鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎のレビュー・感想・評価
全637件中、161~180件目を表示
エピローグで再度泣かされました
水木しげる生誕100周年記念作品。
SNSで話題になっていてずっと気になっていました。
"ゲゲゲの鬼太郎"アニメ第6期の前日譚とのことですが、そちらは未視聴。
何も知らない状態で鑑賞しましたが、全く問題ありませんでした。
評判通り、とてもおもしろかったです。
まず昭和31年戦後の日本という時代設定が良い。
閉鎖的な山奥の村が舞台なのですが、まぁかなり陰惨な物語でした。
横溝正史や犬神家などと言われているのは知っていましたが、鑑賞して納得。
これを典型的と言ってしまえばそうなのですが、今作はそこに上手く妖怪あれこれを絡めているので、あまり違和感も感じずに楽しめました。
主人公の一人である水木の、時代背景に絡んだバックボーンがしっかり描かれている点も良かったです。ただの上昇志向の野心家というだけでないのだなと。明かされる前後ではキャラクターへの印象も変わりますからね。
ゲゲ郎がようやく愛する妻に会えたシーンが感動的で…。
ずっと妻を探していたゲゲ郎も、愛する夫の子を何年も身篭って守り続けてきた岩子も、二人の夫婦愛がとても深くて愛おしい。お腹の中の鬼太郎が泣き叫ぶ事で結果的に父を手助けするシーンも、めちゃくちゃ良い演出でさらに涙が…。
それにしても、鬼太郎の黒黄色のちゃんちゃんこにあんな秘密があったとは。
単に鬼太郎の服装としてしか認識していなかったので、今作を鑑賞してあのちゃんちゃんこに対する意識が全く変わりました。笑
エピローグ。
水木のバックボーンがあるからこそ、より感動的なものになっていると感じました。一人の孤独な男が、この新たな命との出会いによって良い意味で変化し、愛を知って生きていくのだろうなと思わせてくれました。なので個人的にはハッピーエンドですね。
それにしても、生まれたばかりの鬼太郎が可愛くて…。
そして水木が鬼太郎を抱きしめるまでを眺めている、目玉おやじの姿となったゲゲ郎。
いや、もうこんなの泣いちゃうよ〜。
それにしても、沙代と時弥は可哀想でしたね。
憧れの東京の喫茶店でクリームソーダを飲んで、野球観戦もしたかったよね。
現代で、鬼太郎が最後に会った狂骨がまさかの時弥だと分かってからも泣かされました。
劇場ではあちこちからすすり泣きが聞こえていました。
まさかレビューがこんなに長くなるとは…!笑
一人で鑑賞したので、誰とも気持ちを共有できずに長くなってしまいました。
機会があったら原作やアニメも観てみたいと思います。
でもその前にもう一度、劇場へ足を運ぶかもしれません。
醜悪
「ゲゲゲの鬼太郎」は子供の頃にテレビアニメを見ていたものの、最近の作品は見ていません。
この映画もさほど興味はなかったのですが、評判を聞いて観てみようと思ったものです。
戦争の影が色濃く残る時代、異様な因習のある村、陰惨な殺人事件、横溝正史のようなテイストで予想以上に暗く不穏な空気。
戦時中の人体実験を連想させるような場面もあり、戦争の残酷さ、大義名分をかざして命を蔑ろにする権力者の醜悪さ、そういったものをきちんと突き付けてくるストーリーはとても良かったです。
興味本位の軽い感じかと思っていた記者が、報道魂を持っていたのも好感が持てます。
現代日本の姿、子供の未来に対する真摯な想いも伝わりました。
子供たちが理不尽な目に遭うのはやはりやるせないです。
アニメーションの面では、昔のテレビシリーズを見ていた者としては、猫娘の、今風というか萌えというか、このデザインはちょっと苦手な感じで、絵柄も全体的に子供向けのキャッチーなものであまり好みではないのですが。
テラスでの鬼面集団とのバトルシーンなどは見応えがありましたが、急に線のタッチが変わったな…とも思いました。
この絵柄なので、逆にシュールで醜悪さやグロテスクさが際立ったのかも、という気もしますが。
惨殺場面なども予想以上に陰惨な描写で、鉄パイプの描写など、かなり悪趣味(誉め言葉)だなと。
とは言え、こういう物理的なグロ描写よりも、権力者や集団の理不尽な抑圧がよっぽど醜悪でグロテスクだと感じさせられました。
全体的に中途半端な感じ
最後どうなったのかよくわからず…
想像を超えて面白かった! 内容もしらず、見たけど人間の欲深さや愚か...
期待しすぎた…?
