シン・仮面ライダーのレビュー・感想・評価
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子供の頃に観た夢の…
小学校の頃、夏休みになると仮面ライダーがやっていた。僕が初めて観たのは、その時だと思う。
それが、初代仮面ライダーでした。
今回の映画もその初代仮面ライダーを現代の映像で新しくリメイクされた作品でした。
あの頃に観ていたものとは、全くの別物のような感じになっていました。
ショッカー軍団と戦うシーンでも血飛沫があがり、今で考えるとそれだけの威力があるパンチやキックだったんだよなと思いました。
今回の作品だと戦いのシーンは、けっこう激しく映っているので魅力的です。
登場のシーンや主人公側とショッカー側の細かい映像の切り替えのシーンなどは、昔の映像を継てるなと思いました。
ストーリーとしては、今の時代のコロナというのベースにあるように思いました。
それをベースに人の命というものどう考えるのか?
自分の命が大事だと考えるのは、そうかもしれない。
けれども、人の生きていく中でそんな生き方ばかりしてたら、まともの生きた方が出来ない。
物語として、面白いけど、
概念として考えるのには、難しいなと思った。
最高です!!!
劇場公開が終わったばかりなのに早くもアマプラで見放題!
劇場で見損ねただけに本当にありがたいです。良い時代になったものです。
しかもセリフの内容が難しく、聞き取りづらい部分もあり、途中から字幕再生で鑑賞しました。内容がよりわかりやすかったし劇場では不可能なことなのでこれもありがたいです。
比べるものではないでしょうが…庵野監督の一連の「シン」シリーズの中で最も好きです。
再放送でしか観ていませんが、当時の怪奇特撮っぽい雰囲気を出しつつ、映像的にスタイリッシュだったり艶めかしかったり。
スーツやサイクロン、怪人(オーグ)達も当時を踏襲しつつもカッコよくリファインされていました!
政府の男の名前が「立花」と「滝」だったり、一文字が陽キャだったり、本郷亡き後の新しいスーツに2本線が入っていたり、マスクも新ライダー仕様の明るい色になっていたり、その後ろに『BAA-02+01』って書いてあるのにも痺れました!!!
浜辺美波さんの美しさ、エンドロールの子門真人さんの歌声3連発も胸アツでした。
欲を言えば…長澤さん演じるサソリオーグの活躍をもうちょっと観たかったなあ。
まだまだ見逃している部分がたくさんありそうな予感がするので何度も観ようと思います!
「シン」シリーズへの慣れの影響
特撮は子供の頃には観ていたものの特別思い入れはない中で、シン・ゴジラもシン・ウルトラマンも面白かったので今作も観ました。
冒頭の殺戮マシーンとしての仮面ライダーには度肝を抜かされました。アクションについては、アクション映画をあまり観ないので他と比較ができないのですが、物足りなさはそこまで感じませんでした。
ショッカーという組織の見せ方は、全部理解できたわけではないですが、興味をそそられるものでした。現代的にアレンジされた、悪い意味での宗教っぽさ、悪の組織感は十分に感じられます。人工知能などと聞けば昔は「未来っぽいなあ」と思ったものですが、今は「今っぽいなあ」と思ってしまう自分にこそばゆい感じもありました。また、これは竹野内豊・斎藤工サイドもそうですが、ケイという「監視(観測?)するだけ」の存在が不気味です。
この映画で一番好きなのは役者陣の芝居です。ここも賛否あるようですが、全体的に人工物っぽいというか、そんな演技・演出の印象を受けました。その人工的な中で池松壮亮の不安げ・儚げな表情が相対的に浮かび上がり、それでも戦っていくという構成がよかったです。
役者陣でいうと、長澤まさみには触れておきたい。シン・ウルトラマンでファンになって以降、彼女が出てくるだけで嬉しいのでyoutubeの CMもスキップしないくらいになってますが、今作での笑っちゃうくらいの怪演も素晴らしかった。シン・ゴジラの石原さとみをさらに悪化させたようなキャラで、強キャラっぽく登場しておいて、なんかライダー関係なく倒される呆気なさもいい塩梅でした。
もう少しこうだったらなあというのは、ラストバトルです。チョウオーグの圧倒的な強さはよかったんですが、急に弱体化してしまったよう印象でした。ロッキー的な、やられてもやられても立ち上がるという展開がもう少しあればよかったなあと思いました。けれどこれについては、ルリ子の「用意周到な」作戦の効果が抜群だったということかもしれません。
全体的な印象としては「シン・ゴジラ」「シン・ウルトラマン」と比較すると一歩及ばないかなとは感じました。ですがこれについては観る側としてシンシリーズに慣れてきてしまっていることの影響を、個人的に感じています。仮にシン・仮面ライダーがシン・ゴジラより前に公開されていれば「すげえええ!!」となっていたような。
とはいえ十分楽しめました。次作は「シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース」なのか、全く別の作品なのかは分かりませんが、楽しみにしています。
ネットの評判通り
AMAZON PRIMEで視聴。
自分で見たら何か違う視点で見られるかもと思いましたが、ネットの評判以上の発見もなく、PRIMEで十分かなあと思ってしまいました。
映画としては勿論、見たその日は楽しめるのですが、後で思い出に残るかと言われると…ちょっと厳しいです。
ストーリーは正直予測可能でハラハラ感なし。映像も安っぽいという声の通りで、元々の仮面ライダーの持つ味を再現したというより、単純にCG映像が妙に早回しな感じでふわふわしており、二昔前な感じ。
ゴジラとウルトラマンのCGは実写のリスペクトも感じたのですが、何かが今作では欠けている印象を受けました。
良かった点としては仮面ライダー2号のキャラクター形成、演者の役に対する解釈はばっちりだったので、2号ライダーは本当にかっこよかったです。ちゃんとヒーローしてました。チョウオーグもちゃんと強敵として機能していたと思います。
折角だからとアマプラ解禁のタイミングで視聴。 前提として僕は世代的...
