わたしは最悪。のレビュー・感想・評価
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女性に関する十二章
予告編で街の人々が静止している中を女性が走り抜ける映像に惹かれたので見に行ったのだが、あの箇所を除くとほかはそんなに飛び抜けたシーンはなかった。ああいう映像の遊びがあと10くらいあると良かったのだが。「1秒先の彼女」にも似たシーンがあって、あちらもよくわからない理屈だったが、この映画でも主人公とアイヴィンは丸一日過ごした後に前の日の朝に戻っているので、「1秒先〜」と同じく“失われた一日”パターンなのか?彼女の心象風景とかで済ますには謎が残る。
ジョコヴィッチ似の漫画家とレンドル似のバリスタの間で心のラリーが行ったり来たりする主人公は、ちょっとどうなのとは思うが、所作や感情表現がいちいちリアルで自ずと寄り添わされてしまう魅力はある。基本ささいな日常のスケッチではあるが、章で区切ることで良いメリハリになっている。
ちょっと古い統計だが、ノルウェーの年間の映画製作本数は27本で、世界31位だそうだ(2009年。ちなみに.日本は同年448本で4位)。月に新作2本程度か。人口も少ないので当然マーケットも小さく、映画産業もなかなかきびしいと思われる。
トナカイと接近遭遇するシーンが心地よかった。ああ、まさしく北欧だなぁ…と。
人生はその都度の選択
映画は序章に始まり、12章の本論があって終章で語り終わる「ユリヤ(レナーテ・レインスベ)の人生の物語」です。『わたしは最悪。(原題:The Worst Person in the World)』、思い切ったタイトルですが、元々自分の性格をおおいに自覚し、客観的に見て語られた「彼女の自伝」になっています。
ユリヤは、自分の力で制御できないようなことにぶつかると「方向転換」を辞しません。若いころはそれが自身の進路のことなど、主に自分自身への影響で済むことでしたが、年齢を重ね、男性と交際をすることでそれが自分以外にも影響し、更には人の生死にまで及ぶこととなり、おおいに思い悩み、そして選択に苦しみます。
しかし、彼女の性格を理解し、そこを含めて彼女を愛している男性たちは、最終的に説得しようとすることを諦め、彼女の生き方を尊重することを選びます。その点では、ユリヤの選ぶ男性の正しさも裏付けられるような気がします。或いは、最後まで見れば、全ての選択についての意味と、自身の人生について納得している彼女が語っていることなのだと理解ができるのです。
ちなみに私、このユリヤの生き方に強いシンパシーを感じます。
(それを踏まえて、)他人の映画評を読んでいるとたまに「主人公に共感できない」と低評価を付けているのを見かけることがありますが、そのたびに「共感と評価は別物だろう」と思ってしまいます。逆に、私にとってこの作品、共感云々を評価に直結させているつもりはありません。純粋に面白いし、きちんと今の時代の作品になっているし、時に思い切ったVFXによるギミックで楽しませてくれます。特に『第5章:バッド・タイミング』における「思わず走り出すシーン」は印象的です。
悩み
「北欧では〜」とよく進歩的な例として取り上げられる事は多いが生活に溶け込んだ先進のテクノロジー、社会通念の変化はあっても人間の憂い迷いは普遍
周囲には衝動的かつセルフィッシュに写る主人公がなりたい自分を探し当てる道程の悲喜こもごも
主演女優は最高。
主役女優は魅力的でした。
わたしは最悪。
自由奔放の30才女性の生き方を12章で描く恋愛ドラマ。
自分の未来の可能性を諦めきれず安定を望まない主人公ユリヤの行動に右往左往する男性達。
ラブシーンも卑猥には見えず変態チックな行為もこの美人なら許せてしまう。
題名のセンスが微妙な感じ”わたしは最悪。”と口では言うが勢いで行動してしまう主人公に共感できる女性は多いかも。
女性監督の作品かと思っていましたが男性監督とプロデューサーのオリジナル脚本でした。
人生の岐路に迷っている方、彼女の決断と行動力は何かの指針になるかも。
大人の女性向けの作品に感じました。主人公の女優はとても美人で魅力的に撮れてます。
個人的には彼女に共感はできませんが飽きないで見れました。
同世代の女性が見れば、「いいね!」を連打したくなる作品だと思う
