シン・仮面ライダーのレビュー・感想・評価
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ヒーローは脚力と哀愁でできている
ヒーローたちの卓越した腕力(特に脚力)と、闘いののち風に吹かれて佇む哀愁を、シンプルに感じたら、この作品はまずそれでいいのかなと思いました。
「仮面ライダー」はもちろん変身モノの大傑作として知っていましたが、詳しい知識はほぼナシ。観賞後、ネットなどに嵐のように溢れた情報で知りました。
◉最初に血しぶき
プロローグで見せられたショッカーたちの流血の量と、身体が破壊される生温かい音にまず圧倒された。これから始まるのは本気の戦争ごっこ。世界征服を企むショッカーを倒すため、今は全力で破壊を! と言う仮面ライダーたちや緑川ルリ子(浜辺美波)の決意。そして制作者が「ごっこ」に込めたエンタメ=「悪をグシャっと潰す快感を、大人にも子どもにも」の本気を感じたような気がします。
◉蝶の誘い
チョウオーグの語りによって、ショッカーの目的は人類の魂を別空間「ハビタット」へ移して、幸福な世界を創ることであると知らされる。原作マンガのショッカーは、もっとストレートな世界制覇を狙う組織だったはず。
ところが、現在の物語世界で主流になっている、意識と魂の溶け合った共同世界を生み出すことがショッカーの目的だったとは! 一括りにしてはいけないのでしょうが、「シン・エヴァンゲリオン」の人類補完計画から「ワンピースレッド」のウタワールド、「エブエブ」のベーグル世界まで、ある枠の内に全てが同じような状態で収まることが、闘いの起きない平和な世界に至る道と言う理念。
崇高な世界征服を掲げつつ、体育館に並ぶ死体。それは大量抹殺を行うカルトっぽさにも通じるようで、設定としてはなかなか怖かったです。しかしこのショッカー組織の理念が、大人仮面ライダーのための付加としても、本当に必要だったのかは、かなり疑問。「改造と変身」の悲哀だけで足りていたと思うのですが。
今回登場するオーグの中で唯一、草食系のチョウが、人類を幸せな世界に導くリーダーになる。清楚で優美なシロチョウ? が最強の怪人として君臨するギャップ。ただし0号(森山未來)が得体の知れなさは充分に醸し出していたものの、こだわりを失くした男の爽やかさみたいなものまで目立っていたようで、ちょっと残念。
◉やがてヒーローたちは憂鬱になる
バッタ、クモ、コウモリ、サソリ、ハチ、カマキリ+カメレオン、変異バッタ、そしてチョウを次々に倒していく仮面ライダーたち。ヒーローに休息はなかった。本郷猛(池松壮亮)と一文字隼人(柄本佑)と緑川ルリ子は敵を潰すたび、自分たちの存在理由に振り回されて、癒し難い傷を負っていく。そもそもが、これはショッカーたちの内部抗争の物語。三人には拭い難い虚無感が付き纏う。
その心象風景としての、夕陽の干潟や赤錆びた線路は本当に美しかった。エヴァ再びでも、ここは構わないと思っていました。本郷と緑川の我慢比べに、一文字が割って入る感じでしたが、内側は傷だらけなのに、凛々しすぎるルリ子。頑張りすぎないで!
原作の展開は知りませんでしたが、ルリ子のみならず本郷も肉体は滅んでしまうんですね。最後に一文字が走り去って、その姿に溢れる寂寥。バトンの渡し方が、ややアッサリかなとは思いましたが、ヒーローの生き様と死に様は受け取って幕。
「人類の自由と平和を守る」? 「大自然の使者」?
