茜色に焼かれるのレビュー・感想・評価
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和田くん、片山さんの演技がまだ不自然な感じがしました。 脚本も...
和田くん、片山さんの演技がまだ不自然な感じがしました。
脚本も後半になるにつれてグダグダになってた気がします。
特に最後に神社のシーンでケイや中村が都合よく表れたのがご都合主義で謎。
あと良子と熊木のベットシーンで自分が風俗で働いて汚れてるかもしれないからうんたらかんたらといっているところ。10台の若い子ならそういう思考になるかもしれませんが、アラフォーの風俗勤務の女性がそういうこと言っているのはかなり気持ち悪かったです。そもそも風俗の女性はそういう思考になりません(はっきりと断言します)。
あとどうせコロナ渦の時世を描くならもっと不幸の原因をコロナによるものとして描いた方がよかったと思います。
業種間での格差も描いた方がよかったと思います。
自分の知り合いの人で借金してお店をオープンしたとたんにコロナがきて、資金がショートして首つった人がいます、一方で、補助金もらって全然困らん、とかそもそも逆に恩恵受けてうはうはみたいな人もいます。そういうの描いたら、面白そうな気がしました。
コロナ渦という設定が、世の中なんか不景気になってるよね、って何となく雰囲気だすのとみんなマスクつけてるだけで全く生かせてない気がしました。
生き方下手のいっちゃってる母親に自分勝手ないっちゃってる死んだ親父...
生き方下手のいっちゃってる母親に自分勝手ないっちゃってる死んだ親父。一見マトモな賢い息子も最高の母ちゃんとか言って、結局いっちゃってるし。皆んな勝手にいっちゃってて下さいって感じ。子供は親を選べないってホントだな。
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コロナ禍に生きる全ての人達に向けた映画
旦那さん役オダギリジョーでびっくり笑
交通事故で亡くなってしまう
加害者は、アルツハイマーで捕まらなかった。ただ官僚という肩書きがあり、たぶんそのお陰で実際捕まらなかった。
実際にニュースにもなり、社会を揺るがしたことが冒頭で絡めてありました。
本題はそこではないのですが、
コロナで貧困、
女だから舐められる
おばさんだから舐められる
被害者だから舐められる
税金をもらって暮らしていて舐められる
とても映画でよく描かれてました。
世間に傷つけられて
それでも生きていく
尾野真千子と息子役の二人良かった
ケイちゃんも良かった
ケイちゃんみたいな子、沢山いるだろうなと思った。
永瀬正敏さん最初嫌な感じの役だったけど、最後、色々助けてくれて良い役と思った笑
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頑張りましょう♪
微妙
泣ける映画と期待してハンカチ持ってったけど
微妙だった…
尾野真知子は大好き。永瀬さんも和田庵もすごく良かった!尾野真千子、オダギリジョー、その他主要キャストの演技は最高だった。
しかし冒頭の池袋暴走事故を彷彿とさせる所が長すぎる。この時点でへこむ。
ピンサロシーンがあまりにも多過ぎる。
女性ドン引き。
熊木くんはそこまで悪くないし彼と付き合えると思った良子がおかしい。
なので熊木くんに犯罪をやらせるのはやりすぎ。最初の弁護士とからめて上手い事やったと監督が思ってるとしたらひとりよがりです。
そもそも良子のバックボーンが回想シーン一つないのは変。良子のアングラ女優姿が写真でもいいから欲しい。オダギリジョーのライブシーンくらい入れてよ。この夫婦に感情移入出来ず。
ケイの人生はきちっと説明できててケイが一番辻褄合って感情移入出来た。
片山友希の演技力に感激!
