「踊り狂え!!これぞエンターテインメントだ!!」ラストナイト・イン・ソーホー サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
踊り狂え!!これぞエンターテインメントだ!!
この映画の存在を知ったのはつい1か月前。
YouTubeに予告が突如現れ、見てみるとそこには衝撃的な映像があった。これだ。今、自分に必要な映画はこれだと確信した。どタイプ過ぎる作風と内容に一目惚れ。先週公開されたヴェノムも最高に楽しみだったが、本作もヴェノムに並ぶほど今月楽しみにしていた。
という訳で、早速公開日に鑑賞。普段、邦画ばかり見る私にとっては洋画を2週連続公開日に見るのは大異形。期待値マックスのまま、劇場へ。
うわっ、、、なんだこの映画。
めっちゃくちゃおもしれえぇぇええええ!!!!!
これだよこれ。映画ってのはこうあるべきなんだよ!
ジェントルメン・クルエラに引き続き、ロンドンを舞台にした映画はやっぱり超最高でした。
ファッションデザイナーを夢見て、ロンドン・ソーホーにあるデザイン専門学校に入学をしたエロイーズ(トーマシン・マッケンジー)は、寮に馴染めず一人暮らしをすることに。そんなある日、彼女は夢の中で60年代のロンドンで歌手を目指すサンディ(アニヤ・テイラー=ジョイ)に出会う。
映画が始まった瞬間から絶対面白いやつ!と確信。
ありがちなスタートだけど、ファッションに音楽にトーマシン・マッケンジーに魅了され、息をつく間もなく映画の世界にひとっ飛び。スタートから震えた映画なんて、クルエラぶりだなぁ。もう既にめちゃくちゃ面白いんですけど、大丈夫?と思ったが、もちろん大丈夫。冒頭から凄いんだけど、もっと凄いのはここから。
田舎からロンドンへ。この緩急が一層ロンドンの街並みを美しく照らす。もちろん現代も良いのだけど、やっぱり60年代のロンドンの方がカッコイイ。
高級感があって、華やかで、ちょっぴり怖くて危険な街だけど、他にはないオーラが漂っていて、思わず見とれてしまうみんなの憧れの街。
天才的なアングル、脳を刺激する照明、ロンドンを彩る美術。制作陣の本気が見受けられ、面白いくらいに美しい映画になっている。ああ、行きたいな、行きたいな。今のロンドンにじゃない、60年代のロンドンに。
ひたすら流れる60年代の音楽。
これが本当にカッコよくて痺れる。
選曲がパーフェクト。全然知らない曲ばかりだけど、テンションは上がるわ、恐怖を煽るわ、美しさを際立たせるわ、音楽の力ってここまで凄いのか、ここまで偉大なのかと衝撃を受けた。帰り道はラストナイト・イン・ソーホーとSpotifyで検索して、プレイリストを再生。綺麗な星空を見ながら聴くのもカッコいい。音楽に関しても日本の曲ばかり聞いているが、これを機会に洋楽も聞いてみよっかな。これも、60年代のをね。
トーマシン・マッケンジーはジョジョ・ラビットの時から気になっていた女優だったが、本作でも魅力がグッと詰まっている。ソーホーに降り立った時の彼女は田舎臭くて、でも夢を見るようになってからは見違えるほど美しくて、最初と最後では別人のようになるし、驚き方も恐怖を抱える表情も演技とは思えない最高の演技だった。
アニヤ・テイラー=ジョイは最初から最後までめちゃくちゃ美しい。少し悪っぽくてカッコよくて独特の雰囲気を感じる。映画自体クルエラと似ているけれども、アニヤもエマ・ストーンに似ている気がした。
夢と現実の狭間や場面の切り替えなどの演出もオシャレで、一瞬しか映らないのにちゃんと鏡の向こうにはエロイーズが居たり、冒頭のシーンが生かされていたり、細かい所までこだわっているのもまたいい。
ホラー要素も抜け目が無く、ちゃんと怖いしちゃんと驚く。樹海村とかキャンディマンみたいなバカな怖さじゃなくて、華麗で見事な恐さ。R15とは言ってもそこまでグロくないし、世界観を邪魔することも無くホラーを取り入れている。
若干雑かな?物足りないかな?とか思うけど、丁寧すぎ無いのは夢で起こるという曖昧な話だからわざとしているのかもと思って気にならないし、これ以上話を詰め込むのは無茶な気がする。そう考えると非常に計算された映画だなと思う。見応えがあり余韻もあり、全てが愛おしくて全てがカッコイイ本作に私は酔いしれてしまいました。
決して泣ける映画ではない。
もちろん、分かっている。感動シーンなんてない。
だけど、何故だか泣けた。
この映画が終わってしまうことに悲しさを感じてしまった。こんなこと滅多にない。席を離れたくない、この場から離れたくない。そういう思いが積もりに積もって、短いエンドロールの最中に泣いてしまった。
それくらい、いい作品なのだ。
そんな映画を★5.0にせずして何に★5.0付けるのか?
クルエラには少し劣ってしまうが、間違いない大傑作。100回見れる最高傑作。本当に面白い映画でした。
クルエラもラストナイト・イン・ソーホーも、おそらく一生好きな映画で一生オススメの映画は?と聞かれたらこの2本だと答えると思う。東京リベンジャーズも、サマーフィルムにのっても、鳩の撃退法も、騙し絵の牙も、大好きな映画だけれども、この2本には勝てないな。
2021年の最後の月にこんなにもいい映画に出会えてよかった。ありがとう!
と、いうかクルエラ★5.0にしてないじゃん!笑
今すぐ★5.0に書き直します笑(なんで4.5にしたんだろうか、思い出せないよ笑)