昭和ライダー世代ならば
特に観ていただきたい作品とは思いますが
石ノ森先生の漫画版
そしてTV版
それらの雰囲気や要素はあるものの
一文字隼人像はともかく
自身が改造人間になった事と
同類殺傷に苦悩する部分のみが色濃く
あまり憧れの対象にはなりにくい
本郷猛像となっており
「人類の自由と平和を守る」
「大自然の使者」等の志はあまり感じられず
個人的にライダースピリッツがある作品には思えませんでした。
○コアなファンへのサービス
シンウルトラマンよりも多いように思えました。
・TV版旧1号を細部までリスペクトしたデザイン
・冒頭の三栄土木と書かれたトラック
・蜘蛛男編を完全リメイクした対決シーン
・漫画版の13人の仮面ライダーに似たシーン
(原作同様に銃を所持してのバイク戦闘だったので、本郷!と不安でした)
・1号から2号への継承部分
ざっと挙げても多数散りばめられていました。
(また余談ですが
シン・ウルトラマンではBタイプが未登場ですが
シン・仮面ライダーでも非常に残念な事に
桜島タイプは省かれました。
この部分は漫画よりなので、新1号も省かれた事になりますね)
○あまり宜しくない点
個人的感想では、1号2号のデザインや一部にしか
良い部分が見当たりませんでした。
(特に映画鑑賞後、NHKドキュメントも観てしまい尚更)
・アクションの統一性のなさ
リアルにするかヒロイックするか、どっち付かずでした。
最後3人での戦いは、終始泥臭い戦いで
仮面ライダーBlack Sunの張りぼて戦闘を思い出し
(2号のヘッドバットは良かったのですが)
CGである事を暗闇とスピードで誤魔化したような
大量発生型相変異バッタオーグ戦
(ドキュメントと異なり、ショッカーライダーデザインも把握出来ないほど)
双方が極端過ぎて、違和感と、安っぽさを印象付けてしまいました。
またドキュメントでの苦悩がそのまま映像としても残り
本郷役池松壮亮さんが、TV版当時の藤岡弘、さんのよう
ライダー1号アクションまでこなす事に、果たして意味を成しているのか?
(バイク事故で大怪我をしてしまった藤岡弘、さんの過去もあり)
池松壮亮さんが足を挫いてしまった件も含め、疑問で気の毒に思えました。
・何故か尺の長いハチオーグ関連
上記部分より、もっと本郷の心情に時間を割いてほしかったです。
緑川ルリ子とヒロミ(ハチオーグ)の女性キャストが
男性ファン用ならば、本郷猛や一文字隼人も
TV版と同じく撮影当時の若手イケメン俳優起用
男性キャストで、女性ファン用に振り切るべきでは?とも思いました。
ルリ子を改造人間にして、ヒロミとのドラマ部分を作るなら
一文字隼人が仮面ライダー第2号となる部分を
石ノ森先生の漫画版、更には村枝先生のライダースピリッツのよう
もっと大事に描いてほしかったです。
(あくまで本作ではあまり意味の無い刑事ではないK
シャドームーンと融合したようなデザインの
サナギマンにはならないイナズマンも、必要な要素か?と疑問でした)
・リスペクトになっているのか?
確かに漫画もTV版も、絶命時の泡状表現はありましたが
証拠隠滅とはいえ、わざとチープにしているように思え
(石ノ森先生漫画版の方が徐々に白骨化したりしてリアル)
登場人物達を失う度にブクブクされ、興醒めしてしまう事が多々ありました。
また序盤の血飛沫表現、あれはTV版蝙蝠男編のリスペクト
あるいはリアルティ追求なのかも知れませんが
仮面ライダーアマゾンズのよう、振り切っているのなら兎も角
妙にチープな泡状絶命とかけ離れ過ぎていて
客層を狭めるPG12指定にするまでの意味があるのか?と
理解出来ませんでした。
●総評
私個人は熱烈な旧1号、旧2号、桜島、ダブルライダーファンなので
スピリッツが感じられなかったり、不釣り合いな要素に嫌悪感は出るものの
一文字隼人のラストシーンで救われました。
石ノ森先生の漫画版を上手くアレンジしていて良かったです。
(終演スタッフロール時の3曲も良いのですが、仮面ライダーのうたを流して
「嵐とともにやってきた~♪」で
ショッカーオーグを蹴散らす映像がほしかったです)
