流浪の月のレビュー・感想・評価
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人間の想像力とは
映像は絵画ように美しく、主要な登場人物から語られる言葉は少ない。
そのため全体的に澄み切った冷たい池のような印象。
しかし内容は、人間の深みに入り込むような、観終わった後、心に重くのしかかってくるような作品。
画は美しいのに、テーマは重く暗い、このアンバランスさがこの映画の素晴らしい点だと思います。
先に小説を読んでいたので、ある程度、役のイメージはあったのですが、本当に役者の方々がお見事でした。
私の想像をはるかに超えて役を生きてらっしゃる、文や更紗や亮がそこで生きているのをみて、感動しました。
横浜流星さんの、弱くすがるような目と、愛情が憎しみと怒りに変わる目のギャップにはゾッとしました。
松坂桃李さんの顔つき、身体の線の細さも、想像する文そのもので、ラストの服を脱ぐシーンでは自然と涙が流れていました。
人間の想像力はなんと乏しいのか、と人間という生き物の悲しい限界をみたような気がしました。
そして、、、
文が池の上で浮いている姿がミレーのオフィーリアの絵とリンクして見えたのは私だけではないはず、、。
最高に気持ち悪くて、よかった。
この社会は気持ち悪いからだ。
人間は、他人が正しい道から足を踏み外して自分に害することが怖いから、秩序を作ったのだ。
人間は、自分が作った秩序・社会をあらゆる手段を使って、守っているふりができるよう頑張っているだけだ。
人間は、自分が歪んでいるのを意識せずに、他人が歪んでいることだけ思い込んでいるのだ。
そのような、
常に自分が正しいと思ってる人間、またその環境を作った人間社会がおかしい。
本当にやばかったのは、
そこのあなた(わたし・わたしたち)だ。
この映画を観て泣いた、怒った、悲しかった。
光はあった。
弱かったり、雲に隠れたりする月の光だった。
昼の太陽の光が美しくて眩しすぎた。
思った。
本当に求めるべき世界(ユートピア)は、
沢山の縛りがあり、一人一人の人間がその縛りを身に纏って丁寧に歩く場所ではない。太陽の光を十分に浴びて、自由に生きていける世界だ。
いつになったら、人間が、
互いを制約し、異類を排除するじゃなく、互いを理解し、許す世界が作れるだろう。
実は、世の中のどこにでもある哀しみ
週末に観に行こうと思ってたら、やってなくて。
なんか、もう、この辺りでは週末は劇場でやっておらず、平日のみなんです。(6月半ば)
仕方ないので、レイトショーで観てきました。
でも、それで良かったかも。
劇場を出てから喧騒の中を歩きたくなくなる。
すこし、想いを馳せていたい。
そんな映画でした。
別に感動はしません。
でも「人それぞれに、いろいろあるよな」って、
噛み締めてしまう映画なんですよね。
一見、悪者のような人物も、実は主観的には(然程は)おかしなことを言ってなくて。
それぞれ生きてきた中で、「そうならざるを得なかったんだろう」と思いながらみてました。
映画に出てきたどの哀しみも、どの狂気も、どの諦めも…
身に覚えもあるし、周りの人の中に見たこともある。
2時間半を越える作品ですが、没入しているうちに終わってしまいました。
あ、そうか。
この作品は、可能な限り、劇場で観た方が良いですね。
この映画には、静かに没入させてくれる空間が必要です。
「テレビでやったら見よう」とか思っちゃう作品もありますけど、この作品は、むしろ「テレビ放送でだけは見ない方が良い」かも知れません。
少し違和感を感じた
皆さんがこぞって絶賛している中、個人的には傑作というほどではありませんでした。
「怒り」や「フラガール」の李相日監督が本屋大賞を獲得した同名小説を映像化した本作。
確かに絶賛されてる理由は解ります。
