートするでも大号泣して、それからずっと一目置いている。
今作も間違いなく代表作になると思う。
泣かないと決め込んだが泣いた
高林茉莉は20歳の時に100万人に1人の不治の病にかかった。ある時、同窓会に出会った真部が自殺未遂で病院に入院したと同じ同級生の富田から連絡を受けた。この出来事をきっかけに高林と真部が距離を縮めてゆく。高林が数年後に亡くなるとは知らずに・・・。
恋愛モノでもあり人間ドラマの映画でした。なので、イチャイチャしてるシーンを観ても悲しく思えるのが今作の見どころ。彼女を取り巻く人たちも良い人ばかりで不快にならなかった。しかし、姉の桔梗の結婚式で薬を飲むためにトイレに入っている最中に、おばちゃんたち2人が茉莉についての会話シーンが地獄。
クライマックスにはスキー旅行から帰ってきた時、両親に本音を打ち明けたシーンが涙腺を刺激した。死の恐怖よりも、親孝行や仕事に努力したいという彼女の思いが実らないことを悟った家族全員のやりきれない思いが私の心に深く突き刺さった。
邦画でこんなに泣いたのは15年ぶりだと思ます。脚本やカメラワークも一級の演出だと思うので観て損はないと断言します。
小松菜奈さん
全408件中、141~160件目を表示