JUNK HEADのレビュー・感想・評価
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圧倒的な熱量で作られたSFと愛らしいキャラたち、言葉遣いが気になる点も…
ファーストカットにワッと広がる、機械的で奥ゆかしい町並み。いきなり忘れかけていた…。これがストップモーションの世界ということを…!
SFらしい設定から、細々と丹念に練られた世界で、人間と新たな生物の交流を描いた本作。あくまで人間の感覚が"郷に従う"ことになるので、その異質な世界をとくと堪能することになる。人間が神様として崇められたと思ったら、ガラクタ呼ばわりされたりと、異文化を隔てて魅せることで、未知な世界を作り出している。その中でも、死生観や生物を取り巻く環境、村などの文化的な構築といった、類似点を生かした展開も面白い。序盤から笑えたし、途中まさかグッとくる場面に出くわすことになるとも思わなかった。そういう意味では、着想と展開がしっかり連結しているからこその厚みなんだと感じた。
一方言葉遣いの乱暴さは気になるところ。ところどころ投げるセリフが時代錯誤で、古さを感じる。3部作を想定しているとのことなので、次回は改善されてほしい。どうももったいない気がしている。その言い回しがキャラ本来の愛らしさを無駄にしている。男性社会を引きずっているより、もっと共栄した和やかさがあると良いのに…と思った。
まさかの逆輸入でミニシアターを賑わせている本作。笑えるところに一体感を覚えるので、劇場の距離の近さを改めて感じた。トリコになる人がいるのも分かる、とびきり濃くて熱いSFモノだった。
新しい世界観
三部作ってマジですか?
バイオレンス・ボイジャーって言う、一人で作ったゲキメーションがあってですね。コレが無茶苦茶オモロかったんですが、その上を行ってます。入りが分かりにくいけど、世界観が好き。
全てを一人で作り上げて、しかもストップアニメーションとか、アタマどうにかなりそうなくらいですよ。好きものの鑑として絶賛したい。三銃士キャラとか最高。コレは良いです。
問題はですね。
三部作の超大作らしいけど、流石に飽きる。風呂敷の広げ過ぎも、B級カルトの流儀に反する気がするし。
2作目・3作目も、確実に見に行くとは思いますが、風呂敷は小さ目が良いなぁ、って思いました。
次は列車を目指してのロードムービー?
どんな展開が待ってるか、期待してます。
これはすごい!
シュールなのにキュート!
面白さが私に合っていた
好き嫌いが分かれそうな作品でした。
いろいろ深い意味などが考察される所が、良い作品の証だと思います。
でも考えないで楽しめます。
ありがちなフリがあって、クスッと笑える場面も多い。
それにしても雑に扱うなぁ。
頭部って脳みそって訳ではない?
メモリ?
グロいのが苦手な人は鑑賞しない方が良いと思います。
下のネタがあったり血の表現も多い。
それにしても熱量が凄い。
途中からストップモーションアニメだと忘れてしまう。
よく一人でこんなこと続けられるなぁ。
テクニックも素晴らしいけど、建物や小物の作り込みが異常で変態。(褒めてます)
続編を作って欲しいけど、今のところ劇場鑑賞とパンフレットしか応援方法が見つかりません。
クラファンはもうやってないのかな?
次回作を楽しみにします。
これは凄かった!
職人芸の凝縮
主人公が墜ちた先でパーツ改造(改悪も含む)していく様は、生物の進化と似ている。
環境に合わせて生きる為の工夫をしたり、人体を適応させていくのが進化なんだろね。
バルブ村の女衆が、まんま韓国のアジュンマ(オバちゃん)だが、スタッフの一人が「花咲くコリア」に関わっている事を劇場版パンフレットで知り、納得した。
女衆たちはグルメツアーでどんな美味を堪能してんだろ?、そもそも彼らは何食ってんだろ?等など気になる。
主人公の頭部が辿り着いた先でパーツ改造する件やラストで上体を切り離してラスボスを倒す件は「銃夢」を彷彿した。
次回作は、ロートル爺さん(居眠り上等!)やパワハラ上司&腰巾着の元で働く有能な技術士くん(スレンダーボディで動作も早い)が報われる展開を期待してやまない。
3部作ですがこの作品だけでも満足できます
演出が実写映画のようでコマ撮りとは思えないほどした。
造形のクオリティの高さはもちろんのこと、
映画での‘あるある‘をコマ撮りで再現しており、
研究した結果なのか再現のクオリティが高いです。
コマ撮りのため役者が演技をする訳ではないので、
すべてを監督(演出)が支配します。
監督は他者との掛け合いがないため、自分の能力以上の広がりは生まれません。
しかし純粋に自分の世界を追求でき、結晶としてJUNK HEADだったのでしょう。
一人で作った閉じた作品は基本的に自己表現が先行してフックがない場合が多いのですが、JUNK HEADはアクションもコメディも小芝居もセリフも全てのクオリティが高く、観客を楽しませる事を意識しているのでしょう。芸術性うんぬんではく自分が楽しいと思うことを作成した結果なのかもしれません。そういったところを鑑みると職人肌の監督なのかなと思いました。
ストーリーは「強烈に続きが気になる!!」というような感じではないですが、
続編が上映されたら確実に鑑賞します。CGではなく実際に存在する人形が動くという単純な快感がこの映画にはあるからです。
これは個人的趣向なのですが、
下品なのは良いが、俗っぽさを感じる部分がありました。
モザイクをかけなくても良いのではないでしょうか。
せっかく一人で作った世界なので世俗と断絶してほしいなと思いました。
興奮。。
アーポンチョ ケチケチケチケチ ポッコリーノペッコリーナ
堀貴秀氏が、7年かけてほぼ1人で作ったストップモーションアニメ。
もーー、最高‼︎‼︎拍手を送りたい!