中年男性が見た感想。
映画って
「主人公に感情移入できるか?」
「主人公に共感できるか?」
が大事だと思う。
それが出来ないと、「ストーリーに入り込めない」から。
「良いヤツ」に感情移入、共感できることが多いが、
「イヤなヤツ」だから「感情移入、共感出来ない」とは限らない。
例えば、「アイアンマン」のトニー・スタークは嫌なヤツだが、魅力的で「弱さ」があって、「人間的」なので、感情移入、共感できる。
一方、「スターウォーズ」のアナキン・スカイウォーカーは共感出来ないイヤなヤツの典型だ。だからエピソード2~3はストーリーに入り込めない。
主人公のことを、
「ワガママで自分勝手なバカ女」
と思うヒトもいるだろうが、私は彼女に対し、そうは思わなかった。
自分探しが迷走中で、仕事も彼氏も定まらない。そういう自分自身に対する憤りがありつつ、でも「自分がどうしたいか?」が分からない、という感情は誰しもあるのでは。
(もうちょい年齢を重ねると、体力も選択肢もなくなるので、諦めというか達観することになる)
それに、恋人、友人、家族に対する「感情」は、「感情的」というか「直感的」になのは仕方ないのかな、と。
それより、彼女の「行動力」が羨ましく思う。
同世代の女性が見れば、「いいね!」を連打したくなる作品だと思う。
てっきり女優さんの自作自演かと思った
あまりにリアルな、演技を超えた自然すぎる佇まいに、
「これはこの女優さんの自伝なのかな…?」と勘違いした。
本屋でアイヴィンを偶然見かけた時、思わず顔がパッと明るくなるシーンとか、
演技では出来ないような超自然体!!
最初はナレーションがあったのに、いつの間にかなくなったり、
統一感のない演出とも思えるし、ちょっと長いし、
ストーリー自体ありがちと言えばありがちだけど、見て悪い気はしない映画でした。
自分の人生を生きていますか?
映画館で、主人公以外の時間が止まる予告編を観た時から楽しみにしてた映画です。
ラブストーリーで、序章と終章、12の章で成り立っていて、観やすいです。
爽やかな映画かと思っていたら、露骨で卑猥な性的表現が結構あったり、お下劣ですね少し…
でも、心に響くセリフがあり、
「私の人生なのに、傍観してて、脇役しか演じられない」とか、
「失敗を恐れて時間をムダにしてきた、でも不安な事は案外うまくいく」とか、
(一字一句おなじでなく、少し間違ってるかもです)
すごく心に刺さりました。
面白かったけど、そこが着地?そんな終わり?でした。
甘めの4です。
世間一般の既成概念などに閉じ込められず、本当に自分がしたい事を、本当の自分の人生を、生きるべきです。
そう思いました。
あ、結構エロイですよ、この映画(笑)
「あなたは最高」と言ってくれる人と出逢い
人生の決断に対して、“果たしてあの決断は正解だったのか?”“あの時〇〇していたら”というタラレバが脳裏をよぎる時がある。
ユリアとアクセルの2人を見て、自分自身の体験が蘇った。
映画やドラマのように人生がスムーズに進む人ってどのくらいいるんだろう。
とりわけ人間関係や恋愛は本作のようにタイミングが合わなかったり、人生のステージや求めるものが違うとあっという間に終止符が打たれる。
多くの人が今いる場所に不満や疑問を抱きながらも行動せずに、惰性で生きている。
だからこそ迷い、つまづきながらも、オスロの街で果敢に生き抜く逞しいユリアに対して、羨望や共感が大きかった(もちろん老婆心もあるが…)。
(以下、ネタバレ)
10章から物語が大きく動き出す。ベッドの上でアクセルがヘッドホンをつけて踊る姿になぜか涙が止まらなかった。アクセルがユリアに「君は最高だよ」と話すシーンがある。自信のなかったユリアが最も求めていた言葉じゃないだろうか。
こうして自分を認めてくれる人がそばにいてくれるだけで希望が持てる。だけど、大事な人、大切なことって失ってから気づくんだよね…。嗚呼、人生。
期待をもたせない“人生讃歌”に好感が持てる。
傑作です。
万人に薦めずらい描写もありますが、傑作だと思います。湿度、気温までも伝わりそうな実在感のあるカットに感動しました。シーンに描かれていない時間すらも伝わる細やかな情景には誰もが没入出来ると思います。目線、表情の説得力も最高です。ストーリーに関しては、恋愛や価値観、選択の話なので各々の経験値や考え方で評価は分かれるものだと思います。それでも劇中の彼らの実在感が素晴らしいので、そういった余白を生み出せる作品は傑作と言うべきなのだと思います。日常における輝かしい瞬間、自分を見つめ直す瞬間の切り取り方が尋常じゃないです。
