最後の決闘裁判のレビュー・感想・評価
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なんと言っても決闘シーンの迫力が素晴らしい
戦闘シーンも沢山ある映画だが、最後の決闘シーンに手に汗握ります
決闘したのは名誉のためと言うより、意地?
3人の思いが同じなのか、違うのか、微妙なところでずれている
これは昔も今も同じこと
この映画、当時の衣装や武器、色々なシーンも映像的にも素晴らしくて目が離せませんでした
藪の中
事実をもとにした話ということで、あまりエンターテイメント性は期待していなかったが、すごく面白かった。どこまで史実に忠実に作ってあるのだろう。
構成が芥川龍之介の「藪の中」(映画だと黒澤明の「羅生門」)を思わせる。思わせるというか、これもごうかんの裁判の話だから、そっくりだ。
一つの事件に対して、三者の視点から三様の「真実」が語られる。
中世の今とは違うルールと常識の世界が面白い。
特に、「女性」が「モノ」として扱われていた時代ということ。
また、宗教的な価値観により、現代からみたら冗談みたいな理不尽がまかり通っていたこと。
この事件の顛末は正義が勝ってスカッとする、みたいなことでは全くなく、「現実ってどろどろして複雑で理不尽だよね」ということ。
西欧の合理主義や実証主義的、宗教を徹底的にほかのものから切り離す考え方って、こういう時代に対する強い反省からきてるんだ、ということがよく分かる。
でも、現代もやはりまだ理不尽さがなくなったわけではない。
現代のごうかん事件の裁判も、女性の方の非を追求しがちという意味でこの映画に描かれているものと本質的には変わらない部分があるし、「女性はだまって事を大きくするな」という価値観のもと、女性が女性の敵になる、ということも現代でもおこりがち。
#MeToo
この映画の話題となる「脚本」について、「アカデミー脚本賞受賞作『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』以来のタッグとなるマット・デイモン&ベン・アフレックが脚本を執筆している」との触れ込みが多く見受けられますが、実はもう一人の共同脚本者ニコール・ホロフセナーこそ重要な点だと思います。
映画の冒頭はまず決闘当日、まさにその決闘が始まったところでタイトルです。その後、三つのチャプターで「カルージュ(マット)の真実」「ル・グリ(アダム)の真実」「マルグリット(ジョディ)の真実」が語られ、いよいよ「決闘」となります。
14世紀の話ですから、今の倫理観で見ると信じられないことだらけなのですが、先ず以て、この時代において女性には発言の場が殆ど許されず、また史実として、マルグリット視点の記録が全くないこともあり、マットとベンは「マルグリットのパートは女性が書くべきだ」と考えてニコールに依頼をしました。
(映画.comの特集には「さらにマルグリット役のジョディ・カマーも会議に参加させ、積極的に意見を反映していったという。」と解説がついています)
この映画のポイントとしては、そんな時代においてもマルグリットは「泣き寝入りしたくない」と声を上げる決意をする#MeTooの話です。
3人の「真実」が食い違いを見せる点が黒澤明監督の『羅生門』を例に挙げて比較されますが、そもそも、レイプをした男とされた女性の証言が食い違うのは当然です。
「そんなつもりはなかった」いや、「思うところ」はされた側にあるのです。しかし、この話は14世紀。
果たして結果はどうなることかは観てのお楽しみですが、決闘シーンはやはり大きなスクリーンでないとね。
巨匠リドリースコットの、圧倒的な映画づくり力が光る
誰かがこんなことを言っていた。文豪、三島由紀夫はなにも書いていないと。「白波の立つ海がみえた。沖合いの空には雲が白く輝いていた。」どこにでもある、なんでもないことを、語彙と考察、そして筆力でもって圧倒的なイメージに仕立て上げてて読み物にしてしまうのだと。
この映画もそれに近い。
ただの痴話げんかである。特筆すべきことのない出来事を、巨匠リドリースコットが、圧倒的な映画づくり力でもって、観客を埋没せしめる世界観をつくりだしてみせてくれるのである。
その意味で、本作品のみるべきところは、ストーリーは二の次にして、まずは「映画のもつ魅力」ではないかと思う。中世の質感。空気感。なにもかも粗削りで骨太のそれらを、細緻に仕組んで世界をつくる。本物以上に本物的だと言わせしめるレベルで。映画づくりの原点で頂点を極めんとするかのように。