ラストシーンは唐突。ほんと監督これで気持ちよくなってるとしたらやばい。
夕焼けも画が全然印象に残らない。
箇条書きみたいな映画だとしても、メインのシーンはどこなの?って思いました。
あとドラマーがルックスが必要以上に顔にクセあってすごい余計だった。幸子可哀想。
ヒゲいらない。
田中良子も尾野真千子も演技が上手いのです
いい映画でしたね。いやー社会って理不尽。いったいなんで苦しい思いをしながら必死に生きてるんだろうねーほんと死ぬかイカれるか宗教入るかしかまともに生きる術はない、笑。
この映画はすごくアップの映像とか見上げる感じの面白い角度からの映像とか多くて、人をしっかり映している感じがして好きだった。たまーに入る引きとドアップとぼけやる背景、なんかよい。
尾野真千子もじゅんぺー役の子もステキで好きでした。ケイちゃんもよかったね。なんか苦しい中生きていく強さ、あったかさ。まぁ頑張ろう、そう思える。
できれば、尾野真千子が惚れる男はもうちょいイケメンというか、色気のある男にして欲しかった。どうみたって、オダギリジョーのほうが圧勝にカッコよくて、好きになったと言われても腑に落ちない、笑。
希望でもなく絶望でもない茜色の空
人に勧めたくなる映画にも一応私なりの判断があります。
①まぁ、それなりに映画好きな友達になら
②マーベルとかディズニーとかリーガルものとか割と嗜好がハッキリしてるあいつになら
③映画好きかどうかに関わらず、多少煙たがれることがあっても、とにかく見てほしい、知って欲しい、感じて欲しい、と勧めてしまう
この映画は間違いなく③でした。
コロナ禍であらためて浮き彫りになっている諸課題への問題提起は言うまでもありません。
多くの方が述べられている通りです。
それよりも私が斬新だと思ったのは、
夜の闇に向かいつつある〝茜色に染まる夕方〟がまだまだ続くんだね、しょうがない、まぁ頑張ろう。
というメッセージです。
いや、そんなメッセージ発してるつもりはないけど、と監督は言うかもしれませんが。
明けない夜は無い。
という言い方はよく聞きますが、宵闇がそこに迫ってるようにしか見えないけれど、空が茜色のうちは転倒しない程度にはペダルを漕ぎ続けてみようよ。
こんなまったりした励ましがなんだかとても新鮮でした。
もうひとつ、今までと角度の違うアプローチだと思ったのは、〝自分探しの罠〟についてです。
今の自分は本当の自分では無い、これは俺のやりたいことでは無い、こんなはずではなかった…
どんな状況に対しても、自分本来の姿ではないことにして、抱えている鬱屈を説明したり、納得させてしまうことがありますが、いつも〝今の自分〟を演じているのであって表面の部分は芝居なのだ。そして、芝居を演じているのは紛れもなく自分であり、その自分に本来の自分とか偽りの自分などという違いなんてない。それでいいじゃないか。
コロナ禍だからこその要素に目を奪われがちになりますが、生きることについてのリアルな視点が、じんわりと深く胸に突き刺さってくる素晴らしい作品だと思います。
オダギリジョーさん。
『湯を沸かすほどの熱い愛』でもダメ夫でしたが、
この作品でも決して誉められた人物ではありません。
それでも、奥様が惚れてしまったんだから仕方がないという設定が無理なく伝わってくる独特の雰囲気は健在です。
永瀬正敏さん。
裏社会に通じる一種のプロ。
風俗嬢個々の人生に立ち入るようなお節介はしないけれど、素人のルール違反と大切な商品(彼女たち)を守る仕事はキチンとする。
皆さん、本当にいい仕事をしてますね。
本年度ベストワン候補
早くも今年度日本映画の、ベストワン候補の、作品が届けられました。
心意気を持った映画人によって作成され、技術力のある映画人に撮影され、稀代の映画人によって演じられた、令和を生きる全ての日本人のための映画です。冒頭から一気に心臓をぐっと掴まれ、エンドロールまで疾走させられました。なにしろ、2時間24分、無駄なカットがワンカットも無いのです!
今までどちらかと言うとその筆致を抑制してきた石井監督ですが、この映画では見事に自身を出し切り、極限まで突き詰めた映像表現で、観るものの魂を抉り続けます。
主人公を始め、ほとんどのキャストがマスクをして撮影される映画を初めて見ました。コロナ禍をいち早く織り込んだ監督の感性に驚きしか有りません。リアルさがハンパないのです。
主演の尾野真千子さんが素晴らしいの言葉で収まりきれない熱演です。内臓を裏返すくらいの演技を見せてくれます。70年代のATG(アートシアターギルド)の映画かと思わせる切迫ぶりが伺えます。全盛期の桃井かおりを超えたのではないでしょうか。かと言って決してオーバーアクトではなく、役を理解し尽くした上での、上手さが煌めきます。キャリアハイの作品でしょう。今まで、『君はいい子』が彼女のベストでしたが、この作品は遥かにそれを越えて来ました。
助演の片山友希、和田庵も素晴らしい。永瀬正敏も含めて、イヤな脇役もホントに殺したいくらいウジ虫のようでいい。
多くのメディアや言論が切り捨てて来た、「たいせつなこと」を石井監督は冷徹に、そして優しく取り上げています。
小説では伝わりにくいことを、映画はやすやすと、われわれの目の前に表現してくれます。それが総合芸術の素晴らしさです。
日本経済新聞が伝えてくれない、でもとても大切なことを、しっかりと伝えてくれるのです。
エンドロールで、GOING UNDER GROUNDのハートビートが流れた瞬間には、スクリーンに飛びこんで行きたくなりました。
令和の時代に相応しい、魂の傑作にスタンディングオベーションしかない。
日本の「シングルマザー」家庭かの(国、政府への)叫び!