折角だからとアマプラ解禁のタイミングで視聴。
前提として僕は世代的には所謂ネオライダーあたりのギリギリ昭和世代。レンタルビデオなどを介して初代を含めた昭和ライダーのファンだ、ファン「だった」立場だ。
包み隠さず言うと、視聴前からあまり気乗りはできてなかった。
庵野監督の愛情とカラーの技量を疑ってた訳では無いが、僕の方が冷めてしまっていたのだ。
現体制で描かれてきた旧来の「石ノ森」ライダー達の扱いと聞いて僕の瞼に浮かぶのは、背中から雑に殺されるスカイライダー、3号の引き立て役に終始するV3、アクションゲームのボス敵みたいなJ...いつからか、「昭和ライダー」という単語に目がキラキラするような気持ちは薄れ、東映には「そっち方面」への期待はまずできないという風に身体が覚えてしまっていた。今さら1号2号の物語に花道が敷かれても「嘘つけ...こんな企画通したところで東映にはそんなふうに見えてないだろ」という気持ちが拭えない程どこかでやさぐれてしまっていたのだ(大事なことなので一応言うと、現行ライダー達に怨恨を転嫁するつもりはないです。今のライダーは今の子供たちの物なんだからソレは全く別問題)。
そういう濁った精神の中で見た本作だが、感触としてはトキメキ半分、狐につままれた気持ちが半分といった具合。
琴線に触れる画作りのいくつかはハッと童心が呼び戻される程度には心が動いた。怪人ハチオーグ戦のコマ撮り風エフェクト、コウモリオーグの妖しすぎる羽撃き、機銃を絶え間なくぶっぱなすショッカーサイクロン部隊...フレッシュな解釈の映像表現もまた口をあんぐり開けて観るくらいには惹き込まれた。
ただ、ドラマは正直そんなに乗り切れなかった。重すぎる境遇に身を震わす本郷は兎も角、ルリ子さん含め緑川一家サイドの話にはイマイチ感情移入が追いつかなかった。(追記・そもそもを言えば本郷の話をこそ中心に観たかったという気持ちも大きかった。緑川博士に対しても恩師というよりあくまでルリ子さんの父としての比重が大きかったし、その後もルリ子さんの旧友ひろみ→ルリ子さんの実兄一郎という流れで...旧TV版で本郷の親友・早瀬だったサソリがあの扱いだったので尚更「掘り下げるのそっちなんだ...」という感想になった)全部がテンポいいので叙情的な部分が染み渡らなかったのか、もしくは兄を一応のラスボスにしたせいで御家騒動風になってしまったSHOCKER周りのお話にショボ味を感じてしまったのか...ゴジラ、ウルトラと超スケールの盛り上がりに慣れてしまってたのもあるのかもしれない。
後はもう何か、ふわーっとみんな死んでいって...何となく一文字が石森版のアレになって...コブラオーグともう一戦あんのかな〜と期待したところでスタッフロールが出て来て「え?あ、ハイ...」みたいな。まあこのフッと白く消えるようなエレジー感は確かに石ノ森萬画やイソギンジャガー回っぽいんだけどさ...
気持ちを纏めると「本当に好きで作ってくれてありがとう」という感謝は心から起るものの、またこれからへの期待に目の輝きが戻るには至らなかったかもなと...。やはり僕は昭和ライダーファンとしては枯れてしまったのかも...寂しいけど。
湿っぽいヒーローもの
本編より先にNHKのメイキング・ドキュメントを観てしまったので庵野監督のアクションへのこだわりが理解できず面倒臭そうな作品だなという先入観を持ってしまいました、そんなこともあり関心は果たしてどんなアクションシーンになったのかです・・。
観てみると冒頭から拳が体にめり込み噴き出す血しぶきなど尋常な殴り合いではないのでびっくり、おそらくテレビだったらNG,こんな残酷な表現は子供に悪いと局からストップがかかったでしょう、ところが主人公自身が自分の残虐行動に頭をかかえるシチュエーションのためだったと分かるとマッチポンプ感がでて興ざめ。
エバのシンジじゃないけど悩める主人公というのは一貫した庵野調、改造人間にされたことで悩むのが本筋だが本作では心と体のミスマッチ、親兄弟で骨肉の争い、親の非業の死という同様の過去のトラウマを抱える本郷猛と緑川イチローなど人間臭さを盛り込むところも庵野さんらしいです。
それにしてもオーグとかプラーナ、ハビタットなどやたら横文字を入れすぎるから、ちんぷんかんぷん、これも新しさを盛り込むための工夫なんでしょうかね。
湿っぽいヒーロー像というのはダニエル・クレイグのボンドなど流行りのようですがピュアなエンタメ感を削いでしまう気がします。
個人的には仮面ライダーはあまりうじうじした雑味を加えず、単純な特撮ヒーロー・エンタテインメントで良かったような気もしました・・。
最後の30分だけ面白い
始まりのシーンはグロシーン多めでほかの怪人と戦ったり
仮面ライダー同士の戦いがドラゴンボールでがっかりし
ガンダムで言うところのバーニィのビデオレターぽいシーンとかもある
バイク戦闘も暗くてショッカーライダーの顔見えなくてもったいない
昔のやつのリメイクみたいなものなのにアクションシーンがすごい3D
にたよりすぎてがっかりするバイクシーンは確実にザファーストに負けてる