今回は悪い意見の方が目に入り
これでシン・仮面ライダーは終わり、そうなると寂しいです。
(せめてTHE FIRST、THE NEXTのよう2部は制作してほしいです)
やはりシン・ウルトラマンの方が絶賛までとはいかないものの
ウルトラマンのスピリッツまでリスペクトを感じられ
撮影現場の雰囲気も良く、それを映画にまで反映しているように思えます。
今後、庵野さんはデザインや脚本に情熱を注いで
アクションやドラマ部分は各専門家にメインを任せ
もっと肩の荷を下ろして、続編を作ってほしいと思いました。
作品レビューでなく制作姿勢への感想提言記録
まずは映画館でリブートが観られたことに感謝する。
カルト・怪作の面白さはそれなりにあったが、監督当人が目指していたはずの大衆向けとは呼べない出来からいえば失敗だろう。
いいところ・悪い所の内容は色んな人が細かく指摘する通りだ。
庵野氏は偶然を得たり他人の力を強奪する事で自分の才能の限界を越えたいともがいているのだろうが、実写経験が少ない事もあり、その独善的かつ客観性を欠く手段が逆効果である事がもはや作品の出来で証明された。
バランスは悪いがやはり彼なりの才能は確実にあるのだから、自分と他のプロフェッショナルの才能を信じて、自分と他人を上手く操って今後もっとフリー&ストレンジ&ポップな作品作りをして欲しい。
おそらくそれが彼の才能が最も輝く創作だろうと思う。
そのためにはまず、彼が無意識に囚われているオタクコミニュティの視線からの解脱をする事が必要だろう。
大いなる奇才がハビタット空間に閉じ籠り、好事家相手の小さな箱庭作りに精を出すのはまだ早過ぎる。
生臭いこの世で、我々悟りを知らぬ愚かな大衆を相手に果敢に格闘を繰り広げるカントク・アンノの姿を多くの人が期待して見たいはずなのである。
庵野秀明のリスペクトによる仮面ライダー
「シン」シリーズは庵野秀明の表したかった作品の在り方を伝えるもの、という大前提を見ずに、「大衆向けじゃないからダメ」という人が多すぎると感じた。
私はそもそも庵野ファンではなく、仮面ライダーファンだった。しかし、庵野秀明展をたまたま見かけて、この人の「リアリティの追求」と、相反するような「作られている映像ならではのこだわり」を見た者としては、それが十分に理解できた。
例えば、戦っているときのカメラワーク。近くで戦えば、互いが必死になるはず。その時のカメラワークが綺麗すぎると、臨場感が薄れる。最近の特撮は、子どもも見られるようやや遠目に、空撮などを駆使してきれいに撮影する。すると、目の前の戦いが他人事のように映る。一方の本作は、ブレて見切れて、拳が耳の横をかすめるようなカメラワーク。そこがリアリティ。
そこに昔ながらの戦闘BGMが流れてくる。先のカメラワークに、昔ながらのBGM。「リスペクト」を忠実にしながら、しかし映像は鮮明で、ただ昔を再現するだけではない、ひとつの「作品」として、作られたこだわりの部分が感じられる。
また、ストーリーが薄いという意見もあるが、ただ悪意的なエゴに徹して戦うものから、話し合うだけでは理解し合えないそれぞれの正義をかざして戦うものまで様々で、それが戦う描写ひとつひとつに表れていた。悲しみを越え、戦争を越え、強く生きることをテーマに生まれた仮面ライダーに「戦いが多すぎる」という批評はいかがかと思う。背負って戦うから、仮面ライダーたると思う。
ドキュメンタリーではあらゆる方面から文句をつけられていた庵野監督。しかし、エンドロールの名前を見るに、光学を一人で研究する気概も伺われた。それが、画面全体に広がる光や爆発に表れている。見る側からしたらただ眩しいだけだが、仮面ライダーが巻き込まれるあの位置で画面全体に光や爆風が映らないことは「ありえない」のである。
つまり彼は前線に顔を出さないものの、決してこだわりがないわけでは無いし、むしろ追い求めすぎるのだ。それについて行けないスタッフが多いことに何ら問題はない。それもまた仕方ないのだ。
