JUNK HEADのレビュー・感想・評価
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ストップモーションの最高峰
本業が内装業で、映画製作素人の堀隆秀が、独学で映画作りのための原案から脚本、撮影、セット、アニメーターとありとあらゆる役割を独りで担い、7年の歳月をかけて作り上げたストップモーション・ムービー。14万枚もの膨大なショット作業を、たった独りで作り上げたとは、信じられない力作であり、秀作である。
物語は、永遠の命を得た代償として生殖能力を失った人類が、生殖再生を願い、地下都市に住み、自我に目覚めた人工生命体マリガンの調査に行くストーリー。その調査の中で、地下に潜む、恐ろしい生物や虫に襲われながらも、マリガン達と協力して、生殖の秘密を目指して冒険していく。
調査隊と任命されたダンス講師の男の紆余曲折のあるストーリー展開も面白いが、場面場面の背景やセットの壮大さは、とても仕事の作業場を改良して作ったとは思えない精密さと壮大さを感じ、ハリウッドのSF映画に引けを取らないし、それ以上に、一つ一つの小道具等のディテールの高さは群を抜いていると感じた。
今やCGが当たり前となった映画製作において、とにかく一コマ一コマをアナログで作り上げていく作業は、気の遠くなる作業であるが、だからこそ描ける、質感や温かさが伝わり、観ていただけたら、そのスケールの大きさも頷けるだろう。
また、ストーリーの中に子供心を忘れないおふざけやクスっと笑ってしまうシーン、かと思うとB級的なグロさも盛り込んだ、エンターテイメント作品として仕上がっている。そして、滅茶苦茶な言葉(台詞)も聞いているうちに、その表情から何となく内容が理解できてしまうのも不思議な感覚だった。3部作で続編があるようなので、また、ぜひ観てみたい。
探していたのは尻尾ではないんですよ
うわさに違わず、とんでもない怪作だった。まず、世界観がいい。ひょっとしたら風刺ファンタジーなのかなと思っていたら、地下世界で出てくるクリーチャーたちの捕食シーンを見て思わず声が出そうになった。グロさもいい、食物連鎖の非情さをまざまざと見せつける演出もまたいい。
とてもほぼ1人で制作したストップモーションアニメとは思えない。登場人物は、無音声でなく無国籍風の言語で喋る。この奇妙な言語に字幕が付くからホントに未来のデストピアって感じがする。
地下世界の人工生命体マリガンが、人間よりも人間っぽいのが笑える。ゴマスリ野郎もいるし、チンケ詐欺を働くクズ人間もいる。主人公を騙して、生きたソーセージ?を横取りしたこのくず人間の末路が面白い。この作品の中で一番のカタルシスかな。
この作品は、見逃したら後悔するやつだった。続編の予定があるっていうから楽しみでしょうがない。
ストップモーションアニメでここまで表現出来るとは…!
クノコって何ですか?
地獄の3鬼神とかのキャラクターがユニークすぎる。主人公の元ダンス講師パートンが地下調査員となるものの、あっというまに頭の中身だけ残されロボット化された。第一層(?)で可愛らしいアンドロイドとなり、人々からは「神様」と呼ばれるのですが、気持ち悪い造形の地下生物と戦いながらもさらに地下深くに落ちてしまうのだ。かなりオンボロなロボットにされ、言葉も失い、雑用係とされてしまった・・・
とんでもないSF世界をストップアニメーションで描いた堀貴秀監督すごすぎる!神様として扱われていた頃といい、オンボロロボット“ポン太”としてクノコの買い物をさせられた頃といい、可愛すぎる。大阪弁風のおっちゃんにも騙されるが、素直なために何でも言うことを聞いてしまう。そんな風に、世界観のみならずそれぞれの性格が作りこまれているのです。
シリアスなシーンばかりじゃなく、わけのわからない言語や大人しいモンスター“トロちゃん”の生殖器に惹かれていくところなど、笑えるところも満載。やっぱり3鬼神のおかげで笑いも絶頂になりました。名前がちゃんとあるのですが、わかったときにもクスクス・・・コロナ禍なので声に出して笑えないのが残念。
グロいシーンも多いし、モンスターの色がほぼ同じなのでどちらが捕食者なのかわからないという難点もある。ウ〇コにモザイクかけるなら、あちらの方にも・・・と、笑いツッコミが相互に訪れる面白さ。3部作という超大作らしいけど、1作目に7年かかってるんだから、最終章公開まで生きていられるかが心配です・・・
圧倒的な熱量で作られたSFと愛らしいキャラたち、言葉遣いが気になる点も…
ファーストカットにワッと広がる、機械的で奥ゆかしい町並み。いきなり忘れかけていた…。これがストップモーションの世界ということを…!
