ノイズのレビュー・感想・評価
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自分が畠山刑事に追い詰められている気がした
観ていてとても苦しい映画である。判官贔屓でどうしても立場の弱い3人の主人公に感情移入してしまうから、永瀬正敏が演じる畠山刑事が憎き敵に思える。ましてや暴力も不法侵入も脅しもなんでもありの無法刑事である。この刑事を嫌うなというのは無理だ。
3人の主人公は、胆の据わったふたり、藤原竜也の泉圭太と松山ケンイチの田辺純に対して、気の弱い神木隆之介の守屋真一郎には恐怖感の落差があり、圭太と純の間に微妙に流れている違和感があって、関係性はとてもスリリングだ。そこに畠山刑事が揺さぶりをかけてくるものだから、こちらまで脅されている気になる。
後半になると畠山刑事の推理が冴えてくる。バイオハザードのゾンビのように、レオンやクリスの前に島民が立ちはだかってくる気さえしてくる。もし畠山刑事が「相棒」の杉下右京警部のように穏やかで紳士的であったらどうだろう。暴力的な畠山刑事よりももっと怖かった気がする。廣木隆一監督も本当はそうしたかったのかもしれないが、あちらのドラマがあまりにも有名なので、同じようには出来なかったという事情があるのかもしれない。
芝居の上手な4人に加えて、柄本明と余貴美子の名人ふたりが脇を固めて物語にリアリティを与え、守るべき対象としての役割の黒木華の加奈が、圭太の恐怖心を増すと同時に、覚悟も決めさせる。事情を知らずに落ち着いている加奈と、当事者である圭太の会話は、どれも短いシーンではあるが、スリルに富んでいる。流石に舞台俳優同士の面目躍如だと感心した。
神木隆之介はこういうナイーブな役がとても合っている。ある意味で事態を収拾困難にしてしまった守屋巡査の「カサブタ」というひと言が、その後守屋巡査自身を苦しめ続けることになるのだが、その一連の演技が素晴らしい。
松山ケンイチは映画「BLUE」で演じた温厚でストイックなボクサーの主人公瓜田がこの人の真骨頂だと思った。本作品の純は物語の中で唯一複雑な役だが、心に闇を隠しているような演技が秀逸だった。
観ていて苦しいのは、本作品が人間の欲や恐怖や愛情や怨嗟をストレートに表現しているからだと思う。まるで自分が畠山刑事の鋭い視線にさらされているかのように感じるのだ。その意味でも畠山刑事の人物造形は成功しているし、永瀬正敏の演技は実に見事だった。
町長のキャラクターがノイズ
藤原竜也、松山ケンイチ、神木隆之介それぞれが、迫真に迫った演技で人間の闇へと誘ってくれる。と言いたいところだが、第二の殺人を誘発するシーンで興醒めしてしまった。田舎の町長をカリカチュアするのはいいとしても、このテイストで行くなら『ファーゴ』みたいなブラックコメディにしないとおさまりが悪い。
コントのような演出をしておきながら、殺人を隠蔽しようとする3人はシリアスな演技を続ける。リアリティラインを下げた2時間ドラマを劇場で見たいとは思わない。
閉鎖的な島民の描き方も、ステレオタイプそのものだし、それに食ってかかる刑事も言わずもがな。これらは演出側の問題で、俳優陣の演技は申し分ないことは言っておきたい。
よくもこれだけの名立たる役者をそろえて駄作を作ったものだ。 ①そも...
神木くんの主演喰い
後味の悪いお話と、納得のいかない脚本。
原作漫画未読で拝見したのだが、県警の刑事・畠山(永瀬正敏)が島の若者たちを追い詰めていく動機が弱い。
例えば最初の殺人犯・小御坂と因縁があって「手口が違う」とかが理由としてあれば、全く印象は変わるのだが。
また、真犯人の設定が後出しすぎて、典型的な「実はこうだったのだ」なご都合脚本。
それでも最後まで観られたのは、三人の若者…特にダブル主演の二人を食った、センシティブキャラな神木隆之介くんの演技の力と。
柄本明の存在感。
あとは、場面ごとの緩急、特に違和感とシーンに馴染むリズムがコントロールされた音楽のおかげかな。
良くある展開
なんなんだよ!おまえらは!!
無駄のないストーリーでスッキリしました
静岡の孤島で農園を営む泉圭太は幼馴染の猟師と新米警官が元殺人者を故意に殺してしまった。この事件を隠すために島民を巻き込んでいくサスペンス映画。
印象に残ったのは、横田のおじいさんと町長とのバトルシーンは不謹慎ながら思わず笑ってしまいました。スタンガンと鉈の組み合わせで戦うシーンは見たことがなかったので、監督の発想がとても面白かったです。
また、イチジクを使った撮影もよく考えたらすごいと思った。イチジクの収穫に合わせて豪華キャストをそろえて撮影するのは大変だと思います。収穫シーンは別撮りという可能性もあると思いますが、ロケーションに心血を注いでいるようで、さざ波の音や引きの画で島の環境を魅力的に映していました。
120分間緊張しっぱなしで登場人物全員あやしく思えてエンドロールを見るまでソワソワしてしまいました。この映画を観終わった後、原作はどうなっているのか気になってきました。
さあ、島を乱すノイズを排除しましょう。
原作は読まずに、先入観なしで見ました 中盤まではテンポもよく、引き...