光学的こだわりを描いたラフ画などが絶対あるはずだ。それらとスローモーション映像などを照らし合わせ、語ってもらって初めて120%の作品になると思う。シン・仮面ライダーへの理解を深めるためだけの庵野秀明展があってもいいくらいだと思っている。良い意見も悪い意見も含めて、まだ私達は、この作品を批評できる立ち位置にいない気がしている。
人に勧められないという意味
一度目は初日に観たのだが、いざに感想を書こうと思いつつ筆が進まなくドキュメンタリー番組観たりYouTubeで色んな感想観たりしてたらまた観たくなり先日2回目観ました(ハチオーグのタグゲット、あらら)。
題名にも書いているけど色んな人がこのフレーズを使ってるんですよね、実際自分もそう書こうと思ってましたし。
メチャクチャ面白いんですよ、味方も敵のデザインは良いしテンポ良いし肉弾戦は迫力あるし。
ただ、そのプラス要素を吹き飛ばすくらいにCGの粗さが目立つわキャラ付けのアニメ口調な口癖が引くってのはあるんです。
相変わらず人類補完計画だし。
そこにどんだけ目を反らせるかがこの映画を楽しめるかだと思う。
観に行こうか迷っているレベルの人は多分楽しめない。
ちなみに自分は藤岡ライダーと倉田ブラックしか観てませんが庵野バフで楽しみにしてた組でした。
ただ、資金不足で思うように作れないって苦しんでたけど、今までのシンシリーズもだけどちょい役に名俳優使うの止めたらもう少しそこらへんカバー出来るのではと思う。
なにはともあれシンシリーズ完走おめでとうございます。
あくまで石ノ森版仮面ライダー
微妙というか結論から言うと石ノ森版仮面ライダーを撮りたかっただけかと思う。原作は石ノ森章太郎なんだから当たり前と思うだろうが、あくまでTV企画として石ノ森章太郎の原作があって彼の漫画から実写したわけでは無い。しかも漫画は実写からインスパイアしたアイデアだという事をどれだけの人が知っているのだろうか。デビルマンやマジンガーZ同様に仮面ライダーはあくまでTV用の企画であって漫画がベースでは無い。という訳で映画はずっと石ノ森版仮面ライダーを追っかけている。そして石ノ森ワールドも展開していて如何に石ノ森ワールドを撮りたかったのが判る。
だからこそ賛否が分かれるのであろう。あくまで仮面ライダーはTVのヒーローであって漫画の焼き直しじゃ無いし、特撮としてのあゆみやプライドもあるだろう。観ている側も撮る側もそうだろうし反発もするだろう。リアル世代のワタシですらどんなもんかと思う。仮面ライダーを知らない世代からすればなんだかよく判らないと思われてもしょうがない。
リアル世代からもう少し言わせて貰えばライダーのアニキ感が全くないのが残念だし孤独感があっても孤高感が無いのも残念なライダーでした。それが今風とか石ノ森テイストと言われればそれまでの話なので★は3つですね。
実写版 人類補完計画
監督が庵野氏だから当然なのだが、その流れに行き着くのですね。
登場人物も何処かしらでエヴァを感じさせるところがあり、まさしく庵野ワールドの集大成という感じでした。
ライダーの戦いも現在放送しているものと違い、痛みの伝わる戦いを感じました。
ラストボスはオマージュとして同じく石ノ森キャラのイナズマンを匂わせています。
庵野節
シン・ゴジラ、シン・ウルトラマンにどハマりしていたが、今回はそこまでハマらなかった。
これは、僕自身の仮面ライダー自体に対する思い入れが、電王を毎週見ていた程度で初代ライダー達にそこまでない癖に、空想科学読本なんかで仮面ライダー誕生までのバックボーンとかの知識はあるという中途半端な状態だからだと思う。
ここから先の感想は、そんな中途半端野郎が書いてることを念頭に置いて頂けると幸いである。
先ほど仮面ライダーに対する思い入れが少ないと書いたが、実のところ僕はゴジラにもそんな思い入れはない。(ウルトラマンには他の二つよりも思い入れは結構ある)
では、シン・ゴジラはそこまで楽しめなかったかというと、冒頭にも触れた通りかなりどハマりした。
この差はなんなんだろうか。
ひとつはゴジラと仮面ライダーへのアプローチの仕方の違いだろう。
シン・ゴジラは原典を尊重しつつ怪獣が実際に現れた時のシミュレーション映画という全く新しい切り口で見せたこと。