意外に含蓄のある内容でした・・・・1秒先の彼女のパクり?シーンあり
わたしは最悪っていうほどではありませんよ。医学部に入り辞めて、臨床心理士、それも辞めて、写真専門学校と適性を求めてさ迷う美人さん。臨床心理の先生と付き合って、その後は15歳年上の風刺漫画家とお付き合い。なかなかのリア充ではありませんか。
見終わって、気がついたんだけど、ダコタ・ジョンソン系の健康美人が好きみたい。
なかなか、唸らされるセリフが多くて、チクチクと刺される感じがした。年とってる方が奥歯に凍みるような内容。もう一回、チクチクされに行こうか思案ちう。
ただ、去年観た台湾のチェン・ユーシュン監督の映画、「1秒先の彼女」の一番印象的ないいシーンをパクっていたのはいただけないけど、旨い❗
鑑賞動機:ポスターと邦題のギャップ3割、トリアーだと?3割、脚本賞候補4割。
ポスターのシーンがどういう状況下かわかって驚く。最近観たアレと同じように撮ったのだろうか。あと煙を使ったあれはCGとか使ってるのだろうか。映像はその二つが目を引いた。
最初ナレーションはお母さんですよね。でもそうじゃないところもある。ユリヤが書いたエッセイ/小説という設定?
何が正解か答えがないのが人生なのだろう。結婚や子供みたいな大きな出来事だけじゃなくて、日々の自分の選択の積み重ねにより形作られていくものだと思うけど。死ぬ時にいい人生だったと思えればいいよね。
人生における大きな選択は先が見えず、不安になるという点で主人公に共...
人生における大きな選択は先が見えず、不安になるという点で主人公に共感出来たが、人生のターニングポイントで逃げ続けてしまう主人公には共感できなかった。
彼女に起こる出来事が自業自得だと思ってしまう時点で本作を楽しめていないと感じた。
人の心は気まぐれで難しいと思ってしまった。
男子ってそう思ってんだ〜
わたし30代半ばの女ですが、共感できなかったな。
男が理想とする女ってことなのか…?
男目線で「最悪」を描くとこうなるのか…?
終始、男子ってそう思ってんだ〜って一歩引いて観てた。
わたしは最悪。タイトルは好き過ぎる。
期待値は勝手に上げないのが吉
その名の通り、最悪な映画だった。
と言うのも、本作について知っていた事といえば
デンマーク出身の監督の、アカデミーノミネート作品
という事くらい。
それで、題名『わたしは最悪。』と来た。
しかも、評判は高い。
ほうほう、きっとタイトル通り
「わたしは最悪(な状況に意図せず置かれてしまったけれど、それでも何とか生きていく)」
的な話かなーと勝手に想像して盛り上がってたんですよ。
なんとなく「フランシス・ハ」的なね。
その次にポスターを見て、それもよかった。
さらに、期待値は上がったものの少し気がかりなのが
主人公の女性が、飛び切り愛嬌のある笑顔で
走っていたポスターだった事である。
はて、彼女の話か。彼女が最悪な目に遭っているのが
想像つかない。
そして、鑑賞。
これ、「わたしは最悪。」ではなく
「わたしが最悪。」だった。
主人公がクズすぎて最悪の人物だったのだ。
(これは明らかに言い過ぎてるが、こんな掌返し感があった。勝手に想像膨らませたわたしが悪いが。)
始まり方は何となく好きでしたよ。
章立ててはじまっていく感じ。
(ただ、12章って多過ぎるよね…。)
しかし、内容はどうよ。
全体を通して言うと、
まず、映画への愛は感じるが余りにも詰め込みすぎて、
お腹いっぱいなのに、口に詰め込まれてる感が凄い。
(アニメーションは良かったけれども、
町中の時間が止まるシーンとかくど過ぎる。
お前らの為に世界は存在するんか。
「1秒先の彼女」の止まり方のがまだ良かったわ)
それと、SDGs全部やるんじゃないかってくらいの
広範囲の問題提起。
女性軽視や、環境問題、暴力描写、表現の自由。
画としても示すくせに、そのオチはぜんぶ
過激派ぽい人(フェミとかヨガとか)が出てきて終了。
それに対して主人公たちは、
やれやれ、、的な空気感。
なんじゃそりゃ!!!