遺伝子操作により、永遠の命を手に入れる代わりに、生殖能力を失った人類。
人間の住む地上の下には地下世界が広がり、かつて人間が作り出した人工生命体、マリガンが独自に進化を遂げ暮らしていた。
人間界では、全くマリガンの生態がわかっておらず、主人公はその調査のために地下世界に送られる事となる。
フィクションの世界ですが、新種のウイルスの発生とか、環境破壊による汚染だとか、現実的なところが皮肉めいていてとても良い設定&導入。
自分以外の人や生物への無関心・無知による偏見、で、行ってみたら、似ている形でも色々な個体がいて…
階層型になっているのも、人間の社会に通ずるところがあって、(地下世界並みに)予想以上に深いなぁと。
インセプションみたいに、どんどん主人公の(特に頭)が階層ごとに落ちていくのも良かったです。
マリガンの造形もかなり凝っていて、人によってはグロテスクと思うかもしれない。
ただ、監督の自然へのリスペクトや生物への愛を、ものすごく感じましたね。
実際の生物の特徴や生態が活かされていたり、残酷だけど自然な弱肉強食があったり。
人工物ではあるけれど、彼ら(マリガン)からは命が溢れ出していました。
だからこそ、最初はちょっと怖い⁉︎と思っていたマリガンが愛おしく思えてくるのかもしれません。
主人公(人間)を神と信じ崇めたり、そもそも人間を神としてしまったり、日本らしいところも……考えすぎだな、これくらいにしときます。
本当にすごい。
伝説の瞬間を目撃しているのかもしれない。そんな感じ。
三部作の一作目らしいです。
確かに続きがありそうな終わり方でした。
クラファンとかで失敗しながらも、長編で公開に漕ぎつけたそうで、次回作が観たいという思いと、製作スタッフの方々への感謝から、1500円のパンフレット買わずにいられませんでした(分厚くて、これも映画ばりに見応えがあって、充実した内容なので是非)。
深く観るもよし、浅く観るもよし。
とにかくワクワクが止まらない。
そして、観終わった後、アトラクションに乗ってきたかのような、満足感に襲われること間違いなし。
次から次へと楽しみが出てくる、おもちゃ箱みたいな映画でした。
さぁ、映画館へダンボォォォーーーーー‼︎
堀貴秀というクリエイターの狂気
一人で7年かけて作った作品に脱帽!
いやはやあまりにも地下や工場がリアリティすぎて、しかも綺麗ではなかったので、退場しようかと思ったくらいですが、流石に評価が高いので踏みとどまりました。人間の近未来への一つの警告のような気もしますが、不老不死を得た代わりに生殖機能を失った天にいる人類の一人が、仕事のために地下文明に降り立ちます。彼は地下の生き物たちに「神」と言われるが、大変な目にあいます。彼はいわばミッションである仕事のために動くのですが、助けられたり助けたりで、目的地に行くところでストーリーは途切れました。最初は早く劇場を出たかったのに、その時には、やっと画面になれたのだから続きを見たいと思ってしまいました。不思議な監督の熱意が乗り移ったかのようです。全体の感触はざらざらした感触で、感動するというものはなかったのですが、人類の未来の片鱗が見えた気がして、不可思議な余韻が残りました。この作品を監督一人が7年もかけて創作したという狂気は、エンドロールのところで理解することができました。
体が動いちまったのさ
生態調査に行った人間の話
なんじゃーこりゃー!
たった一人で7年かけてこんなにも凄い作品が作れるのか?