だからこそ原典を知らなくても楽しめたのだろう。
今回の仮面ライダーは監督の原典への強い憧れを感じる。
だから原典への思い入れがある程度ないと「ここをこう作り変えたんだ!!」という高揚感は味わえないし、普通にに楽しむには難しすぎる。
そしてもうひとつは仮面ライダーという作品の特性と監督の相性。
これはあくまで中途半端野郎が聞き齧った知識で勝手にくる先入観なのだが、仮面ライダーは自分の身体を改造された悲しみを背負いながらショッカーと戦うというイメージがあった。
実際今作でも、ショッカー戦闘員に暴力を振るう事との葛藤、(怪人とて人という考え方からくるのだろう)人を殺す事との葛藤、出来ればかつての友を殺したくないという気持ち、仄かな恋模様、絶望からいかに希望を見出すかetc人間ドラマのオンパレードだ。
(話は逸れるが、ショッカーの改造を絶望からの救済と定義したのは原作にもある設定かもしれないが「成程!」と思った。)
そう、人間ドラマと庵野監督の相性は頗る悪いと思わざるをえない。
シン・ゴジラではワクワクした説明口調の台詞も今作ではかなり邪魔をしている。
(シン・ウルトラマンも同じような庵野節の台詞があったが、あっちは役者さんの好演や人間ドラマを極力排除してウルトラマンの物語に全ての焦点を当てた事でそこまで不自然に思わなかったのだろう)
この難しい庵野節を柄本佑さんなんかはうまいことものにされてて凄いなと感じた。
が、それ以外の役者さんは少し苦戦されてたように見受けられた。あ、もちろん竹野内さんや斎藤工さんはシンシリーズ経験者として自在に操っておられたが。
又人間ドラマという点で言うとハチオーグ編が惜しい。
というか、今回出てきた怪人達との闘いの中で1番ドラマ性を掘り下げられそうな所があったのに掘り下げられなかったのが残念。
良さそうな芽があったのにそこに水を与えず放置してしまっているようで本当に勿体無い。
とはいえ、ハチオーグのキャラと西野七瀬さんの奇跡的なマッチングもあってハチオーグ編が1番楽しかった。
こんなことを言うのはあまり憚られるが、ウルトラマンじゃなくてこっちの方こそ樋口監督に監督をお任せしても良かったのでは・・と思ってしまった。
冒頭の蜘蛛男戦のあのBGMがかかった時の「キタキタキタ!」感は異常。
アクションも今までのライダーシリーズのようなショーアップされたものではなく、リアルな殴り合いを演出したいというのはわかるが、にしてはカット割りが多すぎてわかりにくい。
アクションの味以前の問題だと思われる。
個人的には面白いです
本郷猛、一文字隼人という
レジェンドの名前があるなら
やはり見るべきでしょうと映画館へ
いきなり、ショッカーから
可憐な美女とバイクで逃走から始まる
その後も、バイクは重要なアイテムですが
まさか、ああいう使い方するとは、、
子供向きとは思えないライダーパワーですが
エヴァンゲリオンで耐性ついてるので
不快感はあまりないです
この映画の賛否が分かれてるようですが
個人的には面白かった
シンゴジラ、シンウルトラマンの竹野内豊や
シンウルトラマンの斎藤工が
どういう意図で出てるのか、おふざけか
平行世界かは知りませんが
あちらこちらにいる豪華なキャスト、声優は
素直に喜んでしまいます、女ですが
渡辺美波さんの可愛さだけで満足
怪人らの言動、行動は人間より人間らしく
感じていいなぁ
ハチ女は性格、ビジュアル、アクション
共に良かったです
ただ、仲村トオル、安田顕の二人が
見つからないので再度挑戦したい
オールドファンのつぶやき
“シン”仮面ライダーそしてあのキービジュアルから本郷猛の物語を描いてくれると期待していましたが、彼は同姓同名の別人。
改造人間の悩みや苦しみをルリ子さんにぶちまける、自分の意志では戦わない、ほぼ初めから親方日の丸と現代的アレンジなのかもしれませんが、もはや彼は僕らの猛にいちゃんではありませんでした。
そしてエンディングであの"ロンリー"仮面ライダーが使われるというチグハグ感。
歌詞の意味を心に刻んで採用されたのでしょうか?
