ラストナイト・イン・ソーホーのレビュー・感想・評価
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ホラーを上手に利用した映画
自分はホラー映画はあまり好きではないですが、この監督が撮った作品のベイビードライバーが好きだったためこの映画を視聴しました。感想としては今まで見たホラー映画の中で最高の作品でした。映画の中で疑問を抱くシーンもいくつかありましたが、ホラーだからしょうがないかという理由で納得でき、逆にそれを説明しないおかげで映画がテンポよく展開されていたと感じました。それに加えて場面ごとに流れる1960年代の曲もテンポよさに拍車をかけており、楽しく視聴することができました。
60年代イギリスが感じられるサイコ・ムービー
現在と1960年代が交差しながら展開されていくサイコスリラーな物語です。主人公のエロイーズ役のトーマサイン・ハーコート・マッケンジーがはまり役です。可愛いし、60年代の空気にもなじめる感じです。どことなく中川翔子さんに似ている感じに思えたのは私だけでしょうか。ちなみに恋人になっていく黒人の男の子はお笑い芸人のCOWCOWの伊勢丹柄スーツの人に似ていました。
いわゆるホラー映画とは趣が違いますが、かなりドキドキするシーンの連続です。表面的な怖さの裏で流れている60年代の音楽や、性を搾取される女性がいた事実などが単純な怖さを越えてストーリーに重層感をだ与えています。過去にこうした世界があったのかもしれません。過去は変えられないので、これからの世の中で女性が性を不当に利用されることなく生きていける成熟した世界になることを願います。
エンディングが終わり、場内が明るくなるまでの2時間弱の間、スクリーンにくぎ付けになりました。60年代の音楽が好きなので、余計に入り込めました。
おすすめできる映画です。
引き込まれる世界観
予想とはちょっと違う展開で
スリラー要素も強めでしたが、
音楽、世界観に引き込まれる映画。
時間を忘れて見入ったのは久しぶりでした。
思ったよりビビらされるので、
心臓の弱い方はご用心。
そしてとにかく
アニャ・テイラーとトーマシン・マッケンジーが美しい。
予想外
サイコホラーってことですが、サスペンス的要素もあって、楽しめました。
ホラー特有の急に出てきて驚かす的なのは控えめです。あまり得意ではないので、控えめでよかったです。
60年代と現代を行ったり来たりするのですが、60年代がきらびやかで良いですね。今は全然違う様子でしょうけど行って見たくなります。
ヒロイン二人も魅力的です。
犯人が意外な人で良い意味で裏切られ、最後まで楽しめました。
面白い観点の、ホラーと言うよりサスペンス?
エロイーズとサンディが同一人物?とか思いながら観始めたので初動が遅れてしまった・・・
設定はとても面白く、映像も良かったが、デザインスクールが学校っぽくない
皆が頑張ってデザイナーを目指している設定なのに、その感じがない(特に相手役の男の子)のが今一つ
しかし、昔のロンドン、良かったです
ちょっと最後の方がゾンビ映画っぽい。。。
物語は、夢を追いかける田舎のヒロインがロンドンに上京?してきて、一人暮らし始めたら、似たように60年代頃に歌手の夢を追いかけていた女の子サンディの夢を観て、それが殺人事件の悪夢に変わっていき現実との境が曖昧に。。。という、比較的探せばあるようなストーリー。
演出やオチを含め、クオリティが高く、そこそこ楽しめると思う。
トーマソシン演じるヒロインが、サンディに共感していく様は丁寧に描かれて居たけれど、悪く言うと冗長。少しスピーディーでも良かった気がした。
それから終盤は、サスペンスチックな演出が続くのかと思いきや、ゾンビ映画っぽくて、ちょっと笑ってしまった。確かにホラー映画だけど…
総評として、観て損する映画ではない。
気になる人は観てみて。
何でもアリな世界
幻覚ものはやっぱり苦手でした。どれが本当か分からないと、ハラハラするより白けてしまいます。特に後半は幻覚を便利に使い過ぎだし、それを見てキャーキャー叫ぶ姿にも食傷してしまいました。ヒッチコックが、嘘の映像を提示して観客を騙すのはやってはいけないことと言っていますが、その意見に全面的に賛成したい。ただサイコな要素はこの映画にとって重要な設定ではあるけど、全てではないので、特に最初の1時間は素晴らしいセットと相まってどういう風に話しが転がっていくのか、ワクワクしながら鑑賞することができました。
夢は叶った?