「パラサイト 半地下の家族」や「バーニング」の撮影監督であるホン・ギョンピョの映像は美しいかつ、登場人物の心情をとてもよく現されていて秀逸でした。
特に、水の描写は登場人物の心情が表現されていました。
キャストの演技も良かったです。
広瀬すずの悲観的な表情の演技や松坂桃李の複雑な心情やどこか壊れそうなくらい儚げな演技を魅せてくれました。
中でも、横浜流星はDV男の役を繊細かつ狂気的に演じていてアイドル俳優の脱却が見事に脱却出来てました。
この作品は「事実と真実の矛盾」や「社会的に排除される人々の苦しみ」等、考えさせられるテーマを様々扱っていました。
主人公の世間における心苦しさや悩みもすごくよく描かれていました。
そして、この映画は「性愛ではない"愛"の形」を描いていました。
恐らく原作はその側面が強いのだと思います。
ただ、その「愛の形」を描くのなら、果たして広瀬すずと横浜流星の濡れ場、松坂桃李と多部未華子のキスシーンを長く映した事にだいぶ違和感を感じます。
劇中の登場人物の事を描くなら、さらっと渇いた感じに描いた方が良かったと思うのですが、あの感じではただの観客のサービスシーンという薄い感じが否めないです。
あと、松坂桃李の秘密については濁すような形で描写してましたが、原作は明確に病気について触れてるようです。
正直あの程度の描き方だと解りにくいし勘違いする人はいるかと思います。
それと全体的にまったりとしてて重く描きすぎてるように感じて、後半くらいから若干胃もたれしてしまいました。
とは言え、内容は考えさせられるものだったので、きっと原作は面白いのだろうと思います。
時間があったら読んでみようかなと思います。
生きづらいあなたへ
自分がよく出張で行く長野県松本市が舞台と聞いて、これは観に行かねば、と思い観賞。
はじめは、行ったことのある場所や風景を追っかけてテンション上がってましたが、徐々に登場人物の心象にのめり込んでしまって、、。テンションも下がる下がる。
観終わって後はぐったり。あまりにもテーマが重く、濃厚で、かつラストで明かされる真実は驚愕。しばらく呆然自失になりました。
ストーリーは、ある事件を経て、社会の中でひっそりと生きていた二人が社会(世間)に再び晒され、やがて、まわりの人々を巻き込みながらも、彼らはその運命にお互いひかれ、そして、その宿命を受け入れて、「流浪の月」のようにさまよいながら支えあって生きていく。
性的マイノリティーである主人公を松坂桃李が熱演してます。影のある難役を見事に演じられてました。また、広瀬すずや横浜流星など若手の演技合戦はとても見応えがありました。若手俳優がむき出しでやっているのは清々しくて大好きなんです。
残念なのは、なぜ更紗が文に惹かれていったのか?更紗が当時置かれていた厳しい境遇を描いてもらうと2人の関係性をもっと深く理解できたかもしれません。あと子役が天真爛漫すぎるのも気になりましたね。
いずれにせよ、性的マイノリティー(広い意味で社会的マイノリティーという表現が適切)の人々を描くことで救われる方がたくさんいるんじゃないか。そうでないかたは知るという意味で。そういう人々を描くために映画ってあるんじゃないか、と強く思いました。
カロリー高めの映画ですが、本当に観て良かった。
追伸
松本市ではスタッフさんと同じ宿にも泊まってました。
素晴らしい映画をつくってくれてありがとうございました。監督、キャスト、スタッフ様に改めて御礼を申し上げます。
原作者はなぜ映画化を許可したのか ちゃんとシナリオを読んだのか?
暗く重い話です
特別な事情があるとはいえ、世間に誤解される不運が重なり、不幸な生涯を送ることになるだろうという結末
これは観たい人、いないわ
戸惑いしか無い
メジャー館で1日1回の上映な理由がわかりました
2020年の本屋大賞受賞作らしいので、原作ファンは観に行くのかもしれないけれど、こんな可哀想な話が受賞作?