ショッカーの存在もどこぞのカルト教団で、巨悪感がなく、また画面に一般人が出てこないので、生活を脅かす存在感が希薄です。
どうせなら幼稚園バス襲撃を上手くテロ行為にアレンジあたりをやって欲しかったです。
3回目で一番泣けた。超傑作(自分にとっては)
この3週間、シン・仮面ライダーで頭が一杯で支配されている。劇場で同じ映画を3回見た。産まれて初めてだ。また観に行く。10回見ている人もいる。なぜか考え続けている。
圧倒的な映像美と音。蒼空の彼方から回転しながら飛んでくるライダーキック。自然光の中を炎を吹き出して疾走するサイクロン。
ダブルライダーの赤い目、決めポーズとライダーダブルキック。ライダーとオーグのビジュアル。全て美しい。
無料公開中のクモオーグ編の変身シーンでオモチャのライダーベルトを起動したら音と光で凄いエモかった。なんて楽しいんだ。
役者さん達の芝居も素晴らしい。池松さんの棒読みにも意図があり、一文字とバディになった後は藤岡弘さんばりに叫ぶ。
8回もあるバトルのテイストは全て変えているのは贅沢。石ノ森漫画は空中戦が多いから実写再現するのは困難でCGを選択したのはやむを得なかったと納得。どこかで見たような殺陣の殴る蹴るは飽きるし。
(ただ、生身のショッカーライダー戦は円盤のおまけで入れて下さい、お願いします!)
7オーグ全て魅力ありキャラ立ちしている。スピンオフ漫画で生い立ちを知るとまた面白い。絶望を知る優しい人達が人体改造とマスクで壊れていっている哀しみがある。サソリさんもまともだったのに。。
6時間位ある話を2時間に圧縮しているから、感情移入するのに補完する想像力が半端なく必要。難解な説明セリフも多いし。情報の咀嚼に時間がかかったが、わかると全てのセリフやシーンにちゃんとドラマの為の意味がある緻密な構成。子供は「意味が分からなくても面白かった」と言っていたので映画としてよくできている。精神的テーマは石ノ森章太郎先生の漫画版の良さの継承をきちんと行っていて見事。石ノ森漫画も売れていて嬉しい。
普通のエンタメ映画ではラスボス戦に一番派手なアクションを持ってくるのにあえての泥試合。これも優しい本郷猛が「殺して相手を止めるのはしたくない」から。そしてどちらも元は人間だ。だから戦いながら説得しようとする。怪人全員出てきてぶっ倒すみたいな安易なカタルシスは無いけど心に残る。役者さん達の全力の芝居が熱い。
本編には大満足だが、幸せではない。なぜなら、ドラマ版、続編、V3編まで観たくてたまらないから。早くもロス。
こんなに感情を動かされた邦画はない。
何度も観ないとわからない映画を劇場で観られるのは贅沢だ。
(洋画では2001年宇宙の旅、地獄の黙示録、ゴッドファーザーとブレードランナー)
庵野監督と共に苦労して作られた方々全員、石ノ森章太郎先生とTV版に関わった方々に感謝します。
ライダーとはなんだったのだろう
怪人はかなり凝った作りをしてるのだが、仮面ライダーの衣装はどうしても陳腐に感じた。
もう少し凝った作りをして欲しかったし、衣装の生地感をあまり感じない演出をして欲しかった。
また登場人物もかなり感情を押し殺した演出でショッカーの隊員を倒す際の血飛沫だけが妙にリアルに描かれ、なんとも違和感を感じた。またライダーもルリ子を守ることのみで自己をあまり感じられなかった。
そしてショッカーとは人里離れた場所や敵地での戦闘のみを描くため(ショッカーの目的は語られるのだけど)、人類との敵対関係が鮮明でははなく、ストーリーを語るのではなく対決する怪人ごとの断片的な映像の繋ぎ合わせの様に感じられた。
アクションについても特出したものを感じられず残念だった。あと空中でのアクションもあるのだが少し陳腐に感じられた。
甦る昭和のヒーロー
昭和の日本のヒーロー達って陰があって暗く(ついでに言うと色味も地味;)子供の私には薄ら怖く感じられて全く見ていなかったのだけれども、この度「シン」になったので、観てみた。結果、「シン・ウルトラマン」と同じくらい、見てよかったなと思った。本郷猛が何に苦悩していたのかがはっきりしたような気がしたからだ。
戦闘すること、すなわち、人を救うために人を殺めること。そこに正義はあるのか。