結局主人公の心情が全く見えないので最後のシーンでもなんも響かない
ほかのシンシリーズのキャラらしき人物がでるので余計新規層は困る内容
私は全然ほかのシリーズみてないのでよくわからないです
希望はそこにある
舞台挨拶の全国最速上映を鑑賞。
庵野秀明監督のシンユニバースも一応は最後となりました。
あの鬱病から持ち直し、好きな作品に監督として携われている事に安堵しております。
今回、シン・ゴジラやシン・ウルトラマンの時のようにストッパー役の樋口真嗣さんがいない。
その為、庵野秀明監督が暴走しています。
私は所謂、平成ライダーからのめり込んだ世代ですが、昭和ライダーも愛しております。
日々、愛読書である村枝賢一先生の仮面ライダーSPIRITSで胸を熱くしております。
私的に仮面ライダー1号に焦点を当てた最も好きな作品は、和智正喜先生の小説「仮面ライダー 1971-1973」です。
初代の「哀愁」と「孤独」を強く感じさせる素晴らしい内容となっています。
そして今作のシン・仮面ライダーもまた石ノ森章太郎先生のテイストが強く、漫画版をベースとした「孤独な仮面ライダー」を見事に表現しておりました。
以下、本作の良かった点と悪かった点を。
【良かった点】
○テンポが良い
シン・ゴジラ、シン・ウルトラマン同様に鑑賞者を飽きさせない為にとてつもなくテンポが良いです。
2時間、全く飽きが来ませんでした。
○リファインデザインが秀逸
デザインに出渕裕氏が参加されているだけあって
私もお気に入りである「仮面ライダー THE FIRST」のような洗練された造形美に惚れ惚れします。
○痛みを伴う戦闘描写
PG12指定にしたのは英断だと思います。
「死と隣り合わせの空気感」をしっかり描写してくれています。
冒頭からの流血シーンも戦いは綺麗事ではなく、純粋な殺し合いなんだと感情に訴えてくる。
吐血シーンや足の破損も隠す事なく、しっかりと描かれている。
仮面ライダーは市民から賛美されるヒーローではない事を思い知らされる。
私が好きな仮面ライダークウガ同様に痛みを伴う戦闘描写に恐ろしくも美しさすら感じる。
CGばかりに頼らず実体のある生身の戦いも良かった。
○敵性オーグとの戦闘
クモオーグから始まり、全ての戦闘シーンが秀逸。
実写とCGが上手く融合しており、「この画を観たかった!」と思っていたシーンばかり!
コウモリオーグ戦のサイクロン号で上昇し、高高度からのライダーキックは堪らない!
鑑賞後にお気に入りになったハチオーグの高速戦闘や
工業地帯での1号vs2号の空中戦闘描写も最高でした。
最も盛り上がったのはWライダーvsショッカーライダー戦ではないでしょうか?
CG主体ではありましたが、閉鎖空間であるトンネル内でのサイクロン号疾走が痺れました!
ライダーダブルキックが炸裂した時は、泣いてしまいた。
最後、チョウオーグ戦が満身創痍で取っ組み合いなのも泥臭くて好きです。
○CG・VFX
すっかり邦画業界御用達でお馴染みの白組。
かなり粗さもありましたが、それでもファンが観たい映像を見事に表現してくれていたと思います。
CGが批判されるのは覚悟の上だったでしょうが、ライダーの格好良さを追求する為に恐れず表現してくれた事に感謝。
暗所での戦闘もCGの粗さを隠すだけではなくライダーの目を輝かせる事によって美しさを印象付けた。
○相変わらずの情報量
庵野秀明監督作品らしく登場人物の専門用語を交えた説明口調だったり、頭に入って来ない長い単語(プラーナ強制排出補助機構付初期型とか)だったりと視聴者に叩き付ける情報量の波が心地良く感じました。
この点は庵野秀明監督の作風なので合わない人もいるかと思いますが、日本語と云う奥深い言語の文学的美しさを噛み締める事が出来るのは貴重な事。
改造人間をオーグメンテーションと言い替えるのも庵野秀明監督らしい。
○容赦なき原作リスペクト
庵野秀明監督と言えば、原作を愛するが余りに過剰なリスペクト要素を盛り込んで来る事があります。
今作もなかなかにコアなオマージュが見受けられました。
石ノ森章太郎先生の漫画を原作としており、他にもロボット刑事やイナズマンのオマージュも。
○BGM
今作も鷺巣詩郎氏が担当するだろうと思っていましたが、まさかの岩崎琢氏に驚き。
とても静的ながらも耳に残る楽曲でした。
ライダーの心情を表現したかのような楽曲でとても切なさを覚える。
戦闘シーンにおいても場面にマッチしており、観ている我々の感情を否応なしに掻き立てる。
○ロケーション
初代仮面ライダーと言えば美しいロケーション。
時には牧歌的に、時には退廃的に感じさせる情景を背景に命を懸けた死闘を繰り広げる。
それは今作も同様で庵野秀明監督の並々ならぬ情熱を感じた。
湖畔に立つ姿、工業地帯、沈む夕暮れ...
いずれも印象に残る場所ばかりで聖地巡礼に赴きたい気持ちになる。
○ゲスト
多くの方が予想したであろう竹野内豊さんのゲスト出演。
今作は更にシン・ウルトラマンより斎藤工さんも出演。
これは予想外でした!
しかも立花のおやっさんと滝だったとは...