SNSで大盛り上がりしていて気になり、ワクワクでほぼ満席のなか座席をゲットし見に行ってきました。
テンポはいいし、バトルシーンもかっこいい、鬼太郎ってこう生まれたのか〜ってのがわかる。けど、私にはそれだけでした…
映画の時間の中で説明するのは無理でしょうが、あの一族の成り立ちや、それぞれの人物の心情を掘り下げてくれたらもっと面白かったなと。
パンフレットは買えてないのでそこに解説とかあったらいいな…
乙女様の亡くなり方、狂骨に村人が殺されるシーンもただ人を殺してるだけというか。そりゃ恨みもあるかもしれないけど人殺しシーンをエンターテイメントにしてるのかなぁ捻くれてるかもしれませんが感じてしまいました。
紗代さんも救われはしなかったけど最期くらい少し救いがあっても…
水木とゲゲ郎のアツい絆というか、そういうのは良いですが…うーん…物語の作りは子供向け、表現は大人向け(グロテスクさ、近親相姦など)と感じました。
私は考察厨なので、登場人物ひとりひとりにどんな人生があったか考えるのが好きですがそれを考えるにも情報量が少ない(次女、三女とかはモブ扱い?)のと、殺し方が雑すぎる、意味のないグロテスクさを出しているところにうーんといった感情を抱いてしまいました。
難しいかもしれませんが当主がなくなるまでの一族の生い立ちを書いたスピンオフ小説とか出ませんかね。そしたらもっと奥行きが出ると思います。
とてもベーシックな良作
過去にアニメ(3期)を見たことがあり、漫画のゲゲゲの鬼太郎も読んだことがある人間です。
なんというか無駄が少なく、非常にまとまった良作。
横溝的なドロドロしたお家騒動と妖怪の話が詰め込まれているが、乱雑な印象は受けない。ストーリーラインがとてもシンプルなのでとてもわかりやすい展開。
血液銀行の水木とゲゲゲの鬼太郎の親父の交流がメインだと思うが、仲良くなるのがやや早急かなという気もするがそのへんもなんというか想像の余地があると言える。
創作をする人たちに受けているというのも納得できる。
映画のお話はオリジナルなので、鬼太郎本人をなんとなく知っていて、目玉の親父がいるというのを知っていれば鬼太郎シリーズを詳しく知らなくても楽しめる出来になっている。強いて言うなら「鬼太郎誕生」というこの映画の原作ではないが関係がある漫画を読んでおくと映画試聴後ある程度のなるほど感がある。
個人的には、アニメ映画であまりにも動きが凄すぎると何が起きてるかわからんとなりがちだけど、このくらいの動きがちょうどいい。アクションもかっこよかった。
横溝正史版・ゲゲゲの鬼太郎
なかなか骨太
細かい脚本で普段聞き慣れない言葉が多い点や、展開がややスピーディーな点もあるため、大人ですらストーリーを全て理解するのは難しいが、難しいからこそ何度も見応えがある作品だと感じた。
そして子供がいたら泣いたり目をそらしたりするようなシーンもあるが、振り切って作っていた点が好感が持てた。
子供向けではなく、あえて大人向けの今作は、アニメ業界の一つの道標となる気がした。あえて内容をハードに作ることで、大人でも視聴に耐える作品となり、長い年数楽しめる作品となっていた。
タバコを吸うシーンが多かった点もその当時の時代背景を忠実に再現しており良かった。コンプライアンス的に喫煙シーンがアニメでは減りつつあるが、個人的には好きなので、今後もこういった作品が増えてほしい。
そしてラストの展開は原作にも繋がるように工夫されており、従来の鬼太郎ファンも満足のいく作品だった。
グロいシーン多めなだけに地上波放送は絶対にされないと思うので、映画館で鑑賞することをオススメします。
見応えあり!