アメリカのヒーロー達が(初代のワンダーウーマンも含め)バッサバッサと小気味良く悪人達を成敗していくのに比べて、初代ライダーは一々躊躇する。根が善人。彼にとっては悪人も人。警察官の父の、死傷を負わされたにも関わらず人として犯人の命を心配していた最期の姿が頭をよぎる。ショッカー退治は自分の心も傷つけながらの辛い仕事なのだ。戦争の悪を忘れていない昭和世代の心の内や、仏教の悪人正機説に基く日本人ならではの価値観との葛藤を感じさせる。
斉藤工演じる情報機関の男はシン・ウルトラマン(話し方から想像)など、諸々の庵野監督流の遊びゴコロも感じられ、冒頭のカーアクションはスリルがあって、何台もの大型車が爆発して「西部警察」みたいで「アン」サステイナブルなのだけれどもw華やかでワルくて良かったし、バイクマシンがシャキーンと変形する様はテンションがあがったし、キャスト陣は豪華だし、中でも主役の二人は哀愁と難しいオーグっぽさを両立させていたし、2号と0号もカッコよく、総じて愉しめる作品だった。
充実した映画体験
子供の頃にウルトラマンはほとんど見てなかったけれど「シン・ウルトラマン」は面白かった。
同じく、仮面ライダーもほとんど見ていなかった。
そういう意味でフラットに映画を観られた。
よく分からない設定で、とにかく敵を倒していく。
思っていたよりも血飛沫が飛ぶ。倒す、というより殺す。相手が人間でなくとも殺しているということを印象付ける演出。
と思えば何百人が一瞬で泡と消える場面があった。
どうしてそんなに人を殺すのだろう。
劇中の会話で、苦しみの無いハビタット世界へ全人類を送るのが目的らしいと分かった。
なるほど、それは良いかもしれない。苦しみが多い現代だから求める人はある程度いそう。でも信仰宗教みたいだなぁとも思う。
ルリ子は言っていた。幸せと辛いは線一本の違いだと。だから辛いことのすぐそばに幸せはあると。
もちろん、あまりの辛さにそっと逃げ出したくなるけど、高ければ高い壁の方が登ったとき気持ちいいもんなと自分をごまかしながら苦楽を抱えながら生きていくしかない。
でもそれには努力が必要で、そんな苦労をせずにハビタット世界へどうぞと彼らは囁く。それを強制するならやはり彼らは悪なんだろう。
そんなことを考えつつスクリーンを見ていたけれど、どうにも睡魔が襲ってきた。仮面ライダーが命をかけて戦っているのに。自分は睡魔にすら勝てないのかと。だがどうにも瞼が重い。これが地球の重力か…
気がつくと敵の仮面ライダーが味方になっていた。
そしていろんな人の想いを背負ってこれからも戦うらしい。
それを見て、自分も勇気をもらって力が溢れてきたということは全くなく、こんな訳の分からない散文をレビューサイトに投稿する始末。どうして他の映画にしなかったのか。
でも、こういう辛い経験があるからこそ素晴らしい映画に出会えた時の幸せがあるんだよね、ルリ子さん。
走るバイクはかっこいい。人機一体
どちらかといえばウルトラ派で、昭和ライダーの名は分かるが怪人の識別はできないくらい。監督の名前と予告編での浜辺美波のかっこよさが足を運ばせた。IMAXで観賞。
導入のクモオーグのパートは、展開にも造形にも痺れワクワクした。その後は、毎週放映のシリーズだったら悪くなさそうなのだが、まとめてだとどうもメリハリがない感じ。特に(どんだけお金がないのかと思わせる)ロケやセットのチープさと登場人物の少なさが目につく。
一番ひっかかったのは、シン・ウルトラマンのレビューに書いたのと共通する、アクションの重量感がない点。ウルトラでは外星人テクノロジーだと割り切って理解していた重力に縛られない(ように見える)ヒラヒラした格闘戦だが、ライダーでは肉弾戦への期待が(全く思い込みなのだが)強かったので、特に工場上空での空中戦など、個人的には物足りなさがあった。ただ「こんなの仮面ライダーじゃない!」と思うほどライダーについて知らないので、これも監督のオリジナルへのオマージュなのかとも思う。(バンク風なライダーキックの見せ方とか特に)
全編を通して、コートを纏ったバイク乗りのスタイリッシュさと、バイクで走る姿の格好よさが印象に残った。まさに仮面ライダーが「ライダー」である所以か。
やべぇぇ
総合的にはよかったが文句もあるから
拘りみたいなのはすごく感じた
文句
·ショッカーライダー戦が暗くて何やってるか分かりずらい(ましではあったけどハチオーグ戦も)
·仮面ライダー0号戦のカメラがブレすぎる
·KKオーグが中ボス格かと思いきや二号にボコされる
·プラーナ関係の設定はなんなん?