ファッションデザイナーの夢を叶えるためにロンドンへ。
寮生活になじめずって、そりゃ、あんな意地悪なルームメイトじゃ、エロイーズじゃなくてもご免でしょうよ。
無事に一人暮らしが出来て良かったけど、しつこいルームメイトのいじめからは逃れきれない、ね。
とはいえ、メインは学校の授業ではなく、夜の夢。
夜な夜なあんな夢を見てたら精神的にやられそう。
サンディとエロイーズ、似てなくもなかったが、別人だったね。
大量の死体があったわけだよね?
臭いとかしないのかな…ガーリックの匂いに消されるわけか。
クラスメイトが僕の伯母があっち系なんだよ、みたいに言ってたけど、だから…?だったね。(笑)
最後にずっと現れなかったお母さんが出てきてくれてホッとしたような表情。
お母さんが何かしてくれるとか、そういう力はなかったようだけど。おばあちゃんも。
学校は…おまけだったのか?もう少しこっちの話も欲しかったなぁ。
殺された男たち、華やかなショー、そんな夢のシーンが多くて、若干疲れた。
サイコスリラーの傑作。知らぬ間に、スクリーン中のサンディに感情移入してしまう。不思議な映画。
うーん。すごく面白かった。観終わった後、曲と映像が頭の中に残っている。不思議な映画だった。てゆーか映画館で映画を観たのがとても久々だったから、その影響もあるんだろうな。普通にエドガー・ライト印の映画。怖かった。なんかびっくり演出が来そうだな・・・と、わかっていてびっくりしてしまうという。最終的に、エロイーズはサンディを本当の意味で救ったんだよ。ルークがダースベイダーを救ったのと同じだ。あれはスター・ウォーズからの引用だな(絶対に違う)
それにしても「夢見る少女が騙されて、ロンドンの闇に堕ちていく」という魅力的なお話を作っただけで、社会的なテーマが・・・とか言われてしまうのはなんだかなぁと思うわけだ。単に、60年代のロンドンは光も闇も両方含めて魅力的じゃん。という、それ以上でも以下でもない気がする。闇の部分があったって良いじゃん。だって闇はどこにだって存在するんだから。(←のような発言はポリコレ的に正しくないのかね)本作については、テーマは「女性搾取」という批評はちょっと違うんじゃないだろうか。
むしろ「女性搾取」がどうのこうのと軽々しく喚き立てる自称リベラル連中に対する批判になっているように見える。これはエドガー・ライトの無意識的な作家性だと思う。私は彼の過去作である「ワールズエンド」が大好きなのだが、本作は「ワールズエンド」を彷彿とさせる。「ワールズエンド」の中にはアルコール依存症で人生のどん底にいる、ゲイリー・キング、という男が登場する(というか主人公)。彼はかつての仲間からも完全にダメ人間認定されている。ワールズエンドは、そんな彼が救われてゆくという物語だ。しかし、エドガー・ライトは軽々しい救いを提示しない。極めてリアリストだ。私がエドガー・ライト作品を好きな理由はここにある。どん底を経験したことのない人間がどん底にいる人間を救うことは不可能だ。だから、たとえゲイリー・キングのかつての仲間たちであろうとも、彼を救うことのできる人間はいない。ワールズエンドのラストでは、ゲイリー・キングは自らの運命を受け入れ、自分が救われないことを受け入れてゆく。逆説的だが、これがゲイリー・キングに対する唯一の「救い」なのだ。「救われないことを受け入れる」という「救い」が描かれる。本作「ラストナイト・イン・ソーホー」においても、最終的に、エロイーズはサンディの救われない魂を、もはや救えないということを理解するに至る。それが真の「救い」なのだ。なぜなら、エロイーズは、サンディの苦痛を追体験することで、もうどうやっても救われない彼女の無念に共感するからだ。エロイーズはサンディの共感者となることが、サンディにとっての救いなのである。実際の現実もそうでしょ?僕らはどん底にいる人間を、世俗的に救うことなどできない。だって、救うだけの力を持ってないんだもの。救えないにもかかわらず、あたかも救うことができると錯覚させるような、自分の保身のための「女性搾取」に対する批判をいくらしたところで、結局それは保身にしかならない。どん底にいる人間を、世俗的にではなく精神的に救うことができるのは、同じ苦しみを味わった者の共感だけだ。最後、サンディは自分の運命に決着をつけるべく、エロイーズに引導を渡される形で自ら命を絶ってゆく。サンディはもう苦しまなくて良い。
