猫は逃げたのレビュー・感想・評価
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猫は逃げるがキャラバンは進む
「猫は逃げた」離婚届に判を押すシーンから始まり、猫の親権を巡って物語が動き出し、夫婦と不倫相手の4人の優しさと身勝手が物語を転がしていく。猫は逃げても愛は帰って来るのか。クライマックスの最高な長回しシーンに泣きながら笑う。
個人的には広重のダメさが発揮している、亜子に詰められるシーンや足が攣った亜子の足を広重がマッサージするシーンが好きでした。ちょっと既視感があったりするので。
今泉監督!動物ものってこうじゃないです!
2022年劇場鑑賞71本目。
恋愛映画の天才今泉力哉監督最新作。
はっきり言って監督のファンなので評価甘めなのはお断りしておきます。
この監督のすごいところは毎回違った題材で描く所で、今回は動物もの。
いや、動物映画の動物って人と人の架け橋になったり、人間の思惑とは別に動くことで愛おしさに気づいたりする描写がされるんですけど、いや猫の使い方そうじゃねえんすよ今泉監督!
まあここらへんは多分わざとだと思うので一応ツッコんでおきますが、ダブル不倫という本来なら唾棄すべき恋愛をこれほど微笑ましくかつ共感できるよう描けるのはさすがですし、終盤の会話劇はもう爆笑でした。いや〜最近ちょっと往年の面白さ薄くなってきたかな、と思っていたらこれなので、ますますファンになりました。
アガペーはエロースに
非常に楽しい会話劇のコメディでした。
猫はかわいいし、猫は勝手に逃げるし、猫のおかげでみんなまるくおさまるし。
猫しか勝たんです。
ちなみにタイトルは、思いついたこと書いただけです。気にしないでください。
こちらも女優さんだね
作品トータルでは星3つ、四人の長回しは星4つ。長回しのシーンはほんとにエチュードかと思うほど自然だったが、夫婦の発声が被るところで、ああやっぱり台本通りなんだと却って感心。
「愛なのに」同様、こちらも女優たちの自然な演技が良かった。特に手島実優がカンタをタマと言い張るところが可愛くて◎。毎熊克哉も井之脇海も悪くはないけど、TV慣れのせいかちょっと役者グセがめだっちゃったな。
驚いたのは近所の老婆の役が中村久美だったこと。かつての美人が最近主役の母親とかやってるなと思ってたら遂にそんな歳になったのかと思ったらまだ60歳でした。
L/R15では城定秀夫の勝ちデシタ。
猫は逃げた。愛は?
このペア作品の『愛なのに』では、エロ要素がうまく機能してユーモアとうまく噛み合ってましたが、この作品は〝猫〟要素が強いので、正直、エロは要らなくない?という感じでした。
でも、『家族ゲーム』で森田芳光監督が見せてくれたダ・ビンチの最後の晩餐的な横並びの配置を踏襲したような会話劇部分は、さすがの出来映え。
つい出てしまう本音、慌てて取り繕ろうとして更に墓穴を掘る、上手い言い回しで誤魔化すこともできず開き直るしかない…誰もが経験のある他人事ではないようなシチュエーション。
よく考えたら、この映画の中のSEXは、本当に愛なのかなんて突き詰めて考える前に、肉体的な欲望のほうが先に立ってます。でも現実はそんなもののほうが多いのだと思うし、肉体的な満足だって〝本当の愛〟の一部であって、決して精神的な愛情と対立するものではなく、愛情というものの中の重要な一要素である、ということなのだと思います。夫婦という関係だって時間の経過とともに変化するのは、単なる愛情の劣化ばかりでは無く、熟成や枯れた境地というケースも相当にあるわけです。
猫は逃げたけど、戻ってきました。
愛はあっちこっちフラついた挙句、消息不明になったと思ったら、また帰ってきました。
人間の世界でも、一部の愛は、なんだか帰る場所を間違えているようにも見えて、困ったもんです。
連作を連続鑑賞
今泉脚本/城定監督の「愛なのに」と城定脚本/今泉監督の「猫は逃げた」を連続鑑賞。
どちらも二組の男女の恋愛(SEX?)コメディに、異物要素として、前者はJK(河合優美)を、後者は猫をトッピング。
初めっからファンタジーとしてJKの告白をぶっ込んで来る今泉脚本と、後半に猫行方不明の種明かしというファンタジーを展開する城定脚本は、それぞれの特徴が出ているようで面白い。
役者はみんな素晴らしい。特に女優さんたちはみんな(河合優美除く)惜しげもなく濡れ場を披露しているが、個性が活きているし、中島歩のダメな感じも笑える…ww
そして河合優美はファンタジーをギリギリ地上に繋ぎ止める良い芝居だったと思う。
「今年ベスト!」みたいな映画ではないが、時々思い出してクスクス笑えるような映画。
そして、向里祐香と手島実優は今後も注目したい。
R15仕様にする必要あった?