サソリオーグの長澤まさみさんには、笑わせて貰いました。
○ヤマアラシのジレンマ
庵野秀明監督が描く人間関係は、全てヤマアラシのジレンマに集約されています。
それは石ノ森章太郎先生が創造した初代仮面ライダーの人間描写との親和性がマッチしていた。
本郷とルリ子、ルリ子とイチロー、本郷と一文字...
誰しもが、相手を理解したいのに近付けない。
イチローが瞑想状態なのは、他人と関わることを拒絶し、殻に籠った人間として描かれているからではないか?
その象徴として蛹状態にあるチョウオーグだったのでは?
対して本郷は逆だった。
ルリ子をサイクロン号の後ろに乗せて、隣同士になる事で肉体という大きな壁を感じながらも他人と関わり続けようとする人物として描かれていた。
人間の絶妙な距離感を上手く表していた。
○完璧なキャスティング
主演の池松壮亮さんや浜辺美波さんだけではなく、
柄本佑さんや西野七瀬さんなど全員がはまり役でした。
どのキャラクターも好きになりました。
特に一文字隼人役の第2号ライダーである柄本佑さんが一番お気に入りになりました!
○テーマ性
「人類の幸福とは?」「人間に戻れない恐怖と孤独」「愛する者を失った喪失」...
人類にとって普遍的なテーマを取り扱っており、
庵野秀明監督らしく哲学的問答が心地良かったです。
今回のショッカーの思想・目的も漫画版と同じであり、半世紀以上前から石ノ森章太郎先生が予知していた状況の中で私達は生きている。
この複雑化した社会に生きる私達も精神が複雑になり、何もかも投げ出したい衝動だったり、相手を攻撃したくなります。
日常に疲弊している人々にとって緑川イチローの、ハビタット世界に全人類の魂を導き、愛する母との再会、暴力の根源である肉体を捨てさせようとする計画を否定出来ない。
ある意味、ショッカーの目指した幸福は正しかったと思ってしまう。
相手の心に寄り添う難しさを痛感。
○マスク
仮面ライダーのマスクには、改造手術の後を隠す意味だったり、涙を隠す意味があります。
今作では生存の為に暴力を厭わない好戦的になるように感情をコントロールする機能がありました。
そんな忌むべき象徴たるマスクが、最終決戦でイチローにルリ子の願いを伝える役割を与えた事に感無量。
○ラストシーン
本郷とイチローの対比は見事でした。
同じく不条理の暴力で愛すべき人を失った。
しかし力への渇望と使い道は違った。
チョウオーグ戦は絶対量が違うプラーナを消費させる耐久戦。
最後の格好良さや派手さを捨てた取っ組み合いは、不条理の中で最善の道を探す両者らしくて良い描写だと思う。
ここでの本郷の台詞「僕は他人がわからない。だからわかるように変わりたい!」が凄く胸に響きました。
世界を変えるより、自身を変えていく。
実はこれこそが今の世の中に大切な事のように思えました。
石ノ森章太郎先生の漫画版と同じく本郷は命を落とす。
しかし魂がマスクに宿り、一文字と語り合いながら物語が終わる。
孤高ではあるが、孤独ではない。
仮面ライダーは不滅である事を表現した希望あるラストシーンで私は泣きました。
【悪かった点】
○CG・VFX
良かった点にも書いたので矛盾はしておりますが、
もう少し頑張って欲しかった部分がありました。
白組も機械の描写は素晴らしいのですが、生物の表現については課題を残します。
しかしそんなに酷くは無かったのでそこまでマイナス点ではないです。
日本はゲーム等、フルCGならばアメリカ以上のクオリティを表現できますが、実写映画だと難しい部分もありますね。
○台詞が聞き取りづらい
所々、台詞が聞き辛かったです。
庵野秀明監督作品としては毎度のことながら日常では使わない単語、専門用語を交えた会話劇をするので俳優の皆様にもなかなかにキツい。
滑舌が悪いと言うより、早口過ぎて口が回らない状態。
俳優の皆様、お疲れ様でした。
【最後に...】
鑑賞後は様々な気持ちが沸き上がって来ました。
繰り返しになりますが、仮面ライダーだからこそ感じられる哀愁、苦悩、孤独、退廃...
他の等身大ヒーローには無い文学的な、破滅的な美学を仮面ライダーは持っています。
ゴジラ、ウルトラマン同様にあの戦争を体験し、
戦後を生き抜いて来た先人達だからこそ持ち得た思想や哲学、ヒーローへの願いが仮面ライダーに込められている。
このシン・仮面ライダーも同じです。
庵野秀明監督を始め、作品に携わった全てのキャスト・スタッフの皆様に感謝します。
赤いマフラーを靡かせて疾走する仮面ライダー。
その姿は、やはり孤独である。
しかし不思議と希望を抱かせてくれる。
ビジュアルと雰囲気は最高。アクションは……
クモオーグを倒すライダーキックの演出は本当によかった。元祖ライダーキックがCGを使ってアレンジされていて、技術の進歩を感じさせる。
仮面ライダーのデザインも最高。まさか最後に新2号が出るとは……
あとヒロイン役の浜辺美波が最高に美人だった。顔の造形が良すぎる。誇張抜きでどの角度から見ても美人というすごい顔の造形の整い方。
そしてバイク。こんなにバイクに乗る仮面ライダーは久しぶりに見たかもしれない。なんか仮面ライダーとは関係なく、製作者のバイク愛を感じるくらいだ。
2号のセリフが本当に印象的
「バイクはいい、孤独を感じられる」
反面、アクションは最初のクモオーグ戦がピークかな…暗くてなにやってるかわからんのが多かった。最終決戦のチープなプロレスはちょっと情けない。
アクションさえよければもっと良かったなと、色々もったいない作品だと思う。
賛否両論あるのは理解できる しかし、、、
ネットでは賛否両論が渦巻いていたのは分かった上でいざ鑑賞。
大人向けというか、完全に原作マンガも読んでるコアなファン向け。だから内容も分かる人には分かるし、分からない人には話が飛び飛びに見えて分かりづらいのは仕方ないかと思う。
私はかなり仮面ライダーが好きなこともあって思わずニヤリとしてしまう場面が多々あって非常に面白かったし、色んな答え合わせ(というか一つの解釈)が観られて楽しかった。
ただ、ルリ子さんも改造人間になってたのはびっくりした。原作では本郷は改造人間になったことで力の加減ができなくなってしまい。そのため普通の人間であるルリ子さんを抱きしめることが出来なくなる。それが人間では無くなってしまったことに悩むヒーローという一面を強調してたのだが、今回は恋人同士では無く同志なので、まぁこれもあり。
最後におやっさんがカッコよすぎ!