SFらしい設定から、細々と丹念に練られた世界で、人間と新たな生物の交流を描いた本作。あくまで人間の感覚が"郷に従う"ことになるので、その異質な世界をとくと堪能することになる。人間が神様として崇められたと思ったら、ガラクタ呼ばわりされたりと、異文化を隔てて魅せることで、未知な世界を作り出している。その中でも、死生観や生物を取り巻く環境、村などの文化的な構築といった、類似点を生かした展開も面白い。序盤から笑えたし、途中まさかグッとくる場面に出くわすことになるとも思わなかった。そういう意味では、着想と展開がしっかり連結しているからこその厚みなんだと感じた。
一方言葉遣いの乱暴さは気になるところ。ところどころ投げるセリフが時代錯誤で、古さを感じる。3部作を想定しているとのことなので、次回は改善されてほしい。どうももったいない気がしている。その言い回しがキャラ本来の愛らしさを無駄にしている。男性社会を引きずっているより、もっと共栄した和やかさがあると良いのに…と思った。
まさかの逆輸入でミニシアターを賑わせている本作。笑えるところに一体感を覚えるので、劇場の距離の近さを改めて感じた。トリコになる人がいるのも分かる、とびきり濃くて熱いSFモノだった。
新しい世界観
三部作ってマジですか?
バイオレンス・ボイジャーって言う、一人で作ったゲキメーションがあってですね。コレが無茶苦茶オモロかったんですが、その上を行ってます。入りが分かりにくいけど、世界観が好き。
全てを一人で作り上げて、しかもストップアニメーションとか、アタマどうにかなりそうなくらいですよ。好きものの鑑として絶賛したい。三銃士キャラとか最高。コレは良いです。
問題はですね。
三部作の超大作らしいけど、流石に飽きる。風呂敷の広げ過ぎも、B級カルトの流儀に反する気がするし。
2作目・3作目も、確実に見に行くとは思いますが、風呂敷は小さ目が良いなぁ、って思いました。
次は列車を目指してのロードムービー?
どんな展開が待ってるか、期待してます。
これはすごい!
シュールなのにキュート!
面白さが私に合っていた
好き嫌いが分かれそうな作品でした。
いろいろ深い意味などが考察される所が、良い作品の証だと思います。
でも考えないで楽しめます。
ありがちなフリがあって、クスッと笑える場面も多い。
それにしても雑に扱うなぁ。
頭部って脳みそって訳ではない?
メモリ?
グロいのが苦手な人は鑑賞しない方が良いと思います。
下のネタがあったり血の表現も多い。
それにしても熱量が凄い。
途中からストップモーションアニメだと忘れてしまう。
よく一人でこんなこと続けられるなぁ。
テクニックも素晴らしいけど、建物や小物の作り込みが異常で変態。(褒めてます)
続編を作って欲しいけど、今のところ劇場鑑賞とパンフレットしか応援方法が見つかりません。
クラファンはもうやってないのかな?
次回作を楽しみにします。
これは凄かった!
