レッド・ロケットのレビュー・感想・評価
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【アメリカの田舎のプア・ホワイトの実情を、”過去のポルノ男優の栄光”を誇る男を主人公にして描いた作品。”甘き人生をもう一度と”画策する男と厳しき現実をシビアに描いた作品でもある。】
ー ショーン・ベイカー監督は前作「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」で、プア・ホワイトの現実をスマホで撮った映像で観る側に見せつけた監督である。
貧しいながらも、全身刺青が入った母親(だが、優しい。女優さんはショーン・ベイカー監督が見出した。)の元、育つ小さなムーニーが”夢のワンダーランド、ディズニーに憧れる姿に、劇場で観て涙、駄々洩れになった事は今でも覚えている。あのカリフォルニアの陽光の元・・。-
■落ちぶれて無一文になったポルノ俳優・マイキー(マイキー・レックス)は、故郷に戻って別居中の妻・レクシーの家に転がり込む。
ブランクのせいで仕事もなく、昔のつてでマリファナを売って糊口をしのぐ日々。
だがドーナツチェーン店で働く18歳の少女、ストロベリーとの出会いを機に、彼は再起を夢見るようになる。
◆感想
・元ポルノ俳優・マイキーの人生を舐め切った生き方と、周囲に迷惑をかけまくりの生き方に苛つく。
ー 職を失ったら、元妻レクシーの家に転がりこむ姿と、口先三寸で過ごす姿。-
・そんな中、マイキーはドーナツチェーン店で働く18歳の少女、ストロベリーに眼を付けるのである。
ー で、驚くのはストロベリーの、飽くなき性への追求である。大丈夫か!アメリカ!-
・マイキーも、精力剤を飲みつつ、レクシーの要求に応えつつ、ストロベリーを一流のポルノ女優にして、自身も第一線に復活しようと画策するが・・。
<前作と比較すると、少し空回りしてしまっているかな。
途中、二度流される忌むべきトランプの演説シーンも効いていないと思った作品。
但し、プア・ホワイトの実情に迫っているとは思うので、この路線でショーン・ベイカー監督には、行って欲しいと思った作品である。
それにしても、マイキーも元妻レクシーも周囲の人もダメダメじゃん!と思った作品である。
これじゃ、プア・ホワイトの現状は抜け出せないよ。
きっと、これは、ショーン・ベイカー監督の意図だと思った作品でもある。>
素晴らしかった
久しぶりにいいクズ男の映画を見た。しかし、クズなりに明るくていい。またヒロインの17歳が話し方がキュートで彼女も明るくてすごくいい。物語は、予想もつかない形で転がって、主人公は全裸で街を走る。ただ、若い女の子を躊躇いなくポルノの世界に誘うのはどうかと思う。
どんな形であれ、明るく生きることができればいいではないかと前向きなメッセージを感じる。
どうしようもない男のファンタジー
微塵も良さがわからん
実際に過去にポルノ出演経験があり、
その映像が流出したことで一時表舞台から
姿を消していたこともあるサイモン・レックスが
マイキーを演じることで、リアリティはあるのだろうけど
マイキーのクズっぷりがどーしても好きになれん。
いつまでも過去の栄光にすがりつき
その栄光も大したことない。
(結局何も受賞してない🏆✨)
評価が高いことに驚くが、どうやら高評価を
付けてる人の8割は男性のような印象🤔
自由奔放なマイキーの生き方と
どこか憎めない、魅力的が男性にはハマるのでしょうか。
この作品に2時間超えはキツい😫
一番情けない場面で、一番かっこいい曲が流れて、その一瞬に人生が凝縮された。
このバカチンがぁ
ポルノアカデミー賞(AVN awards)のノミネート常連男優だった男の儚い夢物語。
なかなか貴重なアメリカのインディーズ映画。
フロリダプロジェクトのショーン・ベイカー監督作品。
主演のサイモン・レックスは実際、過去に出演したポルノビデオの流出により人気を博していたテレビドラマシリーズを2001年に降板させられ、長~い不遇期間を経験することになったらしい。
何度もAVN最優秀賞を受賞している元ポルノ女優の妻レクシーとその母親の暮らすテキサスにバスを乗り継ぎ、スカンピンで着の身着のままの姿で戻って来て、泊めてくれと懇願する。
母親役のおばあちゃんは咥えタバコで、ベイカー監督に「私のトラックのエンジンかけてくれるぅ~?」と言ってきたド素人らしい。キモが座っていて、素のままの自然な演技をしているのがスゴい。
ヒロインのストロベリー役のスザンナ・サンは「ドントウォーリー」をかけていた地元の映画館のロビーで監督がスカウト(ナンパ)した素人。
ベイカー監督は地元感を出すために出演者を地元で調達するのが天才的にうまいらしい。
ストロベリーはドーナッツショップでアルバイトしている高校生。
ストロベリー🤩
ドーナッツショップの名前は
Donuts Hole.