序盤が最大の見せ場
序盤のクモオーグ戦はすごく良かったです。
CGと実写アクションのバランスが絶妙で、今後の展開にワクワクさせられました。
まぁ序盤が最大の見せ場だったんですけどね。
シンウルトラマンもそうですけど、怪人出し過ぎ。
おかげで一戦一戦がすげー薄味だし軽い。
しかも一文字が出てきて仲間にまでなるし、展開が忙しいことこの上なし。
いや一文字はすごく好きですよ?
何だったら主役一文字でやり直してほしいぐらい。
アクション面はCGが安っぽく、トンネルシーンは暗すぎ。
クライマックスは演出としては面白いけど、盛り上がるかは別。
庵野監督は一番拘りの無いシンゴジラが一番成功して、拘りが強ければ強いほど失敗していく。
誰も止める人がいないんだろうか。
次回作一文字が主役なら観ます。
一体何を見せられているんだ…。何とももどかしい作品。
庵野秀明の実写映画って実は今まで観たことなかったが、今作を観てホントこの人色々上手くないなぁ、と。
説明セリフの多さとやたらとカタカナが出てくる脚本、全編を覆う厭世っぽい拗ねた感覚、唐突で意味を成さない場面転換に取り敢えずシーンとシーンを繋いだだけの拙い編集と、これらが起因してこの手の作品としては驚くほどテンションが上がってこない。
何より、これ本郷猛が主役だよね?って確認したくなるくらい、本郷猛のキャラクターが薄い。テレビ版よりは石ノ森漫画の原作にオマージュを置いた脚本ではあるのだが、映画の2/3は緑川ルリ子が物語を引っ張っていくし、後半はどちらかといえば見せ場は一文字隼と敵役の緑川イチローにドラマの比重が割かれているし…。何よりも驚くのはそこそこの実力ある役者を使っている割には彼らの演技がもれなく、ひどく間が抜けて見える事だ。これだけの役者を使ってドラマが立ち上がって来ないとは…この監督は演技指導をしたのだろうか?。映像にこだわるあまり「監督とは?」という根本的な問題を露呈しているのでは?。その映像もこれだけCGが高度に発達したアクション映画が各国で作られているなか、質感や重量が薄弱で、未だに「これはCGですぜ」 と開き直ったかのような拙さ。とにかく全編「何を見せられているんだ?!」という何とももどかしい一作。
髪の毛が見える仮面が良かった!!
庵野作品は8割は見てますが、実写作品ではずば抜けて良いです。たぶん1番優れています。
R12指定なので興業成績はシンウルトラマンの半分になりそうですが、R指定さえなければシンウルトラマンと同程度の興業収益を叩き出せたはずです。
大人向けにリアルに描写されているのでR12指定になるのは仕方ない。
3回泣きそうになりました!これは庵野作品では初めてのことです!この意味でも相当珍しい作品といえます。エンターテイメントに意識的にしたということでしょうか?
プロフェッショナルな技術である通常の殺陣ではなくアマチュア的だがエッセンシャルマターを押さえたアクションが刺さりました。
本郷仮面ライダーの仮面から後ろ髪が見える予告編を見て、「こりゃいい!!絶対行かなければ。」と思っていましたが、この直感は間違っていませんでした。
1人の人間が変身した等身大のヒーローという感覚が本当に表現されています。あの中に入っているのは本郷なのだ。コートを羽織った姿も良かったなあ。これを見るだけでも映画館に行く価値があります!!
変身ベルトの造形も超カッコいいなあ!!
素晴らしい造形センスだなあ。
1号のパンチを受け止めた2号の「いいね!」
も良かったなあ。
ところどころに入る風景のシーンも芸術的に美しい物でした。
豪華キャストだし演技も素晴らしいものでした!!!
緑川ルリのビデオレターは反則級に泣かされました!!!
この映画に限らず関係者が精魂込めて制作した映画を批判している身の程知らずの素人さんが見聞されるが、誰が何を言っているんだ?????
自分ならもっと良い映画が作れるとでも?????
