「二人の人生の差異が化学反応を生む名作!」余命10年 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
二人の人生の差異が化学反応を生む名作!
この二人のポジションが全く違います。ヒロインは生きたくても10年しか生きられません。坂口は人生に生きることを放棄したいと自殺未遂をします。逆の境涯がぶつかり合って、人間らしい化学変化を起こしていきます。まさに成長物語の典型です。ヒロインは20歳で100万人に一人しかかからない難病に見舞われます。過去映画の「10万の一」に似たシェチューションです。そして余命10年ですから、その悲壮感はズシリと迫ってきました。それでも、私たちの人生を考えれば、健康であっても若い人は余命60年と言えるし、高齢者だったら余命20年かもしれません。ですので、作品を見る方は、自分に置き換えられる部分もあると感じました。ただ、10年は人生を凝縮しているという意味では、より濃密で美しいのかもしれません。いつも思うのは早死にする人は、80年生きる人よりメンタルが強く生まれているということです。でなければ、早死の人生に耐えられるわけがありません。スタートは鮮やかな桜が見える病室から始まり、ラストも桜のシーンでエンドします。まさに桜の艶やかさを、人生とクロスさせているような気がしました。登場する役者さんたち、全員が見事に顔だけで演技しているのが、この映画の見どころでしょう。一番泣けたのは、ヒロインが「生きたい。もっと生きたい」と叫ぶシーンです。小松の真骨頂でした。
三輪さん。
みかずきです。
はじめて詳細に三輪さんのレビューにコメントさせて頂きます。
三輪さんのレビュータイトルと同様なことを私も感じました。
茉莉と和人の愛は生きる喜びになっていきますが、
和人は絶望から立ち直り再生していきます。
茉莉は余命10年だと知りながら生への執着が強くなり生きたいと思うようになります。
愛を知ったことによる、二人の対比が切なくて、
人間の運命の非情さ、不条理を感じました。
また、本作は、四季の美しさ、変化を背景に二人の愛を描いていきますが、
人生の無常、儚さが感じられて切なかったです。
ラストの和人の清々しい表情が印象的です。
限られた時を茉莉と懸命に生きた証だと思います。
茉莉の命は和人に受け継がれたと感じました。
命って、こういう風に受け継がれていくんだなと感じました。
では、また共感作で交流させて下さい。