「め、めちゃくちゃ良かった…!!」シン・仮面ライダー ゆめさんの映画レビュー(感想・評価)
め、めちゃくちゃ良かった…!!
ストーリー、「仮面ライダー」というテーマや正義の扱い方、配役、画面の構図や背景、衣装、全体的にとても良かった…!!
ひとつひとつ思い出せる範囲で書いていきたい。
まず「仮面ライダー」というヒーローの描き方について。
TVシリーズが1年間かけて描き続けている(その質は置いておいて)、「ヒーローとは?」「正義とは?」というテーマを本作は2時間でめちゃくちゃ真摯に描いていたと感じた。
仮面ライダーが人を守るために使ってる力は、元々は怪人の力だ。怪人と同じ。
何が違うかというと、それを人類に害を与えるために使うかどうか、というところなのよね。
そう、心の在り方の違いでしかない。
そして怪人と同じ力を持つ本郷猛は、それを人々を守るために使う。
でも人間ではなくなった彼は、人々には恐れられるかもしれない。理解されないかもしれない。それでも彼は人々を守りたいと思うから戦う。
その心の在り方がいわゆる「正義の心」であり、ここが彼を「怪人」なのか「人間」なのか、というアイデンティティにもなっている。
そしてだからこそ「仮面ライダー」は孤独だし、大きな力そのものが彼自身を苦しめることもある。
本作で本郷猛(と、のちに一文字隼人)が言う「仮面ライダー」はただの名前ではない。
彼(ら)が決意を持って使うこの名称は、元は怪人の力を人々のために使う、という決意表明であり、彼らの正義そのものなのだ。
この「仮面ライダー」についての描き方、「私は仮面ライダーに求めている根底はこれなんだよ…!!」と胸が熱くなったし、嬉しくなってしまった。
ありがとう庵野監督…!!
そう、あとこの一連の流れに説得力を持たせているのが本郷猛役の池松壮亮さん。
彼の、優しく朴訥とした話し方(本当に優しくてそして哀しみを感じる)、表情が本当に良いのだ。
「仮面ライダーの中の人はこうだよな…!」という説得力がすごくある。
そんな彼と対照的にどこか乾いて飄々とした一文字隼人を演じた柄本佑さんもとても良かった。
一文字隼人に関しては、ラストに本郷猛やルリ子さんの思いごと引き継いだ仮面を受け取ってバイクで走っていく物語の締め方もすごく良かったな。
本郷猛や「仮面ライダー」(とその意思を信じる者たち)を救ったのが彼なんだよね…。
かなりシリアスなものを背負った「仮面ライダー」においてこんな救いがあって明るく拓けたラストある?
ありがとう、庵野監督…!!(2回目)
もう本作については触れたいところたくさんありすぎるんだけど、
印象的な画面の切り取り方(インパクトあってお洒落な画が多すぎるのよ…これだけで観てて楽しい)、
配役の良さ(ルリ子さんの圧倒的美!、シンシリーズ網羅出演した竹野内豊と斎藤工も良かったし、オーグの皆さんもみんな良かった…)、
衣装の良さ(仮面ライダーの赤いマフラーの扱いも良かったよね…。あとルリ子さんのコート素敵)、
語ればきりがない…。
観終わったあとの満足感すごかった。
本当に良い作品だった。
とりあえず公開中にもう1回観にいく。