言ったでしょ。私は常に用意周到なの。
謎の組織に囚われたバイク乗りの青年本郷猛は緑川ルリ子に助けられる。
彼女の父であり、本郷の恩師である緑川弘博士によって、猛の体はバッタの能力を備えた人造昆虫人間バッタオーグに作り替えられていた。
人ではない強大な力を手に入れた猛は、人を自分の手で殺す感触に葛藤を感じながらも、大切な人を守るヒーローになっていく。
仮面ライダーミリ知らだったが、キャストとシン・シリーズに釣られて鑑賞。
結論から言えば素直に面白かった。
ただ、良いところも悪いところも半々くらいなので、ウルトラマンと比べても同じくらいかな。上回るでもなく下回るでもなくって感じ。
エヴァもゴジラも観てないけれど、庵野監督は人間の愚かさに苦悩する人間側の人非ざる者の物語みたいなのが絵描きたいのだろうか。
とにかく、正義と悪の二面性みたいなものが強く全面に押し出されていた。
冒頭から血飛沫を上げて仮面ライダーに殺されていくショッカー達の画は子供達にはかなり衝撃にトラウマとして映るだろう。
誰かの笑顔を守るためならどんな手を尽くしても悪を駆逐する。
その姿こそがヒーローたるものだと、決してヒーローはカッコいいだけの存在ではないと、大人でも気付かされる。
そんなヒーロー像と自身の姿に劇中ずっと苦悩し続ける本郷猛。
シン・ジャパン・ヒーロー・ユニバースとして、大人向けな一面も観れてそこは良かった(実際仮面ライダーシリーズって結構グロいとか聞くし)。
ただ、大人向けな一面を感じつつも、結構敵役オーグ達はコミカルに、悪く言えば幼稚に描かれていて、そこのギャップに少しついていけなかった。
前述の血飛沫も正直リアリティには欠けるので個人的には無駄な描写に感じる。
政府の人間として登場した竹野内豊と斎藤工の扱いも前2作と世界線を共有するための道具でしかなく雑だし……
この作品で最も良かったところはキャスティングかなと思う。
豪華な面々だがなんとも渋く良いキャスティング。
池松壮亮の本郷猛は流石だし、蝶オーグの森山未來とその後ろから出てくる仮面ライダー2号の柄本佑、顔が割と似てるのもナイスキャスティング。
脇役も渋い。1番楽しみにしてた塚本さんはすぐ死んじゃったけど……
そしてなんと言っても、ヒロインの浜辺美波。
浜辺美波をあそこまで綺麗に撮れてるだけでも本当よくやってくれたアンノくん。
久しぶりに推し活復活しようかと思うくらい輝いてた。
ダークな役の雰囲気もハマっていて、確実に前より上手くなってる。
成長と言えば西野七瀬もすっかり女優になったなと。
それにしてもビデオで浜辺美波に遺言残させるなんて、なかなか粋なことしてくれるじゃないの。
良いところと悪いところが交互にやってくるジェットコースタームービー。
観て良かったとは思うけど、ちょっと色々言いたくなる映画だった。
やっぱ大衆向け作品はそこまで合わないのかな。
さて次は何のシンをやるんでしょうか。
ガメラとかやって欲しいような欲しくないような……
〈追記〉
結構今回は素顔を隠したキャラが多かったから、声だけで役者さん当てるのがなかなか面白かった。
概ね分かったけど、手塚さんと仲村トオルは分からなかったわ。
クレジットで安田顕、ん、、、安田顕⁈
「犯人」役ってそれはずるいよー。
カタルシスを捨てた仮面ライダー
エヴァンゲリオンファンとしての感想。
庵野秀明監督のシン・シリーズとして、シン・ゴジラ、シン・ウルトラマンと続いての名作のリブートである今作。前2作は個人的にもとても楽しめたし、興業収入も非常に高かったのに対し、今作はどちらもいまいちである。その原因は何か?初見の時から考えていて、今日2回目の視聴をしてやっと見えてきた。その原因はカタルシスの不足である。
ゴジラやウルトラマンは正体不明の生命体、すなわち人類を脅かす絶対的な敵との戦いである。敵は打ち負かすべき悪であり、視聴者はそれと戦う日本政府や禍特対にスムースに感情移入することができる。
一方で今作のショッカーは、仮面ライダー旧作のそれと異なり、「幸福を追求する組織」とリアリティを持たせるべく現代的にアップデートされているのだが、それが余計だったように思える。
最強の敵であるチョウオーグ・緑川イチローは母親を惨殺されたという過去を持ち、ハビタット世界という理想郷に人類を導こうとしていた。いわばイチロー自身の正義のために戦っているのである。ライダーたちとの戦いのなかでその意図が明らかになるにつれ、視聴者はショッカーを悪とみなすことが難しくなり、感情移入に迷いが生じてしまうのである。
シン・エヴァを観た人はすぐに気がつくと思うが、これはWILLEとNERVの戦いの構造(また、その目的さえも)とほぼ同じなのである。敵とみなしていた側にも主人公とは異なる形の正義があることを目の当たりにした時に、主人公を、ライダーを手放しに応援できなくなってしまうのだ。
戦いとはある正義と別の正義の衝突であることは現実世界においては真理である。しかし、視聴者は必ずしもそのリアリティを映画には求めていない。むしろ虚構としての悪を打ちのめす正義を欲しているとさえ言える。それは、水戸黄門から半沢直樹まで時代を問わず勧善懲悪物が支持されていることを考えてもわかる。
ゆえにシン・仮面ライダーを、エンタテイメント作品として見れば失敗だと言える。例え子供騙しであってもショッカーは同情の余地もなく叩きのめすべき悪でいるべきであった。これはあくまで私の推測であるが、庵野秀明は本作を作るうえでシン・エヴァを引きずってしまったのではなかろうか。今回シン・エヴァのスピンオフ短編が併映されていたために余計にそう思えてしまった。
それが正解だったかどうかは10年後20年後の今作の評価が答えを出してくれるだろう。
面白いかと言われれば・・・
大人向けライダーということはPG12という年齢設定から想像はできる。主人公の心情や、改造人間の悲哀などに焦点が当たっているのかと思いきや・・
・冒頭でいきなり君は改造人間だと説明される。
色々小難しい理論を並べられ、初っ端から置いてきぼり感が強い。
・イマイチ戦う理由に共感できない。
キャラの深掘りができていないので、いきなりショッカーとの戦いに身を投じる主人公に共感しづらい。
・ところどころに漂うチープ感
言い換えれば昭和レトロ感。CGも安っぽい。これはあえて狙ったものなのか?