俳優、筋書き、それらも大事だが、構成要素を掛け算で膨らませて映画の質をあげさせる力、それこそ監督の映画づくり力だ。で、リドリースコット、さすがの一言。ただの痴話げんかだからこそ、かえってわかりやすい。
ひとつ、羅生門的な展開は、あまり感心しなかった。場面の解釈に三者三様のずれがあってこその羅生門だと思うのに、肝心のずれがない。嘘のありかも明瞭。羅生門というよりはTENETテネットのマルチ視点にヒントを得たストーリーテリング、ぐらいの形容なら納得。
それとマッドデイモン。個人的に好きな役者なので、彼がパーフェクトに見える。あと味はジャン・ド・カルージュの正々堂々とした魂、それのみ強く印象に残った。直情的との解説が目立つが、そうだろうか。悔いのない正しい挙動をさっと取れるのは、徹底的に理知的でなければなせない技だと思う。だから私的にはジャン・ド・カルージュはありえないキャラである。だからヒーローに映る。
リドリースコットからは、グラディエーターのラッセル・クロウ、この最後の決闘裁判のマット・デイモン、そしてウォルフガング・ペーターゼン監督のトロイのブラッドピット。三人のヒーローが私の中にいる。
羅生門ではない
レイプシーン必要だったのかなぁ。
あまりにも生々しくて。馬の交尾も。
見せずに描く演出でも良かったのでは。
ベンアフレックが珍しい役回りだったけど、意外と似合ってた。
アダムドライバー ハンサムなんや。
砂の惑星とか、ゲームオブスローンズとか。西洋人てこの時代に憧れがあるんかな。
ほんとにあった松本清張
監督リドリー・スコット、脚本にマット・デイモン、ベン・アフレックとくればこれは映画ファンなら、なにを置いても観に行かねばならない。
全三幕構成だが、2幕目の途中でこれ松本清張じゃんって気づいてしまった。
金、女、権力と欲しいものを手に入れてるにも関わらず、友人の妻にちょっかいをかけて転落していく、ついついやってしまうんだよね、清張は。
虚を追い求めて破滅する男たちと、常に実を取り賢く生きる女たち。「最後の決闘裁判」とロマン溢れるタイトルだが、女性からしてみれば、最初も最後もなくただ迷惑なだけである。
親の七光りのバカ息子マット・デイモンと底辺から這い上がった野心むき出しのアダム・ドライバー、二人の間で傷ついていく女性と三幕目にしてやっと本作のテーマが立ち上がるわけだが、まあ、長いかな。ここは本作の残念なところだが、松本清張と言うワードを頭に浮かべて観ると、これが不思議と面白い。
良いところは、監督のリドリー・スコットがデビュー作で「デュエリスト」、「グラディエーター」でアカデミー賞を取るなど、コスチューム物は得意で、冒頭からワンカット、ワンカット、キメにキメまくっていて、流石リドリー・スコットと言いたくなる。美術、撮影が素晴らしい。
製作者のインタビューを読むと黒澤明の「羅生門」が引きあいに出されているが、成る程三幕構成で同じシーンでもセリフや描写が異なり、真実は藪の中といったところだが、1つ確かな事は、14世紀のフランスに松本清張は存在していたという1点のみである。
長尺だけど
逆によくこの構成を2時間半に収めたなと感心しました。
グラディエーターだと思ってたら500日のサマーだったみたいな。
ジョディ・カマーの最後の、生活は満たされているはずなのに何かを求めるようにも、空虚なようにも見える絶妙な表情には鳥肌が立ちました。
圧巻の決闘シーンも含め、もっと上映が拡大されるべき快作。
義務と名誉と愛情と欲望
1836年フランスはノルマンディーで実際に行われたとされる、妻を陵辱された旦那と、彼の旧友による決闘裁判の話。
決闘裁判の触りから始まるのはまだ良いけれど、三章に別けて違う人の視点やシーンで進行していき、進んで戻っての繰り返しだわかっていることをもう一度補完して説明したり、まるまる同じ件だったり、中には本当はこうだった的な流れもあって、ドラマとしてはとても面白いけどちょっとくどい。
ただでさえ尺が長いのに。
ただ、伯爵のクソっぷりとか、ジャックとジャンの関係性とそれの変化がとても良かったし、決闘裁判の様子も見応えがあったし、それをみている国王や観衆の変化とかも面白かった。
フランス史なんて全然わからないので、序盤の西暦を示し領地争いの様をみせられる展開は、少し不安になったけれどそこは重要じゃなくて良かったw
ヒロインの勝利にVサイン!
