ブラックボックス 音声分析捜査のレビュー・感想・評価
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音の世界に目をつけた発想力が素晴らしい
世の中には「音」に焦点を当てた映画がいくつかある(「ギルティ」「ミッドナイト・クロス」など)が、航空事故の原因を探る上で不可欠なブラックボックスと、そこに刻まれた音を読み解く専門分析官を登場させた時点で、本作の独自性はある程度担保されたようなものだ。その世界は、闇に広がる出口なき迷宮。そこから何かを聞き取ろうと入り込むあまり、何が真実で何が幻聴か、その境界線を見失う者だって存在する。果たして主人公が辿る道はどうかーーー。冒頭からワンカット風の映像で旅客機内の構造を簡潔に描き、巻き起こる惨事については決して映像で見せることなく、観客は主人公の特殊な技能に身を預けながら想像力を働かせる。ピエール・ニネ演じる主人公がまた絶妙だ。少々生きづらさを感じるほど真面目すぎるところが難点だが、それゆえキャラクターが人間らしく息づき、彼が立ち向かうサスペンスも息切れすることなく映える。見応えある良作である。
Necessary Tech-Horror Thriller that Gets Carried Away
For those with a fear of flight, the opening long-shot to Black Box is gripping tension. The aviation safety employee with a skill for fast sound-editing detective work makes this an audiophile's masterpiece, taking Sound of Metal's cues into the mystical worlds made in earpieces. Developing into Tom Clancy-level geopolitical sabotage, a 30-minute cut might have made the film seem more serious.
☆☆☆★★★ 「機長!何をするんです!」 後にビートたけしの持ちギ...
☆☆☆★★★
「機長!何をするんです!」
後にビートたけしの持ちギャグとなる【逆噴射】の羽田沖墜落事故。
そして御巣鷹山に消え。当時の人類史上最悪の飛行機事故となった、日航機墜落事故。
その際に社会的に有名になったのが、航空機に搭載されていたブラックボックス。
個人的な事ですが。映画の中で、パソコンを使用してサスペンスを盛り上げようとする作品には、今ひとつ「面白い」と感じる作品が少ないように思えます。
これには、オジサンであるこちらのパソコンに対する拒否反応が色濃く出ています。
以前は何とか覚えようとした時期もあったのですが、、、
しかし、スクリーンに映っているのは人間。
少なくともパソコンの場面が映っているよりも、人間がアクションを起こしている方が、どうみても面白さが出ると思うんですけどねえ。
とは言え、そんな中からも充分に面白い作品が出る時も有って。そんな作品の1つが数年前に公開された『search /サーチ』でした。
〝 真実はネットの中にこそある 〟
観ていて「その手があったか〜」…と、感嘆したものでした。
そしてもう1本。この本編のように、音声のみでサスペンスを盛り上げる作品だったのが『THE GUILTY/ギルティ』でした。
音声認識とゆう特殊能力を持つ人間だからこそ、真実へと近づく事が出来る。
但し『THE GUILTY/ギルティ』は、音声での単純な犯人探しではなく。主人公の心の奥底に棲む【真実】を、画面上に映る指に貼られていたバンドエイドであったり、結婚指輪を映し。観客には画面上に映る現在進行中の出来事よりも、物語には映らない以前に起きたのであろう?出来事を想像される秀逸な物語でした。
そんな『THE GUILTY/ギルティ』と比べてしまうと(比べるモノでもないのですが)この作品には、主人公の妻の存在であり。その妻と改竄の首謀者との関係等には、この作品でのクライマックスにあたる《ブラックボックスの存在》と同様、物語の在り方として多少の都合の良さ等を感じない訳ではない。
最初にパソコンを使うサスペンスは、、、と書いておきながら、実は面白く思いながら観ていた場面が有って。それこそが、主人公がパソコン上に映る音声分析を聴き込みながら「何とか真実へたどり着こう!」と、必死に自らの分析能力をフル回転させ集中している場面。
