猫は逃げたのレビュー・感想・評価
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#20 結局好きなんじゃん
離婚届に判を押すところから始まるのに、いつまで経っても別れられない夫婦のお話。
今時不倫相手が離婚して自分と結婚してくれるなんて信じる女がこの世にいるのか?
嫌だからこの発言がジェンダー差別なんだって(笑)。
泥棒猫と猫泥棒、言葉の順序を変えただけでこんなに笑える言葉はない。
泥棒猫は犯罪じゃなくモラルの問題だけど、猫泥棒は立派な犯罪だもの。
傑作ってわけじゃないけど、チラチラ笑える小ネタが詰まった作品です。
終始ニヤニヤしながら観ていられる
そりゃ逃げるわ。
で、どうなったんですか?猫の親権。
恋愛関係であるだけなら、くっついた離れたがドライでもいいけど、離婚の話が出て、譲れない事実もあって、なのに結果そうなる?、とまあ、それが僕の言い分。自分には無理。だけど、この結末はこれはこれで成立しちゃってるのがすごい。監督の力技。というよりは、かわし技。ひょろひょろっとして、𠮟りつけようとする気分もうまくいなされてしまうような。鰻のような。だってこれ、ギラついて生きてる40代や嘘ばっかりついてる50代の夫婦だったら、けっこうドロつくよ?なのに、なんだろうこの、ふんわりとした幸せを感じてしまうのは。アガペーでもエロースでも、言葉にするのはほんと嘘っぽいね。こむら返りしてツボを押さえて処置してもらって、ついつい泣いちゃう、そこにこそ愛はあるよ。嫌いじゃない。嫌いじゃないけどちょっとめんどくさい。
人と人の繋がりってなんだろう
監督も脚本も力のある方なので、ストーリーとしては予想している結末へ展開して行く安心感はあるけれど、その中に笑いあり「あー、それそれ!」と言った頷ける部分あり(足がつった時の対処の仕方とか、そこで涙ぐむとか)、飽きることなく観られました。
パートナーと鑑賞後の意見が割れたのは、作品の意図は何処にあったのだろう?であり、私はタイトルが(猫「は」)で(猫「が」)では無かったことから、猫的な、厄介なものとはつかず離れず(例えば4人で言い合う際の男性陣の言いぐさなど)な位置関係かな?と思ったのですが、パートナーは作品の中で何度も繰り返される「アガペーとエロース」が、あの夫婦の在り方を象徴していたのでは?と感じたそうです。
どちらが正しいとかではなく、どんな作品も捉え方は様々なのだなぁと改めて感じました。
ドロドロせず、会話劇としても楽しめる作品だと思います。
猫は逃げるがキャラバンは進む
今泉監督!動物ものってこうじゃないです!
2022年劇場鑑賞71本目。
恋愛映画の天才今泉力哉監督最新作。
はっきり言って監督のファンなので評価甘めなのはお断りしておきます。
この監督のすごいところは毎回違った題材で描く所で、今回は動物もの。
いや、動物映画の動物って人と人の架け橋になったり、人間の思惑とは別に動くことで愛おしさに気づいたりする描写がされるんですけど、いや猫の使い方そうじゃねえんすよ今泉監督!
まあここらへんは多分わざとだと思うので一応ツッコんでおきますが、ダブル不倫という本来なら唾棄すべき恋愛をこれほど微笑ましくかつ共感できるよう描けるのはさすがですし、終盤の会話劇はもう爆笑でした。いや〜最近ちょっと往年の面白さ薄くなってきたかな、と思っていたらこれなので、ますますファンになりました。
こちらも女優さんだね
猫は逃げた。愛は?