エッチだよね。
くりぬいた部分はボール状にして揚げて安価で売っている。
タマタマは男優の出演料並みに安い。
と、いうことかねぇ
十条商店街の鳥大のチキンボール(一個10円)を思い浮かべてしまいました(笑)
クズでクソ
登場人物が一人残らずクズ。
主人公マイキーのクソなクズっぷりは群を抜いているが、(元?)ポルノ男優という自分の職業に誇りを持っていて、ベテランらしいさすがな知見とノウハウを持ち、常に鍛えて「見せるカラダ」を保つを怠らない現役プロフェッショナルなことに感心していたら、なんかホンモノの方だったらしい。なるほど。
まっとうに働いているのは高校生のストロベリー(めっちゃカワイイビッチ)くらいで、あとは昼間から家にいる無職の皆さん。
アメリカの底辺の、その日暮らしの彼らの堂々たるクズっぷりがたくましく、清々しささえ感じる。カリフォルニアの青い空が妙にしっくりきます。
人々の日常描写だけで面白い映画を撮るって難度が高いと思う。よくまあ、こういう映画を作れるよね。この監督好きかも。
映画的IQは高い
「フロリダ・プロジェクト」のショーン・ベイカー監督。
「フロリダ〜」はキッツい状況に生きる子どもたちをリアルに描きながらも、そういう暮らしの中にある“キラキラ”を掬い上げ、実に巧みにスクリーンに映し出していた。
落ち目のポルノ男優マイキーを主人公に据えた本作も、登場人物全員が無職か非正規で、売春あり、麻薬販売ありの暮らしをしている。
隣に住む心優しい友人を巻き込んだマイキーの「罪」は裁かれず、また、マイキーが当てこんだ一発逆転で再起するプランもうまくいかない。
このように映画的な予定調和を否定しながらも、映画としては素晴らしいシーンの連続だ。
例えばラスト近く、マイキーは全裸で町を走る。
マイキーはそれにふさわしいクズ男、何しろ画面で脱ぐのが本職である。
走る舞台もまた、石油精製工場以外ロクな産業がない埃っぽい町。
このように、このシーン1つとっても、背景と画面の説得力にまったく隙がない。
ポール・トーマス・アンダーソンの名作「ブギーナイツ」への参照もあり、映画的IQの高さを感じる作品。
前作に続きアメリカの底辺を丁寧に見せてくれる
口だけ達者な元ポルノスターの主人公マイキーが、一文無しで故郷のテキ...