日本人、日本政府の弱者生活者への本音?なんだろう。
ちょっと見は、弱者の強く、清い、生活観、信念に共感を抱かせようとしてる。
がしかし、この映画(石井監督)は、シングルマザー家庭の残念なほどの社会的な受け捉え
そして、ほったらかしの国の不備
を、反旗を翻らせることもしない映画で
訴えている?(諦めてるかも)
悲しいなぁー、辛いなぁー!
でも、このさじ加減、うまいね。
俳優の布陣、適材適所で、心底の悪がいないのも、上手い!
日本の政治家は、この映画を見ても、きっと
これは、映画の世界
と、見ちゃうんだろうなぁー。
ラストシーンが印象的なのも
現実の社会、生活が辛いから、みんなに
届くんだろう、を巧みに作ってる。
女豹のロックンローラー良子誕生!
池袋の交差点に砕かれた自転車。散乱した麦わら帽子と子供用ヘルメット。この映像を何度目にしただろう。誰もが今なお抱き続ける憤り。そしてこの事故から昨今のコロナ禍において頻繁に耳にするようになった「上級国民」というワード。その全てを息苦しい現代を投影したこの物語の始まりに据えるにおいて、夫役はオダギリジョーでなくてはならなかっただろう。
あまりに多くの物を背負いながら手段を選ばず懸命に働く田中良子。怒りも苦しみも憎しみも絶望も全て飲み込んで笑ってやり過ごす。
良子の口癖「まぁ、頑張りましょう」…私には諦めの言葉のように聞こえた。
唯一本音を吐露できる風俗店の同僚ケイ。もっと怒っていい。叫んだっていい。気が狂いそうな夜の街で自分を見失いながらも目の前の今を生きる女性達が逞しい。
生きる理由がなくても人は生きてゆける。生きる意味があれば。生きる価値があれば。でも全てなくなったらやっぱり人は死んでしまうのだろうか。それとも神様を探すだろうか。
良子にとってそれは純平である。母ちゃんの赤い服を見逃したりしない。めちゃめちゃいい男。
ラストシーン。完全に吹っ切れた女豹の良子はもはやロックンローラーである。きっと良子は「まぁ、頑張りましょう」とはもう言わないんじゃないかな。格好いいな、母ちゃん!
最後に残念箇所が1つ。この映画のタイトルともなっている土手の夕焼けのシーンがめっちゃCGで一瞬引いてしまった。何故?是が非でもここは本物の茜色に焼かれてほしかった。
~大阪も遂に映画館が再開しました!待ち遠しかったです。まだまだ困難な日が続きますが良子みたいに力強く生きていきたいものです。~
荒削りだが心に残る映画。尾野真千子が素晴らしい
荒削りなんだけど、訳もなく心に残る映画。
綺麗にまとまってる映画より、こういう映画の方が残るものが多いと感じる。
物議を醸しているラストシーンは断然支持派。
田中良子という人間を通して、それでも芸術表現することをあきらめない、フィクションの力を信じる制作スタッフの決意表明のように思えた。
あれがないと割とよくある映画に終わってた。
最高だよ石井裕也。
尾野真千子の魂の演技がとにかく素晴らしい。
ちょっと後味悪い
冒頭の事故のCG映像って、テレビのニュースでも見かけるけど、被害者からしたら耐え難い映像ですよね。。
被害者のプライバシーばかり露呈してる最近のニュースに重ね合わせてしまいました。
田中良子さん、心が綺麗すぎるなぁ。
それじゃ戦えない、いや闘う事など眼中にないのか。
旦那さんの命の対価の賠償金は受け取れない。
良子さんの命が擦り減っても?