一言でまとめると、没入感は薄かった。正直、途中ウトウトしかけた。・・とはいえ、見どころもあり。
・1号と2号の共闘
1号のピンチに駆けつけた2号。BGMは期待通り。このシーンは胸熱。変身ポーズもいいね!
・バイクのチェイスシーン
これぞ仮面ライダーって感じ。CGでどうにでもできるだろうが、あえて実写なところが良かった。
・エンドロール
あー、終わった終わったといって席を立ってはいけない。
私は仮面ライダーといえばBLACK世代なのでリアルタイムではないがライダーは見ていた。なので所々入るオマージュや、BGM、ライダーキックのかっこよさなど刺さるシーンはあった。
しかし、仮面ライダーを知らない、もしくは平成ライダー育ちには???な映画だと思う。鑑賞後、明るくなった座席を見渡すと、まあ年齢層の高い事。たまたまかもしれないが、見事に昭和ライダー育ちであろう方々がほとんどだった。
大人向け仮面ライダーとしては十分鑑賞に耐えるものだし、庵野節全開のエヴァ風味な味付けは面白かったが、全くといっていいほど万人向けではない。
監督の自己満足のような気がするが、まあシン・シリーズ観てれば分かることでもあるかな。もし、続編があるなら観たいとは思う。
爽快感があるでもなし、感動シーンがあるでもなし、感想としては・・表現が難しいな。
ファンタジーとリアルのさじ加減の難しさ。
シンゴジラ、シンウルトラマンが良かったのと、安野モヨコによる家庭での庵野秀明を主役にされた漫画「監督不行届」で庵野秀明さんがおっさんなのに毎週日曜日欠かさず朝のアニメを変身ポーズをしながらご覧になられるという事で仮面ライダーは見逃せないと思い見に来ました。
また私はTVを制限された厳しい家で育ったため、私が見れた仮面ライダーといえば仮面ノリダーとブラックとRXのみになります。
結論から申し上げますとイマイチでした。
良かった点から申し上げますと漫画原作者の巨匠である小池一夫さんが漫画の全てはキャラクターと言い切られるほど映画や漫画ではキャラクターが重要になりますが、緑川ルリ子のキャラクターが素晴らしかったです。
浜辺美波さんが庵野秀明さん特有のキャラクター上手く演じられ、昭和特撮のキャラクターが現代クオリティで再現された魅力が最高でした。
初めは主人公に壁を持たれましたが、途中で頼りにされ距離が縮まる事で彼女の二面性を視聴者は楽しめて、また途中からの距離の縮まりに男性視聴者の心を掴む事にも成功されたでしょう。
個人的には良かったと思えたのは緑川ルリ子だけと言ってもいいかもしれません。
残念に思ってしまった点としてはハリウッドのヒーロー系映画に見慣れますとCGや美術のクオリティや主人公の棒読みに見劣りを感じてしまう点でしょうか。
以前ハリウッドのヒーローを毛嫌いした友人にコスプレしたおっさんが町中でテロリストと戦うバットマンってどうなの?って言われてから、私はバットマンを楽しむのが難しくなってしまいました。
そして今回その友人が好む庵野秀明さんのシン仮面ライダーでも同じような視点で見てしまい、こっちの方がダメだよと悪いところに目が行きやすくなってしまいました。
特に怪人の美術は痛々しかった。
渡辺謙さんが初めて出演されたハリウッドで2回目のゴジラ映画が上映された時に映画監督されてる方がハリウッドにあんなゴジラをやられたら日本でゴジラなんて二度とやれなくなると絶望されていました。
日本映画でいうと修羅雪姫というタランティーノのキルビルの手本にされた作品がありますが、修羅雪姫を見た時にあずみは身分不相応なハリウッドスタイルで実写化ではなく修羅雪姫のような昭和レトロ路線なら名作になっていたのにと思っていたので、日本のゴジラも昭和レトロ路線で行くべきと思っていたらシンゴジラで私が期待していた日本ゴジラが出てきて嬉しかったものです。
シンウルトラマンも同じ意味で成功されたと安心したので、シン仮面ライダーも同じように期待しましたが、私には受け入れるのが難しかった。
バットマンを悪く言われたからなのか、ファンタジーとリアルのさじ加減に対する見方がどうしても厳しくなりました。
特に仮面ライダーはゴジラやウルトラマンと違い、バットマンに近いヒーローなだけに無意識に比較してしまいます。
逆にどういった見せ方をすれば私でも納得できたか考えてもみましたが、そんな私でも思いつけません。
ハリウッドのハイクオリティなヒーロー映画に見慣れてしまうと仮面ライダーの怪人の基本設定で受け入れる余地がないような気もします。
思い出しましたが本郷猛が警察官であった父親が犯人に銃を使わなかった事で殺され、銃を使う強さが欲しいと語っていましたが、現実においてはあの場面で大事なのは犯人をリラックスさせ安心させる対話だったりします。
アメリカでは凶悪犯に対しては威圧的になるのはタブー視されており、対話で安心させ時間稼ぎと取引をされるそうです。
曹操、武田信玄、ナポレオンなどの歴史的名将や現代ではビル・ゲイツや孫正義であったりアメリカ軍などが学ばれた事で有名な孫子で「戦わずして勝つ」とも言うくらいに戦争においても武力に頼るのは最後の最後の切り札にするべきなのです。
