王の願い ハングルの始まりのレビュー・感想・評価
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知的好奇心をくすぐるおもしろさ
ハングルの成り立ち、言われれば母音も子音も学術的に確立してるわけでなくそんなカオスの中から、音の共通点を探したり整理したり記号化したり、決めること多過ぎだ!外国語の素養のある弾圧されてる仏教の僧侶たちが王命でプロジェクトを進めるという、ストーリー自体のおもしろさ。
その面白さに乗っかりすぎかな。淡々とプロジェクトの進行が語られるわけだが、人間ドラマは、王妃の葛藤が際だつくらいで、各人の思いは割とあっさり。
「舟を編む」や、「マルモイことばあつめ」より遙かに難易度の高いプロジェクトだということは分かるんで、ドラマの弱さは仕方ないかなあ。
ソン・ガンホが映画の中で老けていくのは見事。
ハングル文字の誕生ヒストリー
新しい文字を生み出す過程の困難と情熱
反対勢力に苦しめられながらもあきらめず、それまでにない新しい文字、ハングルを完成させた世宗大王。その王をソンガンホが演じるとあって、これは観ねばと思ったのがきっかけだったが、それ以上に見ごたえがあり素晴らしかった。
身を削りながらも、民にも分かりやすい文字を創りたい、もっと誰もが知識を得られる世の中にしたい、という王の熱い想いが、この新しい文字ハングルを生み出せたのだということを、この映画の王と僧侶たち、家臣や儒学者との関係性を通じて知ることができ、とても感慨深かった。
特に王と共に力を尽くした海印寺(ヘインサ)の僧侶たちや、王の意思を汲みとって陰ながら文字創造を支える王妃が心に残る。
本編とは違うところでも、お付きの女官と若い僧侶とのやり取りも微笑ましく楽しめた。
映像も美しく落ち着いた色調で、壮大な歴史を感じさせてくれる。撮影の舞台となった浮石寺(フソクサ)は映画のことを知らなかった2年前に一度訪れているが、この映画を観てまた新たな気持ちで行ってみたいと思った。
ハングルを理解していれば…
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