エドガー・ライトは、人の心の闇の部分を、ポップに描くことが上手い。だから私は、彼の作品には共鳴することが多いのである。
エロイーズとサンディ
ロンドンのソーホーにあるデザイン専門学校に入学したエロイーズは、同居人と合わなくて寮生活になじめずアパートで一人暮らしを始めた。ある時、夢の中で1960年代のソーホーで歌手を目指す美しい女性サンディに出会い、その姿に魅了され、夢の中でサンディを追いかけるようになった。次第に夢の中での体験が現実世界にも影響し、充実した日々を送れるようになった。ある日、夢の中でサンディが殺されるところを目撃してしまい、現実では謎の亡霊が出現し、エロイーズは徐々に精神を病んでいき・・・という話。
個人的な経験ですが、ロンドンのソーホーといえば、昔エロ喫茶に呼び込みのにいちゃんに1000円ポッキリと言われ入ってメロンとジュース飲んだら5万円請求された苦い思い出があり、それを思い出した。
日本で言えば新宿の歌舞伎町って感じかも。
映画としてはなかなかのホラーで面白かったし、良かったと思う。
サンディがポイントだね。
事故物件に住んだ若い娘の怪異譚
響き合うA面とB面
華やかな街で、たぶらかされて心ならずも身を売る羽目に陥った娘の悲しい怪異譚をA面に、サクセスを夢見てロンドンに上って来た若い娘の青春グラフィティーをB面にした映画。いや、どちらもA面にもB面にもなり得ます。
エロイーズは母譲りの霊感が仇になり、反対側の世界に紛れ込む。メインはホラーなのに、グラフィティーの部分も強烈に訴えてきました。「愛なき世界」は懐かし過ぎ!
怨念は決して消えない
街、路、居酒屋、ショーパブやアパートの部屋に満ち溢れた過ぎ去りし日の怨念が、トーマシイ・マッケンジーが演じるエロイーズと言う依り代を得て、歌い出す、踊り出す。いつまでも浴びていたい、派手でチープな光の洪水。
そうか。例えば我が青春の歓楽街である夜の池袋にも、あんな恐ろしい魔界ゾーンがあったかも知れないです。
エロイーズがやはり強烈
トーマシイ・マッケンジーは、この作品に限らず何かに囚われた役柄が似合いすぎですね。「オールド」でもそうでしたが、見開かれた青い瞳が正気と狂気の境を歩いているようで、真っ逆さまに落下しそうで怖い。それなのに、近づいてあの真っ白な肩回りに触れずにいられない…みたいな。
このシネマで諸悪の根源になった、女衒のジャックの手練手管にも、エロイーズだったら耐えられたかも知れない。しかしサンディはサイボーグのような女たらしに籠絡されて娼婦になってしまった。
もう世間の欲得も女もすっかり忘れたような大家の老婆がサンディの成れの果てだった。事故物件は、普通は亡き亡霊たちの仕業だが、今作は大家が犯人と言う設定。
エンディングで登場した人気の無いソーホーの街路は、如何にもまた怪異は繰り返されることを匂わせて、もしかしたらこのシーンが一番怖かった。
エモーショナルなホラーを堪能しました。
最後もトーマシイの話ですが、目の回りに隈を付けた顔が色気有りすぎで、ヤバい。
おっさんでも泣く
自分の憧れが汚され堕ちていくのをただ眺めているだけなんて悲しすぎる。鏡を破るシーンは感動で泣いた…
前半はネバーエンディングストーリーを見てる気分でワクワクし、中盤からノワールやジャーロみたくなってクラクラした!心霊設定ものにした事でシスターフッドものになってたのは斬新でした。繊細で素敵な作品でした!