それが現実社会の反応かもしれんけども!
そのレベルなら取り上げなくて良くない!?
主人公は男性との議論中も噛み付くように言い返すが、
それが何になる訳でもない。
なんだ?監督の言いたいこと言ってるだけ??
それって映画じゃないよ!
さらに、物語は後半につれ、その名の通り最悪に。
なんと、主人公の元彼が病気で死ぬと言う。
……まあ、ここまではいいよ。
で、そのあと主人公とダラダラと過ごして話して…。
こんなシーン要る!?
彼が死にゆくとき、何を想うかなんて
正直、知らないよ!
てか、あなたの事をそんなに知らないよ!
もう彼女には次の問題が訪れてるのに
今それに構ってる暇はないよ、、。
どれだけ絆があったか知らんけどさ…。
でも浮気で別れてるんやで…。
過去が未来がとか、これもどうせ監督の主観を
喋らせてるだけじゃん…とか思ってしまいました。
それでもって彼氏との妊娠の問題は
余りにも短くあっさりとしたシーンで終了。
え??
そして終章で、彼氏はまた別の人と…。
まあそれが人生なのかもしれないけど、
そのまま映画にしても、それは日記だよ。
(何年かぶりにイライラし過ぎて劇場を出たくなる現象に襲われた)
最後に、主人公の人間性について。
彼女は、本能に従うタイプで新しい物に目移りしがち。
ここまでは何も言う事ないのだが、
観客が、絶対するなよ、って事を平気でする。
それが愛すべきキャラではなく、
憎むべきキャラに出来上がってしまっているのだ。
ここに関して理由は分からないのだが、
おそらくは彼女すら彼女の選択に納得していないからだと思う。彼女も迷いつつ、しかし本能には従う形で行動している。そしてそれの仕打ちを被るのはいつも、彼女以外の誰かだ。
「わたしの最悪な行動により、周囲の人が不幸になる」
映画なのだ。
思えば、初めからそうだった。
彼氏の母親?は、彼女に勧められてダンスを始め、
そして怪我をした。
彼女の行動は、常に誰かを傷つける可能性を孕む。
それは、彼女自身も。(最後には流産してしまった)
しかしこれって社会の中で生きる人、
全員に言えることでは?
と書いていて、答えにぶち当たった感があるが、
それでもこの描き方は気に食わない。
もう少し、彼女の葛藤が見えれば…。
思い返してみると、彼女は友達がいない。
彼氏や家族と過ごす以外で、親しい友達がいない。
彼女は、そういう人なのかも。
周囲を傷つけるのを恐れているが、
本能には逆らえない。
と、まとまらなくなったが、
答えが出ても本作は好みでない。
でもこれは監督との相性とか
その辺の問題な気がします…。
それか私の心が狭い。
または、彼女の傷に気が付けなかった。
ただ、中盤で彼女が書いた記事、
「わたしは硬いのを"創る"のが好き」
って表現は、なるほどなーと。
今まで持っていた感覚を上手く言語化した感覚で、
物凄く腑に落ちたというか、ああそういう事か!
となりました。
主演の彼女は、体当たりな演技で良かった。
どこにいても絵になる。
そしてなんと言っても可愛らしい笑顔である。。
衣装も好みだったのだよな〜…。
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