主人公が筋肉モリモリの強い男ではなく。如何にも神経質な眼といい、この職業への強い拘りを感じさせる演技であり。ヘッドフォンを通し、拘りの《音》へのアプローチ。カメラアングルと共にスムーズな移動撮影等は必見と言える。
…と同時に、やはり映画はアクション在ってこそ!と思わせてくれる。
特に秀逸だったのが、今では当たり前の様に車に車載されているカメラの使い方。
主人公がその車載カメラを意識する瞬間は「しまった!ヤバイかも!」…ってゆう表情だったのが、「そうだ!アレだ!」と思いつく時の脚本の巧さ。
更には、「俺ひょっとしてヤバイ組織に狙われているのかも?」…と、事件の匂いを嗅ぎつけて不安に駆られ。悩み始めてから、強いストレスに身も心も削られて行くサスペンスの盛り上がりも、上手い…って言うか、本当にずるい。
動物を使用したちょっとしたB級ホラー的な演出でさえ、使い方によってはまだまだ充分に面白くなるのだから。
そうそう、クライマックスでのサスペンスを盛り上げる主人公の周りをカメラがグルグルと何回も回り込むカメラワークも、【やり過ぎ感】を1歩手前で回避し、作品に対しての絶好の調味料となっていた。
それでいて些細な部分にも疑問視する神経の細やかさ。それによって自身を悩ませる身体的な情弱さであり、ヤサ男だからこそ暴力に対抗出来るのか?…と観客を一気に不安にさせる。
観客をその場に居合わせる臨場感の狙いと。音だけなのに、映像で示す為に生じる違和感。
勿論、それは映画的な演出であり。それによって観客を引き摺り込む常套句でもある。
が…しかし、その際の墜落に直接関係してしまった有る人物の、〝 まずい、、、どうしようもない 〟と言った表情であり、その場に居合わせている全ての人の感情等は。当たり前ではあるけれど、演出による想像であり。(映像を挿入しなければならない為とは言え)勝手に作られた映像であるのを多少は理解しなければならない。
それは、何よりもこれは劇映画だからこそ。
映像で観客に追体験を促し、サスペンスを盛り上げる為にはどうしてもその様な演出・映像が必要になって来る。
それを理解した上で。以前にテレビで放送された、あの日航機墜落事故の時に御巣鷹山に墜落したコクピットの中で《何が有ったのか?》…とゆう疑問を、全て公開されたブラックボックスの全貌。
ただひたすらに「頑張れ!」と励まし続けた機長の叫びの声。その【音声のみ】が、どれだけこちらの・放送を見た国民の心を掻き毟るくらいに胸を打ったのか…と。
サスペンス映画としては及第点以上。それでも本物の【真実の声】の前では、作り物の映像ではまだまだ及ばないのかも知れない。
「だったらお前はドキュメンタリー映画だけ観とけ!」って言われそうですが(ー ー;)
2022年1月21日 TOHOシネマズ/シャンテシネ1
面白かったぁ
こういうリアリティ溢れる映画は大好き。
ただ不自然なとこは2点。1コ目はあの狭い車の間を機材持って通ったとこ‥伏線なんだけど。
でも1つの記録を分析していく様を丁寧に重ねて映像化していくのは良かった。
不自然2コ目は終盤のポロック邸。あのタイミングで来ないだろ‥。
ハッピーエンド派の自分としては、最後はやや残念だった。でも昔の『ビューティフルマインド』を思い出した。
頭悪いからその都度見直さなきゃ難しかったんだけど、全般的に面白かった。
ただ飛行機嫌いが、より飛行機嫌いになった。
評価:4.0
着眼点に感心しました
CS放送のムービープラスで放映していたのを途中から鑑賞しました。
最新型旅客機の乗員乗客が全員死亡する航空機墜落事故が発生。主人公の航空事故調査局の音声分析官は、フライトレコーダーの「ブラックボックス」に残されたコックピットの音声分析を頼りに、隠された事故原因に迫っていく・・・というサスペンス映画です。
フランス映画なので、最初はフランス語に違和感を感じながら観ていましたが、次第にストーリーに引き込まれて気にならなくなりました。
周りから疎まれるほど有能な分析官が、紆余曲折を経て真相に迫っていく姿は鬼気迫るものがあって、サイコっぽいところもありました。
結末がハッピーエンドとはいえませんが、なかなか面白い映画でした。
テロか欠陥か妄想か
最新の旅客機が墜落。回収されたフライトレコーダーの音声分析担当官のポロックが、なぜか失踪してしまう。優秀だが几帳面すぎるマチューが引き継ぎ、コクピットに侵入者ありと分析、テロと断定される。しかしマチュー自身が、辻褄が合わないところがあると発見し。
