そして、バトンは渡されたのレビュー・感想・評価
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人の子、人の親であれば感動しないではいられない!!
離婚率の多くなった、現代社会ならではの設定にも思えるかもしれないが、親と子に「血の繋がり」がないというのは、なにも離婚だけではなく、戦争や災害によっても起こり得ることではあるし、海外においても2000年代以降、パートナーがいなくても人工授精によって妊娠したいという女性が増えたことや、LGBTがオープンになってきたこともあり、養子をとるという家庭も増えている。日本もそういった家族関係が今後増えていく可能性もある。
あらゆる状況によって、血の繋がらない家族関係というのは、今後増加傾向にあることは間違いない。そこで問われるのが、血の繋がりがなければ「母性」や「父性」というのは、芽生えないのだろうか?ということ。
『MOTHER マザー』(20)『マー -サイコパスの狂気の地下室-』(19)のように、実親であっても、いわゆる「毒親」と呼ばれる親を描いた作品も多く存在している。これも言ってみれば屈折した母性からなるものである。母性というのは、単なる形式的なものでしかなく、重要なのは血の繋がりの有無に関係なく、いかに相手を思いやることができるかだ。
森宮も初めて結婚というだけで、ままならない状況の中、さらに子供がいるということを土壇場で知らされ、急に環境が一変してしまう。「父親」とは何か?ということを常に自問自答しながら、自分なりの父親像を築いていく……。この過程が大切だと感じさせてくれる田中圭の好感度は上がりっぱなし。
ミステリー要素もある作品ではあるが、映画の宣伝においても頑なに隠され、ネタバレ規制をされている「秘密」や「嘘」は、正直言ってしまうと、前半でなんとなくわかってしまう。この秘密が何かを言葉ではなく、表情で感じさせる石原さとみの演技も必見だ。
今作が優れているところは、親と子のそれぞれの視点が絶妙なバランスで交差する点である。観る世代によって感じ方は違うかもしれないが、その時の自分の立場によって、感じ方がまた変わってくる作品だけに、何度観ても楽しめるだろう。
キャストの演技が素晴らしい。その点においては満点。大満足。
家族の愛が溢れるストーリー。
まず、タイトルにした通りとにかく演技がすごい。
ある家族の父娘を演じる田中圭さんと永野芽郁さん。実の親子ではない距離感がなんとも言えなかった。血の繋がらない親子がどのような関係かなんて知らないが、「きっとこんな感じなのだろう」と納得させられるほどの演技力だった。
永野さんは本当にウザがっているように見せつつも親を想うシーンではまるで甘えるような表情。田中さんは剽軽だけれども、真剣な表情で娘にアドバイスしたり、笑顔で助力を加える。状況に応じた表情や声の使い方の豊富さに、驚嘆して作品に集中できないではないか。
そしてある家族の母娘を演じる石原さとみさんと稲垣来泉さん。こちらも血の繋がりがないのだけれど、あからさまな愛情表現をぶつけ続ける石原さんに心酔する。「こんな奥さんが欲しい」と、思考が映画の本筋から外れて明後日の方向に行ってしまうレベル。稲垣さんはやはり前述の方々に比べると経験値の差なのか、表情はすごいのだけれど声の使い方がまだ自然ではない気がした。いや。十分すごい。すごいのだけれど、他の3人がどうかしているのだ。
これらのことから、演者に関しては本当に満点をつけたい——、などと私が評することがおこがましいと思うほどの作品だった。素晴らしい。
ではなぜ満点ではないかというと、ストーリーの構成がよくなかった。
本作は「〈命をかけた嘘〉〈知ってはいけない秘密〉」とキャッチコピーを打っているのだけれど、これらが推測しやすいのだ。恐らく大抵の人が序盤で、大オチの想像は出来てしまうだろう。
「あ〜、そのシーン見せないで! わかっちゃうからダメダメ!」などと心の中で叫びながら鑑賞していた。「伏線」ではなく「ネタバレ」に近いものを散りばめている感覚。正直、もっと分からないように工夫して頂きたかった。「〈命をかけた嘘〉〈知ってはいけない秘密〉」なのだから。
後は、リズムが急に悪くなる。
