劇場公開日 2023年3月17日

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「プロデューサーは何をしていたのか?」シン・仮面ライダー たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5プロデューサーは何をしていたのか?

2023年4月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

難しい

テレビ放送が始まった1971年私は小学6年生になってちょうど「特撮ヒーローもの」から卒業して番組自体を見ることが恥ずかしいと思い始めた時期でありクラスメートには確かに砂場でライダーキックをやっている男子もいてばかだなあと冷めた目で見ていた。庵野秀明は1学年下なのだけれど誕生日は2カ月しか違わず彼がここまで「仮面ライダー」に思い入れがあるとはちょっとした驚きである。ドンピシャ世代の少し年下の友人と鑑賞してその後吞みながら話したがほぼ同様の感想で一般の観客への配慮が無さ過ぎて今回は興行的にもさすがにこけるであろう。面白い部分も随所にありもっともっと一般受けする映画にできたことは間違いないのだが、実写でアクションを撮影しておきながら全部捨ててCGに置き換えたとかクライマックスともいえるトンネル内でのバッタオーグ集団との戦いもせっかく1号2号が共闘する見せ場なのにあまりに暗すぎて光る眼以外になんだかよく分からずどっちがライダーなの?目が赤いからこれが2号かと、監督のノスタルジーだけで作っているとんでもない作品が生れてしまったことである。一方で庵野秀明的な独特のカメラアングルも今回はあまり感じる事ができず、そもそも敵対する極悪集団たるショッカーの存在があいまいとして分からず緑川家の中だけのこじんまりとしたいざこざに収斂していてばからしくもあり脚本というか土台の設定がだめであろう。残念としか言いようがない。

たあちゃん