テロか欠陥か、はたまた妄想なのか、先が読めない展開にハラハラ。複合した真相と、残念な結末に見応えありました。
ティザーから受けた印象とは違っていたが
面白いサスペンス映画でした。フライトレコーダーを最初に聞いたところからテロだろうとの推測から始まり、機体の欠陥を疑い、さあ、果たして真相はなんだったのか?という話の流れ方は砂時計の落ちる様を見ているようでした。
ただ、デンマーク映画の「ギルティ」のように「音」にかかりきりでもなく、そのところに期待はしてたのだけれど、意外と「足」で証拠を探し事実にたどり着くところは宣伝とのギャップを感じたところです。
ただ、
・ラスト、主人公マチューの扱いには、さすがにそりゃねえだろ、とは思いました。そう処理しなくても、いや、別のやり方/落とし方の方が痛快に終わったんだろうなあと。
・話のつなぎ方が雑になるところはちょくちょくあります。
・「音」にはこだわった映画でした。街の喧騒だったり機内の音とかよく仕込まれていました。
飛行機物を音からアプローチって新鮮。
一言「飛行機に乗れなくなる、かも」。
フライトレコーダーとコックピットボイスレコーダーを称して、ブラックボックスという。
なのでこのタイトルですが。
内容としては、事故機の原因調査のために、ボイスレコーダーを調査する主人公。
いかに彼が耳が良すぎるかを、同窓会でうるさすぎてイヤホンさせることで。
印象づけるのが上手い。
話が進むにつれて、段々事故調査官として動く。
そこに上司の失踪事件を絡めていく。あれ、もう音の話は?。
と思わせといて終盤前あたりから。
自分に迫ってくる「音」に気づいて、逃げ始めるところ。
こちらまでハラハラ。真相に辿り着けるのかと。
終わりもえええ!と、驚き。
全体的に闇夜のシーンが多いので、真っ暗にして見るとよりいいかも。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「人間の耳に勝るものはない。聞こえる音に集中せよ」
一級のサスペンス!仕事人を見た
映画館で観そびれていたこの作品!
やっと観ることができました。
ピエール・ニネ、こんなにいい俳優さんがフランスにいたんですね。素晴らしかった。
300人を乗せた旅客機がアルプス山中に墜落。
原因究明のためのブラックボックスの究明にあたる音声分析官マチューをピエール・ニネが演じます。
世渡り上手では決して無い、まっすぐな心の持ち主、マチュー。誰に何と言われようとも、諦めず、粘り強く、天性の聴力と分析力を武器に墜落機のブラックボックスの謎に迫っていく様がとてもスリリングでした。
航空業界の闇を暴く、一級のサスペンスであると同時に、1人のプロフェッショナルの生き様も描かれる。
先が読めず、予想もしない展開に、釘付け。
信念と正義感に突き動かされるように、時にクレイジーなほど入れ込み、真相究明に突き進んだ彼の末路は…
観終わって、何とも言えないもの悲しい余韻が残っています。
おすすめです!
飛行機の墜落事故の原因を、ブラックボックスの音声を頼りに究明する。...
飛行機の墜落事故の原因を、ブラックボックスの音声を頼りに究明する。
ちょっとした音の違いでエンジンの回転数の変化等を感じる聴覚は神業かと思う。
最初はイスラム過激派によるテロかと思われたが、なぜ主人公の上司が失踪したのか。
航空機業界の闇が浮き彫りになる展開は緊迫感があり、おもしろい。
ボーイング737MAXの欠陥や、JAL123便の事故を思い起こさせ...
ボーイング737MAXの欠陥や、JAL123便の事故を思い起こさせる。
電子制御の盲信の危うさ。現代社会の便利な生活は、危うさと背中合わせなんだょなぁ。
最後まで堪能しました
いい感じに、ドキュメンタリー風のエンタテインメントになっていて、観やすい映画だった。音声分析、つまり耳高が頼りの男が、航空機事故の原因を解き明かしていく話。
航空会社も、巨大だし政府との連携は重要だろうし、こういう映画の敵役としてはぴったりだね。人のスキルと自動化の関係もからませて、おもしろい映画だった。最後まで堪能しました。
いやー面白かった!
最初フランス映画とわからず、フランス語ではじまり、少し冗長な感じかなと思ったが、いやいや。
妻と娘は、主人公イケメンと言っていたが、こんな感じがイケメンなんですね。
最後、超ハッピーエンドでないけど、良い感じで終わったのも好き。
旦那さんと奥さん、最後分かり合えて良かった、、。
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