行き過ぎた自己犠牲感がちょっと後味悪いかな。
頑張れではなく、まあ頑張りましょう
初めてレビューを書きます。
色々な方が素敵なレビューを書かれているので自分がどうこう書くのはどうかと思いましたが、この気持ちとか感情を忘れたらダメだなと思い自分のために書きたいと思いました。
内容のレビューなどは書いていないので、レビュー目当ての方がいたらすいません。
映画は色々な考えや意見、感想があるのは当然だと思いますが、自分ほんとにこの映画に出会えてよかったなと心底思いました。
この映画を見て自分の色々な事に気づけたし、何気なく言った事や何気ない行動で誰かを傷けたりするって事をわかってはいるつもりでしたが本当にわかっているのか自分と思ってしまいました。自分の無知さやわかっているつもりの自分がいてなんか凄く心がえぐられました。
見た後と見なかった後の自分の人生が変わる様な感覚の映画はそうないですが何か自分が変われそういや、変わらなくてはと強く思いました。
小野真知子さんの「まあ、頑張りましょう」は最初は自分に言っているのかと思いましたが、最終的には私に見ている方全てに言われてるきがして震えがとまりませんでした。頑張れではなく、頑張りましょうと言うのがより私の心を救ってくれました。
強くは生きていけないとは思いますが、色々考え、足掻きながらでも生きていこうと思いました。
映画に関わった監督、出演者、スッタフ、映画館の方本当にありがとうございました。自分も恥じぬ様に生きていきます。
もしレビューを読んでくれた方がいたら長々ありがとうございました。こんな時代でみんな色々思う事もあるし、色々大変だとは思いますが、まあ頑張りましょう。
中2病映画
よくこんな映画に星多く付けてプロ気取りしてるな。何だこの映画、主人公や他の登場人物に全く感情移入出来ない。特に尾野真知子の役どころ。旦那殺されて保険金受け取らないわ、旦那の浮気相手の子供に養育費送るわ、そのくせ金が無いから風俗で働くわ、そんな人間、シングルマザーいねーだろ。いちいち何円とか出るけどなんの意味があるの?
出てくる人物全てそう。全く共感出来ないから話に乗れない。ラストのアクションのスカッとさせました話なに?あの男そんなに悪くないから、母親の単なるアホにつきあわされてるだけだから。それなら家に火をつけた生徒探し出せよ。
監督の単なるマスターベーション映画。
よくこれでプロダクション通ったな?
単館で十分。尾野真千子の脱ぎ損だよ。分からないのかね台本読んだ時点でクソ映画って。
この手の映画を描くならちゃんとバックボーンあって主人公に感情移入させてから物語を進めないと、全てが偽物の世界に見えてくる。なぜ分からないのか?それは監督、プロデューサーが素人だからだと思う。それで今回も予算回収出来ませんでしたね、観客の意識が低いからですよって絶対言ってる。
荒川の土手
尾野真千子目当て80%。石井監督目当て、20%。
和田庵君の鼻と尾野真千子の鼻がよくにていて、ほんとの親子みたいだったよ。
途中(最後10分から15分ぐらい)までは凄く良かったです(☆4.5)。ただ、あの人(キョンキョンの旦那)が出過ぎ。
エンディング、ぶれぶれでした。
まだ若い石井監督だから、自分で脚本書く監督だから、敢えて苦言を言いたくなります。期待しているから。
コロナ禍での撮影。それはわかりますが、コロナ禍と関連付けなくても良い内容だったので、じっくりエンディングをやって欲しかった。
片山友希のケイがとても良かった。生い立ちが複雑で、生まれつきの糖尿病で、男運の悪い彼女を子宮頸がんにして自殺させた。
自分のことでは怒れないけど、ケイのことなら怒れたんじゃない?火葬場で問題の父親を出してきたのなら、良子が喧嘩腰で父親に突っ掛かる場面が欲しかった。
アルツハイマーの老人に引き殺された旦那オダギリジョーのバンド仲間のコロナ禍の飲み会(7回忌)の場面で、飲ませたら手がつけられない怪演をする劇団女優のエピソードがちょっとだけ語られるが、尾野真千子の俳優魂の発露が弱め。途中、これは女優田中良子の芝居だなと思う場面(少しクサめ)はあったけど。
バンドのドラムのただやりたいだけのお茶屋のバカ親父は必要?官僚の家族の顧問弁護士役の嶋田久作が最後にはオレオレ詐欺の受け子を守る弁護士?
熊木君とのラブホシーンは片乳見せるだけ?