口だけ達者な元ポルノスターの主人公マイキーが、一文無しで故郷のテキサスの田舎町に舞い戻り、これまたポルノ女優の元嫁の元へ転がり込んで再起を図る物語
映画終盤、マイキーが街を出ていく(ほぼ逃避行だが)ことを決意し、それを元嫁に伝えてしまう。
これが何も言わずに出ていく申し訳なさを感じてのものであったかは分からないが、結果的にとんでもなく裏目ったところに救いようの無さを感じた
大好きだ‼︎
これは「バッファロー'66」を思わずにはいられない傑作。今年のベストの一本だろう。
LAから故郷テキサスに戻った元ポルノ男優のマイキー。別居していた妻レクシーと義母が住む家に無一文で潜り込んだ。数々の賞をとったスターだと言うが定かではない。言い訳と自慢話だけのクソ野郎だった。
レクシーとて客をとって日銭を稼ぐ底辺の生活。マイキーが大麻を売って稼いだ金とセックスで満足した。
マイキーが思いを寄せたドーナツ屋で働く高校生のストロベリー。歳がいくつ違うねんとツッコミを入れようとしたが、彼女も本物のビッチだった。
そう、これはクソのような社会で生きるクソのような人々を鮮やかに描いた正真正銘の傑作。登場人物すべてがクソなのに愛おしくて仕方がない。
もう皆んな大好きだ。
この作品が大好きだ。
私は支持者ですがね
「観る人を選ぶ」っ言い方する人多いけど、たかが映画ごときに選ばれる筋合いなんかありませんよ。観る人の好き嫌いが別れる、ってだけのことです。「観る人が選ぶ」でしょ。
この映画も好き嫌い別れます。アメリカの下層階級をリアルに描いているので美しい物や映画に夢を求めるタイプの人は生理的に受け付けないだろうから、内容以前に観ない方がいいです。
ずっこけ勘違い男が殆どドジを繰り返しながら時々成功して、女子高生をひっかけるだけ上手くて、周りの人たちもサイテーとまではいかなくても、どうにも感心しないヤカラが続々登場します。作り方によっては悲惨で暗い話になりますが、この監督は「フロリダ」同様に彼らを決して惨めに扱わず、かといって共感しているワケでもなく「あーあ、君たちしょーがねーなー」的な視点のホドよいバランスで適当におちょくりながら撮っているところが何とも支持者にはたまらないところです。
ただし、人には奨めないくらいの良識はあります。
ポルノ男優 設定がいい!だからSEXが軽く見えてくる
設定の妙
主人公はポルノ男優(だった)
はちゃめちゃ、SEX、ヒモ、女たらし・・
が、先入観にあるから
逆に、細部の仕草や行動が、やたらに真っ当
真っ当なのは、単純、素直!?
ストロベリー🍓ちゃんは
確かに、それっぽい(最高)
下品で下心のある寅次郎みたいだが違う奴である
テキサスの工業地帯にある街の朝昼晩の空気感・雰囲気・美しさの描写は流石『フロリダ・プロジェクト』の監督。元ポルノスターだったのだけが真実の嘘付きまくり・要領だけの男、さて次はどうする?
①ヤルこととハッパ以外にすること無いんかい、と言いたい映画だが、プアホワイトとプアブラックの生活ってこんなもん、というリアリティーがある。
②無一文で故郷に戻ってきた男が、口先と要領だけで自分勝手な夢を叶えそうになったと思ったら周りがもっとしたたかで無一文に戻りましたとさ、というお話。
すっかりその気にさせたローカルの女の子(とてもポルノスターになれそうもない)の前で笑うしかないラストのアップ。
成長せん男を愛嬌たっぷりにどこか憎めない男として造形化したのが成功している。
どこかふてぶてしい別居中の妻とどこか狡そうなその母親を演じた女優達も印象的。
③あのぺ⚪スの長さはさすがポルノに出ただけのことはあるね。
人たらしのクズの魅力
人たらしって少し苦手だ。初対面から人との距離が近いのに、いつの間にか人に取り入ってて、多少生意気だったり他人に迷惑かけても許されたりする。そして異性にモテたりする。
本作の主人公はそんな人たらしの元ポルノ男優。金も定職もないし嘘をつきまくる。でも、気づくといろんな人とそれなりの関係を築いて、ヤクを売りさばく仕事で少しの金を得るようになる。なんか自由に生きている感じだ。本当にクズって感じなんだけど、なんか憎めないんだよな。近くにいたら少し嫌悪しつつも完全には見捨ててないかもしれない。
正直、何かのテーマを訴えるような内容ではない。それなりに大きな事件は起こるがそれもマイキーがクズさを全開にした対応をする。なんだよこれ、と思いつつもそれなりに楽しんでしまった。
そうなんだな、この手の人たらしって嫌悪と同時に自分ができないからこその一種のあこがれを抱いてしまうんだ。ポルノ俳優になりたいとかではなく、何物からも自由な生き方に。でも、決してなりたいわけでもない。だからこそこんな映画の存在価値があるんだと思う。
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