しかも独学、全部自前ってホントに狂気じみてる、いや狂気の沙汰ですよ。
アニメ映画「音楽」もほぼ個人製作でスゲーなーと思ってたけれど「JUNK HEAD」も負けず劣らずスゲー映画です。
見ていて思ったのはストーリーが二瓶勉の「BLAME!」に似ている事。
超巨大構造物、独自の進化を遂げた生物、地下世界の冒険。どれも「BLAME!」の影響を強く感じた。
キャラ造形はギレルモ・デルトロとティム・バートン風でしたね。あとギーガー。
グロテスクとキモかわいいキャラクター達がストップモーションアニメならではのヌルヌル動く感じ、作品の雰囲気とうまく合致してましたね。
「ナイトメアビフォアクリスマス」「コララインとボタンの魔女」などの不気味だけどお洒落って作品とは一味も二味も違う。
堀貴秀監督の独特の世界観は気持ち悪いと汚いの狭間になにか惹きつけられるものを感じました。
既存の言語を使わない事で声優も自分だけでできるし、アイディア次第で映画ってどうにでもなるのだと改めて教えてもらいました。
仕事をしながらの制作でここまで作り上げた事にただただ拍手を送りたい。
努力とか根性とかの次元とは違う、趣味を続けてたら映画になっちゃいました的な、実際苦労された所は一杯あったと思いますが楽しく作ってたんだろうなーってエンディング映像見ながら思いました。
それにしてもエンドテロップでここまで一人の名前が占めてるのを見るのは初めてかも知れない。思わず笑ってしまいました。
お勧めだから絶対見てって言えない映画だし人を選ぶ映画ですが、後世に影響を与える映画で有ることは確かだと思います。
全三部作なので第一部の終わり方としてはここで終わり!?って感じなのでちょっと消化不良かも。
狩人の三鬼神とかヒロインが可愛いし、独特のギャグも笑えるし楽しかったなー。
主人公が地下に落下して頭だけになり体を入れ替えていく姿、木から落ちた実がマリガンへと成長する姿、別々の種族だけれど根本は同じっていうメッセージもよかったですね。
創造主である人間(主人公)は神だと崇められるけれど、実際問題非力でマリガン達より弱いしポンコツ。
もしも現実世界に神様が降り立ったら本作の主人公のように非力で無知で優しい人物かも、と想像してしまった。
狂気の沙汰ほど面白いとはいいますがまさにこの作品のことですね、監督の情熱を感じつつ、魅力的で癖になる世界観、世界の命運を委ねられたポンコツの冒険と活躍をこれからも期待して待てます。
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劇中セリフより
「あいつらちゃんと天国に行けたかな」
天国が有るかはわからないけれど、死後に行きたい場所の一つとして考えておいてもいいかもですね。
神のアニメーション
まさに神様の映画に出会った感じです
この手の映画をストップモーションアニメというそうだが、「アニメーション」は元々生命のないものに生命を宿すという意味だから普通に「アニメ」と呼んでもいいし「アニメ」そのものだと思う
テーマが凄いよね…電脳化した未来で肉体を取り戻して行く…電脳化の映画は攻殻機動隊などあるし本も色々出ているが、自分は電脳化した世界など滅びると考えているクチなので、主人公が地下で発する「地下の方が生きている感じがする」というセリフがアイロニーで面白い
だいたい電脳化した世界で生殖など必要なのか?という疑問もあるが、普通に考えれば「電脳化した地上」は滅んでおり、地下の人々は地上を神が住む天国と期待して近づくとガッカリするのが定番だと思う
なぜそう思うかと言うと、人間は脳から生まれているわけではなく、むしろカラダの機能をコントロールするために脳は後から発生したものと考えているから。多分作者も同じ考えだろう
あと、この映画を見てデビットリンチの「イレイザーヘッド」を思い出した。あの不気味な世界と通じるものがあると思うし、タイトルから考えても作者は意識しているのではないか?
ストップモーションアニメ?というのは妙なリアリティが存在するが、この映画もしばらく夢に出て来そうな気がする
3部作の2作目が待ち遠しいです
妥協なき作り込みと悪趣味さが抜群!
どうしても最初は、ストップモーション・アニメーションということを意識して観てしまいます。
でも、始まって5分も経つと(大袈裟じゃなく)異様な世界観とキャラクターにグイグイ引き込まれて、エンディングの制作裏の映像が流れるまで、アニメーションであることすら忘れて見入っていました。
監督の妥協なき作り込みと悪趣味さが抜群にミックスされて、どこの世界の何が入ってるか分かんないけど、スゲー美味い一皿に出会ったような衝撃です。
やたらと主人公が酷い目に合うのですが、ダークな世界の中で見事なセンスでユーモア表現に昇華させていて、感情移入させすぎない目線に観客を置くバランス感覚が素晴らしい!
ずっと前に観た「9」という(CGだと思うのですが)アニメーション作品にも似ていますが、「まだまだこんなもんじゃないよ!」と言わんばかりのエネルギーが作品に充満しています。
続編があれば必ず観に行きたい!と思える傑作でした。
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