中盤で1つの感動の山が来るのだけれど、そこまではストーリーに無理があるにしろ進行スピードは悪くない。トントンと場面が切り替わり、時間が流れて行く。その後、ラストの大オチまでが長い。長すぎる。この物語の根幹を成しているのが終盤のシーンなのである程度間延びするのは致し方ないとして、そこに不要なシーンまで詰め込んでいる印象。
例えば永野さん演じる優子は、専門学校卒業後就職するが肌に合わず退職してニートのように過ごす期間が流れる。そしてその設定は以降どこにも掛かってこない。ナレーションで5秒で終わらせられる、特に意味を成さない映像を放映する必要はない。どうも尺稼ぎをしている感覚に陥って、好きになれなかった。
「ネタバレ映像」と「無駄なシーン」をカットすることで、中盤の山と大オチとの間隔、そして全体の放映時間を短縮できていれば、より鑑賞者の気持ちを盛り上げることができる作品だと感じた。
キャストが度肝を抜かれるほどの素晴らしい演技をしているので、この辺りまで気を配れていたら満点をつけていた作品。
PS これから鑑賞する方がいらっしゃれば、それぞれの親の秘密を推測しないでおこう。秘密が分かってしまうと驚きも感動も薄れてしまうので、成り行くまま鑑賞することをお勧めする。
出来すぎ
面白かったよ(でもみんな、ぜひ原作も読んでみてね)
どんなときも笑顔を欠かさない主人公の優子を中心にひろがっていく、小さな愛情にもとづく行動の数々... 幸せな感じになり、温かく涙できる映画、でした。
作中で「いいな、お互いを尊重してる感じでさ。実の親子より、よっぽどいいよ」と、主人公の彼は言うが、本作はそういう "比較" ではなく、実の親子も、結果的になった親子も、どちらもいいものなんだよという話なんだと思う。その点で、上の彼のセリフは少し残念だった。
以上がこの映画の感想です。ちゃんと面白かった。
ただ、原作とこの映画は、まったくべつのものだと思います。映画を観た方にも観ていない方にも、原作は読んでみてほしい。映画観た人も、まっさらな気持ちでぜひ読んでみてほしい。
映画は、梨花さんの話になっている感じがするけれど、原作は優子と彼女を取り巻くみんなの話。映画よりも、もっと広い "世界" というか "人々" に対して幸せを感じられるかと思います。また違うテイストで楽しめて、もっともっと幸せになれると思います。
------以下はネタバレあります。ご注意。
「私が勝手にブラジルへ行ってしまったから。いまさら後悔してもどうにもならない」という父のセリフにも、(原作は)そういう話じゃないんだよなあと強く感じる。上の本編に書いた彼のセリフもだけれど、反省とか比較とかじゃないんだよなあ・・・このなんだかもどかしい気持ちを、みんなにもわかってほしいな。
伏線のせいで展開が丸わかり
血の繋がらない親の間をリレーされ、4回も苗字が変わった森宮優子。義理の父親、森宮さんと二人暮らし。将来のこと恋のこと友達のこと、うまくいかないことばかり…。 そして、夫を何度も変えて自由奔放に生きる魔性の女・梨花。泣き虫な娘のみぃたんに精一杯愛情を注ぎ共に暮らしていたが、ある日突然、娘を残して姿を消してしまう―。全く違う2つの物語が繋がったとき、驚きとともに、今年最大の感動が訪れる、というストーリー。
名前を出さずにずーっとみぃたんと呼ぶので、これはきっと誰かなんだろうなぁと思ったら…。体の頑丈さに触れるところがあったので急に倒れたり死んだりするのではないかと思ったら…。というように丁寧に伏線が張られすぎて後々の展開が完全にわかってしまうので驚き、感動がやや薄い。
話自体や構成というより卒業式、結婚式、久しぶりの親子の再会などのシチュエーションにぐっと来てしまうのでこの話に感動させられてる感じがない。どの場面でも全員泣きすぎだし。
1番気になるのは、娘のためなら手段を選ばなさすぎる点。夫を変えたり、姿を消すことが最善と考えており、そして、それを全員が受け入れている点に違和感しかない。
特に手紙を送らないし、受け取ったものを渡さないのは非常に悪質で、あとから言い訳してもリカバーできない。
キャストは田中圭と石原さとみについてはやや無理のある世界観を成立させていたが、岡田健史の表情の硬さが気になった。
芽郁ちゃんの涙😂フルバージョンのオンパレード😁❣️
映画化って! こうなるのか!