気になったのであらすじを読みました
なんと、結末が違う
ストーリーはほぼ同じなのに、結末が違うから印象が全く違う作品になってしまった
テーマがテーマだけに大きな罪です
映画は、ラストにセンセーショナルな秘密を明かす事によって観客を驚かせようともくろんでいる
ミステリー映画のようなあざとい演出だ
てゆうか実際、あのカットいるのか
これじゃあ見世物小屋ですよ
あらすじしか読んでいない僕が怒るんだから原作ファンはなおさらだと思う
ただ、読書家は穏やかな人が多いからあからさまには言わないだろうけれど
一歩下がって、デジタルタトゥーを問題提起したかったとしても
原作をないがしろにしてまで大きなお世話だと思う
人はみな、折り合いをつけて生きていくものです
そんななかで、小さな幸せを見つけるのが人生です
原作者はよくわかっているのにね
生まれつきだったり、事故や病気になったり
色々あるけど、受け入れてやっていくしかないから
世間にどう見られようと、自分しだい
こんな映画みるより、パラリンピックを応援する方がよっぽどいい
健常者目線があからさま
考えの浅いというか、価値観が固定しているというか、浅はかな監督ですね
儲けようとしたのなら、逆に失敗してるし・・・
”エレファントマン”でも観て勉強し直してきて下さい
松坂桃李は役柄にあわせて減量したのかな
文の病気は第二次性徴がおこらない分、成長が止まらなくて手足が長くなる傾向があるそうな
高身長と痩せた身体がイメージどおりでした
格闘技やお笑いにハマって寄り道していたような広瀬すず
チャレンジは認めます
濡れ場もこなして頑張っているのがよくわかる演技でした
シーン毎の表情はなかなか良かったれど、なんか統一感が無いというか、繋がらない
セリフも自然な演技と地を出すのは違うんだけどね
合わない役が演じれる域にはまだまだです
残念ながら今回は子役の方がうまい
横浜流星
あいかわらずの毛脛(けずね)
どうしても気になる
役者じゃなくても、きょうびの若者なら脱毛ぐらいしてるよ
文のお母さん役、内田 也哉子
母親の樹木希林に似てきましたね
2人だけがわかること。
目に見えてるものがすべて真実とは限らなくて
自分が思ったことは自分にしかわからない
出会ってしまったが故にお互いを傷つけてしまったけど、
出会ったことによって幸せだと思うことができた。
これまでも、今も、自分を肯定してくれる人に出会ったことがなかったからこそ、自分とは違う相手に出会ってお互いが惹かれていった。
でもそれは他者からすれば気味が悪い、吐き気がするという風にみられてしまう。
その人が見たいようにみられてしまう。
自分には必要だったあの時間、あの場所を否定されて。
あなたに何がわかるのって思う気持ちを押し殺してまた嘘の微笑みを撒き散らす。
すごく苦しくて、すごく切ない。
心が重くなってしまうシーンが多かったけど、見終わって引きずるくらいの重みではなく何故か心が軽くなった。
その理由は自分でもわからないけど、きっとずっと2人だった文と更紗がもう一度再会し、やっと自分を受け止めてくれる人と巡り会えたからなのかなと思った。
私にとってこの映画はとても見応えがあって、響きました。
それぞれの気持ちを考えると苦しくて、先が見えなかったけど、観て良かったです。
詩的で叙情的な映像、余韻。
広瀬すずちゃんの成長を感じます
広瀬すずさんの演技がなかなか難しい役なのに、無理なく自然に演じられていて、良かったです。まだ23歳と若いのに、大変な役を演じられていて、女優さんとしてステップアップした印象を受けました。優等生でアイドル的な王道の役が多かったすずちゃんから大変身です。凄いなぁと思います。すずちゃん大変お疲れ様でした。
松坂桃李さんは、体張っててガリガリ。よくあそこまで絞れたなぁとびっくり‼️
役者さんって大変ですね!命がけですよ!