離婚を決めた共に浮気する夫婦が猫の親権をめぐって停滞し巻き起こる話。
編集者の担当と浮気するマイナーなエロマンガ家の嫁と、同僚と浮気するゴシップ誌記者の夫が、離婚届記入に際して猫をどちらが引き取るかが決まらず…取り敢えず、出来れば放し飼いはやめていただきたいが、放し飼いするのに去勢と首輪無しはあり得ない。
まあそれは置いといて、いるよね何も話していないのに自分が所有するのが当たり前みたいに言う人。
これで嫁に対するイメージが良くなくてフラットに観られませんよ。
そして同じ様な出来毎を繰り返しみせる前半にテンポの悪さを感じるし、カンタ君が失踪してからも、なんとなく話の1歩先が読めてしまう。
映画監督に関してはは読めなかったけど、どうでも良いし。
ラストも、猫にしても人にしてもありがちなイマイチ締まらない締めという印象で物足りなさを感じた。
今泉力哉の普通であり、普通ではない世界。
ストーリーは一定の間を持って進んでいく。
特に驚くようなことは起こらない。何もないまま、何の引っかかりもなく、ただストーリーは進んでいく。
しかし、今泉力哉という監督は、成立し得ない会話と間を、そこに成立させてしまう。
これは、一体何なのだろう…、計算されたという言葉では言い表せず、魔法のようでもある。
今泉力哉でしか成立し得ないものを、スクリーンに映し出してしまう。
役者は演技をしている訳だが、演技であり、演技でないものを、独特の間で創り出してしまう。
海外の人達には通じないかもしれない。しかし、この立ち位置は独特であり、ユニークとしか言いようがない。
この表現し難い才能は何なのだろう。
今後も良作を創り続けてくれるだろう。見続けていきたいと思う。
前半は少しダラダラした展開だったけど、猫が逃げてからは面白かった。
写真週刊誌で働く旦那。
漫画家の妻。
二人とも浮気をしていて離婚間近な関係。
旦那が真面目で優しい感じ。
妻も気が利く感じ。
仲の良い二人で離婚するとは思えない雰囲気(笑)
ちょっとした事からの夫婦と浮気相手の4人の修羅場が笑える。
アドリブで会話している感じなんだけど、あるセリフがハモる場面が面白い!
前半のダラダラした感じを後半で取り返した感じで満足度はソコソコ。
流石の今泉監督!
ほのぼのとしたラストが良かったです( ´∀`)
終盤の4人の掛け合いに笑いました。猫が名演でしたね。猫の親権で揉め...
終盤の4人の掛け合いに笑いました。猫が名演でしたね。猫の親権で揉めるのが意外でした。当然世話をしていた奥さんだろうと。
吾輩は猫である。
猫顔の二人を主役に据えた洒落っ気をまず評す。
それ故か人と猫が同量撮られたかの鑑賞後の印象が楽しい。
長回しで何かを醸し出すはずとの期待を本作でも裏切らない今泉力哉の腕。
吾輩は猫であるな猫が人の世の滑稽を俯瞰し赦す不敵で尊大な可愛らしさ。
本年私的上位当確。
タイトル通り!