職人芸の凝縮
主人公が墜ちた先でパーツ改造(改悪も含む)していく様は、生物の進化と似ている。
環境に合わせて生きる為の工夫をしたり、人体を適応させていくのが進化なんだろね。
バルブ村の女衆が、まんま韓国のアジュンマ(オバちゃん)だが、スタッフの一人が「花咲くコリア」に関わっている事を劇場版パンフレットで知り、納得した。
女衆たちはグルメツアーでどんな美味を堪能してんだろ?、そもそも彼らは何食ってんだろ?等など気になる。
主人公の頭部が辿り着いた先でパーツ改造する件やラストで上体を切り離してラスボスを倒す件は「銃夢」を彷彿した。
次回作は、ロートル爺さん(居眠り上等!)やパワハラ上司&腰巾着の元で働く有能な技術士くん(スレンダーボディで動作も早い)が報われる展開を期待してやまない。
3部作ですがこの作品だけでも満足できます
演出が実写映画のようでコマ撮りとは思えないほどした。
造形のクオリティの高さはもちろんのこと、
映画での‘あるある‘をコマ撮りで再現しており、
研究した結果なのか再現のクオリティが高いです。
コマ撮りのため役者が演技をする訳ではないので、
すべてを監督(演出)が支配します。
監督は他者との掛け合いがないため、自分の能力以上の広がりは生まれません。
しかし純粋に自分の世界を追求でき、結晶としてJUNK HEADだったのでしょう。
一人で作った閉じた作品は基本的に自己表現が先行してフックがない場合が多いのですが、JUNK HEADはアクションもコメディも小芝居もセリフも全てのクオリティが高く、観客を楽しませる事を意識しているのでしょう。芸術性うんぬんではく自分が楽しいと思うことを作成した結果なのかもしれません。そういったところを鑑みると職人肌の監督なのかなと思いました。
ストーリーは「強烈に続きが気になる!!」というような感じではないですが、
続編が上映されたら確実に鑑賞します。CGではなく実際に存在する人形が動くという単純な快感がこの映画にはあるからです。
これは個人的趣向なのですが、
下品なのは良いが、俗っぽさを感じる部分がありました。
モザイクをかけなくても良いのではないでしょうか。
せっかく一人で作った世界なので世俗と断絶してほしいなと思いました。
興奮。。
アーポンチョ ケチケチケチケチ ポッコリーノペッコリーナ
堀貴秀氏が、7年かけてほぼ1人で作ったストップモーションアニメ。
もーー、最高‼︎‼︎拍手を送りたい!
遺伝子操作により、永遠の命を手に入れる代わりに、生殖能力を失った人類。
人間の住む地上の下には地下世界が広がり、かつて人間が作り出した人工生命体、マリガンが独自に進化を遂げ暮らしていた。
人間界では、全くマリガンの生態がわかっておらず、主人公はその調査のために地下世界に送られる事となる。
フィクションの世界ですが、新種のウイルスの発生とか、環境破壊による汚染だとか、現実的なところが皮肉めいていてとても良い設定&導入。
自分以外の人や生物への無関心・無知による偏見、で、行ってみたら、似ている形でも色々な個体がいて…
階層型になっているのも、人間の社会に通ずるところがあって、(地下世界並みに)予想以上に深いなぁと。
インセプションみたいに、どんどん主人公の(特に頭)が階層ごとに落ちていくのも良かったです。
マリガンの造形もかなり凝っていて、人によってはグロテスクと思うかもしれない。
ただ、監督の自然へのリスペクトや生物への愛を、ものすごく感じましたね。
実際の生物の特徴や生態が活かされていたり、残酷だけど自然な弱肉強食があったり。
人工物ではあるけれど、彼ら(マリガン)からは命が溢れ出していました。
だからこそ、最初はちょっと怖い⁉︎と思っていたマリガンが愛おしく思えてくるのかもしれません。
主人公(人間)を神と信じ崇めたり、そもそも人間を神としてしまったり、日本らしいところも……考えすぎだな、これくらいにしときます。
本当にすごい。
伝説の瞬間を目撃しているのかもしれない。そんな感じ。
三部作の一作目らしいです。
確かに続きがありそうな終わり方でした。
クラファンとかで失敗しながらも、長編で公開に漕ぎつけたそうで、次回作が観たいという思いと、製作スタッフの方々への感謝から、1500円のパンフレット買わずにいられませんでした(分厚くて、これも映画ばりに見応えがあって、充実した内容なので是非)。
深く観るもよし、浅く観るもよし。
とにかくワクワクが止まらない。
そして、観終わった後、アトラクションに乗ってきたかのような、満足感に襲われること間違いなし。
次から次へと楽しみが出てくる、おもちゃ箱みたいな映画でした。
さぁ、映画館へダンボォォォーーーーー‼︎
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