重めな題材ですが、観て良かったです。横浜流星さんは、めちゃくちゃ怖かった。イケメンで爽やか系なので、そんな役を演じられるといいのに、この役は、よく受けられたなぁと思うくらいイメージ良くないです。なんか気の毒。気持ち悪くなるほどでした。
とにかく、役者さん達、与えられた役に全力投球されてました。大変見応えありました。ありがとうございました。
ハッピーエンド
シンプルにフミとサラサの魂がふれあい
そして強く結びついていくさまが描かれていて
ふたりにとって理不尽なことが
つぎつぎふりかかる
観ていて息苦しくなりそうなストーリーだけど
不思議とスンナリと受け入れながら
みつづけられることができた。
ハッピーエンドとは言い過ぎかも知れないが
魂が結びついていれば
流浪の中でも大丈夫な
ふたりであって欲しいと願って
鑑賞し終えることができました。
複雑ね
映画館で鑑賞しました。
上映開始から1か月が経過しているのに、映画館の席が6割以上が埋まっていてビックリしました。
とても率直な感想としては、面白かったかと問われると、何と答えらいいか分からない、といったところです。なにかがスッキリと終わったわけでもないので、明確な結末を求める方にとっては、面白くはない、とは思います。
ただ、鑑賞中は色々なことを考えさせられましたし、出演している俳優さん達の演技も素晴らしく、2時間30分という時間を長くは感じませんでした。
鑑賞している際に思ったことは以下のことです。
①文はロリコンだったのか。
文は自分のことをロリコンと認識しているが、ロリコンを小児性愛者と読み替えれば、更紗らに性的欲求をぶつけなかった文を小児性愛者というのか。文は能力的に「繋がれない」としても、繋がる以外の行動で性的な行動を表現することはできると思うが、少なくとも映画の中ではそういった描写はないし、更紗も「なにもされなかった」と言っている。このことから、一般的に想像する小児性愛者とは違う気もするが、ケチャップを拭うシーンもあり、更紗に対して恋愛感情は持っていた、とは思われる。
ここまで細かく考えましたが、結局は「普通ではない」「性的に大人になれない」と自分を卑下していて、成人女性に対してコンプレックスを抱いている男性、という表現が出きれば正確にロリコンかどうかはどうでもいい話だとも思います。
②更紗が従兄の行為を告白できなかった
文が警察に逮捕された後、更紗が従兄の行為を警察に言えなかったのは、更紗の中にもいろんな葛藤があったのかもしれません。言うと、従兄の立場が危うくなるかもしれない、そもそも自分の発言が認められず叔母の家での自分の立場がなくなるかもしれない等。
事件後の家での描写がなかったので分からないところですが・・・。
③多様性ってなんだろう
以前に比べ様々な多様性に対する寛容さが求められている世の中で、「ロリコン」という自分の力では変え難い嗜好は認められないのか。性的欲求に従い行動を起こせば、罰せられるのは当然ですが。
「大人の女性しか好きになってはいけない」というのも固定概念なのでは、とも思ってしまいました。犯罪となる行為を行わなければ、人の趣味・嗜好なんてどうでもいいだろ、と個人的に常々思っている自分としては、そう思ってしまいました。
(未成年に対する性的行為を含めた犯罪行為を容認するつもりがないことは、念のため記載しておきます。)
④アンティークショップのおじさん
細かい話ですが、あの人の存在は必要だったのか。必要だったとして、柄本さんでなくてよかったのではないか。柄本さんという俳優を使ったからこそ、アンティークショップのおじさんが際立ってしまった。
文も更紗も、複雑な背景を抱えており、本当の自分を見て認めてくれる存在を求めていた。しかし、状況しか見ていない、切り取られた情報しか知らない世間は、2人の関係性を認めない。辛いですね。
様々なことを考えさせてもらえた良い映画だったと思います。
ふたりの幸せを願わずにはいられない。
上映時間150分という長さに尻込みしていましたが、時間があったので公開からだいぶ経ちますが観賞。こんな面白い映画、見逃さなくて良かったです。
さすが本屋大賞授賞した原作ということで、ストーリーの展開が先が見えずに長い上映時間も気にならずに最後までのめり込んで観れました。
インターネットは便利だけど、人のプライバシーを晒したり壊していく凶器にもなりえる。
松坂桃李さんの演技はさすがに素晴らしかったですし、横浜流星さんも大変頑張られていました。