ちゃんと繋がってた。本当猫は逃げた(笑)
愛なのに、に続き面白かった!
これは映画館で観ないとつまらないかも。
4人が楽しく演技してたし、女性2人は初めての演技に感じなかった。
犬派ですが、猫がとても可愛かったなー
舞台挨拶では、前熊さん、井の脇さん観れて良かった!
女性2人も含め皆んなトークが上手く、舞台挨拶では過去1番面白く良かった!
ポップで可愛い浮気&猫映画
タイトルが秀逸。「猫“が”逃げた」ではなく「猫“は”逃げた」なのがちゃんと意味があるのがいい。じゃあ誰が何から逃げているのか??
離婚寸前の夫婦が猫の親権を争っている間に猫がいなくなり…それぞれの浮気相手との関係も…という話。なのにポップで可愛い仕上がりになっていた。
「愛なのに」と反対の城定秀夫脚本、今泉力哉監督の作品。猫と同じ視点のカットで長回しするのが今泉監督の真骨頂か。
ちょっと前半エンジンがかかるまで時間がかかったなとは思ったが、後半の猫の行き先が分かったところからすごく面白くなってくる。
山本奈衣瑠さん、初めて拝見したのですが、これはももの漫才で「今泉力哉監督のヒロイン顔」と言われるくらいハマってた。離婚したいのかしたくないのか、足がつったときの旦那の完璧にわかってる対応に苦悩し涙するシーンが素晴らしかった。
他の演者さんもかなり頑張ってました。ちゃんと濡れ場をしてました。
浮気したから別れるという結論から逃げ続けた結果、最後に4人が手にするものの落とし所も最高。
猫は逃げた
なるほど、連れ去られた場所から逃げたんですね!
いい作品だと思います。
脚本いいですね!
2人とも不倫で、いちゃいちゃいっぱい。
不倫相手同士がつるんで、最後はくっついた。
死んじゃったけど、子供が4匹(^o^)
いいラストでした。
亜子さんいいですね!
大人の“好き”や“愛”は複雑なんだニャー
「子はかすがい ならぬ猫はかすがい」
ある一組の夫婦とそれぞれの浮気相手、男女4人の二つの恋と飼い猫のカンタをめぐり描かれるラブコメディ。
「愛なのに」に続くR15指定作品第二弾、今回は今泉力哉監督がメガホンを。描き方によっては昼ドラのようなどろどろな展開になりそうなプロットを今泉力哉監督らしい温かい作品に仕上げている。そして実際劇中に出てくるように哲学的な要素も見られる。
猫が本作の主役でもあり、男女4人の問題を和らげているのだが、カップルの“あるある”を詰め込みながら最後は意外な展開へ。そして猫のカンタの名演にもあっぱれです。
週刊誌の記者とカメラマンの不倫
漫画家と編集者との不倫とかあるあるでリアル(笑)
四人の役者、自然な演技が良かった。特に真実子の広重に対する目線や表情(好きな人に対する女性の態度)とそれ以外の態度、ちょっとした二面性が女性のリアルな姿として表現されていた。一方であこ演じた山本さんは常に自然体!
町田夫婦が夫婦になる前のシーンや猫がいなくなる回想を絶妙なタイミングで入れてくるところが心憎い。
※以下少しネタバレ含みます
最後の四人の会話劇のような長回しシーンには爆笑でした。だけどこのシーンは大人でないと理解できないだろうなぁ。流れ的には普通ならドロドロかつめちゃくちゃな展開になるはずなのに…。なぜか笑えて爽快な作品にしてしまうところに“今泉イズム”を感じずにいられない。
R15指定なので、ベッドシーンもありますが、実はそんなにエロくない。どちらかと言えばこういう大人の事情(不倫や遊びや本気や結婚とか)を理解できるかどうかといったことじゃないかな。
大人の“好き”や“愛”は複雑なのです。オズワルドの伊藤 俊介演じるノーパン監督が話すアガペー、フィリア、エロースにも深く関係するのかなと。
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