扱っているテーマが、性の人権問題であるが故に、重い雰囲気は否めなかったです。性を強要した男性、された女性、その夫の3人の視点が、それぞれ1章ずつ展開されますから、実に判りやすかったです。同じシーンを何度も観ますから、ある意味この映画を3回観ているような気になります。その3回を観ても、性を強要した男性は悪であるということは隠しようがないのが、真実の重みであると言えます。1380年代の話ですから、日本で言えば室町時代で足利将軍家が支配していた頃です。高等宗教はすでにあれど、女性の地位は低かった時代の話です。そんな古の実話ですが、最後まで途切れることなく集中して観れるというのは、監督の見事な手腕でしょう。決闘裁判で勝利した夫は、名誉のために歓喜し、ヒロインは女性の人権の勝利について喜びます。その微妙な心の中の想いが、見事に表情で演じられているところには舌を巻きました。この作品は女性の幸福対男性の欲望や名誉欲との戦いです。ラストにはきちっと女性が勝利したことに、思わず画面に勝利のVサインを捧げました。
流石の出来栄え!巨匠と名優たちの競演
巨匠となったリドリー・スコットの最新作は
映像も撮影も素晴らしく
壮大なスケールで
名優たちの競演を見事に撮り切った
些細な描写にも気にかけた作りとなっていて
その細かい所を見る演出した手腕は
本当に満足感が高かった
古代や中世の作品となると
史実がしっかりしている
英国(イングランド)が大半だが
フランスの中世代の作品はなかなか見れない
ただフランスであっても
言語が英語だったため
かなり違和感があるが
これは致し方ないこと
その分、現代の状況を鑑みた
黒人、アジア人を無理に入れ込まなかったことは
作品全体のクオリティを高めたと言える
私のお気に入りのシーンは
いつも笑顔の振る舞う国王
下の者に対し、慈悲に満ちた笑みではなく
常に人を見下した
馬鹿にしたような笑み
この辺りの描写も流石と膝を叩く作品
とても印象的でした
ʅ(◞‿◟)ʃオチがない
様々な人物から見た映画。何が真実なのか?主人公の目線で違ってくる!が言いたいのはわかるし、そんな映画ごまんとあります。
最後に生まれた子の髪の色が黒だったら、、、、、、、?
そのオチだったら傑作だったでしょうね、、、、金色の髪の毛の子でしたね。凡作。
ヨーロッパ中世が好きな人には良いかと思いますが『キングダム オブ ヘブン』には届かずか?
リドリースコット、『エイリアン』『グラデュエーター』『ブレードランナー』『オデッセイ』と名作が多いが3本に1本は駄作があり気をつけないといけない。
本作は尺が長すぎ。おしっこ我慢できない人続出。映画は2時間で!
名匠、健在
封建主義=男尊女卑どころか「女性は男性の所有物」とされていた時代に、己の尊厳のため真実を訴えるヒロインの姿が、本作の一番の見どころだったと思います。
3章に分けて、同じ出来事を主要な3人それぞれの視点で描いているので、事象がわかりやすかったです。
出てくるキャラが、現代の倫理観から見るとヒロイン以外はどいつもこいつもひどい。
ヒロインのマルグリット(ジョディ・カマー)にしか感情移入できない。
カルージュ(マット・デイモン)とル・グリ(アダム・ドライバー)のどっちにも共感できない。
それに輪をかけて、アランソン伯ピエール2世(ベン・アフレック)と、カルージュの母親もひどい。
そんな感情誘導を受けた後での、堂々ラストの決闘へ。
『グラディエーター』さながらの緊迫のシーンの連続。
燃えましわ。
「マルグリットのためにカルージュに勝ってほしい、この決闘が終わった後はカルージュなんてどうなってもいいから」と応援するような没入感を得ました。
名匠リドリー・スコット、健在!
FOX映画の悪癖
正味40分の内容を力技で2時間半を超える歴史スペクタクル大作に仕立て上げたという感じ。
しかも、一つの事件を主要3人の登場人物それぞれの視点で描いて繋ぎ合わせる構成になっているが、結局は同じ映像の使い回し。
尺の長さも正当な理由があるならともかく、これは如何なものか?
リドリー・スコット、マット・デイモン、アダム・ドライバーとビッグネームが揃ったので、それなりには集客が見込めるのだろうが、ヤキが回ったな、というのが正直な印象。
最後の最後。
見応え充分な構成と映像でした。しっかりエンターテイメントとして観れた。
今家で風呂入りながら回想してましたが、
原案、原作とかの情報まるでなしの前提ですが…、
深読みしすぎかもしれませんが…、
何も知らずに生まれてきたお子…、
髪の色が…、
まさか⁉️
ママの色ですよね、きっと。w
豪華でゲスなエンタメ
1.冒頭、史実に基づくと出るが、14世紀の史実なんてどこまでアテになるのかな?