全部のせ・バランスよいエンターテイメント
オカルト、ミステリ、バディもの、家族愛、活劇。
いろんな要素がバランスよく盛り込まれていると思います。
PG12とあり胸糞な展開がありますが、しっかり成敗してくれますし、終盤の主人公・水木が男ぶりよく清々しいです。
水木しげる作品の戦争マンガとも絡めたシナリオのようで、個人的にはこの点が印象的でした。
人間の所業
鬼太郎誕生までの経緯を人間のもつ恐ろしさを絡め描く。
上昇志向の強いサラリーマンの目を通して、閉鎖的な村で起こる人間の欲望のとてつもない深い闇に触れることで観てる観客にその恐ろしさと底知れぬ欲望を、目を逸らすことなく描き切る。
そしてゲゲゲという語源もさらりと語られる点も心をくすぐられる。
水木しげるの世界ではない
良かった
鬼太郎誕生秘話。原作を現代風に映画化。
(本レビューでは、作品内に登場する「妖怪」の名称を明かしています。名称だけでは、ネタバレにはならないと思いますが、先入観を一切持ちたくないという方は、鑑賞後に本レビューをお読みください)
【鑑賞のきっかけ】
劇場公開されて、興行収入ランキング上位に入っているのを見て、初めて存在に気づいた作品。
題名のとおり、鬼太郎の誕生にまつわるエピソードの映画化ということで、大変に興味があり、劇場鑑賞してきました。
【率直な感想】
<よくぞ劇場用映画にしてくれた!>
私事で恐縮ですが。
私が子どもだった頃は、1968年にテレビ放映が始まった「ゲゲゲの鬼太郎」の第1シリーズが繰返し再放送されていたとともに、1972年からは、第2シリーズも始まり、夢中でアニメを観ていた記憶があります。
でも、その頃は、「目玉おやじ」がなぜ、目玉だけなのかは考えもしなかったし、鬼太郎もテレビシリーズでは、最初から悪い妖怪を退治するヒーローであり、それに疑問も感じませんでした。
やがて大人になり、じつは、「ゲゲゲの鬼太郎」の前に、「墓場鬼太郎」という貸本で読まれていた漫画本があり、そこには、鬼太郎の誕生と、目玉おやじがなぜ目玉だけなのかが記されているということが伝わってきました。
その後、「墓場鬼太郎」は復刻版が文庫でも出版されるようになり、読んでみると…。
とにかく、「グロテスク」です。
これでは、とても子ども向けアニメでは放送できないと思いました。
2008年には、この作品に忠実なアニメが深夜枠で放送されましたが、原作よりも「グロテスク」な部分は薄まっていたように思います。
そんな作品ですから、表題のとおり<よくぞ劇場用映画にしてくれた!>なのです。
でも、もちろん、「グロテスク」な部分は大いに削られています。
子どもでも鑑賞できるように工夫されている(ただし、PG12は付いていますが)。
それでいながら、原作の重要な要素はきちんと盛り込まれていて、十分面白い作品に仕上がっているので、その点を私は評価したいです。
<妖怪「狂骨」>
本作品で、原作者を投影しているような男性「水木」と、「鬼太郎の父親」が対峙する妖怪は、「狂骨」。
この妖怪、一般的にはあまり馴染みがないかもしれませんが、私にとってはよく知っている妖怪でした。
京極夏彦という直木賞作家がいます。
彼は、妖怪をモチーフにした推理小説を発表していて、人気の百鬼夜行シリーズに、「狂骨の夢」という作品があるのです。
私は、劇場鑑賞を終えて、帰宅後すぐに、本棚に置いてあるノベルズ版「狂骨の夢」(1995年発表当時のもの)を取り出してみました。
すると。
裏表紙に、「狂骨の夢」を絶賛する文章が掲げられていて、「『狂骨の夢』も思ったとおりオモシロクてたまらないものだ。全日本妖怪ファン必読の書である」と。
その執筆者が、「水木しげる」だったのです。忘れていたな~。
水木しげる生誕100年を記念した本作品に「狂骨」が取り上げられたことは偶然ではない、と感じています。
【全体評価】
本作品は、予備知識なしに楽しめるものなので、私のように、「墓場鬼太郎」を読んでいる必要はありません。
でも、「墓場鬼太郎」を読んで、本作品との違いや共通点を比較してみると、本作品に凝らされた数々の工夫に気づくことができるのではないでしょうか。
原作の持ち味を十分に活かした良作として評価したいと思います。
水木先生の戦中体験
鬼太郎が発表されたときは、【墓場鬼太郎】とかっていう題名だったと思い出しました。朝ドラの【ゲゲゲの女房】で描かれていた水木先生の戦地での体験が主人公の水木を通してベースになっていた。
子供の頃は、どうして鬼太郎のお父さんが目玉おやじなのか、気になって妖怪図鑑か何かで鬼太郎の生い立ちを探したなぁ。
最後のシーンはまさしく墓から鬼太郎が誕生するの原作通り。つながったと思いました。
親に名前が無いのも原作に忠実。
ただ、PG12の龍賀一族の人間関係についてはちょっとなあ〜
説明に苦慮するだろうよ。
子供には見せない前提ならいいんだけど。
水木先生の創作してた作品も怖くて、TVはなかなかみれんかったが。
強さの質が、なんか違うような気がした。
水木とゲゲ郎のバディものとしてのストーリーはよかった。
意外とホラー
全637件中、161~180件目を表示