コンパートメント No.6

劇場公開日:

コンパートメント No.6

解説

長編デビュー作「オリ・マキの人生で最も幸せな日」がカンヌ国際映画祭「ある視点」部門の作品賞に輝いたフィンランドの新鋭ユホ・クオスマネンが、同国の作家ロサ・リクソムの小説を基に撮りあげた長編第2作。

1990年代のモスクワ。フィンランドからの留学生ラウラは恋人と一緒に世界最北端駅ムルマンスクのペトログリフ(岩面彫刻)を見に行く予定だったが、恋人に突然断られ1人で出発することに。寝台列車の6号客室に乗り合わせたのはロシア人の炭鉱労働者リョーハで、ラウラは彼の粗野な言動や失礼な態度にうんざりする。しかし長い旅を続ける中で、2人は互いの不器用な優しさや魅力に気づき始める。

2021年・第74回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、グランプリを受賞した。

2021年製作/107分/G/フィンランド・ロシア・エストニア・ドイツ合作
原題または英題:Hytti Nro 6
配給:アットエンタテインメント
劇場公開日:2023年2月10日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第79回 ゴールデングローブ賞(2022年)

ノミネート

最優秀非英語映画賞  

第74回 カンヌ国際映画祭(2021年)

受賞

コンペティション部門
グランプリ ユホ・クオスマネン

出品

コンペティション部門
出品作品 ユホ・クオスマネン
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(C)2021 - AAMU FILM COMPANY, ACHTUNG PANDA!, AMRION PRODUCTION, CTB FILM PRODUCTION

映画レビュー

4.0狭い寝台列車の濃密なドラマ

2023年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

恋人にドタキャンをくらい、一人で極北にペトログリフ(岩面彫刻)を見に行くことになる主人公が、寝台列車で乗り合わせたのは粗野なロシア人青年。普段、彼女の周囲にいるインテリ知識層とは全く異なる労働者階級の彼とは当然折り合いが悪いのだけれど、なぜか惹かれていく。寝台列車の狭い部屋を共有する2人が親密になっていく過程を、その場に居合わせたかのような手持ちカメラがみずみずしく捉えている。
荒涼として、寒々しく雪に覆われた北の大地は世界の果てのように感じさせる。ここではだれでもいい、人のぬくもりが欲しくなる。2人の間に生まれたのは、恋だったのか。それとも一時のぬくもりを求めただけなのか。フィンランド映画には独特の乾いたユーモアと人間を見つめる目線がある。取るに足らない人間たちの滑稽さを愛らしさが詰まった秀作。

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杉本穂高

4.590年代後半のロシアに灯ったほのかな希望。

2023年2月28日
PCから投稿
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村山章

4.5この愛おしさ、微笑ましさ。旅の歓びが詰まった秀作

2023年1月31日
PCから投稿

何気なく観たこの映画に思い切り心を奪われた。フィンランド人留学生の女性ラウラは列車に乗りロシアの最北端駅まで向かう。目的は現地にあるヒエログラフを見ること。ただしその列車の旅はひたすら長いもので、しかも彼女が寝泊りする6番個室は、気が滅入るほど無作法なロシア人リョーハと相部屋だ。彼はこれから炭鉱で働くために現地を目指すのだという。2人はまるで水と油であり、旅行好きな人にとってはこういう旅行者と隣り合わせることで全て台無しになるのも「あるある」と頷けることかも。でも本当に面白いことに、共に過ごす時間の長さ、超えていく距離が2人の不理解のギャップを埋め、本作は移りゆく感情をとても繊細かつ微笑ましく紡いでいく。完璧には通じない会話。80年代特有のカセット。ハンディカム。不便な車内、無愛想な車掌。その全てが愛おしく見えてくる不思議。観終えると誰もが同じ思いを抱くはず。「ああ、旅に出たくなった」と。

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牛津厚信

3.5Romance When You Least Expect It

2023年1月10日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

Intercontinental train travel is where one feels insignificance as the size of the world moves by. Laura is a Finn on a train on her way to study some old calligraphy in Northwest Russia. She ends up roomed with an obnoxiously drunk man, but with no other place to sleep, must bite the bullet. The film wants to have us defy expectations, in an era it sees bent on hard-coding our behavior.

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Dan Knighton

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