2.決闘シーンよりも第1から第3章のレイプシーンから裁判シーンが長い。違いはわりと分かりやすかったが、重複する部分が多いので、ゲスい内容に辟易。
3.お姑さんが出掛けてる間の出来事なので、手引きしたのは姑ではないか。姑の嫁イビりにしてはえげつなさ過ぎ。
4.現代風に同意の有無の不確かさを匂わしたり、結婚して5年経つのに一回も妊娠しなかったのに、今回妊娠したのは旦那との交接では得られなかった絶頂感があったからではないのかとか、女性がエクスタシーに達しないと妊娠しないとかの程度の低いクドい裁判内容が女性に対する蔑視・偏見に溢れていて、かなり不愉快に感じた。
5.この時代の貞操帯の必要性は実感できた。
6.どちらも負傷し戦闘不能になる可能性が高いと思った。そしたらどうジャッジするの?その場合、妻の処遇はどうなるの?と考えてしまった。
7.王様カールⅥ世がアホで、お妃も不細工なのが唯一のギャグ要素だった。
8.吊り下げられたアダムドライバーのあれはリアルちん○なのか?
9.馬の交尾シーンもこの映画のゲス感を増した。断末魔の馬のカカト落としシーンはなかなかよかった。
10.美女が裸で生きたまま焼かれる魔女裁判みたいなシーンもどうせなら見たかった。
11.訴えてもどうせピエールが握り潰すから、国王の耳に入るまで皆に言いふらすみたいな発想はSNS時代ならともかくね~と思ってしまった。
徐々に徐々に高まってMAXで終わるような
パート分けされて語られていく作品なのですが、最初の項が結構やっかいで─でもしっかりそこを押さえておかないと後半の高まりが無くなるので、頑張って色々と覚えて─そんな難しいものじゃないし─、ラストの真実めいたところにたどり着くと、否応なく高ぶります。
女性蔑視も甚だしい内容なのですが、嫌な感情をしっかりと作品の中にぶつけながら観賞できた気がします。
最後の決闘はとにかくすごかったです。
それにしても、アダム・ドライバーの役柄というか味というか、非常に際だっていた印象です。
【「史上初の女性の訴え」】
レイプを取り上げたら、中世ヨーロッパも現代の日本もさほど変わらないなと思ったりする。
これは、最後の決闘ということになっているが、実は、「史上初の女性の訴え」でもある。
14世紀はヨーロッパにペストが蔓延し、人口の3分の一から3分のニが命を落としたと言われており、多くの農奴の死で労働力不足が顕在化し、穀物の収量が極端に落ちたことが記録されている。
また、100年戦争は14世紀の終盤がやっと折り返し地点で、ペストと戦争で多くのヨーロッパの国が疲弊する一方、イタリアではルネサンスが始まろうとしていた。今僕たちが考えているより当時のヨーロッパの国境は曖昧で、争いにより更に不安定化していて、権威を求めた国がローマ・カトリック教皇との結びつきを一層求めるようになっていく。
こうしたなか、女性の人権など認められる状況にはなく、それは現代になるまで大きな変化はなかった。アメリカでさえ、女性解放運動は、1960年代の話だ。
戦いにはめっぽう強いが愚鈍な夫ジャン。妻マルグリットの持参金が頼りだったりする。
魅力的で読み書きもでき、実務も優れて、男の能力や見識を見抜いてしまうマルグリット。いくつかの会話で明らかなように、女性には必要ないとされていた教養を身につけていたことが判る。
策略家で実務に優れるが、狡猾で自制が効かない色好みのライバル・ジャック。
同じく色好みで自制が効かず、良いところなどない無能な領主ピエール。
これだけで何かが起こりそうな予感だが、中世ヨーロッパでは前述の通り、女性の権利など認められてはおらず、法や権威の後ろ盾もなかった。
ただ、僕たちの国の伊藤詩織さんのケースのほか、女性がレイプ被害を訴えようとするムーブメントの#MeTooでも、子供に性的虐待をした事件でも、明確な抵抗意思を示したのかが争点になって、うやむやになってしまうことが多いことを考えると、現代もマルグリットの時代もじつは大差ないなと思ったりする。
途方に暮れそうになると思うが、女性も、右寄りのパターナリズムの連中からフェミと誹謗されようと、差別を許さない男性も、声を上げ続けなくてはならないのだ。
マルグリットのように一時的で終わるのではなく、継続して声を上げ続けなくてはならないのだ。
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