殺人が明るみに出るハラハラと、その影で仕組まれている罠を楽しむ新感覚の作品
テレビでも取り上げられていたし、劇場予告でも興味を引かれていたので公開初日に鑑賞。
キャストの演技力に舌を巻いた。多くの映画で鑑賞してきている俳優陣だが、毎度疲れる。表現力が高すぎて、強烈な感情移入をしてしまうからだ。特に藤原竜也さんが叫んでいる時は自然と拳に力が入ってしまい、帰る頃には肩こりが。俳優陣の演技としては素晴らしい映画だと感じた。
本作は予告の通り、幼馴染の3人が島に来た犯罪者を殺害してしまって物語が動き出す。
鑑賞者は殺人シーンを目撃しているので、犯人をもちろん知っている。それが警察官に「バレるかバレないか」の焦燥感を楽しむ作品。警察官が序盤からいいところを突いているのが、スピード感があって良かった。これが1つ目の楽しみ。
そして、とある島の住人が暗躍し、罠を仕掛けていた。これは公式にも書かれている情報なので書いても問題ないはず。誰が罠を仕掛けているのか、その罠とはなんなのか。これを見破るのが2つ目の楽しみだろう。
そんな凝った作品ではあるものの、高評価をつけられなかった理由として、2つ目の楽しみである「罠」が分かりやすかったことが挙げられる。これは多くの人が気づいてしまったと思う。大オチの部分が透けてしまっているのは、少し残念に感じてしまった。
とはいえ、作品そのものとしては藤原竜也さんの演技は迫力があるし、作品の中で心を締め付けられるような悲しいシーンもある。見どころが多いのは事実なのでその点をオススメしたい。
PS 藤原さんがとあるシーンでスライディング土下座をするのだが、声が出そうになるほど面白かった。
若干、やり過ぎ感はあるけど・・☆
離島を舞台に、島の復興を担うと言われている青年とその幼なじみ達の生活に
突然「ノイズ」のように現れる犯罪者を、ある意味では正当防衛で殺害してしまったこと
から起きる人間模様。
そのサイコパスの犯罪者演じる渡辺大知が素晴らしい。
仕草の一つ一つ不気味な感じがして見入ってしまう。
松山ケンイチと藤原竜也はいつも通りの安定感ある演技で、個人的には藤原が
自分の抱いていたイメージよりずっと良かった。
夢を叶えて島の駐在所勤務の警官になった神木隆之介が真面目で切なさが
漂う雰囲気を醸し出し、三人三様の人柄が際立っている。
でも、この映画で一番印象に残ったのは、離島という閉じられた世界の他者を
全く受け入れずに自分達だけ守るという恐ろしいくらいの意識だった。
コロナ禍で、マスクとか店舗の営業時間とかで、自分こそ絶対正義と言わん
ばかりのコメントなどを目にした時と同じように、殺人そのものよりも
その圧力ともいうものに恐怖を感じずにはいられなかった。
後半途中から、本当のノイズ(犯人)がわかりかけるが、全編中弛みなく楽しめた
ミステリーだった。
追加だが、柄本明と余貴美子の「大御所ぶり」はさすが!
刑事の長瀬正敏も久しぶりに見れて、良いなぁ・・。
島の結末は?
最後のシーンちょっと意味不明ですが、最近のサスペンス映画よりは比較的に物語の主題と背景がはっきりしていて面白い。原作の漫画にちょっと興味が湧いてきました。
いい点
いきなり始まった異常な出来事、次々と予想がつかない展開、基本雰囲気作りだけのため無駄なシーンがなく、伏線も全部回収しています。タイトルの「ノイズ」は観てからとても意味深いと分かります。最後までどんな結末を向かうか想像できないため、途中からつまらなくなることはないです。
悪い点
テンポが全体的に遅い。無言のシーンとか顔アップだけで何分もずっと続ける。
予想がつかない展開と真逆に意外性がないエンディング。どんでん返しの結末がなく、結局全部の中心にある島の未来について何も説明がなかった。色々無駄な犠牲になった気分。某人物について、事件と全く無関係の回想シーンを出る時点でもうあれだなと分かった。
最後の終わり、もっと予想外の出来事、そして主役だけではなく島の人々についてその後の描写もありましたら更に面白い作品になると思います。
愛知の無花果〜✿
イチジクが食べたくなりました。
主演の3人を観れただけで大満足です。
島はどうなるんだ。
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