「あ、そこを残すんだ?」シン・仮面ライダー kayaさんの映画レビュー(感想・評価)
あ、そこを残すんだ?
私、仮面ライダーは放映開始当初に見てた年代なんですね。幼稚園でよく仮面ライダーごっこしてましたっけ。怪人の改造手術シーンとか、茶の間で見てると子供心にちょっとイケない気分で親の手前気恥ずかしかったりして、自分のエロ感覚の萌芽はここにあったと思ったり思わなかったり。
そんな私にとっては、平成以降のライダーはやっぱちょっと、いやかなり違う。それはそれでいいけど、仮面ライダーといったらやはり初期ライダーのあの、怪奇マンガ由来のエログロと、ソフビ人形売りつけ対象向け特撮TV番組の格好良さと荒唐無稽さとダサさがなければ、と思ってしまうのです。
で、この時代に仮面ライダーを映画にするとなったら、あのエログロと格好良さと荒唐無稽さとダサさをどんな塩梅でブレンドして辻褄の合う世界観を作って大人も見られるエンターテイメントとして仕上げるのかというのがキモであり、観客としての興味でもあったわけです。
ところがギッチョン。
あ、そこはそう説明するんだ?
ダサ要素、そのダサさのほうを残しちゃったんだ!?みたいな。
自分の好みにしっくりくるような塩梅ではありませんでした。
本郷と一文字が初めて出会って交戦する時のチャチな映像など、どうしてわざわざチャチに作るのか、残念ながら私にはその意図がわかりません。
でも昔の仮面ライダーへのオマージュはもちろんちょこちょこあって、本郷が脚を怪我したことで一文字が仮面ライダーになるところなんか、おおっ!そうきたか!って感じ。ダブルライダーvsニセライダーとかもワクワクしますね。
あとは、ツンデレ姫緑川ルリ子の抒情パートも良かったです。ブレンド具合が好みじゃないな~と若干斜に構えて見ていた私も、遺言シーンでは涙してしまいました。
それに一文字隼人が一文字隼人らしく描かれていたのも仮面ライダーと手を結ぶ2人の名が立花と滝であったことも良かった。
あ、一番スリリングで怖かったのは冒頭のオートバイで2台のトラック(ダンプだったっけ?忘れた)から逃げるシーンでした。
最後は懐かしの主題歌で締め。
菊池俊輔大先生の音楽は半世紀経っても素晴らしいです。
※本郷の『優秀で正義感があるけどコミュ障で故に就職に失敗』な設定に笑いつつ納得。
藤岡版の学生のくせにオヤジ臭く説教臭い堅物なんて、今の時代に現実感無さ過ぎるもんね。
※私はかつて蜂女のエロさに衝撃を受けた幼女だったので、ヤンデレ風味のヒロミちゃんは可愛いとは思ったけどピンとはきませんでした。