Perfect!
待ってましたこんな映画!!
予備知識ナシで行って大正解でした。
うん、しっかり作り込んだ内容に、伏線回収もラストの展開も言うことナシ!
素直にめちゃくちゃオモシロカッタと、満足と達成感を感じられる素晴らしい作品です。
実は、芸能を目指す方なら誰もが経験する、いわゆる例の”壁”に翻弄され人生が狂った切ないお話が根幹です。
エロイーズも彼女のママも、きっと純粋無垢でオバケが入り込む隙間や共感力が高すぎるんだろうな。。
素晴らしいけど、もの足りない
エドガーライトの作品はファンも多く、自分もすごくファンだが
単刀直入にいって、かつてないくらいすごい映画ではあるけど
エドガーライトの魅力が今ひとつ足りない、というか
隠された映画のように思える。
なんか、タランティーノの雰囲気が増してて
タランティーノより、ちょっと統一感があってオシャレみたいな。
とにかく、素晴らしい瞬間は多く、ストーリーも良い。
映画のルックは完璧に近いが、ホラー演出全開のシーンに限って言えば
怖すぎる画作りが無駄に感じた。
中盤に出てくるロンドンの白昼に明るい音楽とともに
街を疾走する今まで見たことのない恐怖演出がすごく印象に残る分
ストレートにも恐怖演出するやん、、みたいなチグハグさを感じた。
映画が巧いのは分かりきってる監督なだけに、いまひとつ。
でも、もちろん最高でした。エドガーライトでしか味わえない感動がありました。
弱いヒロインに共感出来ず。
●ヒロインも過去の女も共感できない。
特殊能力で過去の人物に共感するところから物語が進むが、あくまで夢想。なぜヒロインが過去の女の死の真相を探る行動するのか、いまいち動機がうすい。だって夢で観た過去の話なんだから。
ヒロインは過去の女をマネているだけで、大きな成功を得ているわけでもない。女の存在が今の自分を支えている…というような強い絆を感じない。
そもそもこのヒロインは都会っ子に邪険にされて、イジケただけの人物だ。物語を牽引するだけの劇的欲求に欠ける。しかも過去の女も言わば自業自得のサイコでしかない。何故なら例え男に利用された不幸であっても、彼女自身が選択した生き方だから。嫌ならば逃げ出さえばいいところを、男たちを殺すことで憂さを晴らすなんてまったく共感できない。例えば病気の母がいて生活苦のためにその道を選ばなければならなかった。加えるならそのような境地に男たちが画策して追い込んだ…というような背景があればまだ女が殺人鬼になったことに納得できる。いじめられっ子のヒロインも夢のために苦渋を耐える覚悟があったなら、いじめっ子(たいしたいじめやってないし)と折り合いをつけた人間関係も築けたはず。
ヒロインも過去の女も自分の弱さで落ちているのであって、共感というか同情がわかない。
●ヒロインの劇的欲求が薄いので、何で楽しませるかの要素が中途半端。
前半は過去の女に共感をうけながら進む夢追い物語。後半は女の死の真相にせまるサスペンス。だが1本の映画としては何がやりたかった映画なのか印象がぼやけてしまう。
青春、ファンタジー、サスペンスといろいろ盛り込んだ上で作品として成立するには、ヒロインの彼女が何を目指すのかが強く筋を通してないと、ただ巻き込まれた女の子のフラフラに観客は付き合うことになる。
●途中で女の正体がわかってしまう。意外性を狙うならよほどうまく伏線しないとバレてしまう。
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