そういった視点で見ますと仮面ライダーのキャラクターが薄っぺらくにも見えました。
2時間が長く感じるとは
冒頭、世界感を理解させるためにつらつらと設定を説明していくが、聞き慣れない単語をならべられても頭に入ってこず結局最後まで「?」が頭の上に浮かんだままだった。
この主人公はこんなヘタじゃないよな?と思うほどセリフ棒読み。
怪人をやった俳優陣は受けて良かったと思ってんのかな?金はかかってるんだろうけど、何故か凄い安っぽい。
話をまとめないといけないから、無理くり形勢が逆転する。
今回は少しマシになったが、カット割がうざい。
付き合いでシン・シリーズを全て観たが、この監督が世の中で賞賛されるのが理解できない。
仮面ライダー2人の衣装とアクション、VFXはカッコ良かったので星つけます。
ニワカだけど楽しめました
仮面ライダーの知識はほぼ皆無のニワカですけど、庵野さんの作品なので観に行きました。
そんなレベルなので過去作との対比だとかあのシーンはあの場面のオマージュだ、みたいなことについては全くわかりません。最後にドヤァって感じでタチバナとタキと名乗る場面とか、後で元ネタを知って、最初から知ってたら最後の最後になるほどーー!!ってなったんだろうなとも思ったんですが、観てる時は誰?って感じでした。その点に限らず多分、過去作等の知識があればかなり楽しめるんじゃないかと思います。シン・ウルトラマンもそんな感じでしたし。
とりあえず
・ 怪人の造形がスタイリッシュでカッコいい
・ 血が出ることで怪人も戦闘員も生きているというのが伝わりやすい上に、後半のライダーのピンチでの吐血が映える
・ ライダーの変身シーンがめちゃくちゃカッコいい
・ 装備とかヘルメットの解釈がなんかいい感じにカッコいい
・ 群生相バッタオーグとの戦闘がめちゃくちゃアツい
・ ラスボスが仮面ライダー0号を名乗るのがアツい
・ 浜辺美波が全編を通してシビれるくらいカッコいい
とまあ、割と頭空っぽで観ても楽しい映画でした。2時間あっという間でしたよ。
ただ、流石に頭空っぽで観てるとちょっとよくわからなかった部分も幾つかあってその辺もう少しきちんと説明して欲しかったなとは思いました。一部の背景は漫画の外伝で説明されている様ですが、映画の世界をより深める為ならともかく、それを読んでいないと映画が理解できない、つまり映画が単体で完結していないというのは少し如何なものかと思いました。そういう映画は、最近割と多くなってきたので殊更このシン・仮面ライダーに限った話ではありませんが。
・ ショッカーの目的がよくわからない
・ 「組織」としてのショッカーが見えない
・ ショッカーの「悪」がわからない(なんで倒さなきゃいけないの?)
・ イチローって結局なんなの?
・ ロボット刑事Kって仮面ライダーと何の関係があるの?あと、正義の味方じゃなかったの?なんでショッカーの一員?
・ ボスを倒したのにその後の怪人はなんで出てきたの?ショッカーは壊滅してないってこと?
という割とショッカー絡みの根幹的な部分がボヤケてる感じがして終わった後すこしモヤモヤしました。敵がボヤけているせいでライダーが戦う正当性も見えにくく、感情移入しにくくなっている様に思います。
その他にも色々細かい疑問はあるんですけど、まあ、そういうもんだと飲み込みました。
CGが場面によって安っぽく見えたのですが、群生相バッタオーグとの戦闘シーンとかほぼほぼCGの様に見えるのに安っぽさもなく、そう考えると場面によって意図的にクオリティを落としてるのかなとも思ったりしましたが実際のところはどうなんでしょうか。
兄イチローとルリ子について
緑川一家のこと、であるが
よく庵野監督のアニメで、父親に反発する娘に対して
表面には出さないが娘の事を考えているその父、という
関係がよく描かれる。
エヴァの葛城ミサトとか、ふしぎの海のナディアのナディアとネモ船長とか。
シン仮面ライダーではルリ子と緑川博士が、その相似形かも。
そこにチョウオーグである兄イチローが居ることで
ふしぎの海のナディアの終盤のプランBの様な筋書きになっているように思える。
ナディアの敵側のネオアトランティスのモデルはshockerの様だし
そこに捕われ、皇帝として置かれ、王座の背面から生命維持装置に
繋がれて洗脳を受けている、ナディアの兄の立場と構図は
かなりイチローと近い。
けれどナディアと、シン仮面ライダーでは展開が逆となっている。
ナディアでは、兄の皇帝は重傷を受けてから洗脳が解け
またナディアの洗脳を解こうとして絶命する。
シン仮面ライダーでは、兄の洗脳を解く望みを本郷に託してルリ子は
先に命を落として、イチローは
洗脳解除プログラムをライダー1号のマスクを介して
受取り、正気に戻る。
親子の過酷な運命に巻き込まれる主人公
という点ではナディアのジャンも本郷も似ているので
シン仮面ライダーの結末は、
ふしぎの海のナディアの別プラン、多少ほろ苦くしたもの
なのだ、と私は受け止める。
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