·回想シーンとかキャラの掘り下げをもうちょいほしい(時間的な問題はあるんだろうけど)
·爆発なんかの一部の音がとてもうるさい(やべぇぇの理由はこれ)
·ちゃんと組織潰すんじゃないんかい
·さそりオーグの退場が雑
·二号
よい点
·アニメやCG等を駆使したアクションシーン(一号対二号戦はやってるのがアニメのそれ)
·仮面ライダーの小ネタの数々
·ロケーション
·サイクロン号の変形
石ノ森先生の雰囲気が出ていた
原作は未視聴、未読でシンシリーズが好きで見に行きました。
シン・ゴジラ、シンウルトラマンとはまたちがった作風に仕上がっていたと思います。
個人的にはシンシリーズで一番好きでしたが、人によっては合わないのかなとも思いました。そのため、賛否両論なんだな、と感じました。
石ノ森先生のサイボーグ009が好きで、原作をすべて読んだ私としては、優しすぎる主人公、自己犠牲というところに石ノ森先生の作風を感じました。そこはとても嬉しく、テンションの上がるものでした。
ただ、少し残念な点をあげるとすると、セリフが聞きづらいところ、またトンネルのシーンが見づらいところが挙げられるかと思います。
都市伝説
ライダーキックが超絶カッコイイ。
初見では「おお♪」と声をだしてしまった。
仮面ライダーの造形も大好き。
いちいち絵が決まるオリジナルのデザインに原作者のセンスを感じてしまう。
オープニングアクトが素晴らしく、改造人間とはどういう類のものなのか凄く伝わってくる。
規格外の力に翻弄され、生存本能が故に他者を駆逐する様が描かれていた。石森章太郎原作の陰惨たる空気感を作品全体からも感じられたように思う。
ただ…脚本が雑すぎないか?
編集もアングルも、映画ではなくまるでコミックに準拠してるような感じで…そもそも映画にする気がないのかとも思う。
「仮面ライダー」というタイトルは、今やファンタジーである。監督はファンタジーではなく、令和のこの今現在に、仮面ライダーを存在させたかったのかと思う。
どこかにショッカーという秘密結社があり
政府に特殊対策部隊があり
人知れず、組織と戦いその凶悪な野望を阻止し続けている仮面ライダーが、いると。
物語は脱走から始まる。
組織は刺客を次々と送り込む。
とてもとてもミニマムな世界観で描かれていく。
大々的な侵略戦争やテロをショッカーが起こす事はない。まだその前夜というか、決起にまでは至らないのかと思う。
そんなタイミングで、組織の秘密を知る人間が脱走するのは致命的だ。だから刺客を送る。
ほぼほぼ、その筋から離れない。
ショッカーが大量殺人をするような事もない。
水面下で粛々と牙を研ぎ世界への悪意を増幅させていく、悪の秘密結社ショッカー。
だから、誰もその存在を知らない。
ファンタジーではなくリアリズムを。
現実と紐付ける設定を。
2023年4月3日21時45分
コロナ対策が緩和され、新入社員達がカラオケボックスから、浮かれまくって大挙して出てくる今、現在も、仮面ライダーは、戦い続け、悪意ある野望を尽く粉砕していっているのだ、と。
監督はそんな仮面ライダーを撮りたかったのかもしれない。
強化スーツが洗濯できるとかは欲張りすぎた感もなくはない。
斎藤工の参戦は、シン・ウルトラマンとの関連を想起してしまう。滝と立花(オヤッサン)そう来るかーって感じではあったけどキャスティングは変えても良いように思う。
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