田中良子(尾野真千子)が示談金を拒否して、許すまじと懸命に生きてきたのだから、老人の葬式に乗り込んで、見ているこっちが怖くなるような大立回りの大芝居を見せて欲しかった。
そして息子役の和田庵君が、お母さんもういいよって大泣きするエンディングからの荒川の土手の夕陽が見たかった。
茜色に焼かれるという題は凄く良い。だから、さいたまの荒川の土手の夕陽の場面で終わらせて欲しかったよ~ん
怒りの指す方へ なんのために生きるのか
「もっと怒っていいんだよ」
主人公の良子は度重なる理不尽に合いながら、社会のルールとの狭間でなんとか理性的に生きてきた。怒りを出さないことは、彼女の理性ゆえかとも思う部分も多く見えていて、彼女の賢さゆえの立ち振る舞いにも思えた。
それでも息子のいじめに憤る姿に、「誰かのためなら怒れる」姿も見えてくる。
同級生に詰め寄るシーン
彼女のこれまでの人生を考えたら、本当に包丁を突きくけるべきは、事故の加害者であり、謝罪をしない遺族に対してじゃないか。あるいは、息子の存在を馬鹿にして命の危険まで晒してきたガキどもに対してじゃないのか、とても疑問だった。
だけど、誰かのためじゃなくて、自分自身の身に直接降りかかった理不尽に直接対峙する重要な意味があるのかと思えてくる。
夫は社会に対して怒り、その社会に死んだ後でさえ虫けらの様に潰された。
子供はそんな境遇のせいもあり、変わり者を排除する暴力にさらされた。
はるかに大きな理不尽だし、客観的に見ているこちらとしては、怒りの矛先が不自然にも思えた。
一方で彼女自身は、大きすぎる理不尽に対して「神様」を想定してどこか諦観のような態度でもあったのかもしれない。
しかし、自分自身の問題に対して怒ること、それを彼女が見せること、それこそが彼女が自分の意思で生きる上で重要だったのだろうと思う。
彼女の脅迫行為は、結果として相手を破滅に追いやっている。今まで自分がされてきた、社会のルールから外れた理不尽を他者に与える行為でもあったと思う。穏やかなBGMが流れていたが、決して穏やかなシーンではないと思う。
しかし、それでも彼女は自分の意思で怒り、その結果生きていく道標としての息子の存在を改めて認識するための行為だったのかもしれない。
余談ですが
学校のシーンの後にお店のシーンが流れたり
教師に対して怒っているときに「大事な話が」と言われたり
「学校」という場面で「売春」という言葉が使われたりして、仕事がバレるんじゃないかとハラハラさせたり
事故のイメージ図を冒頭で最初に見せてから始めたり
ポールで視界を隠したり
そのポールが真っ赤だったり
細かな伏線というか、匂わせというか
うわーずるいなー うまいなー
と思いながらも、上手いこと手のひらに乗せられてた感じで面白かったです
あとラストの「茜色に焼かれる」1番大事なシーン
おそらくコンプラ上、2人乗りを漕いでいるところを直接撮ることはできないと思うから、背景ははめ込みだとは思う。
そこはいいんだけど、草花が風で揺れているのに、2人の服や髪が微動だにしていなかったのが気になってしまった。
細かいとこ気になってごめんなさい。
どんなに不条理であっても前を向いて生きていかなくてはならない
この世には誰が決めたか分からないルールや、理不尽なことに溢れている。
自分を何かに合わせて演じて誤魔化していかないと生きていくのがつらい。
でも、そんな息苦しい世の中でも誰かを愛することが生き甲斐になる。
空が茜色に染まるように、塞ぎ込みたくなる曇天模様でも一筋の光を差し込んでくれる。
人はなんのために生きているのか。という命の尊さを改めて見つめ直すことができる作品。
コロナ禍の社会や生活様式を自然と描いていて、この1年ほどでこの作品を書き上げ撮りきり上映した石井裕也監督は素晴らしい。
字幕でものごとの金額が出てくるが、お金に換算できない幸せとの対比を表しているか。
現状のていねいな描写
切ない話が続くよね。
観てて「経済的困窮はしんどいけど耐えられる。屈辱を与えられるのが耐えられない」と思ったな。
あとは、弁護士さんで顕著だけど「話を聞いてますか?」と言う人がこちらの話を全く聞かない。それから、「上に言われて」「上に言われて」が出てきて、弱い者がさらに弱い者を叩く構図。
熊木くんに対する仕打ちは「ひでえなあ」と思った。これも出てくる中で一番弱いところにいったと言えなくもない。
話をまとめずに終わっていて、淡々と事象を描写した作品になっていたけど、観てて考えさせられたな。
尾野真千子が凄かった。でも・・・・・
女優・尾野真千子の凄さを観た。
ただ、これはいいとしても作品としてはどうだろうか?
製作者が伝えたかった事はなんだったのだろうか?
「生きていくって大変。」だったのかなぁ・・・・
まぁ、確かにそうなんですけどね。悩みが無い人はいないでしょうし、多かれ少なかれ皆さん「悩みながら」日々生きているわけですしね。
観て損したとまでは(尾野真千子、凄かったし、)言いませんが、人にはあまりおススメできないかな。チョッと残念でした。
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