監督の解釈、映画化へのこだわりが、見事!
こんなにも明るい映画に仕上げるとは・・!
キャスティングが全て!の仕上がりです。
石原さとみ起用、で決まりの映画🎦てす。
助演女優賞!だね。
これに、田中圭だもの、パーフェクト。
明るくハッピーな映画です。
バトンが渡される感を
編集、構成でうまく出していたのが、途中で分かった。
永野芽郁ちゃんそっくりの子役を
探し(きっと)起用した意味が
終盤でわかります!
これどこで泣くの!?と観客はトリックにかられる
期待しないで行ったのにすごく良かったです
”旅立ちの日に”が良い味だしてる。。
とんでもない女優達の共演
たまたま!
たまたま私はかなりの序盤に
カラクリがわかってしまい
“謎に包まれてる感”は
ほぼほぼ無かったけど
それでも、良い映画だったし
良いお話だし、観てよかった。
まーそれにしても
「女の子にはグサグサだろーな」って思ってたら
想像どーり!!!
私の周りの女性陣、全員号泣(たぶん)!!!
物語、演出共に、そりゃ刺さるわ!
ってシーンばかり。
これはもう素晴らしいとしか言いようにない。
監督の勝利です。
と、演出部を褒めましたが
俳優部もハンパねぇ。
永野芽郁さんは深夜のドラマから
注目してたので上手いのはわかってるが
更に上を行きましたね。いい女優さんだ。
石原さとみさん。こんなに芝居上手かったですか?
この作品は石原さとみさんに掛かってるますが
(特に終盤)完璧にやりこなしました。
そして、子役の稲垣来泉ちゃん。
………天才ですか?天才ですよね。
とんでもない上手さと
とんでもない可愛さ。
子役にありがちな“子役芝居”じゃないんです。
生なんですよ。
10才でしょ?うちの子と同じ?うそっ!?
参りました。
ぶっちゃけ「最近下手な女優が多いなー」
って思ってたんですよ(すみません)でも、
全てをひっくり返しましたね。
人の心を熱くする
素晴らしい作品でした。
涙が溢れました
家族ではなくとも、人のために生きるということの意味
感動して泣けました。最後はこういうことだったのかというミステリーな要素も入っていて、最後にちりばめられた伏線回収があって、感動は増幅されました。脚本も王道をいっているようで凝ってるなぁと思いました。
キャスティングも見事で、主人公のみぃたん、天真爛漫に(みえる)血のつながらないママ、生みの朴訥な父親、育ての奥手の父親、経済力のある老齢の父親、それぞれの俳優がまさに自然にそのひとそのものに思えるくらい。演技ももちろんよかったけれど、ベースのキャラクタが合っているなぁと思いました。
コロナ禍でマスク社会になって他人の表情がなかなか読めなくなって、世知辛い感じになっている昨今だからこそ、ひとりの子供にかける愛情、他人のために生きることのすばらしさ、それは血のつながりだけではないということ、そんなことを感じさせてくれる映画で、とてもよかった。
いまだからこそたくさんのひとに観てほしいと思った映画。
良い映画でした^ ^
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