そして何より広瀬すずさんがとても難しい役どころを見事に演じられていて、なんか女優としてのステージがひとつ上がったように感じました。
あと出演時間は短かったですが多部未華子さんの演技もさすがと思いました(多部未華子さんのシーンが一番切なくてほろり)。
すごいものを観た
これは切ない純愛映画だと思います。
こんなにも重厚でやるせない、終始胸を締め付け続ける作品だなんて!いいぞーいいぞー。映像もよかったなぁ。撮影監督の力量なのでしょうか?映像が綺麗なんですが残酷で冷徹な雰囲気が溢れ出ているんです。それが作品をビシーっと締めてくれるんですよね。いやぁ、なかなか味わえない雰囲気でした。
原作未読です。早速読みたくなってます。自身ではどうしようもない事が起因にもかかわらず、正義感と一般的には優しいと言われる対応をする無責任な世間の波に追いやられる。どうかどうか救われるようにと願い続ける上映時間150分。これが不思議に長いと感じません。なんというのでしょうね、小説を1ページ1ページ読み進めて行っているような感覚になりました。
俳優陣、よかったですね。特に松坂桃李さんと横浜流星さん。見事でした。本作の柱をしっかり作ったなぁって思いました。他の演者さんもよかったですけどね。
なんでこんなに切ないんだろう?やるせないんだろう?きっと更紗の迷走する小さな心の行方にぐいぐいと引き寄せられたのだろうなぁ。そうなんだよなぁ、本作は世間の常識と良識に監視される袋小路に迷い込んだ男女の純愛恋愛物語なんだよなぁ。ただただ、生まれ持ったネガティブ状況から逃れ、自分らしく居られる場所を探し求めているだけなのに。けど、ボタンのかけ違いが続くってこういうことなのかなぁ?
個人的にはあのカミングアウト結末は・・・ちょっと残念だったなー。原作も同じなのかな?
うん、それは要因ではあるだろうけどさ、その特徴があるから心に何が生まれて、例の行動の動機につながったのか?が僕の中では結びつきにくかったんです。
あとは、たった一人でもいいから「いい人」を出して欲しかったなぁ。「良い大人」を。彼らに本当に寄り添う大人を。ちょっとね追い込みすぎな気がしました。
けどけど、上半期の邦画でベスト級でした。
彼は幼児愛者だったのか
李相日らしく見終わった後に考えさせる作品。
同僚の娘を預かるシーン。あそこだけ文が凄く普通のいい顔してて。150分中あそこだけ。
やっぱり?と思わされるシーケンスで最後までずっと引っかかってたけど、あれは絶対に手に入れることができない「普通」だったのだろうかと思うといたたまれない。
コンプレックスを曝け出し、受け入れられ、文はあの笑顔を見せているだろうか。
追記
ロリコンかどうかだけど、文の解釈の通り「大人の女性を愛せない(秘密を受け入れてもらえないから)」が正解で幼児しか愛せない性癖とは今作に関しては違うかな。
更紗だけ成長してしまった旨のセリフや実家のエピソードから自己認識として精神的な成長は止まっており、更紗に対する想いは純愛だと思う。
寄り添う2人
善と悪の境界線なんてものはハッキリするはずがない。
弱く脆い2人の出会い、そして互いを補填するかの如く寄り添い過ごす姿がとても素敵だけど儚く感じられる。
そこには愛というには、まだ幼すぎる想いとそれを許さない社会の目。
引き離された2人の15年後の邂逅。それぞれ生きた年月では埋められない想いが2人を惹きつける。
ただ2人の想いとは裏腹に善という名の行為を振りかざす人の恐ろしさを見せられる。
人の弱さや恐ろしさを見せられるのだけど、その中でも2人のおもいやる姿と寄り添う姿に心がぎゅっと締め付けられた。
自分の立場は亮くん
2人のことは、2人にしかわからない。
幼くして誘拐されて、監禁されていたと認識されれば、それはどんなに本人たちがなにもなかったと言ったって、そうはいかない。
報道されたことだけを鵜呑みにして、表面だけをなぞって…今の社会に溢れているリアルな世間の感情。
亮くんは、私たちの目線の人。
だって、信じられないもの。誘拐された、だけどなにもなかったなんて。
だから、俺が守る。って思っているのに
また再会した誘拐犯のところへ行こうとするなんて許せるはずない。
当然の感情で、でも文と更紗からしたら、なんて酷いことをするんだって。
たくさん考えさせられる映画でした。
あんなに嫌な役を演じた横浜さん、今までの印象を覆されました。
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