このペア作品の『愛なのに』では、エロ要素がうまく機能してユーモアとうまく噛み合ってましたが、この作品は〝猫〟要素が強いので、正直、エロは要らなくない?という感じでした。
でも、『家族ゲーム』で森田芳光監督が見せてくれたダ・ビンチの最後の晩餐的な横並びの配置を踏襲したような会話劇部分は、さすがの出来映え。
つい出てしまう本音、慌てて取り繕ろうとして更に墓穴を掘る、上手い言い回しで誤魔化すこともできず開き直るしかない…誰もが経験のある他人事ではないようなシチュエーション。
よく考えたら、この映画の中のSEXは、本当に愛なのかなんて突き詰めて考える前に、肉体的な欲望のほうが先に立ってます。でも現実はそんなもののほうが多いのだと思うし、肉体的な満足だって〝本当の愛〟の一部であって、決して精神的な愛情と対立するものではなく、愛情というものの中の重要な一要素である、ということなのだと思います。夫婦という関係だって時間の経過とともに変化するのは、単なる愛情の劣化ばかりでは無く、熟成や枯れた境地というケースも相当にあるわけです。
猫は逃げたけど、戻ってきました。
愛はあっちこっちフラついた挙句、消息不明になったと思ったら、また帰ってきました。
人間の世界でも、一部の愛は、なんだか帰る場所を間違えているようにも見えて、困ったもんです。
連作を連続鑑賞
今泉脚本/城定監督の「愛なのに」と城定脚本/今泉監督の「猫は逃げた」を連続鑑賞。
どちらも二組の男女の恋愛(SEX?)コメディに、異物要素として、前者はJK(河合優美)を、後者は猫をトッピング。
初めっからファンタジーとしてJKの告白をぶっ込んで来る今泉脚本と、後半に猫行方不明の種明かしというファンタジーを展開する城定脚本は、それぞれの特徴が出ているようで面白い。
役者はみんな素晴らしい。特に女優さんたちはみんな(河合優美除く)惜しげもなく濡れ場を披露しているが、個性が活きているし、中島歩のダメな感じも笑える…ww
そして河合優美はファンタジーをギリギリ地上に繋ぎ止める良い芝居だったと思う。
「今年ベスト!」みたいな映画ではないが、時々思い出してクスクス笑えるような映画。
そして、向里祐香と手島実優は今後も注目したい。
R15仕様にする必要あった?
離婚を決めた共に浮気する夫婦が猫の親権をめぐって停滞し巻き起こる話。
編集者の担当と浮気するマイナーなエロマンガ家の嫁と、同僚と浮気するゴシップ誌記者の夫が、離婚届記入に際して猫をどちらが引き取るかが決まらず…取り敢えず、出来れば放し飼いはやめていただきたいが、放し飼いするのに去勢と首輪無しはあり得ない。
まあそれは置いといて、いるよね何も話していないのに自分が所有するのが当たり前みたいに言う人。
これで嫁に対するイメージが良くなくてフラットに観られませんよ。
そして同じ様な出来毎を繰り返しみせる前半にテンポの悪さを感じるし、カンタ君が失踪してからも、なんとなく話の1歩先が読めてしまう。
映画監督に関してはは読めなかったけど、どうでも良いし。
ラストも、猫にしても人にしてもありがちなイマイチ締まらない締めという印象で物足りなさを感じた。
今泉力哉の普通であり、普通ではない世界。
ストーリーは一定の間を持って進んでいく。
特に驚くようなことは起こらない。何もないまま、何の引っかかりもなく、ただストーリーは進んでいく。
しかし、今泉力哉という監督は、成立し得ない会話と間を、そこに成立させてしまう。
これは、一体何なのだろう…、計算されたという言葉では言い表せず、魔法のようでもある。
今泉力哉でしか成立し得ないものを、スクリーンに映し出してしまう。
役者は演技をしている訳だが、演技であり、演技でないものを、独特の間で創り出してしまう。
海外の人達には通じないかもしれない。しかし、この立ち位置は独特であり、ユニークとしか言いようがない。
この表現し難い才能は何なのだろう。
今後も良作を創り続けてくれるだろう。見続けていきたいと思う。
前半は少しダラダラした展開だったけど、猫が逃げてからは面白かった。
写真週刊誌で働く旦那。
漫画家の妻。
二人とも浮気をしていて離婚間近な関係。
旦那が真面目で優しい感じ。
妻も気が利く感じ。
仲の良い二人で離婚するとは思えない雰囲気(笑)
ちょっとした事からの夫婦と浮気相手の4人の修羅場が笑える。
アドリブで会話している感じなんだけど、あるセリフがハモる場面が面白い!
前半のダラダラした感じを後半で取り返した感じで満足度はソコソコ。
流石の今泉監督!
ほのぼのとしたラストが良かったです( ´∀`)
吾輩は猫である。
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